実現するか「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」
■今週の木曜日に、野洲市の須原に出かけました。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている堀さんや、龍谷大学RECの熊谷さんとご相談をさせていただきました。そのご相談から派生して、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」のというアイデアとして出てきました。
■「鉄は熱いうちに打て」というわけで、さっそく知り合いの皆さんに相談をさていただくことにしました。いつもお世話になっている方を介して、某ホテルの幹部社員さんとお話しをさせていただくことができました。民間の力で世界農業遺産認定を盛り上げていこうという趣旨を前向きにご理解くださり、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」の開催にもお力をお貸しいただけることになりました。また、ホテルとしてもご参加いただけることになりました。
■前にも書いたことの繰り返しになりますが、いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんな夢が実現できます。本当に、人とのつながりは財産です。大切だと思います。昔、タレントのタモリさんがお昼にやっていた番組の有名なフレーズを拝借すれば、「友達の友達はみな友達だ、琵琶湖の周りに広げよう世界農業遺産の輪」という感じになりますかね。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」、来年の春にはまずは第一弾を実現させたいと思っています。
世界農業遺産・魚のゆりかご水田・大人の体験学習
■木曜日は、午後から留学生の授業なのですが、今日は午前中に野洲(滋賀県野洲市)に行きました。野洲市の須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている「せせらぎの郷 須原」の堀 彰男さん、龍谷大学RECの熊谷 睦史さんと一緒に、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について相談しました。最後の「味わう」は、お米はもちろんですが、魚のゆりかご水田米から醸した日本酒もです。
■地域社会(農家)と、地域の大学(龍谷大学)と、地域のNPO(特定非営利活動法人「琵琶故知新」)が連携して、「琵琶湖システム」を盛り上げていく企画です。将来は、野洲川中上流の皆さんとも繋がっていきたいです。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」は流域単位で、流域ごとに、それぞれの流域固有の価値を再認識し、磨いて、経済的にもプラスになるように連携していくと素敵だと思っています。最後の経済的…というところが大切だと思っています。
■今日はいろいろ相談をしていて、派生的な企画も生まれてきました。そのうちにホテルの関係者にも相談にあがりたいとおもいます。これも世界農業遺産がらみの企画です。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」みたいな感じかな。このような話をしている時が、一番楽しいな(^^;;。いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんなことが実現できます。人とのつながり、財産ですね。大切だと思います。それぞれの専門性のコラボレーションから素敵なハーモニーを奏でられるかな。
■というわけで、舞い上がりすぎて、大切なものが入っているショルダーバッグを写真の喫茶店(コメダ珈琲)に忘れてしまいました。野洲駅まで戻って気がついたので、喫茶店までジョギング。ひさしぶりに、ジョギングしました。気をつけないといけません。
大津祭
■2限の授業が終わり、昼食を購入しに、キャンパス内のコンビニ(Family Mart)に向かっていると、何やらお囃子が聞こえてきます。NPO法人大津祭曳山連盟の皆さんが、瀬田キャンパスにお越しになっていました。お祭りのボランティア募集のアピールかと思います。毎年、ボランティア・NPO活動センターに登録している学生の皆さんが、大津祭にボランティアとして参加しています。とはいえ、過去2年は、大津祭はコロナ禍のため中止になっていました。今年は、なんとしても開催するようです。楽しみです。
NPO法人大津祭曳山連盟の皆さんが、瀬田キャンパスでボランティア募集のアピール。毎年、ボランティア・NPO活動センターに登録している学生の皆さんが、大津祭にボランティアとして参加している。過去2年はコロナ禍のため中止だったが、今年はなんとしても開催。#龍谷大学社瀬田キャンパス#大津祭 pic.twitter.com/LPtqd5WYwi
— 脇田健一 (@wakkyken) July 13, 2022
総合的な探究の時間
