「CIVIC TECH FORUM 2018」に参加してきました!!

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■6月2日(土)、東京の六本木にある「六本木ヒルズ森タワー」にある「Google Japan」を会場に、「CIVIC TECH FORUM 2018」が開催されされました。私は、この分野のことを何も知らないのですが、関係者の方に強く勧められて、日帰りで参加させていただくことにしました。

■おそらくですが、多くの皆さんには「CIVIC TECH」「シビックテック」という言葉は、まだ聞きなれないものなのではないでしょうか。「CIVIC TECH FORUM 2018」の公式サイトでは、「シビックテックとはテクノロジーを活用した市民・社会課題の解決を目指す取り組み」と説明されています。シビック=市民が主体となり、テック(テクノロジー)を活用して、自分たちの身の回りにある地域課題を解決していこう…そのような市民活動(ムーブメント)のようです。実際、ITエンジニア、NPO職員、行政職員、大学教員…様々な業種の方達が参加されているようでした。

■冒頭で強く勧められてと書きましたが、私がこの「CIVIC TECH FORUM 2018」に参加しようと思ったきっかけは、琵琶湖・南湖の水草の有効利用を目指す市民団体「水草は宝の山」プロジェクトに参加したことがきっかけです。現在、このプロジェクトの事務局機能を担当されているITベンチャー企業「近江ディアイ」の藤澤栄一さんから「シビックテック」のお話しを伺ったことが最初の大きな刺激になりました。もうひとつのきっかけは、また過去のエントリー「チャレンジ!オープンガバナンス2017」公開最終審査会(琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その11))」とも関係するのですが、私たちのプロジェクトチームと同様、「チャレンジ!オープンガバナンス2017」の公開審査にファイナリストとして残ったチームの多くが、行政が提供する様々なデータを活用しながら市民自ら地域の課題解決に取り組む「オープンガバナンス」の取り組みの中で、ここの「シビックテック」を活用されていることを知ったことでしょいうか。最初は、ITを一個人として利用することはあっても、自らスマホのアプリを開発して地域課題を解決しようとは思ったこともなかったので少々驚きましたが、何も専門的な技術がなくても、技術を持った専門家の支援を受けながら、あるいはネット上で提供されている様々なサービスを活用しながら、いろんな地域問題解決の取り組みができるんだ…ということが、だんだんわかってきました。

■今回の「CIVIC TECH FORUM 2018」では、スピーカー52名により10分間のライトニングトークが行われました。ライトニングトークとは、こういったフォーラムで開催される短時間プレゼンテーションのことのようです(私のような年寄りは、使い慣れない新しい言葉についていくだけでも、結構、大変です…)。 ライトニングトークは2会場で行われましたが、行ったりきたりしながら、いろいろ興味深いお話しをお聞かせいただけました。その全てをご紹介できません。すでに「CTF2018」をキーワードに「YouTube」で検索していただくと、全てのライトニングトークをご覧いただけますが、一つだけシェアしておきたいと思います。「CTF2018 シニアとスマホの素敵な関係~講座1440時間から見えたホントの問題」です。

■まだまだ「シビックテック」を語れるだけのレベルではありませんが、いろいろ勉強になりました。琵琶湖で取り組んでいる「水草は宝の山」プロジェクトの藤澤さんからは、「こういうシビックテックは、社会学や経済学を勉強している社会科学系の学生さんにこそ取り組んでもらいたい」とおっしゃていました。社会学部の学生の皆さん、もしご関心がありましたら、私の方までご連絡をください。

『滋賀の農業水利変遷史』

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■今週の火曜日、授業が終わったあと、滋賀県庁農政水産部農政課を訪問して、農政課の方達と一緒に取り組んでいる事業に関して、諸々の打ち合わせを行いました。その際、この報告書をいただきました。素晴らしいですね。 龍谷大学農学部の野田公夫先生が中心となってまとめられたものです。インターネットでもご覧いただけます

