「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(3)

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▪️今週の月曜日から水曜日まで3日連続で、国連FAO(国連食糧農業機関)主催の「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」が東京のGrand Nikko Tokyo Hotelで開催されました。すでにこのブログでも報告させていただいたように、「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」からの報告を、滋賀県庁農政水産部農政課の課長さんと一緒に行いました。その時の写真を、昨日、シンポジウムに同行してくださった県庁職員の方が送ってくださいました。このシンポジウムでの感じた少し詳しいことを以下に投稿しておこうと思います。シンポジウムの間、FAOの職員である遠藤 芳英さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

▪️今回のシンポジウムでは、世界農業遺産に認定された以下のサイトから報告が行われました(報告順)。リンクを貼り付けてありますが、前半がFAOによる情報、後半が個々のサイトになります。ただし、日本のサイトのみです。

①森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム / 「琵琶湖システム」(2022年認定)
②にし阿波の傾斜地農耕システム / 「にし阿波の傾斜地農耕システム」(2018年認定)
③オルタ・デ・バレンシアの歴史的灌漑システム(2019年認定)
④能登の里山里海 / 「能登の里山里海」(2011年認定)

▪️今回報告された4つのサイトのうち「琵琶湖システム」が一番最近になって認定されたサイトです。「能登の里山里海」が認定されたのは2011年ですから、昨年認定された「琵琶湖システム」よりも11年も「先輩」になります。「大先輩」です。「能登の里山里海」の活動報告は一番最後でしたが、「さすが!! 大先輩」という印象を持ちました。

▪️「能登の里山里海」は石川県にあります。活動報告をされたのは、石川県農林水産部里山振興室の室長さんでした。いろいろ質問をさせていただいてわかったことは、以下のことでした。石川県は地理的に南北に伸びています。北部の能登半島は、南部の金沢などがある地域と比較して、少子高齢化や過疎化が深刻な状況にあります。そのようなこともあり、能登半島では様々な地域の振興策が取り組まれてきました。もちろん、「世界農業遺産」に認定される以前から取り組まれています。認定後は、「世界農業遺産」をある種のフレームにして、それらの振興策をフレーム内にもう一度位置付け直されてきました。また、そのことと並行して、「世界農業遺産」に関連した様々な事業を生み出し、それらを進めていく推進体制を整備されてきました。また、事業に必要とされる資金についても、基金を整備するなどして対応されてきました。「能登半島の振興」という県民の多くが納得できる「大義」があり、その上に「世界農業遺産」が重なり、様々な振興策を進めてこられた、そのような感じかなと思います。ひとつの事業を紹介しましょう。「奥能登直行便」という事業です。奥能登では、特色ある野菜が生産されているのですが、市場出荷するには生産量が少なく、また地元にはそれらを購入する消費者が少ないという課題を抱えていました。そこで奥能登の地域にあるJAの支店から本店へ運び、今度は本店から南部の金沢地域という消費地に運ぶ仕組みを作られたのです。これなどは、「琵琶湖システム」でも学ばせていただくことのできそうなアイデアです。

▪️「琵琶湖システム」の活動報告においても、「認証・登録制度」、「付加価値向上・品質向上の取り組み」、「6次産業化の取組」、「農林水産業とツーリズム」、「都市部と農村部の交流」、「パートナーシップの構築」、「交流プログラム」、「農林水産業と教育」との説明が行われましたが、「能登の里山里海」のように「世界農業遺産」のフレームの中にうまく位置付け直されているわけではありません。考えてみれば当たり前のことなのですが、「世界農業遺産」の認定だけでは、そのこと自体が何かを生み出すわけではありません。認定されただけでは、「世界農業遺産」の持つ価値を実感することも難しいのかなと思います。その価値を、様々な農業に関連する事業、そして支援していく仕組みとうまく結びつける必要があります。また、推進体制や基金についても考えて行かねばなりません。

