「そだね〜♪」な研究集会

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■平昌オリンピック、日本女子カーリングチームの「そだね〜♪」は、共感をベースにしているように思います。共感の上で議論やコミュニケーションが展開していくわけですね。一方、何かにつけ「でもねー」で始まるパターンの場合、相手を否定し、シュンとさせたりガックリさせることで、自己の存在価値を誇示し、そのことで自己の承認欲求を満たそうとしているように思います。意識的に無意識のうちにの違いはありますが、相手を支配することに、優位に立つことに隠れた目的があるので(さらには搾取することに)、建設的な議論やコミュニケーションは展開しにくいわけです。その場合は、得てして権威主義的に振舞うことにもなります。どこか自信の無さやコンプレックスの現れでもあるわけですが、もちろんご本人はそのような自覚はありません。

■「そだね〜♪」と「でもねー」は、大きな分かれ道になると思います。以前に、朝日新聞のコラム(折々のことば)で哲学者の鷲田清一さんが、作家の高橋源一郎さんの言葉を引用されていました。「誰かを論破しようとしている時の人間の顔つきは、自分の正しさに酔ってるみたいで、すごく卑しい感じがするから」というものです。これはツイッターのツイートらしいのですが、このツイートとも関係しているように思います。この「すごく卑しい感じ」は「でもねー」と親和的です。ただし、自分で自分の卑しい顔は見ることはできません。自分以外の他人であれば、そういう卑しい顔を嫌という程見てきましたが…。「でもねー」に対抗するために、自分も「でもねー」に陥ってしまう危険性があります。

■「そだね〜♪」から始まるコミュニケーションを心掛けることは、「和顔愛語、先意承問」とつながっています。仏教の「大無量寿経」というお経には、「無有虚偽諂曲之心、和顔愛語、先意承問」とあることを学びました。「媚び諂いのような嘘偽りの心でなく、和やかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接して、相手の気持ちを先に察して、その望みを受け取り、自分が満たしてあげる」という意味とのこと。お互いが「そだね〜♪」であれば、「和顔愛語、先意承問」なのかもしれない。しかし、相手を否定し相手を支配しようとする「でもねー」相手に、「和顔愛語、先意承問」だとどうなるのでしょう。仏教の教えは、こういう場合には、どう答えるのでしょうね。

■先週の金曜日のことになりますが、東京に向かいました。「地方創生時代の地域コミュニティ・観光資源管理を考える研究集会(第3回)」に参加するためです。前回、第2回に参加し、自分とは異なる見解や立場からの発言を聞いて、改めて自分自身の立ち位置を確認できました。「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ」とは哲学者ヘーゲルの言葉です。哲学は現実の後に遅れてやってくるという意味です。その哲学の末裔である社会学も、遅れてやってくる上に、実証主義(ポジティビズム)の足枷の中で、現実と関わろうとします。そういう前提を持つ「知」が果たす役割、大いにあるとは思いますが、それとは違う形で現実と関わりたいと思います。前置きが長くなったけど、この研究集会にはそういう方も集まっています。

■第3回は、国立歴史民俗博物館の柴崎茂光さんから世界自然遺産に認定された後の屋久島のことについてお話しを伺いました。「地域に根差した地域研究・観光学の可能性について-フィールドでの違和感から-」というタイトルです。この地域の関係者であり研究者である柴崎さんがフィールドで心を痛めて悩まれてきたことに共感しました。外からの観光の眼差しに一方的に消費されていくかのような状況や、世界自然遺産となった結果、それ以外の価値が見えなくなったり失われていく過程、そしてそれらを時間をかけながらどう改善していけば良いのか、決して雄弁には語らない(偉そうに、賢そうには語らない)、むしろ自分の悩みを告白するかのような柴崎さんの語り口調にも共感しました。地域の関係者である柴崎さんのお話しは、世代を超えて将来世代にまで及びました。研究会の後は懇親会。そして二次会と続きましたが、司会進行の土屋俊幸さん(東京農工大学大学院)の進行も素敵なこともあって、基本的に「でもねー」ではなく参加者の「そだね〜♪」で柴崎さんの話題がいろいろ展開していくことになりました。こういう展開は素敵ですよね。この研究集会、当初3回は継続しようということになっていましたが、参加者の皆さんの意見で、現在のメンバーでさらに3回継続することになりました。

■翌日は、寄り道をせずにさっさと帰宅しました。新幹線の中でのお供は、宇野重規さんの『民主主義のつくり方』と、宮下直さんの『生物多様性の仕組みを解く』。宇野さんの本は再再読になります。そういえば、先週の「チャレンジ!オープンガバナンス2017」の審査員をされていたので、少しだけお話しをするチャンスがありました。宮下さんの本は、私のような素人にはわかりやすいものです。この2冊、私の中ではつながっているし、昨日の柴崎さんのお話しもつながってくるように感じられました。ふと気がつくと、新幹線は関ヶ原を越えて近江・湖東を走っていました。その風景に、強く春を感じました。