■以下は、その目次です。

1滋賀の水利変遷 概要
01社会的背景と水利の変遷
技術の向上と水利
むらの成り立ちと水利
水利の近代化と開発
環境保全と自然との共生

02特徴的な滋賀の農業水利
琵琶湖の水位変動と湖辺のかんがい
古来より開発が進んだ河川農業水利
補給水として開発が進められた地下水
Part1 安定した水利のもと古来より発達した農村のむら社会
Part2 安定した水利のもと古来より発達した農村のむら社会
Part1 伝統を誇る持続可能な稲作文化
Part2 伝統を誇る持続可能な稲作文化

2 地域毎の水利の変遷
01湖南地域
湖南の水利マップ
祇王井の伝説
Part1 野洲川流域の水利施設
Part2 野洲川流域の水利施設
杣川流域のため池
棚田地域の水利と保全

02湖東地域
湖東の水利マップ
湖辺の水郷における半農半漁の生活と田舟の伝承
Part1 古来から続く井堰と現在の新しい形態…愛知川流域
Part2 古来から続く井堰と現在の新しい形態…愛知川流域
大中の湖の干拓と開拓
日野川流域の大規模なポンプによる揚水かんがい
ほ場整備とむらの景観の一大変化…宇曽川流域
地域水利への誇り…犬上川流域

03湖北地域
湖北の水利マップ
高時川流域の水利
姉川流域の水利
西野水道の大工事
湖北の農事文化

04湖西地域
湖西の水利マップ
安曇川流域の水利施設
鴨川流域の水利事業
いまでも残る条里地割
淡海湖築造の苦労

あとがき

いよいよ「地域デビュー」

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▪️5月25日(金)は、「大津エンパワねっと」の第5回目の授業でした。今日は、瀬田東学区を担当するチームと中央地区(中央学区を中心とした中心市街地)を担当するチームとで、それぞれの活動に取り組みました。

▪️中央地区担当チームの方は、以前の投稿にも書きましたが、地域の皆さんが学生たちと一緒に取り組みたいテーマを事前に調整されていたこともあり、高齢者の問題と子どもの問題に、地域の皆さんと一緒に取り組んでいくことになります。この日の晩は、子どもの問題に取り組むチーム(「しんごうブラザーズ」)が、中央学区で開催される「団体連絡協議会」の会議(総会と役員会)に参加し、議論を傍聴させていただきました。いよいよ地域で活動を始めることになります。「大津エンパワねっと」では、伝統的にこのことを「地域デビュー」といってきました。ということで、この日の授業で取り組んだのは、「大津エンパワねっと」の報告書に掲載されている先輩たちの活動の中身を読み込むことです。担当教員である私の方からは、先輩たちが課題を発見して具体的な活動に取り組むまでのプロセスについて解説しました。いずれも、私が指導した学生チームです。地域活動に取り組むための「コツ」のようなものですね。11期生の「大津エンパワねっと」の今後の取り組みにご期待ください!! 写真は、中央地区担当チームです。屋外のベンチとテーブルを使って野外授業です。気持ちの良い季節になりました。

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▪️さて、「しんごうブラザーズ」の男子学生3人が、地元の皆さんの会議(「団体連絡協議会」の総会と役員会)に出席したときのことも。地域の皆さんのシビアな議論を傍聴しつつ、人口減少社会の中での地域自治の難しさを、改めリアルに理解しました。また、学生たちも少し自己紹介程度の発言の機会があったのですが、なかなかしっかりしていて、担当教員としては安心することができました。無事に「地域デビュー」することができました。ということで、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」でちょっとした慰労会。二十歳の学生は生ビール、未成年の学生はアルコール抜きの酎ハイ。学生たちは、お店のご常連にもご馳走になり、なんと無事に「利やんデビュー」も果たすことができました。ご常連のTさん、ありがとうございました。

▪️28日(月)には、「しんごうブラザーズ」のうちの1人の学生が、中央学区の「学区社会福祉協議会」の会議を傍聴させていただく予定です。

寺院の掲示板

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■仏教寺院の入り口のあたりには、よく掲示板が設置されています。ときどき、その掲示板に掲示されている「言葉」をじっくり拝見しています。それぞれのお寺のご住職のお考えがよく伝わってきますし、言葉に対するセンスのようなものがキラリと光っているように思うからです。