▪️今回の国際シンポではいろいろ考えることになりました。たとえば、「『琵琶湖システム』は大きすぎるよな〜」という思いを強くしました。メインシステムの「琵琶湖システム」の中に、サブシステムがいくつかあっても良いのかなと思いました。「琵琶湖システム」は、森・里・湖(うみ)に育まれています。であれば、森、里、湖にそれぞれサブシステムがあっても良いのかなと思うわけです。あまりご理解いただけないかもしれませんね。例えば、「地域の森林の再生」に取り組んでいる人たちは、普段、「琵琶湖システム」のことなど考えたことがないのかもしれませんが、その地域の森林再生の取り組みが、結果として、「琵琶湖システム」を育んでいると理解するのならば、「地域の森林の再生」は立派な「琵琶湖システム」の一部だし、サブシステとして理解できるのではないかと思うのです。

▪️今回の国際シンポジウムでは、他のサイトの方と交流することの大切さを実感しました。こういう交流の機会が定期的にあって欲しいなあと思いました。石川県農林水産部里山振興室の室長さんは、シンポジウムに出席されていた農林水産省の職員の方に、国の方からその交流にかかる費用を出せないかと発言されていましたが、交流大会の開催のようなところまでいかなくても、いろんなタイプの情報交換や交流ができるようになったら素敵だなと思いました。知恵やアイデアを交換し、悩みを共有すことって大切だと思うからです。そうすることで、「世界農業遺産」の眠っている価値を引き出すことができるのだと思うのです。

▪️その他には、今回はヨーロッパの状況についても少し理解を深めることができました。同じ農村、同じように家族が営む家族農業ではあっても、その実態にはかなり差異があるなと思いました。日本では、世界農業遺産の各サイトでは「都市部と農村部の交流」がよく見られることだし、事業としても取り組まれているわけですが、ヨーロッパの場合は、今回のサイトからの活動報告やディスカッションからはよく伝わってきませんでした。こういった「都市部と農村部の交流」が存在するのか、もし存在するとしても実態はどのようなものなのか、その辺りのことについてもっと知りたいと思いました。日本でうまくいっていることが、海外でうまくいくわけでもありません。おそらく、この分野の研究者の人たちが論文等で情報発信されているでしょうから、もっと勉強しなくてはいけません。そのためにも、今回のような交流を今後も重ねていくことが必要だと強く思いました。

▪️さて、3日間にわたって開催されたシンポジウムが終了しました。朝食と昼食はホテル内でしたが、夕食はホテルではなく、新橋まで出かけて滋賀県庁の皆さんとご一緒させていただきました。というのも、ホテルの食事は庶民には高すぎるからです。新橋ですが、ものすごい人でした。大阪梅田でも人の多さに圧倒されるのですが、東京だとなおのこと…という感じでした。これからの人生で東京に暮らすようなことは無いと思いますが。今は、滋賀がちょうど良いのかもしれません。

「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(2)

20231128giahs1.jpg20231128giahs2.jpg
20231128giahs3.jpg▪️国連FAO(国連食糧農業機関)主催の「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」の2日目。午前中に、世界農業遺産「琵琶湖システム」に関して、滋賀県庁農政水産部農政課の課長さんと一緒に報告を行いました。

▪️私は、滋賀県で取り組まれている「魚のゆりかご水田」の取り組みを社会関係資本の概念を通して分析して明らかなったことをもとに、GIAHSサイトとして今後の展望や課題等についてお話をしました。ヨーロッパから参加されている皆さんも、強い関心を持って質問やコメントをしてくださいました。ほっとしています。今回は、同時通訳の方は、ここにはいらっしゃいません。zoomがあるので、海外で通訳してくださっているようなのです。びっくり。そういう時代になったのですね。

▪️今回のシンポジウムでは、世界農業遺産(GIAHS)に認定された国内外4つのサイトから報告が行われました。ひとつはスペインのバレンシアのサイトですが、あとの3つは国内のサイトになります(ちなみに、「能登里山里海」は3日目に行われます)。

・森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム
・にし阿波の傾斜地農耕システム
・オルタ・デ・バレンシアの歴史的灌漑システム
・能登の里山里海

