2018年度「大津エンバワねっと報告会」

◾️昨日は地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の報告会でした。朝8時半から15時前までびっしり。学生4チームは、しっかり準備をして報告してくれました。報告はパワーポイントによる口頭発表と、ポスター発表。ポスター発表では地域の皆さんからいろいろご意見をいただき、また評価もしていただいたようです。報告会の後の交流会では、学生チームの皆さんは地域の皆さんとの交流を楽しんでいました。なかなか素敵な風景でした。指導している教員としては、さらに引き続き、この教育プログラムが提供する実習を履修して欲しいのですが、さてどうなることでしょうね。継続することで価値が生まれてくるんですけどね。

◾️「大津エンパワねっと」とは、学生が地域に出て地域の皆さんと一緒に地域の課題を解決・緩和するためにプロジェクトに取り組む教育プログラム…といえばわかりやすい話しなのですが、やってみるとそんなに簡単ではないことがわかります。学生の皆さんが過ごしてきた、小中高大という学校の制度の中では、基本的に、個人の努力がストレート評価されるわけですが、「大津エンパワねっと」では、個人の努力に加えて学生チーム内の調整が必要になります。時に、意見の食い違いが生まれますが、それを乗り越えないといけません。もちろん、地域の皆さんとの調整も必要になります。自分たちが考えたことがそのまま地域で通用するわけではありません。様々な調整の段階が存在し、簡単には自分の思うようにはいかないのです。もっとも、世の中は普通そういうものなのですが。コスト・ベネフィットのような発想からすると「もっと簡単に単位が取れる授業と比較して割りに合わないよね」と考える人がいるかもしれません。また、「どうして自分ばっかりいろんなことをしなくてはいけないのか…」と不満に思う人もいるかもしれません。チーム内で頑張っているメンバーの努力にタダ乗りすること、いわゆるフリーライダーに対する不満ですね。あくまで推測でしかありませんが。

◾️まあ、ちょっと考えてもなかなか大変なわけなのですが、その一方で、そのような大変なのことをなんとか乗り越えて、考え方や立場の違う人と協働し、なんらかの「成果」をチームの仲間や地域の皆さんと共有する…そのようなプロセスを経験することは、きっと大きな財産になると思います。知識だけだなく、このような体験がその後の人生の展開に大きく影響していくはずです。交流会の様子を拝見しながら、社会学部の教務課長さんと雑談をしましたが、その雑談の中でも、大学時代にこのような経験をすることの大切さや、それを支える学部を超えた教学組織の可能性等について、いろいろ意見交換をすることができました。

◾️「大津エンパワねっと」の報告会が終了した後は、いったん帰宅して、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」へ。大津市民駅伝に出場した龍谷大学の教職員チーム(3チームか4チーム)の皆さんの慰労会があり、私はもちろん「エンパワ」の報告会があったので走っていませんが、監督に呼ばれて慰労会だけ参加させていただきました。こういう場があると、ふだんなかなか会えない教職員の皆さんとお話ができてありがたいですね。この慰労会でも、親しい職員の方と大学の地域連携や教育プログラムのあり方について、いろいろお話をすることができました。退職まで後8年ですが、職場の仲間といろいろ夢を語り合えることは幸せなことだと思っています。

「学生まちづくりLaboratory」でのワークショップ

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20190127gakuseilab3.jpg◾️本日の午前は、仰木の里小学校(大津市)にある「ふれあい学習館」で、龍谷大学エクステンションセンター(龍大REC)の「学生まちづくりLaboratory」の活動が行われました。仰木の里は都市近郊のいわゆる新興住宅地です。地域住民の皆さん、大津市役所政策調整部企画調整課の職員の皆さん、そして龍谷大学の学生研究員の皆さん、私も含めた教職員が参加しグループワークに取り組みました。

◾️今日の活動は、地域の皆さんに仰木の里の素敵なところや自慢できるところ、そして課題や困ったことをカードにひとつひとつ書いていただくとともに、そのことについて語り合っていただきました。地域の皆さんには、短い時間にもかかわらず、とてもたくさんのカードを書いていただきました。学生研究員の皆さんには、それらのカードをもとに、参加した地域の皆さんにインタビューを行っていただきました。地域の皆さんと学生によるグループワークですね。グループワークは、大変楽しい雰囲気の中で進みました。学生研究員の皆さんにとっても、新鮮な経験だったようです。私の個人的印象にしか過ぎないのかもしれませんが、学生研究員の皆さんの発言や表情を見ていて、優秀な人たちが学生研究員に集まってくれているのだなあということがわかりました。