■昨日は、龍谷大学社会学部の地域連携型教育プログラムである「大津エンバワねっと」の関連で、「大津エンパワねっとを進める会・中央」が、大津市の中央市民センターで開催されました。その帰り、浄土宗の乗念寺の前を通りかかったのですが、いつものように掲示板が気になりました。写真を撮らせていただきました。「素敵だ!!」と思いました。なんというんでしょうね。ちょっと、イケてますよね。字も個性的で素敵です。ご住職は、このトイレ清掃員のダリルさんの言葉をどこでお知りになったのでしょうね〜。

■ところで、こちらの浄念寺さん、開基は1588年(天正16年)。江戸時代以前からの歴史をもつお寺であることがわかります。知り合いの方からの情報だと、江戸時代、大津の街の中では浄土宗の本山的な存在だったそうです。ちなみに、こちらのお寺の木造聖観音立像は、重要文化財なのだそうです。

■こういうものをネットで発見しました。みなさん、気になっておられるのですね。
『こころにひびくお寺の掲示板のことば』

「2018きき酒会」(びわ湖大津プリンスホテル)

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▪️先日の日曜日、滋賀の老人ホームに入所している老母の見舞いに行った後、「びわ湖大津プリンスホテル」に行くことにしました。酒の卸会社である(株)エスサーフ主催の「2018きき酒会」が開かれていたからです。この「きき酒会」は毎年開催されているようですが、私は今回が初めて参加でした。滋賀県の蔵が19、滋賀以外の近畿の蔵が17、北信越・中部・中国・四国・九州の蔵が13、あわせて49の日本酒の蔵が揃いました。それぞれの蔵にブースがあり、そこで様々な種類の酒を試飲をさせてくださるのです。素晴らしいですね。ということで、滋賀の酒から始めることにしました。まずは、「北船路米づくり研究会」でお世話になっている平井商店さんへ。平井商店さんからスタートして、気になる蔵元の酒を順番に試していきました。もちろん、すべての酒を利き酒することなどできません。小さなガラスのお猪口で「利き酒」をするのですが、数が進むと酔いが少しずつまわって調子が出てきました。

▪️調子が出てきたので、日本酒以外にも手を出してしまいました。9つのワイナリー、焼酎や泡盛はなんと37もの蔵がブースを出しておられました。日本酒でほろ酔い状態になっていましたので、少しだけを選んで味わってみました。しかし、たまたま知り合いのアサヒビールの社員の方にも出会い、半ば無理やりアサヒビールのブースにも連れて行かれました。そして、アサヒビールが国内で販売されているジンやウイスキーにも手を出してしまいました。こうなると「利き酒」のレベルを超えてしまいますね。

▪️会場では、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」のご常連の皆さん、社会学部の地域連携教育プログラム「大津エンバワねっと」でお世話になっている中央学区の皆さん、「しがNPOセンター」の職員さん、「大津ジャズフェスティバル」の実行委員だった方、いろんな方達にお会いすることができました。そうそう、龍谷大学農学部食品栄養学科で教員されているF先生にもお会いしました。日本酒の話しはもちろん、そこから滋賀の農産物、農業振興や地域連携がらみの話しもすることができました。酒は人をつなぎますね〜。

信楽焼

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20180516shigaraki3.jpg▪️連休中のことですが、老人ホームに入所している母の見舞いに行くついでに、狸の焼き物で有名な滋賀県甲賀市の信楽に行ってきました。ここで開催されている陶器市で食器を物色するためです。

▪️安いものですが、普段に楽しみながら使えるものを購入しました。両方とも植物が描かれています。手びねり…というのでしょうか、轆轤(ろくろ)を使っていないので形が面白いですね。1枚目、写真を撮ってから気がつきましたが、これは葡萄でしょうか。だったら、上下反対ですね。2枚目は、2つとも同じデザインです。ザクロが描かれています。同じ図案ですが、よく見ると、筆で描いているからでしょうか、少しずつ違っています。そこが嬉しかったりします。あまり深く考えずに、「ひと目会ったその日から、恋の花咲くこともある」ではないですが、直感で素敵だなと思ったものを購入しました。焼き物の価値についてはまったくわかりませんが、それよりも愛着を持って使えるかどうかかなと思っています。さて、どんな料理を作って盛り付けましょうかね。ちなみに信楽の狸は買っていません。値段が高く、なかなか手が出ません。