▪️これらのGIAHSに認定されたサイトからの報告意外にも、国内の過疎地域の農村開発の事例、イタリアのバンテレリア島における農村開発の事例、OECDが取り組む農村開発の取り組みについても報告が行われました。3日目は、ディスカッションになります。同時通訳が入るわけですが、やはり全てが伝わるわけではないし、かなり疲れるわけですが、なんとか役割を果たせるように頑張りたいと思います。

▪️ホテルの窓からは、レインボーブリッジ がドーンと見えます。これが「あの、レインボーブリッジなんか」と思いました。マジで、私っておのぼりさんなの…という感じです。
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「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(1)

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▪️今日から台場のホテルで3日間缶詰めになって仕事です。「世界農業遺産(GIAHS)と農村地域開発に関する国際シンポジウム」(主催:国連食糧農業機関FAO)で、ディスカッションをしながら、世界農業遺産(GIAHS)に認定された「琵琶湖システム」の報告を滋賀県庁の職員の方と一緒に行います。同時通訳なので、私でもなんとかなりそうです。ホテルの部屋からは「船の科学館」や南極観測船「宗谷」が見えますが、今回は見学している余裕はありません。まあ、仕事ですから…。

世界農業遺産のファイルとお仕事

20231002biwako_system.jpg▪️先週の土曜日、滋賀県庁職員の方たちとの懇親会を持ったことを投稿しました。その懇親会が始まる直前に、「世界農業遺産」を担当されている部署の職員さんから、このファイルをいただきました。素敵なファイルですね。「みんなのカラダはびわこのしくみでできている」。地産地消的な考え方からすれば、当然、こういう主張になりますよね。

▪️ちなみな、このファイルに描かれている手前の赤みの魚ですが、琵琶湖の固有亜種で「琵琶湖のルビー」と呼びれているビワマスだと思います。奥の方のうおの切り身、これはニゴロブナで作った鮒寿司でしょうね。上に飯(いい)がついていますから。それから、右側のご飯、なんだと思いますか。このご飯は「魚のゆりかご水田」で作れられたお米のご飯ですね。ご飯の上にはピンクの揺かごが描かれています。よく見ると揺かごの中は水田でうおが飛び跳ねていますね。捕虫網を持っている青いもの、これは琵琶湖に設置される琵琶湖の伝統漁法「魞漁(えりりょう)」を表しているのでしょう。ということは、これは捕虫網ではなくて、魚を掬いとる綱かな。どうなんでしょう。下のクリスマスツリーのようなものはなんでしょうね。今度、職員さんに聞いておきます。

▪️このファイルの中身なんですが、この世界農業遺産に関連するお仕事の依頼でした。まだお引き受けするかどうかわかりませんが、基本的には前向きに考えていこうと思っています。近いうちに、このブログでもお知らせすることができるのでなはないかと思います。

いつもの「利やん」で懇親会、世界農業遺産/びわ100

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▪️昨日は、博士課程の院生の中間発表会でした。全員が、中国からの留学生。1人は、来年度、学位請求論文を提出するようです。じっくり時間をかけて分厚い博士論文を提出するようです。来年の春は、副査としてそれを読まなくてはいけません。「満州における日本人経営中国語新聞と関東軍との関係に関する研究―『盛京時報』の経営を中心に」という研究です。歴史的な資料が相当量入っているので、気合を入れないと読めません。これから、懇談会(お疲れさん会)。

▪️そのあとは、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で滋賀県庁で世界農業遺産に関わった職員の皆さんと懇親会でした。写真は、最後の集合写真。この日、県庁の皆さんは、南湖一周40kmを歩かれました。本当は、皆さんと一緒に歩きたかったのですが、博士課程の中間発表会があったものですから、その代わりに私は1週間前、南郷洗堰で折り返す南湖1周55kmを1人で歩きました。私も含めて、この写真の中の5人が「びわ100」(びわ湖チャリティー100km歩行大会)に挑戦します。私は、今回5回目の挑戦になります。過去4回、なんとか完歩しているので、今回もうまく行くように、努力します。最後は、痛みや苦しみに耐える精神力の問題になってきます。

世界農業遺産
世界農業遺産(GIAHS:Globally Important Agricultural Heritage Systems)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されます。