◾️今日のグループワークの結果はいったん大学に持ち帰り、学生研究員のみなさんが整理と分析を加えて、地域の皆さんにフィードバックされます。地域の魅力や自慢できることを、さらに伸ばしたり磨いていくためには、どんな楽しい取り組みをすれば良いのか。地域の課題や困ったことを、緩和し解決していくためには、どんな面白い取り組みが産まれたら良いのか。フィードバックされたデータは、そういったディスカッションの題材となるのかなと思います。またその際は、市役所が待っているさまざまな客観的なデータを活用した(オープンデータ)ディスカッションにより、地域社会の「前向きな危機意識の共有」も行われる予定です。そうそう、来月は、まち歩きによるフィールドワークも地域の皆さんと一緒に行われます。ところで、この「学生まちづくりLaboratory」は、授業ではなく課外活動になります。ですので、学生研究員の皆さんには、例えば単位が出る…なんてことはありません。それぞれの問題関心から参加されているのです。

◾️この日の最後には、参加された学生研究員の皆さんが、ひとりひとり感想を述べておられました。特に、強く印象に残ったことがありました。国際学部に所属して海外にばかりに目を向けてきたけれど、このような地域のことにも関心を持たねば…と参加してくれた学生研究員の方がおられました。この方は、4回生で、在籍期間も残りわずかなのですが、こうやって参加してくださっています。もうひとりの方は、東海地方の地方都市の出身だそうです。そこでも自分も含めて若者がどんどん流出している実情があり、この日のワークでいろいろインタビューしながら地域のリアルな課題に向き合った時、出身地域のこととも重なり「心が痛んだ」と語っておられました。おそらく大切な経験をされたのですね。
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創部50周年記念誌とCD

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◾️今週の水曜日のことになりますが、仕事の後、龍谷大学吹奏楽部の練習場のある瀬田キャンパスの青朋館に行きました。来年度から吹奏楽部の部長をお引き受けするにあたり、学生部に提出する様々な書類にサインと押印が必要だったからです。来年度から幹事長と副幹事長をされるお2人の部員の方が、対応してくださいました。皆さん、吹奏楽部という集団の中で鍛えられているせいでしょうか、とても礼儀正しいことに改め感心しました。書類のへのサインと押印という用事を済ませた後、吹奏楽部の『創部50周年記念誌』と記念のCDを頂きました。4月から吹奏楽部の活動を支えられるように、龍大吹奏楽部のこれまでの歴史を勉強させていただきます。

◾️『創部50周年記念誌』の目次の項目は、「祝辞・挨拶」、「50周年の歩み」、「演奏会の記録」、「OB・現役名簿」の順番でした。最初の「祝辞・挨拶」では、龍谷大学吹奏楽部が吹奏楽コンクルールで初めて全国大会に出場したときに指揮をされた、佐渡裕さんのメッセージを読ませていただきました。佐渡さんが指揮をされたのは1986年のことですから、もう33年前のことになります。佐渡さんは、京都市芸術大学を卒業されたばかりの大変お若い時期ということになります。当時、龍谷大学吹奏楽部の顧問をされていた京都市芸術大学の上埜孝先生や、現在、音楽監督・常任指揮者をされている若林義人先生のご縁を背景とした抜擢だったようです。その時の全国大会は、尼崎市にある「尼崎市総合文化センターあましんアルカイックホール」です。課題曲はコンサートマーチ「テイクオフ」、自由曲はコダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」でした。受賞したのは銀賞だったようですが、この頃から、龍谷大学は音楽的な実力を蓄えていったようです。そのことがはっきり現れてくるのは1990年前後からでしょうか。

◾️『創部50周年記念誌』の「50周年の歩み」を拝見すると、龍谷大学吹奏楽部が、現在のように全国的に知られるような実力を持ったバンドになることができたのは、若林先生をはじめとするたくさんの先生方のご指導と、充実した練習場(青朋館)を大学が用意したことが大きいようですね。現在は、190名近くにまで部員数も増えているとお聞きしています。このような大きな吹奏楽部が生み出す音楽にさらに磨きをかけていただくために、副部長の事務職員(吹奏楽部OB・OG)の皆さんに教えていただきながら、4月から部長としての仕事に取り組みたいと思います。

「学生まちづくりLaboratory」、いよいよ始まります!!

