夏原グラントと全日本アンサンブルコンテスト

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■土曜日は、朝から、平和堂財団「夏原グラント」の一般助成1年目の審査会でした。20団体のプレゼンテーションを拝見させていただきました。いつも同じことを言っていると思いますが、とても勉強になりました。実際に、改めて調査に伺いたい(社会学的に興味深い…ってことですかね)と思う団体もいくつかありました。写真は、会場のピアザ淡海のまえから撮ったものです。今日は、朝は雨が降っていましたが、少し天気が回復してきました。

20230320ensemble_contest1.jpg■審査会終了した16時半でした。そのあとですが、静岡県の浜松に移動しました。翌日の日曜日に、吹奏楽アンサンブルコンテストの全国大会が浜松で開催され、吹奏楽部の1年生4人によるクラリネット四重奏のチームが出場するからです。全員1年生です。1年生ですが、京都府大会、関西大会を突破し、全国大会に出場しました。すごいことだと思います。チームの皆さんは、すでに昼過ぎからコーチ、サポートの部員の皆さんとともに浜松に入り、最後の練習に取り組まれました。土曜日は、浜松出身の部員が卒業した高校の教室をお借りして、そして翌日の日曜日は、午前中、同じくその部員が卒業された中学校の教室をお借りして最後の練習にとりくみました(右の写真ですが、宿泊したホテルの窓から撮りました。遠州鉄道、カワイピアノ、静岡新聞・静岡放送。「ああ、浜松だ…」という感じですね)。

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20230320ensemble_contest3.jpg■「全日本アンサンブルコンテスト」の会場は「アクトシティ浜松」でした。大学の部は、午前の高校の部が終了したあと、昼過ぎから始まりました。龍谷大学吹奏楽部のクラリネット四重奏の出番は4番目です。演奏したのは、「Six Pieces d’audition pour Quatre Clarinettes en Si♭ オーディションのための6つの小品」(作曲:ジャン・ミシェル・デゥファイエ)です。素人が感想を述べるとすぐにボロが出るので言いませんが、立派な演奏でした。チームの皆さんが大切にしてきた世界観がきちんと表現されていたと思います。何より、4人のクラリネットの音色が見事に溶け合っていました。結果ですが、ゴールド金賞を受賞しました。立派です。私は日曜日の午前中から練習を拝見していますが、全然緊張している様子もなく、コンテストの本番でも自分たちの音楽を楽しみながら演奏できたようです。素晴らしいと思います。大学の部は、全国の地区大会を勝ち抜いてきた11団体が演奏を行いました。そのうちの3団体が金賞を受賞しました。審査の詳しい中身を拝見すると、金賞を受賞した中でも一番高い評価をいただいたようです。実質的に、大学の部で日本一ということになります。部訓である「音楽・感謝」を大切にしながら、今回の経験でさらに成長してほしいと思います。後で、チームのリーダーからメッセージをいただきましたが、多くの皆さんに支えられての金賞であることを感謝されていました。いいですね〜。

■土曜日は、練習を拝見できませんでしたが、チームの皆さん、コーチ、付き添いの部員の方達と一緒に、鰻をいただきました。チームの皆さんのご希望でした。鰻を食べても食べなくても立派な演奏をされたとは思いますが、せっかく浜松にきたのでいただきました。私は、鰻重を奮発しました。ちょっと気張りました。そして翌日。コンテストが終わったあと、副部長のお1人と一緒に、今度は、ひつまぶしをいただきました。2日連続で鰻です。少し、心が痛みました。
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【関連記事】「【吹奏楽部】第46回全日本アンサンブルコンテストで金賞を受賞 日本一に輝く」

卒業式(2)

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■一昨日、2月17日(金)、ひとつ前の投稿にも書きましたが、2022年度の卒業式が行われました。その投稿にも書きましたが、私のゼミから卒業した方たちは、2006年の春に1期生が卒業してから現在までの合計で、230人になりました。この230人という人数、長年大学に勤務されている方であれば、たいした人数ではないのかもしれません。また、小中高に勤務されている教員の方であれば、卒業生の人数は軽く超えるのではないか思います。

