ナカマチ商店街の「ナカマチスタジオ」

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▪️昨日は午前中の「地域再生の社会学」の授業を終えて、昼からは、大津市中心市街地にあるナママチ商店街にでかけました。丸屋町・菱屋町・長等の3つの商店街をあわせてナカマチ商店街といいます。今回この商店街を訪れた目的は、市役所職員で、大津市のブランディングや商店街の振興に取り組んでおられる栗山雅司さんに、現在の商店街振興の取り組みに関してお話をお聞かせいただくことにありました。長いアーケードの下で、様々なまちづくりの活動が行われていることを、それなりには知っていましたが、詳しくはわかっていませんでした。昨日は丁寧に「刺激的なお話」を栗山さんから伺うことができました。

▪️1段目の写真は、そのような活動の拠点であるナカマチスタジオです。入り口の向かって左がスタジオです(2段目左)。ここから、商店街のさまざまな情報が発信されていきます。このスタジオから商店街や中心市街地に関係する様々な情報がインターネットTVを通して発信されていきます。中心になって運営されているのは、フリーランスのラジオパーソナリティとして活躍されている井上麻子さんです。

▪️上はYouTubeに投稿された「ナカマチ商店街TV #5」です。4人の商店主のみなさんの話し合いのような雰囲気です。けっこう、本音でお話されていますね。商店街の現状がよく伝わってきます。後半は、タニムメ水産の社長さんがゲストです。琵琶湖の淡水魚を商っておられます。昔話も含めて興味深かったです。

▪️入り口の右側は、「一箱本棚」(2段目右)。無人販売の本屋さんです。一箱ずつレンタルで貸し出されます。その中に、自分が売りたい本を置くわけです。本の裏表紙には付箋が貼り付けてあって、そこに価格が書いてあります。その金額を横に置かれた料金箱に入れて購入するのです。無人の野菜販売所は見たことがありますが、本については初めてです。いろいろチャレンジされていますね。その奥ですが、井上麻子さんが運営されているカフェになります。「Oi Coffee」です(3段目左)。井上さんはラジオパーソナリティのお仕事もありますし、いつも営業されているわけではありませんが、こういったカフェが人のつながりを生み出していくのではないかと思っています。2階には、会議ができるスペースもありました。

▪️そうそう、井上さんから、このカフェで定期的にスイーツの担当をしてくれる学生さんはいませんかというお尋ねがありました。もちろん、アルバイトです。農学部の食品栄養学科にそういう学生さんおられますかね。もちろん社会学部でも良いのですが。ちょっと、尋ねてみようと思います。私からは、養蜂をしてハチミツに詳しい教員がいますよと伝えておきました。専門は養蜂ではなく、トウモロコシの遺伝子の研究をされているわけですが、地域連携としてハチミツに情熱を注いでおられます。コーヒーとハチミツは相性がいいですからね。こちらも、ちょっと相談してみよう思います。

▪️今日は、このカフェで栗山さんからお話を伺いました。すごく熱い情熱を持って仕事に取り組まれていることがひしひしと伝わってきました。素晴らしい。いろいろ進めておられる企画のチラシもいただきました。例えば、「としょかんおはなし会」と「としょかんこわ〜いおはなしか会と折り紙縁日ゲーム」。市立図書館と商店街のコラボ事業です。中心市街地に暮らす若い家族の皆さんに、もっと図書館のことを知ってもらいたい。同じく、若い家族の皆さんに、商店街にやってきていただきたい。そういう両者の思いが繋がったようです。図書館の皆さん、頑張っておられます。攻めておられますね。素敵です。

▪️私が担当している社会共生実習「地域エンパワねっと」でも、もう卒業した学生さんたちですが、「みんなで作る絵本館」というイベントを町家で開催していました。私、前期高齢者のおじいさんですが、絵本に関心があり、学生さんたちの活動を指導しながら、こういった活動を自分でもできたらいいな、すでにある活動に参加できたらと思っていました。近い将来、この中心市街地でできるかも…という気持ちになりました。

ツバメの巣

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▪️朝、自宅の最寄駅に入ろうとすると、ツバメが目の前を横切りました。見上げると駅の壁に巣があり、小さな雛が顔を覗かせていました。この時期だと、2回目の繁殖でしょうか。

