「水俣・京都展」関連記事
▪️京都の「みやこめっせ」で「水俣・京都展」が開催されています。このことにあわせて、小学校時代のクラスメイトで新聞記者の林田英明さんが「希望を見つけに「水俣・京都展」へ~実川悠太さん講演」という記事を書いておられます。林田さんというと、何か居心地が悪いので林田くんと書かせてください。林田くんご本人から「拡散」してほしいとのお知らせをいただいたので、皆様にもお読みいただければと思います。記事の内容は、実川悠太さんの講演会を取材したものです。
▪️実川さんは、NPO法人「水俣フォーラム」理事長をお務めになっています。ご講演の中のジェンダーと公害や環境問題に関わる部分には、良い刺激をいただきました。また、このご講演と関連して、林田さんが紹介されている『SDGsの先駆者 9人の女性とごみ環境』のことも気になりました。読んでみようと思います。林田君の記事、最後の部分です。
実川さんの言葉の端々に、便利さの裏側にあるものも見ようという姿勢が伝わる。「私たちは、遠い加害者でもあり、遠い被害者でもある。そんな暮らしを享受してきたけれど、これは何万年も続かない。さてどうしますか?」と直球で投げかける。水俣病は過去の話ではない。差別や嫌がらせは今もある。水俣病の実相を伝える水俣展はこれまでに26回開催しているが、来月の京都開催は初めてとなる。実川さんは「いかに悲惨かを知ってもらうためではない。こういう人たちがいると知ってもらいたい」と言う。「こういう人たち」は患者だけでなく、水俣病に生き方を迫られ行動してきた多様な人たちも指すに違いない。最後に実川さんはこう語った。「深い絶望があるところに、深い希望がある」。希望を見つけに、京都を訪れてみたい。
滋賀県ヨシ群落保全審議会
▪️昨日の午前中、「第40回滋賀県ヨシ群落保全審議会」が開催されました。審議会ですから、多くても年に2回ほどしか開催されませんが、これまで琵琶湖環境部の担当課とは、綿密に連絡をとりあい、審議会でも丁寧に議論をしてきました。私がこの審議会のメンバー、そして会長になったは2015年からですから、今年度で10年目になります。年に1回か2回の開催回数ではありますが、ずいぶん長くこのヨシ群落の保全に関わってきました。個人的にも色々勉強になりました。
▪️ところで、私がこの審議会のメンバーになった頃、そしてそれ以前は、琵琶湖総合開発のような大規模な巨大国家プロジェクトによって減少したヨシ群落を、造成によってどう量的に増やしていくのかを重視していました。しかし、面積的には一定程度回復してきた段階で、様々な観点から望ましいヨシ群落をどう維持していくのか、質的に回復していくのか、そのあたりに議論の焦点が写っていきました。「量」から「質」への転換です。ヨシ群落と人や地域との関わり、産業との関わりが希薄になり、ヨシ群落が望ましい状況ではなくなってきています。人の手が加わらなくなって里山が荒れていることは知られていますが、同じように、ヨシ群落も人の手が加わらなくなって荒れてきているのです。
▪️ヨシ群落が荒れているとはどういうことなのか、望ましいヨシ群落とはどういう状況なのか、立場や価値観によって異なります。たとえば、鳥類の保護を大切にされている方達が考える望ましいヨシ群落と、葦簀等、ヨシを地域産業の資源として使っている葦業者さんが考える望ましいヨシ群落とでは、かなりの違いがあります。ただ、多くの皆さんは、このままではダメだという思いを共有されているのだと思います。ヨシ群落の保全を気にしながらも、異なる立場の人たち、異業種の人たちが、どうすれば連携していけるのか…そのことが大切になってきているように思います。
▪️そのような連携を促進するためには、これまでのヨシ群落保全政策の基本的な視点、ヨシ群落を「守り」・「育てる」・「活用する」に加えて、ここからは個人的な意見ですが、「つながる」(「異業種」の方達が)・「知らせる」(ヨシ群落に関わる様々な情報を共有する)・「ほめる」(それぞれの前向きな取り組みを社会的に評価しあっていく)が必要なのではないかと思っています。また、審議会だけでなく、もっと機動力ある「情報交換の場」「連携促進の場」の創出が必要だとも思っています。
▪️昨日の審議会では、まず令和3年12月に改訂された「ヨシ群落保全基本計画」の概要説明があり、昨年度の取り組みの実施状況について、維持管理についての説明が行われました。特に厳しいなと思ったことは、ヨシ群落に生えてくるヤナギが巨木化して、群落の多様性が失われている場所があるということです。砂州のような場所にヨシがまず生えてきます。当初は「ヨシ主体の群落」なのですが、しだいに「混成群落」となり、最後は「ヤナギ主体の群落」に移り変わると言われています。以前は、ヨシ刈が盛んに行われて、ヨシ群落には人の手が加わっていました。生えてくるヤナギも、すべてではないしろ、湖岸の人びとによって伐採され、燃料等に活用されていました。人の手が加わることで、ヤナギ主体の群落になることはなかったのです。もっとも、審議会で問題にしているのは、「滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」により指定されている「保護地区」・「保全地区」・「普通地区」のヨシ群落になります。