■このブログというか、ホームページでは、指導してきた学生の皆さんの氏名と卒業論文の題目のリストを公表しています。タイトルを見て、社会学に関心のある方であれば、私のゼミの特徴がご理解できるかと思います。私は、龍谷大学社会学の学部のモットーである「現場主義」を、自分なりにではありますが生真面目に捉えて、その「現場主義」をゼミの学生の皆さんにも徹底するようにしています。そして、どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらいたいとお願いをしています。ゼミ生を募集する時から、そのことを伝えています。なぜかといえば、その理由は簡単です。社会学部のりカリキュラムでは、社会調査に関連する授業を大切にしてきたからです。さまざまな社会調査関連の授業に加えて社会調査実習という授業もあります。教員の指導の元、実際に調査を経験して報告書を執筆する授業です。ここからは私の個人的な考えですが、そのようなカリキュラムで社会調査を勉強してきたのであれば、自分の大学時代の研究のキャップストーンとして、自分一人で社会調査を実施して卒業論文を執筆してほしい、そのようにずっと思っているのです。もっとも、このようなゼミの教育方針は、学部や学科で共有されているわけではありません。実際の卒業論文は、文献にもとづくものが圧倒的に多いように思います。ですから、個人的な考え…なのです。

■フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらいたい…このような教育方針を貫いている背景については、「現場主義」に加えて、もうひとつの理由があります。大学の外に出て、これまで出会ったことのない、「知らない方達」に自らお願いをして、お会いして、お話を伺う…(インタビューのことですが)、そのようなことがゼミ生の成長にとって大変大切なことだと思っているからです。もちろん、「知らない方達」にお会いすることは、勇気がいることかもしれません。人によっては少しストレスになるかもしれまん。ただ、230人をそのような教育方針で指導してきて確信を持っていますが、フィールドワークを行い、これまで書いたことのないような長い文章を社会学の論文として執筆することで、ゼミ生の皆さんは成長され、多くの皆さんが、そこのとを自分でも確信されているように思うのです。繰り返しになりますが、このようなことはあくまで個人的な考えでしかありません。私のゼミ運営の裁量のなかでやっていることです。

■2023年度は、ゼミ生を募集していません。来年度は4回生だけになります。というのも、2024年度は「特別研究員」に就任する予定だからです。次にゼミ生を募集するのは2024年度の秋になります。決定したら2025年度に3回生として私のゼミに所属することになります。また、2025年度はゼミ生(2026年度に3回生)の募集をしません。2026年度(2027年3月)で定年退職するからです。ということからすると、2025年度の3回生が、脇田ゼミ18期生で最後のゼミ生になる予定です。ここまで維持してきた教育方針を最後まで貫くことがなんとかできそうです。

■写真ですが、一昨日卒業されたゼミ生の皆さんとの集合写真です。龍谷大学に在籍していた4年間でさまざまな経験をされたことと思います。凡庸な言い方でしかありませんが、そのような経験が、社会人になってからもなんらかの形で役立ってほしい、そのように願っています。そのような経験の中に、私のゼミでのフィールドワークの経験が、もし大切な位置を占めているのであれば、大学教員としては大変幸せなことだと思っています。ゼミ生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

卒業式(1)

■勤務している龍谷大学で卒業式(学位記、卒業証書・学位記、修了証書授与式)がおかなわれました。昨日は、深草キャンバスの7つの学部と留学生別科の卒業式が京都の「みやこめっせ」で、本日は瀬田キャンパスの3つの学部の卒業式が行われました。社会学部からは、534人の皆さんが卒業されていきました。計算してみると、私のゼミからは、2006年の春に1期生が卒業してから現在まで230人の方達が卒業されていきました。1期生は今年で40歳になるはずです。ところで、式は2日間で5回行われました。それぞれで、龍谷大学吹奏楽部が演奏を行いました。部員の皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。リンク先は大学広報のtweetです。ゼミ生が2人写っていますね。今、気がつきました。