京都駅前の「へんこつ」

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▪️大学院の授業が終わった後、時間的に遅かったこともあり、昨日は外で夕食を済ませようと、京都駅前にある「へんこつ」へ。

▪️いつもならば、20分ほどでサラッと飲食して帰ります。ちょっと食べてちょっと呑んで帰るサラリーマンのためのお店なのです。でも昨晩は自宅に夕食がなかったので、ゆっくりお店で過ごしました。しかも、店主さんにじっくりお話をお聞かせいただきました。たまたま、今日はお客さんがとても少ない日だったので、そういうことができました。

▪️店主さんから講義していただいた感じでした。店主さんがお生まれになる前の、ご家族のお話。京都駅前店で飲食店を開店されたお話。「へ〜‼︎」と驚きました。それぞれのご家族には歴史があります。その歴史の中で、このお店が誕生しました。お店の歴史、来年で80年になるのだそうです。戦後の混乱の時期に開業されたわけです。今、お店は京都タワーの横のビルの1階にありますが、以前は、もう少し東の場所(路地)にあったようです。料理は、八丁味噌で煮込んだオデンです。オデンとはいっても、その中心は、牛のテールと筋です。そこに、オデンのネタを一緒に煮込んでいます。八丁味噌で煮込むようになったのは、東本願寺に勤務されていた僧侶の方が、名古屋の方のご出身で、その人が八丁味噌を入れたら美味しいのではと提案されたことから、現在のような大鍋で煮込むスタイルになっていったようです。龍谷大学の教職員の皆さんも、ずいぶんお世話になった、あるいは、現在進行形でお世話になっているようです。ありがとうございます。私も、お世話になって22年になります。今日はじっくりお話を伺ったので、名刺ももらっていただきました。

自宅で仕事のあと「利やん」へ

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▪️昨日は夕方まで自宅でしっかり仕事をしていました。やり残している仕事もありますが、とりあえず頑張ったので、夕方から大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へでかけました。今日は社会共生実習「地域エンパワねっと」でお世話になっている雨森鼎さんと安孫子邦夫さんと、お2人との呑み会を約束していたからです。

▪️雨森さん安孫子さんとは、年に何回か「利やん」でご一緒しています。だいたい、雨森さんが声をかけてくださいます。昨晩も、いつものように、いろいろお話ができましたが、昨日は、それぞれのライフヒストリーを語り合うような感じでした。私も、それなりにライフヒストリーを語れる年齢になりました。私は67歳ですが、一昔前(平均寿命が短い頃)だと、民俗学での聞き取り調査でいう「古老」の類に突入しているのかもしれません。それはともかく、ご縁のある方達のライフヒストリーをお互いに聞き合えるような集まりがあったらいいね〜という話にもなりました。お2人は私よりも一回り以上年上、後期高齢者です。そして、人生の大先輩です。よく存じあげているお2人のお話でも、昨晩は、びっくりするようなことがたくさんありました。やはり、戦争という出来事が、大きく影響を及ぼしているように思いました。

「仰木地域共生協議会」の臨時総会

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▪️ 昨日は、急遽、午前中は「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」に参加することになりました。2年前、1回生の授業「社会学入門演習」でお世話になった、NPo法人コミュニティねっとわーく高島の坂下 靖子さん、そして高島市今津町椋川の是永 宙さんも参加されていました(ちなみに坂下さんは、このイベントの主催者です)。そして滋賀県琵琶湖環境科学研究センターや滋賀県立大学の知り合いの皆さんが専門家として参加されていました。強力な応援団だと思います。専門家の力と市民の力を合わせて川鵜のコロニーになってしまった安曇川の河辺林を再生していきます。湧水や水辺環境を生かした形になればと思っています。報告会の後は、JR安曇川駅そばのカフェで是永さんと昼食を摂りながら、ひさしぶりにお話をすることができました。お仕事のこと、地域のこと、ご家族のこと、いろいろ聞かせてくださいました。