◾︎昨日は、17時から、大津市の「仰木の里学区」の皆さん、龍谷大学、大津市役所の連携による「学生まちづくりLaboratory」の学内ミーティングが、瀬田キャンパスと深草キャンパスをテレビ会議システムでつなぎ開催されました‼️いよいよ、始まります。

◾︎過去のエントリーになりますが、この「学生まちづくりLaboratory」については、10月26日のエントリー「『学生まちづくりLaboratory』研究員募集中!!」に詳しく説明しています。ぜひ、お読みいただければと思います。

大学やNPO法人等の皆さんの地域貢献力で中山間地域等の集落や県民と共に幸せを!〜しがのささえあいプロジェクト〜

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◾️母の家の中の物を処分してもらう作業を業者さんにお願いしましたが、まとまった現金が必要となり銀行へ行ってきました。その帰り、県庁の農政水産部農政課に立ち寄りました。滋賀県の世界農業遺産申請のお手伝いをしてきましたが、滋賀県が世界農業遺産に向けて頑張っていることをアピールするために(国内1次審査を通過したことも含めて)、今年度も「びわ湖チャリティー100km歩行大会」に県庁の職員のみなさんと一緒に参加しますが、その参加料をお届けしに立ち寄ったのです。今年度で3回目になります。

◾️農政課をお暇して、「魚のゆりかご水田」のことでいろいろお世話になっている農村振興課の前を通ると、ポスターが貼ってありました。「大学やNPO法人等の皆さんの地域貢献力で中山間地域等の集落や県民と共に幸せを!〜しがのささえあいプロジェクト〜」。なるほどと読んでいると、活動事例として、ゼミで取り組んでいた「北船路米づくり研究会」の活動が紹介されていました。知らなかったな〜。今は活動していませんが、2010年から2016年まで継続していた活動です。ささやかな活動でしたし、活動が休止しているのに、事例として紹介してもらって良いのかな…不安。

◾️また、「根性のある学生」がゼミにやってきてくれれば、こういう活動をやるんですけどね〜。ただ、学生たちが自ら学外の補助金を獲得しながら、しかもゼミの活動として取り組むことは、学生たちの質的な変化もあり、かなり困難になってきています。大学の制度的(地域連携のカリキュラムと、それに携わる教員の教員評価)・経済的な支援が必要だと思います。

ファシリテーターとしての教員

20180119seikogakuin.png ■facebookで興味深いインタビュー記事を見つけました。神奈川県の進学校として知られる聖光学院高校の校長先生へのインタビューです。「東大合格者3倍、起業家輩出ーー次世代リーダー輩出校『聖光学院』の育て方」。気になったところを抜き出してみます。

ただ、歴然としているのは「みな同じような人生を送る ”昭和の人生すごろく” は終わっているにもかかわらず、それに対応しきれていない組織がある」ということ。いまだに製造業に勤める会社員がモデルケースとなっていて、学校のみならず、企業においても「同じ品質のモノをきっちり作ることのできる人材を養成する教育」から抜け出しきれていない。

これから人工知能(AI)が活用される世界が現実のものとなって、違う領域のモノとモノ、人と人を結びつけられるような人が求められます。そこで必要なのが、若いうちに多様な経験を得て、感性を磨くこと。表向きのデータだけを見るのでは、物事の本質や潜在的なアイデアを見いだせませんからね。

極論を言えば、これからの教員は「ファシリテーター」としての役割を果たしていかなくてはならないのだと思います。教科の枠組みを超えて、校内外のさまざまな人と協力し、生徒たちに多様な経験を積ませてやれるような教員です。

これからの時代、どんなにテクノロジーが発達しても、幼稚園の先生や保育士さんが職を失うことはないでしょう。なぜなら、一人ひとりをしっかり対面で見ていかなくてはならないからです。

でもやはり、すばらしい上司は単に数字ばかりを追うような人じゃない。普段のコミュニケーションや振る舞いから、信頼関係を築いています。結局、どんなにテクノロジーが進化しても、「人と人」というのが原点にあって、だからこそむしろFace to Faceの大切さがより際立ってくるのだと思います。