日本の大学の未来

■ネットで「日経ビジネス」の「私立大学の志願者数は4年連続減少へ 増えている大学は?」という記事を読みました。「私大全体の志願者数は4年連続減少」ということは、私立大学に勤務する者としては気になります。記事の中で専門家は「少子化の影響に加えて、年内入試が増えている」ためと分析しています。年内入試とは、総合型選抜と学校推薦型選抜など、一般選抜以外の選抜方法のことです。あと、「大学入学共通テスト利用入試の志願者数は増加」ということも書かれていました。記事の最後では、「国立・私立ともに、総合型選抜などの年内入試を選ぶ受験生は増加傾向にある。難関大学志向は根強くあるものの、志願者数は緩やかに減少傾向を見せている。安全志向の高まりが、2023年入試の傾向と言えるかもしれない」とまとめられていました。

■この記事の中身についてコメントできるような知識も能力は私にはありません。それでも、短期的な視点で受験者が増えた減ったという話よりも、少子化の影響がこれからも続いていくことが確実な中で、日本の大学の未来はどうなっていくのかという点が気になるのです。定年退職まで残り4年なのですが、少なくとも10年程度の時間の幅で、受験生から選ばれる大学であるために何をすべきなのかが気になるのです。将来に向かって大学としての計画を策定することは当然で、どの大学もやっていることではありますが、その計画のもとで、それぞれの部署で具体的にどのような改革や実践を進めていくのか、素朴な表現になりますが、実際に知恵を絞り汗をかくことが大切になってくるのだと思います。口先だけの改革では、対応できません。

■「日経ビジネス」の記事以外に、気になる記事を拝見しました。教育社会学者の舞田俊彦さんが書かれた「受験地獄はもう遠い過去……時代は『大学全入』から『大学淘汰』へ」記事です。この記事を読むと、少子化の大きな流れの中では、少々の小手先の改革では間に合わないような気持ちになります。舞田さんが注目するのは、「不合格率」です。「不合格率」が受験競争の激しさの指標になるからなのですが、この「不合格率」が1990年ビークに「滑り台よりも急な角度で下がり、2000年には20%、2008年には10%を割り、直近の2022年春ではわずか1.7%」になってます。記事に掲載されたグラフの中では、大学不合格者はほとんどいなくなった「大学全入時代」が視覚化されています。もちろん、このようなことは大学の業界に関わる人にとっては常識の範囲の話になります。舞田さんの興味深い指摘は、記事の後半部分になります。

■昨年の出生数77万人でした。想定より10年早く、初の80万人割れとなりました。昨年生まれた子どもたちが18歳になるのが2040年です。私自身は生きていられるかどうかわからない年齢ですが、若い同僚の教員の皆さんは定年が視野に入ってくる頃かと思います(定年が現在と同じであればですが…)。舞田さんは、2040年の大学の進学率を60%と仮定しています。進学率については、もっと高くなるという意見もあろうかと思いますが、舞田さんはあり得ないことだと否定されます。少子化が続く中で、日本の経済的な豊かさはどのようになっていくのか。学費の高い日本の大学で、果たして進学率は伸びていくのか。かなり不透明です。ここでは舞田さんが仮定される大学進学率60%だと、2040年の大学進学者は46万人になります。現在の63万5000人よりも3割近く少なくなります。舞田さんの記事にはもうひとつの仮定があります。「国公立大学と有力私大の入学者数が今と変わらない」という前提です。このような二つの前提のなかで計算してみると、「5人に2人が国公立大ないしは『MARCH』以上の私大に入れる」ということになるようです。MARCHとは、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のことです。「MARCH」以上ですから、入試の難易度からすると、早稲田大学、慶應大学、上智大学といった私立大学も含まれます。国公立大学とこれらの私立大学で大学進学者の40%になると舞田さんは計算されています。

