「伊吹山特設サイト」
▪️「伊吹山特設サイト」というネットのサイトができていことを知りました。この特設サイトの中には、「伊吹山植生復元プロジェクト」のページがあり、そこでは「南側斜面の崩壊防止・植生回復について」解説してあります。また、「山頂・3号目における植生保全について」では、「特定非営利活動法人霊峰伊吹山の会」と「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の活動が紹介されています。
▪️後者の「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の活動に対しては、「平和堂財団夏原グラント環境保全活動助成事業」から助成が行われています。この助成事業に少し関係していることから、この伊吹山の「南側斜面の崩壊防止・植生回復について」は、強い関心を持っています。地球温暖化により増加したシカの捕獲強化の効果等についても、もう少し詳しく知りたいと思っています。
『最近、地球が暑くてクマってます。 シロクマが教えてくれた温暖化時代を幸せに生き抜く方法 』( 水野敬也・長沼直樹 著, 江守正多 監修)
▪️地球温暖化に不安を感じていても、では何をしたら良いのかよくわからない…。そういう方にまずは読んでもらいたい、そういう狙いの本なのかもしれません。北極の氷が解けて生息地消滅の危機にあるシロクマの親子がわかりやすく、問題の本質を伝えてくれます。写真と大きな文字の構成は、なんだか絵本のようでもあるのです
が、あっという間に読めます。ユーモアたっぷりですね。工夫されている本だと思います。
▪️本の帯には、「あの〜、レジ袋有料化じゃ温室効果ガスぜんぜん減らないんですよ(笑)」と書かれています。シロクマのお母さんの言い分です。それでは、何をしたら良いのか。シロクマのお母さんは「国を動かすこと」だというのです。詳しくは、本書を手に取ってお読みください。大学の図書館に入っているのかなと思ったら、入っていませんね。ちょっと残念。
【追記】▪️本書の中ては、先進国が排出する温暖ガスにより、国の大半が低地にあるバングラデッシュのような国が、地球温暖化で増幅した水害によって1900万人の子どもたちの命が危険にされさらていることが説明されています。国土がどんどん削られている太平洋の島嶼国もそうだと思いますが、途上国の人びとが原因を作っているのではないにもかかわらず、被害を受けなければならないわけです。ここには倫理的な問題が存在しています。それから、まだ生まれていない、これから生まれてくる将来世代の皆さんのことをどう考えるのかということも大きな問題です。「【異分野クロス座談会】将来世代への責任をどう考える?」という記事を見つけました。国立環境研究所・社会システム領域のサイトの中にある記事です。
▪️龍谷大学の運営は、以下のような考え方に基づいています。もちろん、「すべての生きとし生けるものを決して見捨てない」ということの中に、気候変動に伴い苦しんでいる途上国も、当然のことながら、これからこの地球に生まれてくるすべての人々に対しても含まれているに違いありません。
阿弥陀仏が「すべての生きとし生けるものを決して見捨てない」と誓われた心、すなわち「摂取不捨」の心と、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という理念とに共通点を見出し、この仏教的な視点を通して大学構成員自らの自省と気づきを促す、それが、本学が掲げる「仏教SDGs」です。
琵琶湖低層の無酸素状態について
▪️新聞各紙でも報道されていますが、滋賀県が、琵琶湖の北湖の低層で無酸素状態が確認されたことを発表しました。原因はいくつか考えられるようですが、そのうちのひとつが、表層水温の高さです。水温が高いと比重が軽くなり、底の方の重い水と混じりにくくなるので酸素が供給されにくい…ということのようです。
昨年度と同様今年度も、表層水温が高く水温躍層が強固に形成され、6月以降に強風の日が少なく底層付近の水の混合が弱いことも、底層DOが大きく低下している要因と考えられる。
▪️ただ、なぜ表層水温が高いのかについて、滋賀県の発表にはその理由が書かれていませんが、常識的に考えて猛暑日が続いたことが原因かと思います。ということは気候変動と結びついてくることになります。無酸素状態になることで心配されることは、底泥の中の重金属やりんが酸素と切れてしまい、溶け出してくることにあるようですが、水質から見る限り今のところそういう影響はみられないとのことです。でも、安心はできません。
底層DOが低下することで影響を受けやすいとされる水質項目には、重金属類(マンガン等)や栄養塩類(りん等)がある。