■高等学校の「総合的な学習の時間」という授業があるのだそうです。呆れられるかもしれませんが、高校にもあったことを知りませんでした。その授業が学習指導要領の改訂によって、2022年度から「総合的な探究の時間」に変更されたのだそうです。この「総合的な探究の時間」では、生徒が自ら課題を設定して、情報の収集や整理・分析をして、まとめる…そのようなことに取り組むのだそうです。ということで、この分野に強い若い同僚が、社会学部の「社会共生実習支援室」(6号館)の図書にも、「探究」関連の本を加えてくれました。写真が、その本の表紙と目次になります。比喩的な言い方になりますが、パソコンのOSにあたる部分、日本の教育システムのOSの部分が少しずつ変化しているように思います。急には大転換はしないでしょうが…。
■全国の大学で、アクションラーニング、PBL(Problem-based Learning)、CBL(community-based Learning)…といろいろ取り組まれています。私も現在の職場で「大津エンパワねっと」や「社会共生実習」、ゼミでは「北船路米づくり研究会」を指導してきました。高校でのこの「探究」の時間が、もし「本気」で取り組まれて、充実してくると、大学でのこれまでの取り組みは相対的に陳腐化していくような気がしています。大学に進学した学生からは、「高校までの方が、もっとすごかったよ」と言われてしまうような気もします。
■大学も時代の変化に合わせて自ら変わっていかなくてはいけないのですが(教員本位から学生本位へ、学生が自らの学びを獲得するための支援へ)、基本のOSのところは、私が学生の頃とあまり変化していないようにも思います。それで何がいかんのや…という教員もけっこうおられるでしょうね。大学の学問は、そんなことに振り回されてはいかん…という教員もおられることでしょう。もちろん、私は違いますけど。
■このことをfacebookに投稿したところ、次のようなコメントをいただきました。「数年前に、新しい学習指導要領が発表されたとき、入試を含め、大学が動きださなければ、高校教育改革の目論見もうまくいかなくなるだろうなと感じていました」。なるほど、大学が本気にならないと、高校の先生も「探究」の授業はやりにくくなるとのご意見です。「『探究』なんて勉強しても進学には関係ない」ということになると、形だけのものになってしまいます。大学に入学するために「探究」の勉強に取り組むというのは、なんだかおかしな話ですが、「高校で取り組んだ探究の勉強を、さらに大学に進学して本格的に深めていきたい、より実践に近い勉強がしたい」という高校生が生まれてくれば、ぜひ龍谷大学社会学部に入学していただきたいと思います。もちろん、今の入試制度だと不完全になりますね。総合的な力を判断する学力テストとか、あるいはAO入試で、高校時代の「探究」での取り組みを評価するなど、新しい試みが必要になってきます。そして、現在のアクションラーニング、PBL(Problem-based Learning)、CBL(community-based Learning)を、FD活動を通じて、さらに進化・深化させていく必要あるのではないかと思います。大学側も相当の努力が必要になります。
■なぜ「探究」という授業が必要だと考えられてきたのか、それは、これからの時代、先行きの見えない状況の中で生きていかねばならないからです。不勉強で知りませんでしたが、「VUCA(ブーカ)の時代」というのだそうですね。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったものです。このようなこれから到来する時代には、異質な集団で交流する、自律的に活動する、相互作用的に道具(言語、知識、技術等)を用いる、以上3つを統合した能力=思慮深さ(Reflectiveness)が必要とされるというのです。詳しくは、「探究」関連の図書をお読みいただきたいと思います。定年まで残り5年を切りましたが、もう少し私も勉強しなくてはいけないと思っています。もし、「探究」的学習を経験した高校生を大学が本格的に受け入れるのならば、専門分化した学部ごとに入試を行い、合格したら、一般教養から専門過程へと進んでいくような、現在の教育の仕組みでは非常に不十分なのではないかなと思います。今のように、最終的に教員の専門分野に囲い込んでいく教育から、学生の探究を支援する教育へとシフトしていかなければならないはずです。
■もうひとつ、蛇足のようなことを…。まだ、どこかに、高度経済成長期の「良い企業」に就職すれば人生は安泰…のようなイメージの「残滓」があって、「より偏差値の高い高校、そして偏差値の高い大学に入学することが、人生の安泰につながるのだ」というような「幻想」に、どこかでまだ縛られているようにも思います。現実は違っているのに。どうすれば、このような「残滓」や「幻想」の縛りから自由になれるのでしょうか。
2021年度 社会共生実習活動報告会