■世間から進学校と評価される高校の校長先生のお考えが、もちろん、そのまま大学に当てはまるとは限りません。さらに、大学にも様々なタイプがあります。研究者を養成して行くことを大学の一番の使命としている大学がある一方で、研究も大切だけど教育を大切にしようとする大学もあります。研究か教育かというのは陳腐な尺度でしかありませんが、大学によって建学の精神も、目指すべき大学像も異なります。大学ごとに社会の中での立ち位置やニッチが違うからです。しかしながら、上に抜き出した部分は、大学教育に関しても、同じなんじゃないのかなと思うわけです。環境の変化の中で、教育の中身をどのように変えていくのか。このことは、18歳人口が減少していく中で、ますます切迫した課題になっているように思います。

■「人口減少社会」の到来、18歳人口が2018年からどんどん減少して行く「2018年問題」、大学はこの現実にどのように向き合いながら、この環境の変化に対応してくのでしょうか。一層、教育の質が問われる時代になることは間違いありません。以下は、「リクルート進学総研」が発表した「18歳人口推移、大学・短大・専門学校進学率、地元残留率の動向 2017」という記事です。この記事の中にあるグラフを見ると、全国の数値ですが、2017年度の18歳人口を100とすると、2028年には90.4にまで減少すると予測されています。近畿はどうでしょうか。2017年度の18歳人口を100とすると、2028年には87.2にまで減少します。「2018年の大問題「中小限界大学消滅」は回避可能か」という記事の中には、以下のような記述もあります。

少子化にも地域差がある。「学校基本調査」を参考に、16年度の高校3年生の生徒数と小学1年生の児童数を比較してみよう。少子化を免れる県はないが、沖縄県(0.3%減)を筆頭に、東京都、福岡県、神奈川県の3都県は5%未満の減少に留まっている。一方で減少幅が20%を超えるのは、青森県、福島県、和歌山県、秋田県、岩手県の5県であり、青森県は28.8%に達する。

大都市圏でも大阪府が15.5%、京都府が14.0%と、全国平均(10.7%)を上回っている。東北地方を中心に、志願者が地元に限られる中小私大の中から撤退に追い込まれていくものが出るのは避けられない。また首都圏よりは関西圏のほうが私大経営の環境はより厳しくなることも予想される。

■「2018年問題」に対応した入試制度、教学・カリキュラム、キャリア支援、それはどのようなものなのでしょうか。教職協働のもとで、それぞれの担当部署が相互に連携しながら、大学の組織の中に大きなうねりが生まれてくる必要がある、そのように思うのです。

大学入試とマッチング・学力の3要素

■NPO法人NEWVERYの理事で、大学進学アドバイザーの倉部史記さんには、以前のことになりますが、社会学部のFD講演会に来ていただいたご縁から、facebookでもお「友達」になっていただいています。そのようなことから、今日は、倉部さんのfacebookへの投稿を読ませていただきました。その投稿では、1月14日(日)に毎日放送の「林先生が驚く 初耳学」という番組の中で、「人気ランキングの裏側をバラす! 映画 大学 ホテル」というテーマに関連して大学ランキングに関しては読売新聞の記事が紹介され、その記事は倉部さんが「読売オンライン」に寄稿した記事であるとのご紹介がされていました。「志願者殺到の「人気大学」を選んでいいのか?」という記事です。

■記事の内容を抜粋しながら要約すると以下のようになります。

・「1990年代初頭に200万人ほどだった18歳人口は減少の一途をたどり、現在およそ120万人に落ち込んでいる。2018年以降もこの傾向がさらに進むと見られており、各大学は現在、生き残りをかけて学生募集活動に取り組んでいる状況だ。高校生にニーズのある学部を新設する、キャンパスを都心に移すなど、毎年様々な施策が検討・実行されている。こうした結果が吉と出るか、あるいは凶と出るかを測る上で、志願者数の増減が重要なデータの一つとなっている。」

・志願者数の増減やランキングという情報は、わかりやすく大きな影響力を持つわけだが、大学の実態を反映しているとは限らない。報道されている志願者数は、「一般入試」のデータであり、それは受験者数全体の半分でしかない。多くの大学が複数受験を認める制度を採用しており、これでは志願者数が大学の人気度を測る指標としては、実態を正確に反映しなくなってきた感は否めない。

