春季特別展「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 -ガンダーラから日本へ-」

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▪️現在、龍谷ミュージアムは、春季特別展「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 -ガンダーラから日本へ-」を準備されている最中のようです。春季特別展までは、もう1ヶ月待たなければなりません。オープンは4月20日です。大変楽しみにしています。このような特別展です。

アフガニスタンのバーミヤン遺跡は、ヒンドゥークシュ山脈のただ中にあって、ユーラシア各地の文化が行き交った、文明の十字路とも呼ばれる地域です。渓谷の崖面には、多くの石窟と2体の大仏が彫られ、その周囲には、「太陽神」や「弥勒」のすがたが、壁画で表現されていました。

残念ながら、それらは 2001年3月にイスラム原理主義組織・タリバンによって爆破されてしまいましたが、かつて日本の調査隊が撮影した写真や調査資料を詳細に検討することで、壁画の新たな描き起こし図が完成しました。名古屋大学・龍谷大学名誉教授の宮治昭先生による監修のもと、京都市立芸術大学の正垣雅子先生が描いた、貴重な学術研究成果です。

本展では、この新たな描き起こし図の完成を記念してその原図を展示し、壁画に表された太陽神と弥勒の世界に迫っていきます。さらに、中央アジアで発展した弥勒信仰が、東アジアへと伝わって多様な展開を遂げる様子をご覧いただきます。

▪️龍谷大学の学生と教職員の皆さん。ミュージアムに隣接する大宮キャンパスの皆さんだけでなく、瀬田キャンパス、深草キャンパスの皆さんも、ぜひ観覧いたしましょう。

特別展「法然と極楽浄土」

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▪️この特別展「法然と極楽浄土」、東京、京都、九州の国立博物館を順番に巡回していくようです。京都国立博物館は、10/8~12/1。公式サイトには、以下の見所が掲載されていました。

・鎌倉仏教の一大宗派である浄土宗の美術と歴史を、鎌倉時代から江戸時代まで通覧する史上初の展覧会です。

・開宗850年の大きな節目を契機に、浄土宗各派の協力を得て至宝が集まる決定的な展覧会です。

・重要文化財「選択本願念仏集(廬山寺本)」「七箇条制誡」など宗祖・法然にちなむ貴重な資料をはじめとする、国宝・重要文化財を多数含む文化財が一堂に集結します。

・国宝「綴織當麻曼陀羅」「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」をはじめとする浄土教美術の名品や、「仏涅槃像」などスケールの大きな優品など、浄土宗ゆかりの多彩な文化財をご覧いただけます。

・戦争、天災、疫病などと向き合い、人々の救済を目指した法然やその継承者たちの姿は、現代の転換期を生きる私たちに生きるヒントを与えてくれることでしょう。

入澤崇学長の最終講義

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▪️昨日は、午前中は毎月1回のクリニック。HbA1cは5.6、血糖値はやや高めの104でしたが、正常の範囲に収まっているのでひと安心です。午後は、龍大大宮キャンパスに移動。入澤崇学長の最終講義が、大宮キャンパスの講堂で行われました。タイトルは、「仏教の流伝」。

▪️大学教員としてのお仕事は今年度までですが、来年度もう1年学長をお勤めになります。入澤先生とは仕事以外で深いお付き合いをさせていただいたわけではありませんが、こんな思い出があります。研究科で協定を締結した中国の大学から、教員の皆さんがお越しになり、西本願寺の見学とともに、国の重要文化財になっている大宮キャンパスも見学させていただきました。その時、入澤先生は自らガイドとなって案内をしてくださったのです。その時は、学部長をされていたかな。「ああ、なんて親切な方なんだ〜」と思った記憶があります。

▪️それからもうひとつ。私の大学院時代(関西学院大学大学院社会学研究科)の指導教授である領家穰先生と入澤先生のお父様が戦友仲間なんです。領家先生は、私が龍谷大学に勤務することになったということをお知りになった時、「龍大やったら、たかしちゃんがおるやろ」と言われました。「は?たかしちゃん…ですか?」という感じでしたが、それが入澤先生のことだったんです。ご家族同士の交流があったようで、幼い頃から入澤先生のことを領家先生はよくご存知だったのですね。

▪️入澤先生の最終講義の後は、龍谷ミュージアムの「シリーズ展・仏教の思想と文化—インドから日本へ—『ほとけにしたがう仲間たち 眷属』を観覧してきました。入澤先生の最終講義「仏教の流伝」とも重なる内容でした。仏教が伝わった地域の文化と融合して、少しずつアジアに拡大していったこと。勉強になりました。龍大関係者は無料です。龍大関係者ではない方達も含めて、ぜひ龍谷ミュージアムにお越しください
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念誓寺(和歌山県和歌山市)