▪️このようなヨシ群落のヤナギに関しては、これを伐採していくことになります。今は、伐採して薪にしています。そしてストーブ等の燃料を求めている方達に無料で配布しています。無料なんです。ホームセンターでも薪は売っています。一束1000円ほどします。もし、湖岸の伐採したヤナギを販売して、その収益を、ヨシ群落の保全に必要な資金にすることができれば良いのですが…。まず、商品化するには手間と人手が必要になります。費用が発生します。その費用は価格に加わります。値段も高くなりますね。加えて、もし商品になって利益が上がったとしても、その利益をヨシ群落保全のためだけに使うことは、現在の県の仕組みでは難しいという話を聞きました。なんとかならないものでしょうか。薪以外に、ヤナギを使えないのでしょうか。まな板に向いている、床材にも使われることがあると聞いています。ヤナギの利用法について、もっと知恵や情報が欲しいです。
▪️巨木化していくヤナギは、そして巨木化とまでいえないけれど、成長しつつあるヤナギは、どの群落のどのあたりにあるのでしょうか。その実態を把握しなければなりません。このことに関して、思いついたことがあります。琵琶湖やヨシ群落に関心をお持ちの多くの県民の皆さんに参加していただき、巨木化したヤナギの情報を集約していくことはできないだろうかということです。足場の問題がありますが、危険性がないということであれば、メジャー1つで「メタボ化したヤナギ」を確認することができます。また、「メタボなヤナギを探せ!!」です。電子タグを使うというのはどうでしょうか。里山の落葉広葉樹を活用していくために、樹に電子タグを打ち込み、情報を管理するということが行われています。これをヨシ群落のヤナギにも応用展開できないでしょうか。
▪️昨日は、事務局より「ヨシ群落info」の提案がありました。前回の審議会までは、「ヨシ群落カルテ(仮称)」という名称で呼んでいましたが、今回からは名称が変更になりました。これはどういうものなのか。ヨシ群落そのもののに関する情報と、ヨシ群落の保全に関わる団体の情報の2つから構成されています。形式はカードのようになっています。そして、それらの「ヨシ群落info」を Googleのマイマップを活用して地図上でつなげていく予定になっています。かなり簡単に説明してしまいましたが、こうやってヨシ群落の状況を社会的に共有していく予定になっています。できれば、県庁だけでこの仕組みを運用していくのではなく、この「ヨシ群落info」の活用の仕方をオープンに議論したいところです。
▪️このようなことも含めて、機動力ある「情報交換の場」「連携促進の場」の創出が必要だと思うのです。どうしたものでしょうね。公益財団法人・淡海環境保全財団では、「淡海ヨシのみらいを考える会議」を設立しています。私もそのメンバーです。この会議に、いくつかの提案をしてみようと思います。
魔界への誘い…
▪️昨日は、滋賀県庁を訪れて、ヨシ群落の保全等に関していろいろお話を伺い、ディスカッションを行いました。ディスカッションのポイントは多数に渡りますが、とても気になっていることは、ヨシ群落の「ヤナギ林化」という問題です。ヨシを中心としたヨシ群落に、たくさんのヤナギの樹が増えており、しかも巨木化しているのです。望ましいと判断されるヨシ群落ではなくなります。人の手が加わることで、ヨシ群落は維持されてきましたが、今はそうではないのです。人の手が加わらなくなる。人の関心が薄くなる。そういった環境は、「質」が劣化していきます。
▪️ディスカッションが終わったのが夕方だったということもあり、予定通り( ? )大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へ。すると、すでにご常連のお1人がカウンターに座っておられました。そのご常連と飲みながらお話をしていると、もう1人のご常連が来店。ということで、カウンターからテーブルに移動して呑みながら歓談。学生スポーツの話で盛り上がりました。真ん中のご常連、学生時代はアメリカンフットボールをされていて、お会いするといつもアメフトの話題で盛り上がります。なんですが、私は7時半前に帰宅しました。良い子ですから。真ん中のご常連に持って頂いたのが、今日入った芋焼酎の一升瓶です。「特約店限定流通品 魔界への誘い 紅はるか」です。魔界…って…。女将さんには(呑めないけれど)、私の好みを伝えてあるので、問屋さんで私の好みの芋焼酎を仕入れてくださっています。いつもありがとう。