■舞田さんは、「今後の人口ピラミッドの変化を見越して、社会人のリカレント教育(学び直し)に重点を移すことも必要になる。やせ細る18歳人口を奪い合うことだけに躍起になっている大学は、淘汰されるほかない」と指摘をされています。このリカレント教育に重点を移すということについては、賛否両論あるでしょう。しかし、大学淘汰の時代は目の前にもう来ていることは間違いありません。「5人に2人が国公立大ないしは『MARCH』以上の私大に入れる」時代がやってくると、これらの大学以外はどうなっていくのか。生き残ったとして、どのような教育が必要になってくるのか。入学してくるボリュームゾーンの学生の皆さんの基礎学力はどうなっているのか、どのようなことを大学に求めるようになるのか。いろんなことが気になります。

高田満彦先生の最終講義

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■このブログは1人の大学教員の「公開日記」のような感じです。いや、感じじゃないな、ほんまに「公開日記」ですね。「後悔日記」になるかもしれませんけれど。それはともかく、自分の身に起こったことをできる限り、ブログとして残そうとしています。もう11年目ですね。何事も長続きしないのですが、これだけは続いています。ところがです、「公開日記」とはいいながら、多忙なことからアップできていないことがあります。とりあえず、韓国出張の続きですかね。それから、韓国に出張する前の岐阜県の羽島市での講演のことでしょうか。もう少し時間がかかりそうです。今日は、今日あった大切な出来事を先に投稿することにします。

■今日は、社会学部で勤務されてきた髙田満彦先生の最終講義[/url]が行われました。先生は、公立小中学校での教員、大津市滋賀県庁での指導主事を経て、2017年4月からは龍谷大学社会学部教授として教職課程で教員を目指す学生の皆さんのご指導を、さらには私も担当している「社会共生実習」でも学生の皆さんをご指導いただきました。今日の最終講義のタイトルは「輝け若者 ひるむな!挑め!」です。教室は、(おそらく)教職を目指す学生さんでいっぱいです。

■先生は、地元のコミュニティで、「エイブラハム林間学校」という活動をされています。具体的な中身についてはよくわからないのですが、夏休みにコミュニティの子どもたちとの遊びも含めて様々な活動をされているようです。先生が、子どもたちに「林間学校知ってるか?」聞いたところ、「知ってるで、リンカーンやろ、アメリカの人」という反応があり、これは面白いなあということで、地元での林間学校の頭にエイブラハムをつけたのだそうです。面白いですよね、ほんまに。

大学生協の電子組合員証

20230124seikyou.jpg■ これまでは、職員証が組合員証でもあり、そこに現金をチャージできました。ところが新年になり、組合員証はカードからスマホのアプリ、電子組合員証になりました。こういう変化に対応できないと生きていけないので、気持ち的には「面倒臭いな〜、嫌だな〜」と思いつつ、戸惑いながらもなんとかアプリに移行することができました。カードに残っていたチャージした現金も無事、電子組合員証の方に移行できました。アプリの登録をしている途中、何度も、確認コードを要求してきました。おそらくセキュリティーを厳密にしているんでしょうね。

■このアプリを導入することで、理屈としては食堂や売店でのレジの通過がよりスムースになるのだと思いますが、それぞれの皆さんがこの大学生協のアプリをインストールしてもその使い方に慣れないとスムースにはなりません。私自身もそうでしたが、慣れていない人たちは、レジ担当の職員さんたちに使い方を教えてもらっていました。知り合いの生協職員の方からは、年末年始は対応が大変だったとのお話を伺いました。また、アプリに登録することで、従来の職員証も使用できるとのお話も伺いました。こういうアプリに登録することで、生協としても組合員管理の業務が大幅に合理化されるのでしょうね。こうやって人件費が節約できた分が、価格に反映していくといいなあと思います。