更新が滞っているうちに、春になりました。

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■最近、ホームページに併設したこのブログ、ほとんど更新できていません。いろんな方達から、読ませてもらっていますよと声をかけていただくこともあり、時々チェックしていただいている皆さんには、本当に申し訳ないと思っています。また、日々の出来事や備忘録の類ではありますが、いろんな話題でエントリーしていければと思います。よろしくお願いいたします。

■最近、知人のIT企業の社長さんから、こういう主張する方がおられるとお聞かせいただきました。facebookは自分のブランディングに活用したり人間性を伝えるツールとして使い、ブログでは専門性、つまり自分が専門とする知識や見解を情報発信するツールとして使うべき…というものです。そういう考え方があると知って、「そうなんだ〜、自分はそういうのはと全く縁遠いな〜…」と思うしかありません。まあ、仕方ありません。日々の出来事や備忘録の類ばかりのブログですが、お読みいただいている方がおられるということで、これからもこのスタイルでブログを更新していきます。

■最近、どうしているのか…。来年度に向けて、いろいろ予定が入り、手帳が黒くなってきています。先月は老人ホームに入所している老母の入院があり、その後も諸々の用事で少し疲れてしまっています。気分一新というわけではありませんが、先日、朝に時間があったので守山市の第1なぎさ公園に行ってきました。菜の花が満開なんです。例年、見頃は2月なんですが、どういうわけか今年は3月の今頃で満開になっています。冬が寒かったからかな。

■公園に着くと菜の花の香りが漂ってきました。花粉で大変な時期ですが、菜の花の香りを楽しみました(好き嫌いはあるでしょうが…ちょっと臭いという人もいるでしょうね)。菜の花畑の向こうには、少しだけ頂きに雪を残した比良山系が見えます。ここに来る方たちは、この風景を楽しみにされています。例年だと、雪で白くなった比良山系と黄色い菜の花の組み合わせを、皆さんは楽しまれるのだと思いますが、今年は雪はわずかになってしまいました。琵琶湖の南湖の周囲に暮らしている方たちからすれば、季節の風物詩のような風景なのかもしれません。足元に目をやると、土手にツクシが生えていました。
暖かい長閑な季節になりました。とはいえ、のんびりしていることはできません。新年度が迫ってきました。

2004年の2月21日の送別会

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■自宅のリビングを整理していたら、懐かしい画像を焼いたCDが出てきました。2004年2月21日という日付になっています。岩手県盛岡市の街中の居酒屋で開催された、私の送別会の画像でした。私は、2004年4月から龍谷大学に異動することになっていたので、達人、所属していた岩手県立大学総合政策学部・地域政策講座の学生や卒業生が企画してくれたのでした。写真を見ると、地域政策講座の同僚だった教員の皆さんも2人写っています。

■この送別会、確かサプライズの企画だったように記憶しています。送別会の前に別の用事があり、私はその用事を済ませて、盛岡市内の中心市街地にある大きな駐車場に自分の車を止めて、その送別会の会場に向かおうとしていたのでした。すると、駐車場で、どういうわけか地域政策講座の卒業生と出会って驚いたりしたのですが、実は私の送別会のために集まって来ていたのです。もちろん、偶然にあったように卒業生たちは振舞っていました。しかし、サプライズということは、別の理由で盛岡の街中に出かけていたはずです。何か別の理由で私を呼んでいたはずなんですが…。その辺り、思い出せません。サプライズの企画をしてくれた卒業生が、現在は福岡県に住んでいるので問い合わせています(笑)。なんだか、申し訳ない。

■わざわざ、就職した愛知県から駆けつけてくれた卒業生もいました。おそらく、みんなは、私が感動して号泣することを楽しみにしていたと思うのですが、どういうわけか、この時は珍しく私は泣来ませんでした。サプライズでびっくりしすぎたのかもしれない。写っている学生や卒業生の皆さん、元気にされているでしょうか。ちなみに、14年前の画像なので、自分の画像を見て当然若いと思うわけですが(当時は45歳)、同時に、顔がぽちゃっとして締まりがないな…とも思います。また、岩手時代の皆さんにお会いしたいものです。