「伊吹山特設サイト」
▪️「伊吹山特設サイト」というネットのサイトができていことを知りました。この特設サイトの中には、「伊吹山植生復元プロジェクト」のページがあり、そこでは「南側斜面の崩壊防止・植生回復について」解説してあります。また、「山頂・3号目における植生保全について」では、「特定非営利活動法人霊峰伊吹山の会」と「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の活動が紹介されています。
▪️後者の「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」の活動に対しては、「平和堂財団夏原グラント環境保全活動助成事業」から助成が行われています。この助成事業に少し関係していることから、この伊吹山の「南側斜面の崩壊防止・植生回復について」は、強い関心を持っています。地球温暖化により増加したシカの捕獲強化の効果等についても、もう少し詳しく知りたいと思っています。
「淡海ヨシみらいフォーラム~ヨシの保全と活用における連携の可能性~」
▪️今月の18日(金)(つまり、「びわ100」の前日)、今年の3月に発足した「淡海ヨシのみらいを考える会議」で、この会議に参加された皆さんと一緒に、「淡海ヨシみらいフォーラム~ヨシの保全と活用における連携の可能性~」を開催します。この会議には、様々な団体や個人が関わっていますが、横のつながりをもっと太くして、ヨシの保全、活用、啓発、研究の相互乗り入れを活発にしながら、「連携の可能性」を高めていくことについて話し合いができればと思っています。
▪️当日は、事例報告、情報交換会、ディスカッションという順番でフォーラムが予定されています。フォーラムでは、コーディネーターを務めることになると思います。24日は、近江八幡市のヨシ群落の現場を会員の皆様と一緒に訪問します。これも楽しみです。そして10月末の30日(水)には「第40会 ヨシ群落保全審議会」(滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖保全再生課)が開催される予定になっています。10月は、琵琶湖のヨシ関連の予定がたくさん入っています。このようなヨシ群落に関わる様々な関係者の関係を強化していくこと、これも滋賀県で取り組む「MLGs」(マザーレイクゴールズ)の推進に資する活動なのではないかと思っています。
『最近、地球が暑くてクマってます。 シロクマが教えてくれた温暖化時代を幸せに生き抜く方法 』( 水野敬也・長沼直樹 著, 江守正多 監修)
▪️地球温暖化に不安を感じていても、では何をしたら良いのかよくわからない…。そういう方にまずは読んでもらいたい、そういう狙いの本なのかもしれません。北極の氷が解けて生息地消滅の危機にあるシロクマの親子がわかりやすく、問題の本質を伝えてくれます。写真と大きな文字の構成は、なんだか絵本のようでもあるのです
が、あっという間に読めます。ユーモアたっぷりですね。工夫されている本だと思います。
▪️本の帯には、「あの〜、レジ袋有料化じゃ温室効果ガスぜんぜん減らないんですよ(笑)」と書かれています。シロクマのお母さんの言い分です。それでは、何をしたら良いのか。シロクマのお母さんは「国を動かすこと」だというのです。詳しくは、本書を手に取ってお読みください。大学の図書館に入っているのかなと思ったら、入っていませんね。ちょっと残念。
【追記】▪️本書の中ては、先進国が排出する温暖ガスにより、国の大半が低地にあるバングラデッシュのような国が、地球温暖化で増幅した水害によって1900万人の子どもたちの命が危険にされさらていることが説明されています。国土がどんどん削られている太平洋の島嶼国もそうだと思いますが、途上国の人びとが原因を作っているのではないにもかかわらず、被害を受けなければならないわけです。ここには倫理的な問題が存在しています。それから、まだ生まれていない、これから生まれてくる将来世代の皆さんのことをどう考えるのかということも大きな問題です。「【異分野クロス座談会】将来世代への責任をどう考える?」という記事を見つけました。国立環境研究所・社会システム領域のサイトの中にある記事です。
▪️龍谷大学の運営は、以下のような考え方に基づいています。もちろん、「すべての生きとし生けるものを決して見捨てない」ということの中に、気候変動に伴い苦しんでいる途上国も、当然のことながら、これからこの地球に生まれてくるすべての人々に対しても含まれているに違いありません。