■右のアプリの画面のお金のところ、「4,154円」になっています。私がチャージしている電子マネーの金額です。ホーム画面から「決済」をタッチすると、この画面にきます。レジに並んだ時に、この「4,154円」の画面を出しておいて、自分の番になった時にこの「4,154円」をタッチするとバーコードの画面が現れます。そこをレジにあるバーコードリーダーに向けると買った物の価格だけ電子マネーが減っていくわけです。まあ、わかりますよね。単純なんですけど、これを知らずにレジに並ぶと、大渋滞になってしまうわけです。使い始めたら、便利かもしれません。私のような年寄りは、こういった新しい技術に慣れるのに時間がかかってしまいますが。

樹心館と夕焼けの風景が心に沁みました。

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■少し前のことになりますが、期限が切れたパスポートの更新を済ませました。来月、韓国のソウルにある建国大学で開催される「『Professional Manpower Training Project for Social Economy in Forestry and Landscape Architecture』 Forum on the Tertiary Social Economy Education Operating System Development in Forestry」に参加する予定です。韓国山林庁と韓国林業振興公社が後援し、建国大学で産学連携を推進する教員の皆さんたちが主催されます。私自身は林業の専門家ではありませんが、地域連携型教育プログラムに長年にわたって関わってきたことから、このフォーラムをリードされている金才賢先生から、今回このフォーラムにご招待いただきました。金先生とは地域づくりの活動をテーマに10年ほど前から交流をしてきました。ちなみに、私がこのフォーラムで依頼されているテーマは「Community-linked education programs at Department of Social Sciences at Ryukoku University」です。私の経験が、韓国の林業関係者の皆さんのお役に立てることになると良いなと思っています。

■パスポートを更新した後は、瀬田キャンパスに移動しました。昼食後は、近々開催される会議の打ち合わせでした。いろいろ難しい問題が積み重なっているのですが、なんとか解決して(緩和して)前に進んでいかなければなりません。会議の打ち合わせが終わった後は、生保の職員さんがやってこられて毎年恒例の契約内容の確認をしました。契約内容の確認だけで良いわけですが、いつもいろいろ世間話もさせてもらっています。息子と同い年の方で、お若い方です。個人的なことも報告してくださいました。昨年、ご結婚されたのだそうです。おめでとうございます。中学・高校時代は吹奏楽部でクラリネットを吹いておられたそうです。ひとつ前にに気の重い話が続きましたが、おめでたいお話を伺って心が軽くなりました。嬉しかったです。そのあとは、評議会です。現在、部長の仕事をしている関係で、評議会にも陪席することになっているのです。後期は、この評議会と留学生別科の講義が重なっていたことから、資料を読むだけだったのですが、授業が終了したことから、きちんと陪席できるようになりました。評議会の後は、教務課に書類を提出して、この日の仕事が終わりました。写真は、その時に撮ったものです。建物は樹心館です。樹心館と夕焼けの風景が心に沁みました。

20230122seisakugakubu.jpg■話は変わりますが、このようなチラシを受け取りました。写真は、政策学部の取り組みです。これは個人的な見解ですが、頑張っておられると思います。今回のフォーラムは、学生の皆さんの、個々のキャリア形成をどのように支援していくのか、ということに関連しているのかなと推察しています。

■社会学部は、2025年度に大学本部のある深草キャンパスに移転します。学部の学科構成もカリキュラムも大きく変化します。移転後に入学してきた学生の皆さんは、新しいカリキュラムで教育を受けることになります。であれば、新しいカリキュラムの「柱となる考え方」を、もっと深く議論をして情報発信していかねばなりません。学生さんたちを、狭い専門分野に囲い込むような古いカリキュラム(教員が学生時代に受けたようなカリキュラム)から、「学習者本位」を前提に学生の皆さんの「自ら学びたい」という思いを支援するカリキュラムへ。そのようなことを伝えるために、政策学部のような教育フォーラムがうちの学部でも、近い将来、開催する必要が出てくるのではないかと思っています。