・併願をカウントしない「実志願者数」と、大学が公表している「志願者数」との乖離かいりがいかに大きい。志願者数を増やそうと無理をすれば広報コストもかかり、入試システムなどにもひずみが生じかねない。「志願者数トップ10に名を連ねる大学は、一見すると経営の面で順調に思われるが、ある意味、『抜けられないレース』に参加せざるを得ない状況に置かれてしまったともいえる」。

・「大学がもし100人の村だったら」。入学生100人のうち12人は中退、13人が留年、30人は就職が決まらないまま卒業、14人は就職するものの早期退職する。4年間卒業・就職し3年以上働いている人はわずか31人に過ぎない。中退者増加の背景には、大学を取り巻く社会環境の変化も。中退者が増えること大学経営にも影響。

・「大学業界がいま直面している課題は、志願者『数』を最大化する募集活動から、マッチング重視の募集活動への転換だ」。「18歳人口の減少が避けられない以上、志願者の数を競ったところで必ず限界は生じる。自校を深く理解し、入学後に伸びる可能性が高く、中退のリスクが低い……。そんな受験生を、少子化の中でどのように追い求めていくのかが問われている」。

・「大学経営者と現場のスタッフが募集についての考え方を抜本的に変えられるかどうかが、いま問われている」。

■2018年以降のさらなる18歳人口の減少の中で、入試を量から質へと転換していくための「良いマッチング」はどうしたら可能なのでしょうか。自分の大学のことが気になります。高大連携や広報・情報発信の仕方の「中身」はどうなのか、それと大学の「理念」や「特色」、「3つのポリシー」との関連からマッチングは行われているのでしょうか。また、カリキュラムとの関連はどうなのでしょう。小さな学部という組織単位でのカリキュラムだけではなくて、学部を超えた異分野の学生が共に学び合うようなカリキュラムは可能なのか…次々に頭の中に考えるべきことが浮かんできます。「良いマッチング」を可能とする条件は何なのでしょうか。「良いマッチング」があってこそ、その後のキャリア支援も可能になるはずです。

■私は、この倉部さんのfacebookへの投稿をシェアさせていただきました。すると、そのシェアした投稿に、株式会社Harajiri Marketing Design代表取締役でマーケティング・コンサルタントの原尻淳一さんからコメントをいただきました(原尻さんは、龍谷大学経済学部客員教授でもあります)。 コメントの中で、フリーランスの編集者・ライターである飯田樹さんの「早慶生の4割強が「AO・推薦」となるワケ『一般入試』の比率を落とす事情」という記事のリンクが貼ってありました。

■記事のタイトルからもわかるように、早稲田や慶応はAO入試の比率を高めていくというのです。試験や偏差値等で学力を測定するこれまでのやり方ではなく、「学力の3要素」を重視した入試を進めていくというのです。「学力の3要素」について、記事ではこのようの説明しています。

「学力の3要素」とは、(1)知識・技能の確実な習得 (2)[(1)を基にした]思考力、判断力、表現力 (3)主体性を持って多様な人と協働して学ぶ態度の3つを指す。文部科学省が取り組んでいる高大接続改革で、この3要素をすべての入試区分で見ることが目指されているのだ。大学には、学力の評価方法をアドミッションポリシーや募集要項で明示することが求められるようになる。
「今まで、学力とは知識と技能を指していましたが、知識・技能をもとに答えが定まらない問題に解を出す力や、主体性・多様性・協働性も見ていきます」(小林氏)

■この記事にある小林氏とは、リクルート進学総研所長の小林浩さんのことです。なぜ、このような「学力の3要素」が重視されるようになっているのか。その点について、小林さんは、次のように説明しています。

「『偏差値の高い大学に入り、大企業に入る』というのが高度成長期日本の成功モデルでしたが、都市銀行の統合が進み、大手メーカーも海外企業に買収されるなど、随分と変わってきました。また、2017年に生まれた子どもは107歳まで生きると言われており、学ぶ時期、働く時期、老後の区分も変化しています。そこでは、詰め込み型ではなく、自分で学ぶ力をつけなければならないのです」(小林氏)

■このような社会的な環境の変化に対応できない大学は、おそらく衰退していくでしょう。早稲田や慶応では、そのよな変化に対応していこうとしているのでしょう。では、自分の大学はどうなのか。対応しようとしているのか。小林さんが言っている、「知識・技能をもとに答えが定まらない問題に解を出す力や、主体性・多様性・協働性」を持っている学生を選ぶ入試になっているのか。さらには、前述の「良いマッチング」に関連してカリキュラムについて述べましたが、そのような学力を持った学生を育んでいくようなカリキュラムになっているのか。とても気になるところです。私の場合は、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の開発と運営に関わり、来年度から担当教員に「復活」することから、そのような文脈に引き寄せながら気にしているのです。