阿弥陀仏が「すべての生きとし生けるものを決して見捨てない」と誓われた心、すなわち「摂取不捨」の心と、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という理念とに共通点を見出し、この仏教的な視点を通して大学構成員自らの自省と気づきを促す、それが、本学が掲げる「仏教SDGs」です。
琵琶湖低層の無酸素状態について
▪️新聞各紙でも報道されていますが、滋賀県が、琵琶湖の北湖の低層で無酸素状態が確認されたことを発表しました。原因はいくつか考えられるようですが、そのうちのひとつが、表層水温の高さです。水温が高いと比重が軽くなり、底の方の重い水と混じりにくくなるので酸素が供給されにくい…ということのようです。
昨年度と同様今年度も、表層水温が高く水温躍層が強固に形成され、6月以降に強風の日が少なく底層付近の水の混合が弱いことも、底層DOが大きく低下している要因と考えられる。
▪️ただ、なぜ表層水温が高いのかについて、滋賀県の発表にはその理由が書かれていませんが、常識的に考えて猛暑日が続いたことが原因かと思います。ということは気候変動と結びついてくることになります。無酸素状態になることで心配されることは、底泥の中の重金属やりんが酸素と切れてしまい、溶け出してくることにあるようですが、水質から見る限り今のところそういう影響はみられないとのことです。でも、安心はできません。
底層DOが低下することで影響を受けやすいとされる水質項目には、重金属類(マンガン等)や栄養塩類(りん等)がある。
底層DOの低下がみられる7月中旬以降からこれまでの間に、これらの水質項目の濃度に特に影響は見られていない。
▪️かつて琵琶湖の富栄養化問題の時は、下水道等という技術的解決手法、法的規制、加えて社会運動(たとえば石けん運動)等によって社会的にコントロールしようとしてきました。富栄養化の原因は、琵琶湖の周りの地域社会の中にあったからです。しかし、琵琶湖の無酸素状態が発生する原因のひとつが気候変動にあるのならば、それは地球規模のメカニズムの中で生じているということになります。どうやって対処していったらよいのか…と戸惑うことになります。滋賀県民だけが頑張っても、無酸素状態は改善されません。
▪️温暖化ガスの排出が地球温暖化を生み出し、その結果、北極域の昇温により偏西風は蛇行をするようになり、偏西風の蛇行は、移動性高気圧、台風、低気圧などの動きに作用して、それらを長く同じ地域に留まらせるようになり、また温暖化によって派生する大量の水蒸気は台風を成長させ…いろんな要因が繋がっていくことの中で、さらに琵琶湖低層の無酸素状態が水質と生物に悪影響を及ぼすという心配事にも繋がっていくのではないかと思うのです。低層の無酸素状態という自然の側からの「サイン」を、私たちはどう受け止めたら良いのでしょうか。
▪️話は少し変わります。滋賀県が定めたマザーレイクゴールズ(MLGs)は、多くの皆さんの議論の中かから生まれた13のゴールです。「Goal 7」は「びわ湖のためにも 温室効果ガスの排出を減らそう」です。「日常生活や事業活動から排出される温室効果ガスを減らす取組が広がり、琵琶湖の全層循環未完了などの異変の進行が抑えられる」からです。これは、無酸素状態、水質や生物への悪影響と直接的に結びついています。ただし、ここが大切なことなのかなと思いますが、「Goal 7」は、他の12のゴールとも直接的にそして間接的に連関しあっています。そして、最後の「Goal 13」は「つながりあって目標を達成しよう」です。「年代や性別、所属、経験、価値観などが異なる人同士、また異なる地域に住まう人同士がつながり、琵琶湖や流域の現状、これからについて対話を積み重ね、その成果を共有できる機会が十分に提供される」ことを目指そうというのです。
▪️私は、前期高齢者の老人ですが、気候変動を生み出してしまったことに対して責任のある世代です。若者の皆さんからは、もっと批判されて良いように思います。私は老人ですから、そのうちに死んでしまいますが、若者(孫の2人はそこに含まれます)の皆さんは、その後も気候変動が厳しくなる状況の中で生きていかなければなりません。将来においてより大きな被害を受ける可能性があるわけです。気候変動のことで怒っている若者のことがニュースに登場します。ただし、そのようなニュースは海外のものです。日本の若者ももっと怒って良いと思います。