天然「鹿カツカレー」

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■今週の月曜日、滋賀県長浜市早崎町で取り組まれている「魚のゆりかご水田」プロジェクトに関してお話しを伺いました。その日の昼食は、お話しくださった皆さんのお1人、松井賢一さんにお誘いいただき、全国でチェーン展開している「CoCo壱番屋 長浜8号バイパス店」でカレーをいただくことになりました。「CoCo壱番屋 長浜8号バイパス店」は全国チェーン店ですが、滋賀県では、「CoCo壱番屋」のフランチャイズを展開する株式会社アドバンスが経営されています。さて、なぜ松井賢一さんがお誘いくださったかというと、株式会社アドバンスさんと松井賢一さんとが共同開発した「天然「鹿カツカレー」」を、この季節限定でいただくことができるからです。こちらのカツになっている鹿肉は、余呉と長浜で獣害対策として駆除された鹿の肉が使用されています。ジビエカレーとして、非常に美味しくいただきました。鹿の「命」をいただきました…という気持ちになりますね。

■松井賢一さんは、鹿肉の「プロ」です。すでに『うまいぞ!シカ肉―捕獲、解体、調理、販売まで 』や、『いけるね!シカ肉 おいしいレシピ60』を出版されています。知人で、宮崎県の山村にお住いの女性も松井さんの鹿の本の愛読者でした。そのことfacebookの私の投稿へのコメントで知ることになりました。こんなコメントです。「宮崎の山の中で農業をやっているのですが鹿や猪の食害に悩まされ夫が狩猟の免許をとり鹿や猪を捕獲しています。鹿肉料理のレパートリーが少なくて。松井さんの本は重宝しています。ありがとうございます。鹿肉ハンバーガーを作ったら子ども達に好評でした。マクドナルドよりずっと美味しいって」。全国に松井さんの著書の愛読者がおられるようですね。

「魚のゆりかご水田」プロジェクトに関する調査

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20180131hayasaki2.jpg■月曜日、東京にある日本獣医生命科学大学の桑原考史さんと一緒に、滋賀県長浜市の早崎町に伺いました。そして、早崎町で取り組まれている「魚のゆりかご水田」プロジェクトに関して、faceookのお「友達」でもある早崎町在住の松井賢一さんと早崎町農地水事務局長の中村さんからお話しをお聞かせいただきました。また、湖北農業農村振興事務所でも担当県職員の皆さんに行政からの支援に関してお話しをお聞かせいただきました。ありがとうございました。非常に勉強になりました。

■ところで、「魚のゆりかご水田」プロジェクトとは何かというご質問があるかもしれません。このプロジェクトの詳細については、滋賀県庁の解説をお読みいただければと思います。

■写真は、早崎の「魚のゆりかご水田」で設置される一筆魚道です。もちろん、現在、水田は雪に覆われていますので、一筆魚道を設置している写真は夏場に取られたものです。松井さんからいただきました。後者の方は、中村さんの作業場で松井さんに撮っていただいたものです。さて、この一筆魚道何ですが、1つ(1筆)の水田だけに魚が遡上できるようにしたものです。滋賀県内で取り組まれている「魚のゆりかご水田」プロジェクトでは、集落によっては、魚道も兼ねた堰を設けて水路ごと水位を高くし、魚を遡上させておられるところもあります。一方、こちら早崎町の一筆魚道はこんなに簡単な装置です。圃場整備を終えた水田の排水管にも直接つなぐことができます。また、その時々の水路の水位に応じて傾斜した魚道を上げ下げできます。傾斜した魚道部分に穴が複数空いていて、そこに棒を通して高さを調整できるのです。早崎町農地水事務局長の中村さんが製作されたものです。ひとつを製作するのに時間はかかりますが、安価にできます。これは、いわゆる一筆魚道と言われるものですが、転作の関係で「ゆりかご水田」を実施する水田が年とともに変わったとしても、簡単にこの魚道を移動させることができます。この土地ならではの、技術的な工夫です。少し大掛かりになる堰あげ魚道のばあいは、たくさんの方達が力を合わさなければ設置できません。ただし、共同作業をすることで、人のつながりが強化されるという側面もあります。一概に簡単に設置できるから良い…といった単純なものでもありません。早崎の場合は、転作等の事情が背景には存在しているのです。