▪️そもそものことの始まりは、私がこの写真の中のメンバー2人、藤江学さんと伊崎直人さんに声をかけて、「『びわ湖システム』が『日本農業遺産』そして『世界農業遺産』に認定されるように、『びわ100』では横断幕を持って歩こう、アピールしよう‼︎」と提案したことに始まります。そのような提案をしたのは、facebookの友達である永田咲雄さんが、ご自身で経営されている会社の社員さんたちとの団結を高めるために、会社で「びわ100」に出場されることをfacebookの投稿で知ったからです。世界農業遺産を目指すチームも、「頭を捏ね繰り返してばかりではなく、まずは琵琶湖を体感しつつ、チームとしての団結力を高めよう」と昭和のおじさんのノリで提案したのです。ひとつ失敗したのは、チームのリーダーであった青田 朋恵さんにも「歩こう!!」と声をかけなかったことですか。我々と一緒に歩かれるとは思っていなかったもので…。

▪️さて、このことを知った、当時農政水産部長であった高橋滝治郎さんは、部の職員全体に声をかけて参加者を募るようにと指示を出されました。その結果、大勢の方々が参加されることになったのです。さすがに、今は「世界農業遺産」に認定されたので、あの苦しみに耐える「びわ100」に出場される方は私も含めて5人に減りましたが、「びわ100」に出場しなくても、当時のことを懐かしみ、今もこうやって南湖1周に挑戦される方たちが集まられたわけです。素晴らしいです‼︎

▪️「びわ100」、10月の14日・15日です。14日10時過ぎに長浜をスタートして、彦根、東近江、近江八幡、野洲、守山、栗東、草津、瀬田、南郷洗堰と歩き、最後はゴールの雄琴を目指します。徹夜で歩きます。制限時間は28時間です。15日の14時までにゴールする必要があります。

「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」

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■一昨日の日曜日、夕方17時から、琵琶湖ホテルで「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」を開催いたしました。主催は、私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」と、野洲市須原で魚のゆりかご水田に取り組まれている農家、堀彰男さんが代表の「せせらぎの郷 須原」です。実は、堀さんとは昨年末あたりから、「世界農業遺産認定は、ゴールやなくてスタートや」、「民間からの提案で世界農業遺産・琵琶湖システムに関連した取り組みをやっていきたいね」、そのようなお話をしていたのですが、まずは「味わう会」として実現できて本当に嬉しく思います。準備がなかなか進まず、短期間であったにも関わらず、多くの皆さんが日程を調整して参加してくださいました。とっても嬉しかったです。本当にありがたかったです。会場では、あちこちで様々な「異業種交流」が生まれました。大いに盛り上がりました。こういうシーンが生まれることを願っていました。「味わう会」が人と人をつなぐひとつの小さな「触媒」になれたのではないかと思っています。

■世界農業遺産・琵琶湖システムは、「山・里・湖が育む、漁業と農業が織りなす」システムです。ですから、琵琶湖システムにはたくさんのつながりが埋め込まれているのです。その価値を共有するためには、そして価値を磨いていくためには、多様な関係者の皆様自身もつながっていく必要があります。そのようなつながりの中で、初めて価値を磨くことが可能になると思っています。「自分だけが得をする」のではなく、お互いに「贈りあう」関係の中で地域社会が共に浮上するような状況が生まれてくると素敵だなと思います。

■そのような「贈りあう」関係が、県内の水産業や農業に関わる皆さん、食品産業に関わる皆さん、飲食業に関わる皆さん、旅行業に関わる皆さんの間に生まれたとき、「近江テロワール」のようなものが生まれてくるのだと思います。また、中山間地域にも琵琶湖システムの価値の恩恵を届けることができると思うのです。琵琶湖システムを土台から支えているのは山なんですから。

■「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」、多くの皆さまにご参加いただき、大盛況のうちに御開きとなりました。特に、青田朋恵さんのご講演は、世界農業遺産認定を目指し、その先頭に立ち、獅子奮迅のご努力をされてきた方ならではの素晴らしいものでした。ありがとうございました。