▪️若者たちは、化石燃料の使用など温暖化ガスを排出する社会の仕組み自体を変えないと主張しています。システムチェンジというようですね。でも、そのようなグローバルに拡大している仕組みを変えることはできるのか。3.5%の人びとが声を上げると世の中は変わっていくという説があります。書籍にもなっています。ハーバード大学のエリカ・チェノウェス著『市民的抵抗 非暴力が社会を変える』(白水社刊)という本です。この本に関連した解説はこちらです。
▪️日本の人口は1億2488万5175人(2024年1月1日現在)の3.5%とは、4,370,981人。滋賀県の人口は1,401,134人(2024年9月1日現在)の3.5%は49,040人。これらの人びとを、どうような方法でつないでいけば良いのでしょうか。理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」では、その方法を探っています。話が、琵琶湖低層の無酸素状態の話から大きく脱線してしまいました。すみません。
▪️滋賀県が発表した資料ですが、こちらもご覧いただきたいと思います。
若者気候訴訟
▪️「若者気候訴訟」の公式サイトです。
▪️以下は、「若者気候訴訟」が訴訟を起こした理由です。こちらからの転載です。実際にサイトをご覧になってみてください。
温暖化や気象災害の激甚化など、気候変動の悪影響が世界各地で頻発する中、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)などの最新の科学によれば、2020年に生まれた子どもたちは1950年生まれの世代の4~7倍、気候変動の悪影響を受けると予測されています。
またIPCCは、CO2の累積排出量と平均気温の上昇が比例関係にあること、地球の平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃に止めることが極めて重要であることなどを報告しています。そして、気温上昇を1.5℃に抑えるには、世界全体でCO2排出量を、2019年比で、2030年までに48%、2035年までに65%削減し、2050年にはカーボンニュートラルを実現していく必要があることも示しています。さらにIPCCは、この10年で行う対策が、数千年先まで影響を与えると警告しています。
そこで国際社会は、気温上昇を1.5℃に抑えることを決意し(COP26グラスゴー気候合意)、脱化石燃料・再生可能エネルギーの時代へと移行していくことを確認しました(COP 28)。実現には、火力発電など大規模排出事業者の取組が不可欠です。しかし、現状では1.5℃に抑えることができないどころか、3℃も上昇してしまうことが懸念されています。とくに日本はG7国のなかで唯一、石炭火力の廃止年を示していません。逆に、「ゼロエミッション火力」と称して火力発電での水素・アンモニア混焼、CCSを公的資金で支援し、また、電気料金に転嫁させ、再生可能エネルギーの導入も遅れています。
近年、世界で国や企業に対する気候訴訟が提起され、勝訴判決も現れています。誰もが、安定した気候のもと健康的に暮らす権利を持っています。気候変動によってこのような人権が侵害されることに対して、法律の力で、政府や企業に十分な気候変動対策をとることを求める訴訟、それが気候訴訟です。
そこで、日本に住む16人の若者たちが日本の主な火力発電事業者10社(日本のCO2排出量の約3割を排出)に対し、少なくとも、IPCCが示す水準まで排出を削減することを裁判所に求めました。それがこの訴訟です。また、この訴訟を通して、気候変動対策の重要性・緊急性が広く日本社会に共有され、理解と共感が広がることもめざします。
▪️「若者気候訴訟」のことは、多くのメディアで取り上げられているようです。
【特別編】みんなのBIWAKO会議/COP3|第458回(2024年9月6日)
▪️「みんなのBIWAKO会議/COP3」が開催されました。以下は概要です。
琵琶湖版のSDGs「マザーレイクゴールズ(MLGs)」が策定されて3年。
MLGsに関わる人々が集い、MLGsのゴール達成状況を確認しあい、今後に向けて学びあう「MLGsみんなのBIWAKO会議/COP3」を開催します。
今年度は、web配信の情報番組「びわモニ」とコラボレーション。
“ミスターびわ湖”の愛称で親しまれている川本勇さんが司会を務めます。
琵琶湖を愛する多様な人々が一堂に会する貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。