底層DOの低下がみられる7月中旬以降からこれまでの間に、これらの水質項目の濃度に特に影響は見られていない。
▪️かつて琵琶湖の富栄養化問題の時は、下水道等という技術的解決手法、法的規制、加えて社会運動(たとえば石けん運動)等によって社会的にコントロールしようとしてきました。富栄養化の原因は、琵琶湖の周りの地域社会の中にあったからです。しかし、琵琶湖の無酸素状態が発生する原因のひとつが気候変動にあるのならば、それは地球規模のメカニズムの中で生じているということになります。どうやって対処していったらよいのか…と戸惑うことになります。滋賀県民だけが頑張っても、無酸素状態は改善されません。
▪️温暖化ガスの排出が地球温暖化を生み出し、その結果、北極域の昇温により偏西風は蛇行をするようになり、偏西風の蛇行は、移動性高気圧、台風、低気圧などの動きに作用して、それらを長く同じ地域に留まらせるようになり、また温暖化によって派生する大量の水蒸気は台風を成長させ…いろんな要因が繋がっていくことの中で、さらに琵琶湖低層の無酸素状態が水質と生物に悪影響を及ぼすという心配事にも繋がっていくのではないかと思うのです。低層の無酸素状態という自然の側からの「サイン」を、私たちはどう受け止めたら良いのでしょうか。
▪️話は少し変わります。滋賀県が定めたマザーレイクゴールズ(MLGs)は、多くの皆さんの議論の中かから生まれた13のゴールです。「Goal 7」は「びわ湖のためにも 温室効果ガスの排出を減らそう」です。「日常生活や事業活動から排出される温室効果ガスを減らす取組が広がり、琵琶湖の全層循環未完了などの異変の進行が抑えられる」からです。これは、無酸素状態、水質や生物への悪影響と直接的に結びついています。ただし、ここが大切なことなのかなと思いますが、「Goal 7」は、他の12のゴールとも直接的にそして間接的に連関しあっています。そして、最後の「Goal 13」は「つながりあって目標を達成しよう」です。「年代や性別、所属、経験、価値観などが異なる人同士、また異なる地域に住まう人同士がつながり、琵琶湖や流域の現状、これからについて対話を積み重ね、その成果を共有できる機会が十分に提供される」ことを目指そうというのです。
▪️私は、前期高齢者の老人ですが、気候変動を生み出してしまったことに対して責任のある世代です。若者の皆さんからは、もっと批判されて良いように思います。私は老人ですから、そのうちに死んでしまいますが、若者(孫の2人はそこに含まれます)の皆さんは、その後も気候変動が厳しくなる状況の中で生きていかなければなりません。将来においてより大きな被害を受ける可能性があるわけです。気候変動のことで怒っている若者のことがニュースに登場します。ただし、そのようなニュースは海外のものです。日本の若者ももっと怒って良いと思います。
▪️若者たちは、化石燃料の使用など温暖化ガスを排出する社会の仕組み自体を変えないと主張しています。システムチェンジというようですね。でも、そのようなグローバルに拡大している仕組みを変えることはできるのか。3.5%の人びとが声を上げると世の中は変わっていくという説があります。書籍にもなっています。ハーバード大学のエリカ・チェノウェス著『市民的抵抗 非暴力が社会を変える』(白水社刊)という本です。この本に関連した解説はこちらです。
▪️日本の人口は1億2488万5175人(2024年1月1日現在)の3.5%とは、4,370,981人。滋賀県の人口は1,401,134人(2024年9月1日現在)の3.5%は49,040人。これらの人びとを、どうような方法でつないでいけば良いのでしょうか。理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」では、その方法を探っています。話が、琵琶湖低層の無酸素状態の話から大きく脱線してしまいました。すみません。
▪️滋賀県が発表した資料ですが、こちらもご覧いただきたいと思います。
気象庁のアメダス
▪️「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言います。「夏の暑さも冬の寒さも春秋の彼岸を境に和らぐ」という意味です。しかし、今後は、気候変動・温暖化が進行していく中でどうなるのでしょうね。気象庁の公式サイトから、「アメダス」により22日の14時現在の、日本全国の気温を地図で示したものをダウンロードしてみました。細長い日本列島の中で「夏」と「秋」が攻め合っているような感じです。神戸や大阪は25度を下回っていますが、京都は27.3℃、私の住んでい大津は26.6℃です。「夏」と「秋」の境界あたりなのかな。以前、暮らしていた岩手県の盛岡は17.9℃です。かなり涼しいですね。北海道だと、内陸部だと10℃を下回って9.5℃というところもあります。逆に南の沖縄県の那覇市は、31.9℃。与那国島は31.2℃。
