ishigama と kikito と 地域づくり

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▪︎昨晩は、今年の1月4日にオープンした「ishigama」さんを訪問しました。ピザやアヒージョ等、石窯を使った料理を売りにしているお店です。しかも、お店で使う材料、たとえばピザの上にのる具材は、県内の農産物や加工品であったりします。農産物も、できるだけ直接生産者から購入されいるようです。指市場にのらない農産物を有効利用しつつ、「食」や「農」を支える地域づくりのネットワークが生まれていったらいいなあと思います。写真の石窯のなかでは薪が燃えていますが、この薪は、東近江市の「kikito」の関係者から仕入れたものです。「kikito」とは、森林とともに豊かに暮らしていける未来をめざし、人の営みと森林が結びつくカタチをていねいに育てるプロジェクトを展開されている一般社団法人です。「kikito」には、森林の所有者、植林や育林をされる方達、伐採された樹を製材加工する方達、製材された木材を利用する建築家、その他木材を様々な商品に加工される企業…等々、様々な方達が参加されています。たまたま、私が東近江の「kikito」の方達と知り合いになり、その一方で燃料の薪の確保に苦労されていた大津の「ishigama」さんとも知り合いになり…ということで、両者を結ばせていただいたのです。

▪︎写真をご覧ください。石窯のなかでは、滋賀で生産された野菜をのせたピザが焼かれています。入り口の方には、器にもられた料理が見えますね。これから、石窯のなかに入ります。中身は、スナズリとキノコのアヒージョ。アヒージョとは、オリーブオイルとニンニクで煮込む料理のことです。これは一例ですが、「ishigama」さんでは、石窯の能力をふるに活用した料理が提供されます。現在、さらにメニューを増やすべく、いろいろ開発努力もされています。たとえば、リンゴ。石窯のなかに入れると、焼きリンゴになります。私は、丸のまま1個のリンゴを入れていただきました。当然、リンゴは真っ黒になりますが、なかはホカホカ、焼かれるとリンゴの甘さがさらに引き立ちます。私はいただいていませんが、玉ねぎひとつ、石窯のなかに入れる。真っ黒に焼きます。真っ黒のこげた外側は食べずになかの蒸し焼きにされた部分をいただきます。玉ねぎって、こんなに甘かったのかと思うほどの美味しさになります。

▪︎昨日は、私の方からのお願いもあり「ishigama」さんに伺いました。滋賀県内のある農村のイベントを手伝ってほしいというお願いをしに伺ったのです。そのイベントの企画会議の場で、かつて当たり前のように食べていた湖魚を、若い世代の人たちにも食べてもらうことが提案されました。そのためには伝統的な湖魚料理だけでなく、様々な現代風の料理のやり方も取り込んで、敬遠されがちな湖魚を、若い世代にも食べてもらうことが必要になるという意見も出ました。そのようなこともあり、「ishigama」さんにもご協力いただき、イベントを盛り上げていただこうということになったのです(もちろん、「ishigama」さんだけでなく、他の調理人の方のご協力もいただきます)。

▪︎自分だけではできないことも、こうやっていろんな方達が横につながって支え合うことで(相補的な関係を構築していくことで)、相乗効果も生まれます。そうやって相互に協力しあうことで、地域社会のなかに信頼と協働、そして「お互いに助け合わねばという意識」(自分だけ得をしようとしない…)の醸成により、持続する社会関係、あえて言い換えれば社会関係資本を蓄積していくことにもつながるのです。「お互いにお願いをしたり、お願いをされたりする関係」が、網の目のように地域社会に広がったらいいなと思います。昨日は、地元の商店街の皆さんも多数お店に来られていました。商店街活性化のために立ち上がった皆さんの集まりのようでした。その商店街の皆さんにも「ishigama」さんのオープンは大変歓迎されています。「ishigama」さんのように、新規参入の若い方たちが、さらに街中で商売できるようになったらいいなとも思いました。

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