20230418ajiwaukai2.jpg■また、喜多酒造の喜多良道社長からは日本酒の味わい方についてのご講義もいただきました。参加された方達を深く納得させる名講義でした。ありがとうございました。須原のゆりかご水田米を原料にして醸した「月夜のゆりかご」と「喜楽長純米大吟醸」を飲み比べながら、日本酒の奥深さを味わうことができました。このような近江の米で近江酒が醸されるような連携が、日本酒以外にもたくさん生まれてきてほしいなあと思っています。

■滋賀県が世界農業遺産申請に取り組むスタート時の農政水産部長であった安田全男さんからは、乾杯のご挨拶とご発声をいただきました。安田さんのご挨拶、心に染みるような思いでお聞きしていました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で安田さんとお会いし、世界農業遺産に関わる話で盛り上がった時が、私にとっての全てのスタートでした。

■昨日は、主催者である須原の堀さんによる「魚のゆりかご水田」の取り組みの他に、長浜市早崎で取り組まれている「魚のゆりかご水田」の事業についても、ご報告をいただきました。それぞれの取り組みに、独自の工夫と多様な展開があることを、参加された皆さんと共有できました。このような独自の工夫と多様な展開を、もっと多くの農家の皆さんと共有できればと嬉しいです。

■今、いろんな思いが溢れて、その全てを書ききれないのですが、このブログの投稿を通して私からの感謝の気持ちを多くの皆様にお伝えしたいと思います。今後も、第2回、第3回と工夫しながら継続していければと思っています。ありがとうございました。この日は、琵琶湖ホテルさんにもかなりご努力をしていただきました。琵琶湖ホテルさんにも、共に琵琶湖システムの価値を磨いていく側として、ご協力くださいました。心より御礼申し上げたいと思います。おかげさまで、素晴らしい会になりました。ありがとうございました。

■最後、もうひとつエピソードを。「味わう会」、無事に終えることができて嬉しかったものですから、持ち込んだ自分のパソコンを、うっかりそのまま会場に忘れてきてしまいました。そのことを自宅に戻ってから気がつきました。ということで、再びパソコンを受け取りにホテルに向かいました。いやはや…です。私は、主催者側で司会をしていたこともあり、食事やお酒を楽しむ余裕はほとんどありませんでした。といいますか、体調のこともあり、美味しいお料理もお酒もあくまで控え目にしていました。パソコンを回収し、帰宅したのちは、野菜をしっかりいただきました。

20230418ajiwaukai3.jpg■今回の「味わう会」には、読売新聞の編集局部長がご参加くださり、編集委員と記者さんがご取材くださいました。ありがとうございました。読売新聞では、現在取り組まれている「農project」で、世界農業遺産・琵琶湖システムにも注目していただいています。これからも記事が続々と出ていくのではないかと思っています。ぜひ、皆様もご注目いただければと思います。また、毎日新聞にコラムを書いておられる家鴨あひるさん(ペンネーム)もご参加くださいましたが、家鴨さんにも連続してコラムをご執筆いただけるとお聞きしています。とっても楽しみにしています。

【追記】■18日の読売新聞朝刊の滋賀版に、記事が掲載されました。編集委員の記者さんのお話では、また取材をしてくださるとのことでした。世界農業遺産・琵琶湖システムの価値を磨く活動について、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。

喜多酒造さんを訪問しました。

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■今日は、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている農家の堀彰男さんと、東近江市にある喜多酒造の喜多良道社長を訪問いたしました。今、堀さんと企画中の「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」についてご相談をするためです。喜多酒造さんは、「喜楽長」という銘柄でよく知られていますが、それに加えて、堀さんの「魚のゆりかご水田米」を使って「月夜のゆりかご」という銘柄のお酒も醸しておられます。

■そのようなこともあり、「味わう会」でも「月夜のゆりかご」をお出しするのですが、喜多社長には、農家である堀さんとの連携で「月夜のゆりかご」が誕生するまでの事や、世界農業遺産を梃子に滋賀の農林水産業、食品産業、旅行業がどのように連携していくのか、そのあたりの展望についてもお話しいただくことになりそうです。今日は、今後の「味わう会」の展開についてもご質問やご意見をいただきました。また貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございました。喜多社長にご相談をさせていただいたことで、とても力が湧いてきました。そして、次の展開についても少しビジョンを持つことができました。