▪️確かに、「暑さ寒さも彼岸まで」は部分的には気候変動と温暖化の中でもあたっているのかなという感じもします。ただ、週間天気予報を確認する限りは、まだまだ30℃の暑さが続きそうです。問題は、「あっ、涼しくなってきたね」と思ってしまうことです。35℃超えが当たり前のようになってきて、そのことに「飼い慣らされて」しまっているだけなのかもしれません。この異常な状態を、もっと深刻に考えないといけないですね。気候変動や温暖化については、様々な意見があります。そのことを言っておいた上で、以下の動画を貼り付けておきます。
若者気候訴訟
▪️「若者気候訴訟」の公式サイトです。
▪️以下は、「若者気候訴訟」が訴訟を起こした理由です。こちらからの転載です。実際にサイトをご覧になってみてください。
温暖化や気象災害の激甚化など、気候変動の悪影響が世界各地で頻発する中、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)などの最新の科学によれば、2020年に生まれた子どもたちは1950年生まれの世代の4~7倍、気候変動の悪影響を受けると予測されています。
またIPCCは、CO2の累積排出量と平均気温の上昇が比例関係にあること、地球の平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃に止めることが極めて重要であることなどを報告しています。そして、気温上昇を1.5℃に抑えるには、世界全体でCO2排出量を、2019年比で、2030年までに48%、2035年までに65%削減し、2050年にはカーボンニュートラルを実現していく必要があることも示しています。さらにIPCCは、この10年で行う対策が、数千年先まで影響を与えると警告しています。
そこで国際社会は、気温上昇を1.5℃に抑えることを決意し(COP26グラスゴー気候合意)、脱化石燃料・再生可能エネルギーの時代へと移行していくことを確認しました(COP 28)。実現には、火力発電など大規模排出事業者の取組が不可欠です。しかし、現状では1.5℃に抑えることができないどころか、3℃も上昇してしまうことが懸念されています。とくに日本はG7国のなかで唯一、石炭火力の廃止年を示していません。逆に、「ゼロエミッション火力」と称して火力発電での水素・アンモニア混焼、CCSを公的資金で支援し、また、電気料金に転嫁させ、再生可能エネルギーの導入も遅れています。
近年、世界で国や企業に対する気候訴訟が提起され、勝訴判決も現れています。誰もが、安定した気候のもと健康的に暮らす権利を持っています。気候変動によってこのような人権が侵害されることに対して、法律の力で、政府や企業に十分な気候変動対策をとることを求める訴訟、それが気候訴訟です。
そこで、日本に住む16人の若者たちが日本の主な火力発電事業者10社(日本のCO2排出量の約3割を排出)に対し、少なくとも、IPCCが示す水準まで排出を削減することを裁判所に求めました。それがこの訴訟です。また、この訴訟を通して、気候変動対策の重要性・緊急性が広く日本社会に共有され、理解と共感が広がることもめざします。
▪️「若者気候訴訟」のことは、多くのメディアで取り上げられているようです。
気候変動関連死
▪️先日のNHKの「クローズアップ現代」という番組で、「気候変動関連死」という言葉を知りました。過去最高の暑さの中で、熱中症で亡くなる方のことがニュースになりますが、この「気候変動関連死」はそれだけではないのです。番組では、「WHO=世界保健機構は、『熱中症など暑さによる死、マラリア、デング熱、下痢、栄養失調』の5つの原因により、2030年から2050年で世界で毎年25万人が気候変動関連死すると推計」しているようです。また、IPCC=気候変動に関する政府間パネルが2022年に出した報告書では、「気候変動関連死に繋がるような健康へのリスクのあるものとして、『暑さによる死・循環器疾患・呼吸器疾患・糖尿病・マラリア・デング熱・メンタルヘルス・下痢・栄養失調』などを、多岐に渡る影響が指摘されている」というのです。鬱病等のメンタルヘルスにまで暑さが影響を及ぼすとは考えてもみませんでした。暑さで自殺率が高まるのだそうです。