▪️安曇川の後は、いったん自宅まで戻り、15時前に仰木市民センターに向かいました。昨日は、ここで「仰木地域共生協議会」の臨時総会が開催されました。農水省から中山間地域農業ルネッサンス推進交付金をいただけることになり、これから農村型地域運営組織形成推進事業(農村RMO)として、この「仰木地域共生協議会」の活動に本格的に取り組んでいくことになったからです。10/10の交付金です。ありがたいですね。ところで、この「仰木地域共生協議会」を構成している団体ですが、①一般社団法人 仰木活性化委員会わさいな仰木、②仰木学区まちづくり協議会、③仰木の里学区まちづくり協議会、④特定非営利活動法人 琵琶故知新、⑤仰木い~とこの会、それから地元の協力企業として⑥西日本電信電話(NTT西日本滋賀支店)の6団体になります。

▪️ ①②⑤が仰木の団体、③が仰木に隣接し、約40年前に開発された住宅地である仰木の里の団体です。以前の投稿にも書きましたが、仰木は農家の高齢化や後継者不足のため、荒廃農地(耕作放棄地)が増えています。一方、仰木の里には約13,000人の方達が暮らしていますが、その中には時間的な余裕があり農業を楽しみたいという方たちがたくさんおられるように思います。この両者が交流していく中で、「農用地保全」、「地域資源の活用」、「住民の生活支援」等の活動に取り組んでいきます。まずは、無農薬・有機栽培による「グループ農園」での野菜づくりができたらいいなと思っています。昨日の臨時総会での議論をお聞きしていて、すごいなと感心したことがあります。企業に勤務されたり、会社を経営されたりしたご経験に基づく、組織経営の知識やノウハウをみなさんお持ちであることがよくわかりました。大学で教えている私とは、そのあたりが違うところです。理事長をしている④の琵琶故知新では、このような事業を、SNSを使って広報を行うこと、デジタル技術を活用した鳥獣害対策や農地監視、同じく、デジタル技術を活用した共助を促す仕組みの導入などを通してサポートしていきます。

▪️デジタル技術を活用した共助を促す仕組みとは、私どもで開発した「びわぽいんと」のことです。この「びわぽいんと」を「仰木地域共生協議会」にあう形にカスタマイズして、活用していければと考えています。私自身は、組織経営の知識やノウハウ、それからデジタル技術の知識も持ち合わせていませんが、仰木に近い住宅地に暮らしているので、これから始まる「グループ農園」の活動に参加することの中で頑張って行きたいと思っています。あとは、自分の役割はどのあたりにあるのかなと手探りしていくことになります。それから、今回、農村型地域運営組織形成推進事業(農村RMO)に採択にあたっては、⑥NTT西日本滋賀支店さんが、採択までの準備段階で、側面から強力にサポートしてくださっていました。ありがとうざいました。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
【追記】▪️Xへの投稿です。

「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」

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▪️今日の午前中、「安曇川の河辺林 2024年夏~2025年春 小動物と生きもの調査報告会」というイベントに参加してきました。この安曇川の河辺林は、綾羽工業さんの敷地内にあります。ただ、人の手が入らず、この河辺林には、ものすごい数の鵜が巣を作っています。巨大なコロニーが生まれているのです。鵜の数が多すぎて、その糞が河辺林の植物に大きなダメージを与えているようです。また、近隣の住宅の皆さんも困っておられるとのことでした。

▪️今日は、このような河辺林の状況を調査をされてきた滋賀県琵琶湖環境科学研究センターの研究員の方達を中心にプロの方達から、植物や生き物に関しての報告が行われました。糞害でダメージを受けながらも、たくさんの動植物が確認されていました。動植物の報告の後は、河辺林の航空写真を眺めながら、これからどんなふうに整備していくのか、夢を語り合いました。楽しかったです。水辺環境を活かして、木道を設置してはどうかとか、枯れた竹を竹チップにして再利用してみてはどうかとか、いろいろアイデアが出てきました。この河辺林を復活させる活動は、鵜が飛び立った秋からのようです。