■1年間、国内長期研究員としてあまり大学の仕事のことを考えてきませんでした。4月から、また学生の教育や大学の仕事にも取り組んでいくわけですが、そろそろ心や頭の準備をしておかねばなりません。

龍谷大学世界仏教文化研究センター2016年度研究活動報告書

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■3月末までの龍谷大学研究部長在任中では、第5期長期計画第2中期計画の研究部の大きな課題となっていた、世界仏教文化研究センターの研究推進に力を注いできました。個人的に、この研究センターに関して印象に残っているのは、2017年1月29日(日)に、龍谷大学深草学舎顕真館で開催された特別講演会でしょうか。もちろん、その企画そのものについてはセンターの教員の方達のご努力によるところが大きいわけですが、開催に向けての学内の事務的な調整の段階では、それなりの役割を果たすことができました。2015年度、2016年度と、研究センターの研究推進にも勢いが出てきました。

■昨日は、研究センターの事務職員の方から、「2016年度研究活動報告書」がウエッブサイトに掲載されました。以下から、ご覧いただくことができます。以下の年次報告書の「2016年度」の所をご覧ください。
年次報告書

■また、世界仏教文化研究センターのニューズレターもあわせてご覧いただければと思います。特別講演会、そして個人としても強い関心を持った華厳経に関する中沢新一さんの講演会は、「2016年度の第2号」 に掲載されています。
ニューズレター

研究部長の任期終了、そして長期国内研究員

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■3月末で、龍谷大学の研究部長(教員部長)の任を解かれました。2年間という短い期間でしたが、解決、対応しなければならない大きな案件がいくつもありました。多くの職員の皆さんに支えていただき、部長として職務をなんとか全うすることができました。31日には、瀬田の研究部に用件があってメールを送ったところ、担当職員の方からの返信には「脇田部長とお呼びするのも、今日が最後ですね。2年間、お疲れ様でした」とありました。いや、もう本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。

■深草キャンパスには研究部長室があります。デスクの横には長机が置いてあり、そこには、分厚い書類のファイルが2列2段積み重ねてあります。2年間の会議資料です。おそらく積み重ねれば、私の背丈ほどになろうかと思います。龍谷大学は大変丁寧に意思決定を進めるため、どうしても会議が多くなります。本音を言えば、もっと会議の数を減らして迅速に意思決定を進めることができればなあと思っています。これからの大学運営のためには、必要なことかと思います。時間も大切な資源ですから。さて、これらの資料は、すべて溶解処分にしてもらいます。また、写真に写ってはいませんが、手前のキャビネットがあります。そこにはコーヒーサーバーやマグカップ等の私物が置いてあるのですが、すべて勤務する瀬田キャンパスに学内便で送ってもらうことになっています。とまあ、そういうことでして、この2年間を振り返りつつ、深草キャンパス東門前にある「新華」で、昼食に担々麺をいただきました(研究部長を終えることと、担々麺…特に関係ありません)。4月からは、深草キャンパスに行くこともなくなります。ここのお店の料理も食べられなくなります。「思い出の坦々麺」です。

■31日の午後からは、アジア仏教文化研究センターの評価会議と、世界仏教文化研究センターの運営委員会が開催されました。アジア仏教文化研究センターの評価会議の前には、研究部の職員の方が、伏見稲荷大社のそばにある「総本家いなりや」のお煎餅をお礼にと言って持ってきてくださいました。左が「きつねせんぺい」、右が「開運せんべい」。素朴ですが、とても美味しい煎餅です。有名らしいですね。私がこの煎餅のことを知らないということで、わざわざ買ってきてくださったのでした。ありがとうございました。評価会議の後に開催された世界仏教文化研究センター運営会議、研究部長である私はオブザーバーなのですが、研究センター長からセンターの活動実績に関する評価のあり方について意見を求められました。この運営委員会での発言、そして最後のご挨拶が、研究部長としての最後の仕事になりました。