「チャレンジ!オープンガバナンス2017」公開最終審査会(琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その11))

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20180319cog3.jpg■3月4日、東京大学浅野キャンパス 武田ホールで、「チャレンジ!オープンガバナンス2017」(主催:東京大学公共政策大学院「情報通信技術と行政」研究プログラム)最終公開審査が行われました。この日1日かけて、全国から集まった13チーム、そしてそれぞれのチームを支援する自治体からプレゼンテーションが行われました。チームは7分、自治体は3分のプレゼンテーション。私たち「水宝山(水草は宝の山)」のプレゼンテーションは9番目、13:40からでした。リーダーで、真野浜で民宿を経営されている山田英二さんがプレゼンテーションをされ、私は控えの質問対応要員として参加させていただきました。大津市政策調整部企画調整課の担当者の方も一緒に登壇されました。大津市政策調整部長さん、滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖政策課の参事さんも応援に来てくださいました。ありがとうございました。

■結果として、賞はいただくことはできませんでしたが、最終選考に残ったということで「ファイナリスト賞」を頂くことができました。まあ、残念賞ですね。水草は湖底で繁茂しており、客観的なデータがオープンデータとして存在していません。問題の状況を客観的に把握することの困難さがあるわけです。そこが制約条件になっているなと思いますが、今後は、「水宝山」の活動が発展し、大きくの皆さんが参加される中で生み出される「社会的努力」や「社会的成果」をきちんとした数値データで示しつつ、それを社会的に共有していくような仕組みを作りたいと思います。

■公開審査会の後、3人の審査員の方達が、わざわざ私たちのところにやってこられて応援のコメントをくださいました。嬉しかったですね〜。ありがとうございました。次回の「水宝山」の会議では、滋賀で見守ってくれたチームの皆さんにきちんと報告をしておきたいと思います。また、最後まで支援してくださり、東京まで応援に来てくださった大津市役所、滋賀県庁の皆様にも心より感謝します。今回は、私たち市民グループの活動を契機に、大津市と滋賀県が組織の壁を超えて連携してくださっていること、本当にありがたいことだと思っています。引き続き、頑張って琵琶湖の水草問題に取り組みたいと思います。

■最後の写真ですが、大津市の「オープンガバナンス」の取り組みの中で知り合った方です。びっくりしました。研究熱心ですね〜。そして、今日の13チームのプレゼンテーションを、グラフィックレコーディングの技でまとめておられたのにはさらにびっくりしました。グラフィックレコーディングのことを、「グラレコ」っていうんですね。あちこちで、見かけるようになりました。年寄りは、なかなか新しい試みについていくことができません。

更新が滞っているうちに、春になりました。

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■最近、ホームページに併設したこのブログ、ほとんど更新できていません。いろんな方達から、読ませてもらっていますよと声をかけていただくこともあり、時々チェックしていただいている皆さんには、本当に申し訳ないと思っています。また、日々の出来事や備忘録の類ではありますが、いろんな話題でエントリーしていければと思います。よろしくお願いいたします。

■最近、知人のIT企業の社長さんから、こういう主張する方がおられるとお聞かせいただきました。facebookは自分のブランディングに活用したり人間性を伝えるツールとして使い、ブログでは専門性、つまり自分が専門とする知識や見解を情報発信するツールとして使うべき…というものです。そういう考え方があると知って、「そうなんだ〜、自分はそういうのはと全く縁遠いな〜…」と思うしかありません。まあ、仕方ありません。日々の出来事や備忘録の類ばかりのブログですが、お読みいただいている方がおられるということで、これからもこのスタイルでブログを更新していきます。

■最近、どうしているのか…。来年度に向けて、いろいろ予定が入り、手帳が黒くなってきています。先月は老人ホームに入所している老母の入院があり、その後も諸々の用事で少し疲れてしまっています。気分一新というわけではありませんが、先日、朝に時間があったので守山市の第1なぎさ公園に行ってきました。菜の花が満開なんです。例年、見頃は2月なんですが、どういうわけか今年は3月の今頃で満開になっています。冬が寒かったからかな。

■公園に着くと菜の花の香りが漂ってきました。花粉で大変な時期ですが、菜の花の香りを楽しみました(好き嫌いはあるでしょうが…ちょっと臭いという人もいるでしょうね)。菜の花畑の向こうには、少しだけ頂きに雪を残した比良山系が見えます。ここに来る方たちは、この風景を楽しみにされています。例年だと、雪で白くなった比良山系と黄色い菜の花の組み合わせを、皆さんは楽しまれるのだと思いますが、今年は雪はわずかになってしまいました。琵琶湖の南湖の周囲に暮らしている方たちからすれば、季節の風物詩のような風景なのかもしれません。足元に目をやると、土手にツクシが生えていました。
暖かい長閑な季節になりました。とはいえ、のんびりしていることはできません。新年度が迫ってきました。

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