3回生ゼミの「コンパ」

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▪️昨日は3回生ゼミの、「コンパ」の日でした。夕方から、キャンパス内のとある建物の3階で「0次会」を開催しました。資金提供をして、買い出しにいってもらいました。そして、深草キャンパスの近くにある居酒屋で、晩の8時から「1次会」」を行いました。ゼミは週1回です。3回生になると、通常の講義科目では、なかなか出会うことも少なくなります。ということで、今日はゼミの「団結」を高めるためにも良い機会になったと思います。今日は、ここまでの段取りをしていただいたゼミ生がおられます。「0次会」を盛り上げようと、トランプやカードゲームを持参してくれました。実際、めちゃくちゃ盛り上がりました。ありがとうございまし!! トランプでは、ババ抜きとか、ダウトとか懐かしいゲームができました。まあ、そんなこんなで、私のような昭和のおじ(い)さんも「ええな〜」と思える飲み会、いやいや「コンパ」になりました。また、こういう機会を設けて欲しいと思います。

▪️ところで、最近は「コンパ」という言葉は使いません。学生の皆さんは「飲み会」といっています。「コンパ」はいつ頃から「死語の世界」に行ってしまったのでしょうね。でも、「合コン」というのは生き残っているような気がします。「合同コンパ」や「新歓コンパ」はかろうじて生き残っているのでしょうかね。どうなんだろう。

ひさしぶりの『流域ガバナンス』

20250627ryuiki_governance.jpg▪️一昨日、社会学部のFD活動の一環として、自分の仕事の話をしました。ということもあり、ひさしぶりに、この『流域ガバナンス』を取り出してみました。大変な思いをして執筆と編集作業に取り組んだので、いろいろ記憶しているはずと思っていましたが、本の帯や目次をながめて、そして少しページをめくって読んでみると、改めて自分が書いた文章ではありますが、なにか新鮮な気持ちになってしまいました。究極の問題意識は、「流域にどうやって公共圏を生み出していくのか」ということになりますし、そのような問題意識はずっと変わっていないのですが、執筆と編集作業に取り組んでいたときの緊張感とともにやや記憶も薄らいでしまっていたのでしょうね。というわけで新鮮だったのかなと思います。

▪️流域のなかで、ちょっと見えてきた他人の課題を、「他人ごと」ではなくてもう少し引き寄せて「自分ごと」として感じられるようになったらいいな。できたら感じられるだけでなくて、お互いにちょっと協力しあえたらいいな。そして、いつか流域全体のことを一緒に考える時がやってきたらいいな。そのためにはどうしたらいいのかな…。まあ、そんなことを考えながら取り組んだプロジェクトの成果です。

▪️ネガティブケイパビリティ(帚木蓬生)とか、エンパシー(プレイディ・みかこ)とか、ポイエーシス(レヴィ=ストロース)とか。いろいろ書きました。これは、対話を継続させていくための作法。公共圏が創出されていくために必要な条件でもあると思います。対話を継続していくことの重要性、若い頃の私は、「状況の定義の多様性」を維持するというふうに論文に書きました。若い時は、この「状況の定義の多様性」を維持することを、環境保全のための方策が次々と生み出されてくるような「社会的可能性」を担保するためと考えていました。だけど、今は少し考え方が違ってきていると思います。

▪️そのことはともかく、この本のタイトルにある「流域ガバナンス」という考え方は、かなりの部分で、世界農業遺産「琵琶湖システム」と重なりあっているのです。こんなことを書くと不思議に思われるかもしれません。少し前の投稿になりますが、「滋賀経済同友会で講演をさせていただきました。」という投稿をしました。世界農業遺産「琵琶湖システム」に関して講演をさせていただいた時の話です。その投稿のなかで、こんなことを書きました。「それぞれの地域で、流域の様々な場所で様々な生業や事業に取り組み、結果として、この琵琶湖システムを支えることに貢献されている方々に光を当てて感謝すること、そういう方達が緩やかにつながって、日々の生業や事業の中で琵琶湖システムことを想ってくださることが大切なのかなと思っています。そのような緩やかなつながりの中から、様々なアイデアが生まれ、そのアイデアを実現させていく取り組みが展開され…ということにも期待したいと思います」。この部分は、まさに流域ガバナンスのことなんです。