▪️気候変動による大規模な災害、たとえば巨大な台風により想定以上の大水害が発生すると、食糧生産にダメージを与えてしまいます。その被害の規模が大きければ、特に食料供給が十分でない国では栄養失調に陥る人たちが増えることになります。しかし、これは途上国だけの話ではありません。食糧安全保障が脆弱な日本でも、供給が不足し加えて物価も上昇すれば、経済的に弱い立場の人たちは栄養失調になるリスクが高まります。水害の後には下痢の患者が多発するようです。このことについて、番組では詳しく説明していませんでしたが、このような記事でそのことを確認できました。「大雨災害後に注意すべき感染症」というウェザーニュースの記事です。この記事では、注意すべき感染症として「レジオネラ症」、「レプトスピラ症」、「破傷風」、「急性呼吸器感染症」、「急性胃腸炎・急性下痢」の5つを挙げています。
▪️番組では、将来の話ではなく、高齢できちんと栄養が取れていないことによって、暑さの中、循環器に異常が発生し突然死してしまった例が紹介されていました。暑さの中で高齢者の方が食欲をなくすと、栄養不足になり、低アルブミン血症を発症し、それが原因で心不全を起こしてしまうようです(低アルブミン血症について知識がないので説明できませんが…)。糖尿病の人は血糖管理がきちんとできていないと体調不良に陥りやすいようです。医学的な理屈は分かりませんが、こういう記事がありました。暑さが、身体の中に隠れていた病気のリスクを潜在化させるようですね。
▪️デング熱は、感染した蚊に刺されることで人に感染するウイルス性感染症です。 ネッタイシマカやヒトスジシマカAedes albopictus が媒介するようです。フィリピンに出張した時は、デング熱のこともあり、長袖のシャツを着ていました。日本も熱帯地域のような気候になれば、デング熱だけでなく、マラリアなどにも注意しなくてはいけなくなります。「日本でもマラリアやデング熱は流行するのか 気候変動と感染症の関係を知ろう」という記事を読んでみました。
▪️番組では、以下のように説明していました。
実は熱中症による死は、暑さが影響した死のごく一部であることが分かってきました。去年12月に発表された日本の研究では、2015年から5年間の気温と死亡者数の関係を解析。すると暑さの影響による死が、熱中症死亡者数のおよそ7倍にのぼっていたのです。
▪️番組と連動しているこちらの「クローズアップ現代 取材ノート」には、「気候変動による”命のリスク“は? あなたの地域のリスクは?」という項目がありました。そこでは、①現状のペースで気候変動対策を行った場合(21世紀末に気温は2.74度上昇※)と、②対策のペースを速めパリ協定の目標達成を目指す(21世紀末に気温は1.95度上昇※)、③何も気候変動対策をしない場合(21世紀末に気温は4.77度上昇※)、これらの気候変動の将来予測の3つのパターン沿った「暑さで亡くなる人の増加率」を地図上に示してあります。①②③には、それぞれ「21世紀半ば」と「21世紀末」の予測が示されています。「21世紀半ば」とは、仮に私が長生きしたとしても死ぬ時期になります。「21世紀末」は孫たちが高齢者になる時期です。
▪️もし、①の場合だと、「21世紀半ばの2031年~2050年には、日本各地の多くで、暑さの影響で亡くなる人が現在の2~3倍になります。特に、鹿児島県では6倍となっています。2081年~2100年と21世紀末になると、中国・四国地方を中心に増加し、5~6倍、鹿児島県では、10倍以上に」になると予測しています。しかし、「2015年の気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定の目標」、すなわち2度に抑えることができると、今以上に気候変動対策のペースを早めるると、「①のパターンよりも全国的に死亡者の増加率は下がり、21世紀末でも全国的に2~3倍に抑えられ」ると予測ています。しかし、③の場合だと、すなわち気候変動対策をすることをやめると、「21世紀半ばでも全国的に他のパターンよりも死亡者の増加率は高くなり、21世紀末には、全国的に少なくとも5~6倍、中国・四国地方では、9~10倍になり、鹿児島県では20倍以上になると予測」されています。
▪️気候変動に対応した社会システムを構築していくことと、気候変動を可能な限り抑える社会的な努力等を、同時に進める必要があります。番組では、そのめ進め方に関しても情報提供が行われていましたが、そのことについては、別途投稿したいと思います。
“観測史上最も暑い夏” 気温がこれ以上あがったら、どうなる?猛暑日増で複合災害や健康被害の可能性も…【news23】
▪️ネットで「“観測史上最も暑い夏” 気温がこれ以上あがったら、どうなる?猛暑日増で複合災害や健康被害の可能性も…【news23】」という記事を読みました。調べてみると、動画もありました。これらは、短期間でネット上から消えていくように思います。少しメモを残しておこうと思います。