▪️「みんなのBIWAKO会議/COP3」の第1分科会「MLGsの可能性~できそうなこといろいろ考えてみよう~」には、理事長をしている「特定非営利活動法人琵琶故知新」の理事のお1人である秋國寛さんが、琵琶故知新で進めている「デジタルマップ」について説明されます。第一分科会の開始時間は動画の「01:42:33」からです。秋國さんの「デジタルマップ」の説明は、「02:12」あたりからになります。動画の中では、この「デジタルマップ」をご覧いただくためのQRコードも出てきます。そこから「デジタルマップ」をご覧いただくことができます。こちらからアクセスすることもできます。7月1日の「びわ湖の日」に公開されました。現在はβ版です。多くの皆さんから寄せられた情報をこのデジタルマップの上で表現していく予定になっています。
▪️私どもの「デジタルマップ」の取り組みは、2024年度「未来ファンドおうみ」から助成を受けています。
“観測史上最も暑い夏” 気温がこれ以上あがったら、どうなる?猛暑日増で複合災害や健康被害の可能性も…【news23】
▪️ネットで「“観測史上最も暑い夏” 気温がこれ以上あがったら、どうなる?猛暑日増で複合災害や健康被害の可能性も…【news23】」という記事を読みました。調べてみると、動画もありました。これらは、短期間でネット上から消えていくように思います。少しメモを残しておこうと思います。
▪️気候変動・温暖化がリアルに実感できるようになってきました。でも、まだ「茹でガエル」状況から抜け出せていないようにも思います。「茹でガエル」とは、危険が迫っているけれど変化がゆるやかなため気がつかないまま、気づいたときにはすでに手遅れになってしまっている…という意味です。この記事の最後の部分では、ドイツの例が紹介されていました。ドイツでは、2021年の歴史的な洪水以降、経済エネルギー省が経済気候保護省になったのだだとか。最初の一歩ということのようです。気候変動は果たして抑制できるのでしょうか。すでにティッピングポイントを超えたのではという説もあります。ティッピングポイントとは、温室効果ガスの排出が続き大気中の濃度が限界値を越えると、後戻りできない劇的な気候変動が起こる、その臨海点のことです。実際、地球上では、グリーンランドの氷床融解をはじめ、永久凍土の融解、南極氷床の融解、アマゾン森林破壊等、といった現象が発生しています。
▪️気候変動にブレーキをかけることはもはやできないのか。いや、まだ頑張れば大丈夫なのか。もしできないとすれば、どのような適応の対策をしたらよいのか。記事にはありませんが、気候変動は農業生産に大きな影響を与えることは確かで、食料自給率の低い日本の場合は、食糧難を経験することになるやもしれません。それでなくても、農業従事者は高齢化しており、耕作放棄地も増加している現状を考えると、こういった気候変動が日本の農業に打撃を与える可能性を無視はできないのではないかと思います。以下は、メモです。専門家の予想は、かなり深刻です。「最悪のシナリオ」をさらりと語っておられますが、これが具体的にどのような恐ろしい状況なのかを専門家以外にも理解できるように具体的に示す必要もあるように思います。
・「(今世紀末の)年平均気温は20世紀末と比べて+4.5℃ということが予想されています」
・「たとえば7月の気温があれだけ暑くて、(月の)平均気温は(平年より)2℃高いぐらい。4℃上がるというのは、ものすごいことですね」
・「極端な暑さの確率が上がってくると、他の自然災害と一緒に起こる確率がすごく高くなる。極端に強い台風が来たすぐ後に熱波が来るとか」
・「熱中症の死者は30年を平均して300人ぐらい。“熱疲労”で亡くなっている方は3000人ぐらい」
・「暑くなって体温が上がる以前に、他の臓器に影響が出て亡くなってしまうことがあります。例えば、呼吸器とか循環器です。気温と疾患の関係をとると、明らかに気温が上昇したらそういう疾患の死亡が増えている」
・今回の台風10号について、気候変動によって最大風速が7.5%も増した可能性があるということです。
・今回の台風10号クラスの台風の発生頻度は、気候変動がなかった地球での場合は10年間で4.5回ですが、気候変動の影響があると5.7回に増えるという可能性を指摘しています。
・母国のドイツでも災害が増えています。例えば、2021年に歴史的な洪水があって、それを機に不安が広がり始めました。その後、選挙がありましたが、選挙にも影響が出ました。
・ドイツには昔、経済エネルギー省がありましたが、編成して、今は経済気候保護省になっています。なので、何か経済的なことをやろうとすると、必ず1回は気候のことも考えないといけないという新しいルールになっているので、最初の一歩かなという感じです。
▪️私はに2人の孫がいます。その孫たちが後期高齢者になる頃、地球はどうなってしまっているのか…とよく想像することがあります。私は21世紀の中頃には当然この世にいません。しかし、孫たちは21世紀末を生きなければなりません。