■金曜日2限は「社会共生実習」。普段は、担当している「地域エンパワねっと・大津中央」の指導をしているのですが、今日は、この「社会共生実習」で開講されているすべてのプロジェクトチームの学生たちが集まり、活動報告会を開催しました。全部で10チームの報告を聞かせていただきました。
■昨年から新型コロナの感染拡大の波が続き、社会共生実習のどのプロジェクトチームも思うように活動できませんでした。サーファーは大きな波を求めていきますが、私たちは逆に大きなコロナの波を避け、大きな波の隙間でなんとか活動を行ってきました。困難な状況のなかで、学生の皆さんは、よく頑張ってこられたなと思います。なんとか無事に今年度の「社会共生実習」を終えることができて、教員としてもほっとしました。
■ところで、大学の教育の場では、しばしば「きちんと単位を取っているか」という言い方を耳にします。まるで、単位を取ること自体が目的かのようです。大学が定めたカリキュラムの枠組みのなかで、単位の取りやすさという「コスパ」の物差しだけで単位を積み上げているかのようです。もちろん単位という考え方やカリキュラムの存在を否定するわけではありませんが、学びの主体性が伴わなければ、まるで「工場のオートメーションでどんどん製造されていく商品」のようになってしまいます。それでよいのでしょうか。
■おそらく、社会共生実習を履修している学生の皆さんは、このようなイメージの中に自分が吸い込まれていくことを拒否し、吸い込まれることがないように頑張っている方たちだと思います。そして、与えられたカリキュラムのなかに、自分の学びを立ち上げようとされている方たちだと思います。頑張ってください。応援します。
■今日の報告は、どちらかといえば、活動のプロセスや活動で生み出された成果を中心としたものでした。しかし、そのような成果を生み出す活動に取り組むことのなかで、自分自身に、プロジェクトの他のメンバー、そして学外の地域の皆さんとの関係に、さらには社会と自分との関係に、なにか素敵な変化が生まれてきてはいないでしょうか。この1年の活動を振り返りながら、そのことを改めて考えてみてほしいと思います。
■3段目右の写真は、中日新聞の記者さんが取材されているところ。最後の写真は、指導した「あつまれ!みんなで作る絵本館」のチームです。
社会共生実習「ポスター作成講座」
■金曜日の2限は、社会共生実習で私が担当しているプロジェクト「地域エンパワねっと中央」の授業です。今日は、「地域エンパワねっと中央」以外の他のプロジェクトの皆さんも集まって、ポスター作成講座が開催されました。講師は、昨年に引き続き、京都大学情報環境機構の小野英理先生です。開催趣旨は、以下の通りです。
活動報告会等で成果報告をする際、第三者に「わかりやすいポスター」が作成できれば あなたの活動がもっと評価されるはず!! 昨年度も好評だったポスター作成講座、講師は京都大学で助教をなさっている小野英理氏です。 第30回霊長類学会大会にて最優秀ポスター賞を受賞されるなどご活躍なさっている小野氏から 「わかりやすいポスター」の作成方法を学ぶ貴重な機会です! この機会にぜひ、ポスター作成のスキルを磨いてポスターセッションやグループワークの質を 向上させましょう!
■社会共生実習では、活動報告会を開催しています。この報告会では、次年度以降に「社会共生実習」を履修してみたい学生の皆さんや、他のプロジェクトの皆さん、そして地域の皆さんを対象に、ポスターを作成して、自分たちが取り組んできた活動や、その成果を伝えることになっています。ところが、実際にポスターを作成しようとすると、多くの皆さんは戸惑ってしまうわけです。「ポスターって、どうやって作れば良いのかな」ということになります。また、我流でポスターを作成できたとしても、読む人にはうまく伝わらないことがあります。せっかく頑張って活動して成果も残してきたのに、とても残念なことですよね。「自分たちの活動について何も知らない人にも、きちんと伝わるような工夫」が必要になるのです。今日は、ポスターを作成する際に前提となる基本的な考え方をわかりやすく整理していただくとともに、具体的なポスター作成のテクニックについてご講義いただきました。
■おそらく、こういうポスターを作成する能力って、大学を卒業した後、企業等で働く際にもきっと役立つのではないかと思います。
【追記】講師の小野先生、お薦めのサイトです。基本的なデザイン手法を学ぶためにとても参考になるサイトとのことです。
伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン
龍谷マルシェ2021
■龍谷大学農学部は、龍谷大学の中では一番新しい学部です。2015年に設置されました。農学部設置の際には、委員としていろいろお手伝いをさせていただきました。そういう意味でも、他学部ではありますが、農学部の活動には強い関心を持っています。今回は、親しくさせていただいている農学部の石原健吾先生から、左ように「龍谷マルシェ2021」の開催について連絡がありました。