▪️気候変動・温暖化がリアルに実感できるようになってきました。でも、まだ「茹でガエル」状況から抜け出せていないようにも思います。「茹でガエル」とは、危険が迫っているけれど変化がゆるやかなため気がつかないまま、気づいたときにはすでに手遅れになってしまっている…という意味です。この記事の最後の部分では、ドイツの例が紹介されていました。ドイツでは、2021年の歴史的な洪水以降、経済エネルギー省が経済気候保護省になったのだだとか。最初の一歩ということのようです。気候変動は果たして抑制できるのでしょうか。すでにティッピングポイントを超えたのではという説もあります。ティッピングポイントとは、温室効果ガスの排出が続き大気中の濃度が限界値を越えると、後戻りできない劇的な気候変動が起こる、その臨海点のことです。実際、地球上では、グリーンランドの氷床融解をはじめ、永久凍土の融解、南極氷床の融解、アマゾン森林破壊等、といった現象が発生しています。
▪️気候変動にブレーキをかけることはもはやできないのか。いや、まだ頑張れば大丈夫なのか。もしできないとすれば、どのような適応の対策をしたらよいのか。記事にはありませんが、気候変動は農業生産に大きな影響を与えることは確かで、食料自給率の低い日本の場合は、食糧難を経験することになるやもしれません。それでなくても、農業従事者は高齢化しており、耕作放棄地も増加している現状を考えると、こういった気候変動が日本の農業に打撃を与える可能性を無視はできないのではないかと思います。以下は、メモです。専門家の予想は、かなり深刻です。「最悪のシナリオ」をさらりと語っておられますが、これが具体的にどのような恐ろしい状況なのかを専門家以外にも理解できるように具体的に示す必要もあるように思います。
・「(今世紀末の)年平均気温は20世紀末と比べて+4.5℃ということが予想されています」
・「たとえば7月の気温があれだけ暑くて、(月の)平均気温は(平年より)2℃高いぐらい。4℃上がるというのは、ものすごいことですね」
・「極端な暑さの確率が上がってくると、他の自然災害と一緒に起こる確率がすごく高くなる。極端に強い台風が来たすぐ後に熱波が来るとか」
・「熱中症の死者は30年を平均して300人ぐらい。“熱疲労”で亡くなっている方は3000人ぐらい」
・「暑くなって体温が上がる以前に、他の臓器に影響が出て亡くなってしまうことがあります。例えば、呼吸器とか循環器です。気温と疾患の関係をとると、明らかに気温が上昇したらそういう疾患の死亡が増えている」
・今回の台風10号について、気候変動によって最大風速が7.5%も増した可能性があるということです。
・今回の台風10号クラスの台風の発生頻度は、気候変動がなかった地球での場合は10年間で4.5回ですが、気候変動の影響があると5.7回に増えるという可能性を指摘しています。
・母国のドイツでも災害が増えています。例えば、2021年に歴史的な洪水があって、それを機に不安が広がり始めました。その後、選挙がありましたが、選挙にも影響が出ました。
・ドイツには昔、経済エネルギー省がありましたが、編成して、今は経済気候保護省になっています。なので、何か経済的なことをやろうとすると、必ず1回は気候のことも考えないといけないという新しいルールになっているので、最初の一歩かなという感じです。
▪️私はに2人の孫がいます。その孫たちが後期高齢者になる頃、地球はどうなってしまっているのか…とよく想像することがあります。私は21世紀の中頃には当然この世にいません。しかし、孫たちは21世紀末を生きなければなりません。
台風とウォーキング
▪️昨日は、午後から自宅書斎で仕事をしていました。いつも16時前からウォーキングをするのですか、昨日は気がついたら17時になっていました。暮らしている大津市では…ですが、今日は、風はまあまあ強いけれど、空を見上げても台風の気配を感じることができませんでした。もちろん、油断しているわけではないのですが…。ということで、突然雨が降ることはないだろうと予測し、近場を10,000歩程度歩こうと決め、近くの住宅地や隣接する農村(仰木)の中を歩きました。住宅街は、湖西道路で東西に分かれています。上の左の写真は、その東西をつなぐ橋の上から撮ったものです。現在、拡幅工事が進められています。2025年には関係するそうです。ここがいつもボトルネックになって渋滞するので、早く拡幅工事が終わって欲しいです。右の写真は、仰木の集落から撮った琵琶湖の南湖。ここがピークでここから自宅に向かって降りて行きました。けっこうな高低差があるので、トレーニングには良いですね。結局、1時間ちょっとウォーキングすることになりました。距離にして、6.7kmです。