▪️新聞で和歌山県和歌山市にある念誓寺が紹介されていました。浄土真宗本願寺派のお寺です。前住職は龍谷大学文学部で教員をされていた岡亮二先生。『親鸞の信と念仏』(永田文昌堂, 1977)、『親鸞の念仏思想』(永田文昌堂, 1987)、『教行信証口述50講 : 親鸞のこころをたずねて』(教育新潮社, 1993)、『なぜいま念仏か : 岡亮二教授還暦記念講話集』(永田文昌堂, 1993)、『親鸞の教えと現代』(永田文昌堂, 1995)、『『教行信証』「行巻」の研究 : 第十七願の行の解明』(永田文昌堂, 1996)、『「教行信証」に問う』(永田文昌堂, 2001)、『親鸞の念仏』(法蔵館, 2005)、『真宗のいろは』(永田文昌堂, 2009)、『浄土教の十念思想』(法藏館, 2013)等の研究書を著しておられます。ただ、岡先生は、2007年に73歳でお亡くなりになっています。私が龍谷大学に勤務するようになったのが2004年ですから、その前に岡先生は定年退職されていることになります。

▪️この新聞記事は、ユニークな建築物を紹介するコラムのようですが、今回はたまたまコラムを読んでとてもこのお寺のことがとても気になりました。念誓寺は室町時代に開基した古い歴史を持つお寺ですが、お寺を建て替える際に「もっと簡素に、もっと簡素に」というのが岡先生のお考えだったようです。それはなぜか、現住職の岡京子さんは、以下のように語っておられます。

門徒が車座になって念仏を唱え、親鸞聖人の教えを聞く。元龍谷大学教授で浄土真宗の根本聖典「教行信証」に関する著書もある亮二さんは、そんな信仰の場の原風景をイメージしたのかもしれない

大学で若い人に接する機会も多かったので、若い人になじんでもらわなければと考えたのでしょう

▪️「もっと簡素に、もっと簡素に」。華美な装飾や、私が時々仏教に限らず宗教の世界の中に感じる権威主義的な構造を極力拝した、「信仰の核心」を表現するかのような建築空間、とても大切だなと共感しました。もうお亡くなりになっていますから、岡先生から直接お話を伺うことはできませんが、もし自分が最期にお世話になるのならば、このような仏教に対する考え方や思想が表現されているお寺であってほしいなと思いました。お寺は、日常的に人が集まってくる場所であるべきだと思っています。人が集まりやすい雰囲気を作っていくこと、そこにはそのお寺の思想が表現されているわけですから、とても大切なことなのだと思います。もっとも、代々大切に受け継がれてきたお寺だと「そんなことを言われても…」ということなんでしょうが。

▪️記事では建物が以下のように説明されています。「境内入り口から正面に本堂棟が立つ。高さ10㍍近い白壁に、軒瓦をストライプ状に埋め込んだ。四角く切り取られた部分は右手に本堂、左手に手洗い所があるホール。この空間を貫いて、視線は裏口まで一直線」。現代的な建物です。四角く切り取られた向こうには、タイサンボクが植えられています。暖かくなったら、和歌山市にある「和歌山市立有吉佐和子記念館」を訪問する予定にしているのですが、あわせてこちらの念誓寺も訪問させていただきたいと思います。

【追記】▪️この念誓寺の記事に関してfacebookに投稿したところ、親しくさせていただいている西正寺(尼崎)のご住職である中平了悟さんからコメントをいただきました。岡先生は、中平さんの恩師であり、学部と修士時代の指導教授だったとお知らせくださいました。岡先生は、どのような方だったのでしょうね。中平さんに伺ってみたいなと思います。

「くらべてみた 浄土の教え」

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▪️おお!! このイベントの講師のうち、井上さんは社会学部の同僚、岩田さんは念仏に関するちょっとしたワークショップで知り合いになりました。これ、ぜひ参加したいと思います。できれば、神戸まで行きたいのですが、当日は、大学の評議会があります。これ、出席することが義務付けられています。評議会が終わって神戸にいくこともできるかもしれませんが、評議会の終了時間、いつになるのかわかりません。仕方ありません、オンラインで参加します。

▪️この講座に関連していえば、大学でこういった「仏教初心者講座」をやっていただきたいんですよね。学生、教職員、全ての龍大関係者を対象にした講座です。もし実現するとすれば、宗教部にお願いすることになるのでしょうか。