【関連投稿】「滋賀の地酒-酒学事始」

世界農業遺産認定のお祝い、これはゴールではなくスタート。

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20230311giahs2.jpg ■昨年7月に、滋賀の農林水産業「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす 琵琶湖システム」が世界農業遺産に認定されました。昨晩は、その申請作業に取り組んだ滋賀県庁職員の皆さんと一緒に、時期は遅れましたがお祝いの会を持ちました。昨年の10月のことになりますが、世界農業遺産に取り組まれた4代にわたる歴代農政水産部長(滋賀県庁)の皆さんとは、この「利やん」ですでにお祝いをしたのですが、実際に申請書の作成にあった職員の皆さんとはなかなかチャンスがなかったのです。もちろん、お祝いの場所は、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」の別館(宴会場)です。facebookやこのブログに何度も投稿してきましたが、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」に関する様々な出来事が、いつもこの「利やん」と深く関係しているのです。「利やん」は、「琵琶湖システム」の聖地なんです(知らんけど…ですけど)。

■それはともかく、昨日参加された皆さんとは、次のことを確認しました。「世界農業遺産の認定は、ゴールではなくてスタートだ」。ちょっと下品な表現ですが、「世界農業遺産の認定の価値を、骨の髄までしゃぶりつくさんとあかん」と思っています。国連のFAOに世界農業遺産として認定されたことを、社会的に活かしていかねば意味がないのです。そのような取り組みを、もっと民間の力で進めていきたいと考えています。写真ですが、「『世界農業遺産』認定をめざそう」になっていますが、これは認定される以前のものです。今だと、「『世界農業遺産』認定の価値をしゃぶりつくそう!!」かな。民間の関係者が、本気にならなければなりません。
■昨日は自宅で仕事をして、夕方から「利やん」のある大津の街へ出かけました。ついでに健康維持・回復のためウォーキングをやろうと、JR唐崎駅で降りて大津駅前にある「利やん」まで歩きました。疲れました。100kmウォーキングをしていたあの体力はどこにいったんだろう。コロナで引きこもっていることが多く、知らない間に体力がなくなっているのです。スマホのアプリ「キョリ測」で歩いた距離を測ると約6km。一般的なスピードだと1時間50分なんだそうですが(18.3分/km→かなりゆっくり)、私は1時間15分ほどで歩きました(12.5分/km→これも大して早くありませんね)。

■認定のお祝いの会は、18時半から始まる予定でしたが、ウォーキングを頑張ったせいか少し早めに「利やん」到着しました。ふと壁に目をやると、闘病の末2018年の10月16日に亡くなった「利やん」のマスター光山幸広くんの写真が飾ってありました。光山くんの向かって左側は、TBSの「酒場放浪記」の吉田類さんです。番組の取材があった時に写したものです。取材があったのは、2017年の11月13日です。光山くんが持っている色紙は、現在、「利やん」の本店の方に飾ってあります。

20230311giahs3.jpg ■この写真を見ながら、思い出したことがあります。世界農業遺産認定に向けて頑張っていることをアピールするために、トップの写真に写っている皆さんと一緒に「第3回びわ湖チャリティー100km歩行大会」=「びわ100」に参加した時のことです。「びわ100」は、長浜からスタートして、南郷の洗堰をまわって雄琴温泉に至るまでの100kmを徹夜で歩くチャリティーイベントです。びわ湖ホールのところに90kmの第6チェックポイントがありました。その少し前のあたりで、光山くんが私を迎えてくれたのです。その時の投稿には、次のように書いてあります。

足裏は豆で痛かったのですが、比較的スムースに第6チェックポイントに移動することができました。その移動の途中、大津プリンスホテルを過ぎたあたりで、1人の男性に呼び止められました。「チーム利やん」のオーナーで、大津駅前の居酒屋「利やん」のマスターである光山幸宏さんでした。これまた、びっくりです。一緒に歩いていた亀甲さんも、「チーム利やん」の団結力に驚かれていました。光山さんは、わざわざ用意した椅子に私を座らせて、カチコチになった肩と背中を揉んでほぐしてくださいました。また、暖かい飲み物も差し入れてくださいました。ありがたかったです。本当に。光山さんからも元気をいただき、第6チェックポイントに到着しました。5時45分頃です。