▪️ずっと空の様子を確認しながら歩きました。怪しい雰囲気は出ているのですが、雨は少しも降ってきませんでした。今回の台風10号は進路が予想不可能で困りました。遠く離れていても、線状降水帯が現れてくることがあるから気をつけるようにということが今回はかなり強調されました。また、台風が熱帯低気圧になっても、風速が落ちるだけで、大雨が降る可能性があることも強調されました。これから毎年、酷暑と災害を伴うこういった気象に怯えるような感じになっていくでしょうかね。
▪️ところで、この夕方の時間帯、多いのは、犬の散歩をさせる方たちです。多いですね〜。次に目についたのは、数はずっと減りますが、2人1組でウォーキングをする女性の皆さんです。1人でウォーキングされている女性もおられますが、どちらかというと2人1組で歩く方が多いように感じます。年配、おそらく70〜80歳代の女性になるとストックを持ったストックウォーキングの方達もおられました。17時から18時頃だと、まだ帰宅を急ぐ勤め人の方たちはまだ目立ちません。昨日は、スマホで音楽を聴かずに、ひたすら歩きました。音楽を聴くとのと聴かないのとでは、風景の見え方が違ってくるように思います。それは当然か。さて今日なんですが、台風が近くまでやってきますが、弱まっています。でも滋賀県内でも湖東の地域は雨がかなり降っているようです。私が暮らす湖西は雨がそれほどでもありません。夕方ウォーキングをするかもです。
▪️黄色い花ですが、気になって撮って自宅で調べました。キダチチョウセンアサガオ(エンジェルストランペット)というよです。
台風10号で「三鶴」
▪️台風10号が九州に到達したようで、大津も暗いうちに雨が降り始めました。台風の被害の被害を受けそうな範囲って、かなり広いですね。昨日は、東北の岩手県盛岡市にも避難指示が出ていたことを知りました。もう解除されたようですが。岩手の知り合いの方が、SNSを通して盛岡市内を流れる中津川の写真を送ってくださいました。普段だんと散策する遊歩道は水の下に隠れていました。水位は下がり始めているのでしょうが、かなりの水量です。ひょっとすると溢れるかも…ということで避難指示が出たのでしょう。下は、岩手日報の動画です。また、こちらは「JR山田線 明日以降盛岡~宮古駅間の上下線見合わせ 復旧の見込み立たず」というニュースです。山田線も大変なことになったようです。
▪️ということで、盛岡に暮らしていた時にお世話になった居酒屋「三鶴」さんにショートメッセージを送ってみました。女将さんからすぐ返信がありました。台風だとか大雪だとか、何かあるときにしかメッセージのやり取りはしないのですが、ご夫婦共にお元気そうで良かったです。また、遊びに行かないといけません。
▪️偏西風に乗ることなく、台風の進み具合、非常にゆっくりです。雨による被害が出そうです。近畿を通過する時は風も強くなるのでしょうね。以下は、そNHKが公表している「被害情報 支援情報 災害情報マップ」です。この地図上に、日本中の様々な情報が集約されています。スワイプすると、自分が暮らしている地域の状況、他の地域の状況がわかります。
伊吹山の鹿の食害と貴重植物の保護活動
▪️長らく、公益財団法人平和堂財団「夏原グラント」の選考委員をしています。もう10年目になります。毎年、夏原グラントが助成をしている環境保全団体の活動からは、多くのことを学ばせていただいています。今年度から助成を受ける「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の高橋滝治郎さんのFacebookへの投稿です。鹿に貴重な植物が食べられないように、地域住民の手でできることをしようと、これまでの化繊のネットではなくて、もっと頑丈な鉄柵で囲むことに取り組んでおられます。助成には上限がありますが、上限いっぱいまで鉄柵を購入する費用に当てられていたと思います。すごく、シンプルで分かりやすく、評価も高い申請でした。こうやって、鉄柵で囲んだエリアを増やしていかれるのだと思います。
▪️伊吹山は、今、鹿の食害で大変な状況になっています。やっと自治体も県境を超えて連携しながら動き始めました。食害の結果として、雨が山肌を抉り、深い谷のようなものがいくつも生まれています。山が崩壊していくかのようです。すでに土砂災害も発生していることから、至急に、土木的な対策を講じる必要があるでしょう。加えて、鹿の捕獲ですね。高橋さんたちは、投稿の冒頭に「深刻な状況だけどわれわれができることを着実に進めます」と書いておられます。力強いお言葉です。