■これも個人的な見解ですが、そのためには、FD等の教員間での議論を積み重ね、新・社会学部の「魅力(売り)」はどこにあるのかを、わかりやすい形にして高校関係者・受験生・保護者・社会にアピールする必要があるのではと考えています。アピールのために教育フォーラムを開催することも必要でしょう。学部や大学の中に閉じた形ではなく、この政策学部の「地域連携教育フォーラム」のように、企業目線からの意見にもしっかり耳を傾けることが必要な時代になっていると私も思います。

「2030年の大学入試」という記事

■「2030年の大学入試」というタイトルで、ダイヤモンドオンラインで短期連載をしています。大学関係者にはランキングとかも含めて、この手の記事には反発があったりするのですが、まあ読んでみて損はないかなと思います。煽られることなく(また単純に反応するのでもなく)、自分のいる「現場の課題」と関連づけながら、読んでみるのも悪くはないと思います。

これからの中学受験生が直面する「2030年の大学入試」の見取り図 2030年の大学入試(1)

「学ばない生徒と学べない学生」の危惧に揺れる教育現場 2030年の大学入試(2)

偏差値「無力化」時代の志望大学の選び方とは 2030年の大学入試(3)

構造変化と機能分化が鮮明となる「2030年の大学」2030年の大学入試(4)

増加する「Fランク大学」、“ボーダーフリー”時代の大学の選び方 2030年の大学入試(5)

大きく変化していく「良い学校」の条件 2030年の大学入試(6)

実現するか「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」

■今週の木曜日に、野洲市の須原に出かけました。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている堀さんや、龍谷大学RECの熊谷さんとご相談をさせていただきました。そのご相談から派生して、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」のというアイデアとして出てきました。

■「鉄は熱いうちに打て」というわけで、さっそく知り合いの皆さんに相談をさていただくことにしました。いつもお世話になっている方を介して、某ホテルの幹部社員さんとお話しをさせていただくことができました。民間の力で世界農業遺産認定を盛り上げていこうという趣旨を前向きにご理解くださり、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」の開催にもお力をお貸しいただけることになりました。また、ホテルとしてもご参加いただけることになりました。

■前にも書いたことの繰り返しになりますが、いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんな夢が実現できます。本当に、人とのつながりは財産です。大切だと思います。昔、タレントのタモリさんがお昼にやっていた番組の有名なフレーズを拝借すれば、「友達の友達はみな友達だ、琵琶湖の周りに広げよう世界農業遺産の輪」という感じになりますかね。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」、来年の春にはまずは第一弾を実現させたいと思っています。

留学生別科の授業で

■木曜日は留学生の授業を担当しています。留学生とはいっても、これから入学試験を受けて合格し、本格的に勉強する前の人たちです。国籍も日本語の能力もまちまち、教える側としては苦労が多いです。もちろん、学ぶ側も同じように感じておられるかもしれませんね。日本語の習熟度別のクラスというわけにはいかないのでしょうね。

■受講生は20人に満たない人数ですが、その中に、一人だけ受講態度が全然違う人がいます。大変真剣です。授業の内容にも強い関心を持ってくれています。たまたま、昨日、授業が終わった後に私のところにやってきて質問をされました。その延長でお話をしました。どういう事情なのかわからないけれど、母国の中国の大学を卒業し、15年ほどコーヒーを扱う企業に勤務されてからの留学です。なるほど大人…だから受講態度が違うんですね。まあ、他の学生さんたちが不真面目というわけでもないんですが、その方だけ、授業に対する集中度が違うような気がするのです。

■その方が勤務されていたのは、雲南省でコーヒー栽培をされている少数民族の農家を支援する社会的企業のようです。留学が終わったらまたその企業に戻られるのだそうです。龍谷大学の卒業生の中に、タイの少数民族のコーヒーを扱うフェアトレードの会社を起業した人たちがいることを伝えました。なにか交流が生まれたら嬉しいなと思いました。

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