■お話しを伺うなかでは、国の補助金を含めた環境保全型農業の支援制度、県の支援制度、集落を運営する上での事情、集落固有の環境特性、集落の歴史や文化…様々な事柄が、目の前でつながりながら複雑に動いていることを実感しました。そして、集落をどう守って行くのかを考え努力する「村づくり」の文脈の上で、行政からの支援をうまく「消化」することができるかどうか、集落をまとめていくリーダーをどういう仕組みで、なおかつ持続可能な形で生み出していくのか…その辺りも重要な鍵になっているように思いました。

■「魚のゆりかご水田」プロジェクトで生産されたお米は、農家の側からすれば「魚のゆりかご水田米」の認証を受けてプレミアム米として販売されていくことが望ましいわけですが、JA等では一定以上の生産量がないとプレミアム米として扱うことが難しいようです。少ない量だと通常の米と同じように扱われてしまいます。高く売ろうと思うと、農家の皆さんが個別の販路を通して販売するしかありません。まとまった量がいるということになると、地域社会の中で複数の集落がこの「魚のゆりかご水田」プロジェクトに取り組む必要が出てきます。地域内の集落連携が必要になります。なかなか難しい問題ですね。滋賀県内で、もっと「魚のゆりかご水田」米を食べていただき、食べることで琵琶湖を守ることにつなげていければ良いのですが…。

■東京方面でプレミア米を扱う、ある小売店では、「魚のゆりかご水田米」に人気が出てきたそうです。「魚のゆりかご水田米」を買い求める消費者の方は、本当にこの米が取れた水田で魚が成長したのかどうか、それをすごく気にされるのだそうです。生物多様性に配慮した農業は、魚に注目したもの以外にもあるわけですが、魚のばあいは、実際に米を生産している水田で孵化し外来魚に食べられにくくなる大きさまで成長することができます。そこが、他の生物と違うところです。意外に、これは重要なポイントかなと思っていますが、そのことはともかく、自分や家族の安心・安全だけでなく生物多様性にも関心を持つ消費者が価格が高くでも買い求めるようになっているのかも…しれません。しかし、そのような消費者が滋賀県内でもっと増えて行く必要がありますね。そのための、滋賀県内の流通の仕組みをもっと整備していく必要もあります。

■この東京のお話しをお聞かせいただいたとき、赤ちゃんの誕生祝いのお返しに「魚のゆりかご水田米」を送る方がおられるという話しも伺いました。「ゆりかご」と入っているから、赤ちゃんと結びつくのでしょう。面白いですね。プロデュースの仕方も重要ですね。こうなると、「魚のゆりかご水田」プロジェクトの上流(比喩的な言い方ですが)にある国や県の支援制度から、下流にある消費者に届くまでの流通の仕組みや、プロデュースの仕方に至るまで、全てを視野に入れたある意味で「総合政策」が必要になります。

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■月曜日は、長浜市早崎町での調査を午前中に終え、午後からは滋賀県庁農政水産部農村振興課に向かいました。担当職員と「魚のゆりかご水田」プロジェクトを発案された生みの親の職員の方からお話しを伺いました。写真は滋賀県庁に向かう途中に撮ったものです。長浜市早崎町の水田は一面雪に覆われて真っ白だったので、そのあとは、東近江市栗見出在家と野洲市須原の「魚のゆりかご水田」を訪ねてみました。栗見出在家はやはり雪に覆われていましたが、さらに南にある須原までくるとだいぶ雪も融けていました。

■こちら、野洲須原の場合は、先ほど説明した堰あげ魚道を採用されています。「須原魚のゆりかご水田 せせらぎの郷」と書かれた看板の後ろにある水田の排水路をご覧ください。水田と排水路の間にある法面の一部がコンクリートで固められています。そこにスリットが入っています。ここに堰板を入れて水路の水位を高くするのです。この写真だとわかりにくいですね。詳しくは、上にリンクを貼り付けた滋賀県庁の「魚のゆりかご水田」のページをご覧ください。

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