■この中に、11月21日に「浜大津こだわり朝市」に出店することが書かれています。この「浜大津こだわり朝市」は、大角街中に賑わいを作るために、京阪浜大津駅の改札口を出たところにある「スカイサークル」で開催されている、近江のこだわり地域資源を持ち寄って交流しているアットホームな朝市です。私も依頼されてこの朝市の実行委員になっているのですが、ずいぶん長い間幽霊委員のままできちんと役割を果たせておりません。私に期待されているのは、おそらく大学や学生と朝市を繋ぐことなのだと思うのですが…。
■先日、石原先生から「ランチ一緒にしませんか」とお誘いを受けました。その際、この朝市に農学部の学生の皆さんに出店していただくことはできないだろうか…とご相談をさせていただきました。石原先生には大変前向きに捉えていただき、農学部の関係者に働きかけていただきました。結果として、今回の「龍谷マルシェ2021」の一環として出店していただけることになりました。
■学内外でいろいろ相談されることも多いですが、こうやって私の方からご相談をさせていただいたり、お願いをしたりすることもできることは、大変幸せことだなあ〜と思っています。こういうのって、とても大切なことだと思うんですよね。
素敵なミーティング
■理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」の活動を通して知り合った、民間企業の社員さん達と、うちの教員の皆さんとの出会いの場を設けて、昨日は、素敵なミーティングを行うことができました。農学部のT先生とは琵琶湖の水草堆肥について、先端理工学部のY先生とは環境DNAについて。とても有意義、かつ前向きな意見交換ができたと思います。私は、琵琶故知新の理事長で、大学教員としては両先生が主催する研究プロジェクトに関わっていることから、今回のミーティングが実現しました。
■うちにはREC(Ryukoku Extension Center )という社会連携の部署があるのですが、そこを通さず、個人的に民間企業と大学の研究者とをつなぐことになりました。おそらくRECだと、こういったまだ「ぼんやり」としたミーティングはできないでしょうから。委託研究など、具体的に事業を進めていくということであれば別でしょうけどね。それはともかく、これまでに頂いたいろんな「ご縁」を大切にしながらも、出会いの場を作ることで「ご縁」を社会的に活かすことができればと思っています。うまくつながって、コラボの花が開いたらいいなあ…と思っています。
■コラボの花が上手く開いたら、このブログでもご報告できるようになるかもしれません。ご期待ください。
「龍谷大学まちラボfan」の活動に参加しました。
■昨日の午前中、大津市立仰木の里小学校の菜園に出かけました。仰木の里小学校は、湖西の丘陵地にある仰木の里という大きな新興住宅地の中にあります。昨日は、学生団体「龍谷大学まちラボfan」の皆さん、地域のボランティアの皆さん、そして校長先生も参加されて、学校菜園(畑)の雑草取りに取り組まれました。ということで、微力ながら私もお手伝いをさせていただきました。この活動は、学生の皆さんが、地域の皆さんや学校と相談して始めた「エディブルスクールヤード」の活動です。「龍谷大学まちラボfan」の活動については、こちらをお読みください。こちらの公式サイトの中の「活動成果と提案企画」をお読みください。
■もともとこのグループの活動は、大津市役所から龍谷大学への委託事業「学生まちづくりラボ」として始まりました。そして、この委託事業が終わった後も、学生団体として、活動を継続しています。委託事業が始まった当初は、市役所、大学や私たち教職員もサポートに努めていましたが、その後は、自立・自律して活動されています。私は、たま〜に相談に乗る程度です。素晴らしいと思います。学生団体として成長されました。
■単位や成績が出るわけでもなく、何かの資格が取得できるわけでもありません。地域のみなさんと一緒に目標を共有して、活動すること自体を、そのような活動で地域が少しずつ変化していくことを、楽しんでおられるのではないかと思います。今後も、活動のお手伝いができればと思っています。
6年前の出来事
■facebookでは、過去の同じ日付の投稿を知らせてくれるサービスがあります。昨日は、6年前の5月5日の投稿でした。同じ出来事を、このブログでも投稿しています。「琶湖ホテルで『滋賀マルシェ~里山の食彩~』」(Wednesday, May 6, 2015)という投稿です。ぜひ、お読みいただければと思います。
■6年前、学生たちが、湖西の棚田の農村と大津の街中にある老舗の酒蔵とをつなぎ、プロデュースした日本酒を、ホテルで宣伝していました。あの頃の学生さんには、パワーがあったなあと思います。というか、どこか精神的に余裕があったように思います。今は、なかなか難しい雰囲気になってきました。インターンシップ等、就活をめぐる状況が少しずつ変化しているからでしょうか。3回生になると、かつての学生のように地域連携の活動にどっぷり浸かることはできません。ましてや、コロナ感染拡大で、このような学外での活動が全くできない状況です。学生の皆さんと地域連携活動に力を入れてきた私としては、大変困った状況にあります。気持ち的にもキツイですね。