たかしま市民協働交流センターの坂下さんからご連絡いただきました。

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▪️たかしま市民協働交流センターの坂下靖子さんから、ご連絡をいただきました。人の手が入らず、荒れてしまった安曇川の河畔林を、市民の力で素敵な河畔林にしていく取り組みについて、以前、お話しを少し伺っていました。その活動の報告会が、28日(土)に開催されるとのことです。午後からは、うちの特定非営利活動法人「琵琶故知新」も参加する大きなプロジェクトの集まりがあります。自宅の車が使えれば、午前中なので行けそうな気もしています。検討します。

▪️こちらも、たかしま市民協働交流センターの 坂下 靖子さんから教えていただいた情報です。「生きものが豊かな山づくり 生物多様性×林業」というテーマで開催される「びわ湖源流の里山づくりフォーラム」です。主催は、「高島市の森-未来につなぐ山守を考える会」です。一昨年、1回生の「社会学入門演習」で学生の皆さんや私がお世話になった廣清乙葉さんが副代表をされています。朽木の移住者と地元の山主さんがタッグを組んで自伐型林業を推進しようと活動しておられます。こちらも、気になりますね。

▪️このような活動、実は「世界農業遺産」である「琵琶湖システム」とも関係しています。だって、「森・里・湖に育まれる 漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」ですからね。森を支えるこのような活動があっての「琵琶湖システム」です。「琵琶湖システム」はいろんな活動をつないでいくはずです。世界農業遺産の関係者の皆さんには、こういった山の活動についても、もっと応援していただきたいです。
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『風来坊 01<創刊号> 宮本常一 × X ジェネレーターのためのシン・ミヤモト学』

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▪️週1回、埼玉県から日帰りで2コマの授業をするために深草キャンバスまで通っておられる 原尻 淳一さんが、一昨日の夕方、研究室までお越しくださいました。原尻さんはとてもユニークな教育をされていて、自分も学生だったら教わりたいな~と思うような授業をされます。時々、授業の様子(板書書)をfacebookにもアップされていますが、とてもシステマティックで、学生さんたちもよく理解できるのではないかと思います。

▪️今回、原尻さんは、わざわざ研究室までお越しくださり、写真のような冊子を届けてくださいました。ありがとうございました。『風来坊 01創刊号』です。創刊号の特集は「宮本常一 × X」です。あの民俗学者の宮本常一。なぜ「× X」(かけるX)は後段のところで説明します。サブタイトルには「ジェネレーターのためのシン・ミヤモト学」とあります。原尻さんは、私が宮本常一に強い関心をもっていることをご存知だからでしょう、お届けくださったのではないかと思います。少し説明します。

▪️創刊号のあとがきを、執筆者のお一人である市川力さんが執筆されています。そこには、こういうことが書いてありました。
宮本常一の研究者でも、民俗学者や郷土史家でもないけれど、宮本常一の著作に強く惹かれた仲間の皆さんが、お互いに「宮本常一のどこに惹かれるるのか」という話になり、それぞれが著作集の1冊を選んで語り合ったそうです。そうするとそれぞれの「常一性」が浮かび上がってきて面白いので、冊子にまとめることにされたのだそうです。

▪️このあたりが、「× X」の部分です。宮本常一を、それぞれがなぜ惹かれるという自分の問題関心とクロスさせておられるわけです。素敵じゃないですか。原尻さんが選ばれた著作集は第50巻の「渋沢敬三」です。「渋沢敬三のチームワークと学問」。文章のなかには、渋沢がアチックミュージアムをどのように運営していたのか、どのように人と接していたのか、そして彼の学問観はどのようなものだったのか、原尻さんの思いをクロスさせながら丁寧に解説されていました。そうか、渋沢敬三は「サーバントリーダーシップ」の人だったのか。宮本常一はそのような渋沢のもとで成長したんですね。今回、拝読させていただき、渋沢敬三が昭和38年、1963年に68歳で東京虎ノ門共済病院で亡くなられたことを知りました。死因は、糖尿病・萎縮腎なのだそうです。ちょっとドキッとします、はい。私は、67歳できちんとコントロールしてはいますが糖尿病だからです。

▪️発行者は、原尻さんも参加されている一般社団法人「みつかる・わかる」。発行書は、横浜にある「珈琲と図書室」さん。みなさん、楽しんでおられますね。すばらしいというか、羨ましいというか。いいな~と思います。こうやって同じ問題関心の方達が集まって交流するって、素敵なことだと思うんですよね。

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