龍谷ミュージアム「みちのくいとしい仏たち」

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▪️深草キャンパス新校舎の起工式に出席した後、龍谷ミュージアム秋季特別展「みちのくいとしい仏たち」を観覧いたしました。ミュージアムの中では、平日であるにもかかわらず、多くの皆さんが大変熱心に観覧されていました。この秋季特別展のタイトルにある「いとしい」(あるいは、今風に言えば「かわいい」)の向こうにある、厳しい自然の中に顕われる神や仏の存在、そしてその神や仏に対する信仰の深さ、そのことをしっかり感じ取れました。かつて岩手県に6年暮らしていた経験も少し役に立っていたかと思います。

▪️ミュージアムにはシアターがあります。そこで、今回の展覧会と関連する動画を拝見しました。山で林業の仕事をする方達、海で漁業に取り組む漁師の皆さんにとって、神や仏は自分たちを見守ってくれるすごく身近な存在として感じられていることがわかりました。生活や生業の文脈の中に神や仏がしっかり自然に根付いている、そのように感じられました。龍谷大学教職員・学生の皆さんは観覧料は無料です。一般の皆様も、ぜひご覧ください。素敵な展覧会です。

▪️ミュージアムあとは、大宮キャンパスの世界仏教文化センターのオフィスへ。仕事です。この後は自宅に戻り、オンラインで評議会に参加しました。

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深草スゝハキ町地蔵尊

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▪️今日は深草キャンパスで新校舎の起工式に出席しました。社会学部は2025年度に深草に移転しますが、社会学部がお世話になる校舎も新たに建設されます。いただいた資料に図面がありました。「こういう感じになってしまうのか…」というのが率直な感想なのですが、仕方がありませんね。その後は、龍谷ミュージアムに向かいました。その途中「深草スゝハキ町地蔵尊」へ、ちょっと寄り道しました。左端の方、お地蔵さんが増えて入りきれなくなったので、屋根を増築されたのでしょう。これだけたくさんのお地蔵様、この中には、例えば工事の際に地中からあらわれたお地蔵様もおられるのでしょうね。お地蔵様たちは、いつもきちんとお世話されています。

親鸞聖人生誕850年記念企画展(第91回企画展) 「近江堅田 本福寺」

▪️大津市歴史博物館の学芸員・高橋大樹さんのFacebookへの投稿です。公開されていましたので、このブログでもシェアさせていただこうと思います。高橋さんのご投稿からはすごく伝わってくるものがありました。お読みください。また、この投稿に中で述べられている企画展にもお越しください。

親鸞聖人生誕850年記念企画展(第91回企画展)近江堅田 本福寺」(開催期間 令和5年(2023年)10月7日(土曜)から11月19日(日曜)まで)

龍谷ミュージアム 秋季特別展「みちのく いとしい仏たち」

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▪️龍谷ミュージアムの秋季特別展「みちのく いとしい仏たち」の情報です。以下は、この特別展の公式サイトからの転載です。

江戸時代、全国の寺院では、上方や江戸で造られた金色に輝く立派な仏像が、ご本尊として安置されました。一方、小さなお堂や祠、民家の仏壇や神棚などには、その土地の大工さんやお坊さんたちの手による、素朴でユニークな仏像・神像がまつられ、人々に大切に護られてきました。この展覧会では、青森・岩手・秋田の3県に伝わった約130点の仏像・神像をご紹介します。

みちのくの厳しい風土の中、人々の暮らしにそっと寄り添ってきた、やさしく、いとしい仏たちの、魅力あふれる造形をご覧ください。

▪️こちらは、チラシです。クリックしてご覧ください

「真宗と聖徳太子」(龍谷ミュージアム)・「親鸞 生涯と名宝」(京都国立博物館)

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■昨日、住んでいる大津市は市会議員選挙でした。投票所まで歩いたのですが、せっかくだからと、投票を済ませたあとも次の駅まで歩くことにしました。距離は約4kmで、234kcalを消費しました。投票とウォーキングを済ませた後は、京都の龍谷ミュージアムと京都国立博物館へ移動しました。

■今年は、親鸞聖人御誕生850周年・立教開宗850年の記念の年ということもあり、両方の博物館ともな親鸞聖人に関係する展覧会を開催しています。JR京都駅から龍谷ミュージアムまではもちろんのことなんですが、龍谷ミュージアムから京都国立博物館までも歩きました。2つの博物館の間は約2kmです。大した距離ではありませんね。120kcal消費しました。でも、昨日は、自宅からの行き帰りも含めて全体では8kmは歩いているかなと思います。

■2004年に龍谷大学に勤務してから、浄土真宗のことを「自分なりに」の限定付ではありますが勉強をしてきました。その勉強が今日は少し役に立ちました。音声解説を元に観覧しましたが、本物の歴史史料を拝見できて大変勉強になりました。図録も2冊、きちんと購入しました。もっとも、帰宅時のリュックがとても重くなってしまいました。

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