■4月になりました。すでに入学式やオリエンテーション等が各キャンパスで行われています。私はといえば、今年度、2017年度は、そのような各学部にとっての大事な行事には参加していません。国内長期研究員で研究に専念し、授業や会議が免除されるからです。振り返れば、龍谷大学社会学部に勤務して14年目になりますが、その間、9年間は様々な学内行政の仕事に従事してきました。学生生活主任2年、研究主任1年、研究科長2期4年、そして研究部長2年。必ず何か大きな課題があり、問題が発生しました。それ以外にも、「大津エンパワねっと」のような地域連携にも相当力を入れてきました。かなり精神的に疲れてしまいました。結果として、自分のことはずっと後回しになっていましたが、やっと自分のことに集中する時間を持つことができることになりました。このような研究員制度を持っている龍谷大学に心から感謝しつつ、これまでやりたくでもできなかった自分の研究を、この1年で少しでも進展させることにいたします。国内研究員制度で、どのような研究に取り組むのかについては、別のエントリーで詳しく説明したいと思います。

華中師範大学外国語学院(中国・湖北省・武漢)

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■先週の21日(火)から昨日の25日(土)まで、中国に出張してきました。今回も、大学院社会学研究科の「東アジアプロジェクト」に関連する出張です。ここで「東アジアプロジェクト」に関する説明はいたしませんが、ぜひ過去のエントリーをお読みいただければと思います。私は、「東アジアプロジェクト」で中国を担当しているのですが、2016年度末まで研究部長を務めているため、なかなか出張の時間が取れず、結局、年度末になってしまいました。今回の出張では、湖北省武漢市(長江中流域)にある華中師範大学外国語学院と浙江省寧波市にある寧波大学外語学院(沿岸域)を訪問しました。まずは、華中師範大学のことから報告したいと思います。

■21日は、始発の電車に乗り、滋賀県から関西国際空港に向かいました。関空から上海浦東空港へ。そのあとは上海から武漢空港へと飛びました。写真は、湖北省の武漢空港に着陸する前に撮ったものです。長江流域であることから、その周囲も「水っぽい」場所が広がっています。地図を広げて眺めていただければわかりますが、武漢の周囲には、長江が氾濫することで生み出された大小様々な湖があります。また、水路も発達しています。そのような環境ですから、元々、淡水魚を対象とした漁業が行われてきました。現在では淡水魚の養殖も盛んです。また、「水っぽい」環境であることから、蓮根も名物です。「南船北馬」という言葉は、このような環境から生まれたのでしょう。

■武漢空港に到着すると華中師範大学外国語学院日本語学科の学生、呉くんと王さんが迎えにきてくれました。呉くんは大学のある武漢の人です。つい最近まで、1年間、交換留学生として東京の武蔵野大学で勉強していました。王さんは東北地方の長春の出身。彼女は日本語弁論大会で2位になりました。今週末、中国の学生団の1人として来日する予定です。2人とも、とても優秀です。中国語のできない私は、とても助かりました。夕食は、こちらの先生も混じって、武漢料理を美味しくいただきました。名物の蓮根のスープがとても美味しかったです。こちらの蓮根は、熱を加えると芋のようにホクホクした食感になります。

20170326wuhan8.jpg ■華中師範大学外国語学院では、学生対象の講演を行いました。講演会には1年生から大学院生まで参加してくれました。3年生以上は、私の日本語がわかります。すごいことですね! 短期で集中的に練習するので話せるようになるのです。さすがに、1年生はまだ無理、2年生も少し難しい…。ということで、私にアテンドしてくれた呉くんと王さんが通訳をしてくれました。講演のタイトルは「大学と地域社会の連携」。講演会は午後からでした。午前中は、私く院長になった先生にご挨拶をした後、呉くんと王さんに、この日の講演の内容をあらかじめレクチャーすることにしました。すごく反応が良いといいますか、飲み込みが早いので、助かりました。講演会ですが、お2人の通訳のおかげで楽しい講演会になりました。講演会の最後には質疑応答の時間がありました。講演会が終わった後にも、恥ずかしがり屋の学生2人が、そっと質問をしに、そして感想を伝えに来てくれました。まだ日本語がうまく話せないのですが、一生懸命私に自分の考えを伝えようとしてくれました。2年生でした。このような経験は、日本ではあまりないので、とても嬉しかったな〜。写真は、講演の最後に、「みんな、一緒に写真に写ってくれよ!」とお願いをして撮ったものです。

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