■昨日のお祝いの会には、私も含めて10名ほどの方たちが参加されましたが、本当は、もっとたくさんの方達が世界農業遺産をアピールするために「びわ100」に参加されていました。今年の秋は、「びわ100」にエントリーするかどうかは別にして、またみんなで琵琶湖の南湖を1周50kmを歩く「合同練習会」をやりたいねという話になりました。滋賀県庁を出発して、時計回りで、湖西を北上し、堅田で琵琶湖大橋を渡リ、そこから南郷の洗堰を目指して南下し、洗堰を渡って再び県庁にまで戻るというコースです。もちろん、練習会のあとは、「利やん」で打ち上げをするはずです。下の写真は、初めて「びわ100」に参加した時の集合写真です。とても懐かしいです。

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実現するか「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」

■今週の木曜日に、野洲市の須原に出かけました。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている堀さんや、龍谷大学RECの熊谷さんとご相談をさせていただきました。そのご相談から派生して、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」のというアイデアとして出てきました。

■「鉄は熱いうちに打て」というわけで、さっそく知り合いの皆さんに相談をさていただくことにしました。いつもお世話になっている方を介して、某ホテルの幹部社員さんとお話しをさせていただくことができました。民間の力で世界農業遺産認定を盛り上げていこうという趣旨を前向きにご理解くださり、「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」の開催にもお力をお貸しいただけることになりました。また、ホテルとしてもご参加いただけることになりました。

■前にも書いたことの繰り返しになりますが、いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんな夢が実現できます。本当に、人とのつながりは財産です。大切だと思います。昔、タレントのタモリさんがお昼にやっていた番組の有名なフレーズを拝借すれば、「友達の友達はみな友達だ、琵琶湖の周りに広げよう世界農業遺産の輪」という感じになりますかね。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」、来年の春にはまずは第一弾を実現させたいと思っています。

世界農業遺産・魚のゆりかご水田・大人の体験学習

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■木曜日は、午後から留学生の授業なのですが、今日は午前中に野洲(滋賀県野洲市)に行きました。野洲市の須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている「せせらぎの郷 須原」の堀 彰男さん、龍谷大学RECの熊谷 睦史さんと一緒に、世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」を「学び」+「体験して」+「味わう」、そんな「大人の体験学習」の企画について相談しました。最後の「味わう」は、お米はもちろんですが、魚のゆりかご水田米から醸した日本酒もです。

■地域社会(農家)と、地域の大学(龍谷大学)と、地域のNPO(特定非営利活動法人「琵琶故知新」)が連携して、「琵琶湖システム」を盛り上げていく企画です。将来は、野洲川中上流の皆さんとも繋がっていきたいです。世界農業遺産に認定された「琵琶湖システム」は流域単位で、流域ごとに、それぞれの流域固有の価値を再認識し、磨いて、経済的にもプラスになるように連携していくと素敵だと思っています。最後の経済的…というところが大切だと思っています。

■今日はいろいろ相談をしていて、派生的な企画も生まれてきました。そのうちにホテルの関係者にも相談にあがりたいとおもいます。これも世界農業遺産がらみの企画です。「『世界農業遺産 琵琶湖システム』を味わい尽くす会」みたいな感じかな。このような話をしている時が、一番楽しいな(^^;;。いろんな「力」や「可能性」お持ちの方たちとつながって、相補的に支え合うことで、いろんなことが実現できます。人とのつながり、財産ですね。大切だと思います。それぞれの専門性のコラボレーションから素敵なハーモニーを奏でられるかな。

■というわけで、舞い上がりすぎて、大切なものが入っているショルダーバッグを写真の喫茶店(コメダ珈琲)に忘れてしまいました。野洲駅まで戻って気がついたので、喫茶店までジョギング。ひさしぶりに、ジョギングしました。気をつけないといけません。

「魚のゆりかご水田」

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