第7回「びわ湖レイクサイドマラソン」
■金曜日は家の用事で大津、土曜日は仕事で大津(大津市役所)、そして昨日・日曜日は大津と草津で開催される「びわ湖レイクサイドマラソン」に、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」のランニングチームの一員として出場しました。
■この「びわ湖レイクサイドマラソン」、今回で第7回になります。私は、第1回から4回まで連続して15kmの部に参加してきましたが、第5回は出張で、第6回は風邪で欠場しました。ということで、2年ぶりの出走ということになりました。しかも、レースに出るのは、2014年の3月に開催された「篠山ABCマラソン」以来です。この篠山のマラソンを完走した時点では、これからも「走り続けようと」と思っていたのですが、足の故障が長引き、結果として、走る習慣がなくなってしまっていました。なんとも、情けない話しです。というわけで、身体は完全に元に戻り、57歳の普通のおじさんのものになってしまいました。加えて、ほとんど練習らしい練習をしていないので、「予想タイムは1時間40分で、なんとか完走」というところに目標をおきました。結果は、予想通り1時間41分28秒(ネットタイム1時間40分36秒)でした。自己記録は、第4回の1時間19分56秒ですから、自己記録よりも20分も遅いゴールになってしまいました。
■こんな記録しか出せない私なのですが、チーム「利やん」のキャプテンを務めており、チームオーナーで店主の光山さんと一緒に、選手強化に努めてきました。私は、龍谷大学のアスリートランナーの皆さんをお誘いしてチームに参加してもらいました。光山さんも、お店に来られるランニング好きのお客さんをスカウトされてきました。その結果、チーム「利やん」は、かなりのレベルのチームになりました。今回は、龍谷大学の職員の皆さん3人が、頑張って入賞されました。素晴らしいです!! 上の集合写真は、レース後、ランナーの皆さんと応援団の皆さん(店員さんや常連客の皆さん)が一緒になって撮ったものです。
■今回のチーム「利やん」は、お店の常連客、常連客ではなくてもたまに来てくれるお客さんをキーパーソンにして、そのキーパーソンを媒介としていろんなところから集まってきた人たちよって結成されました。具体的には龍谷大学の教職員やその友人の皆さん、大津や草津の大企業の社員の皆さん、草津市のある自治会の仲良しグループの皆さんです。合計、21人が走りました。これはすごいことです。第1回に参加している私としては大変感慨深いものがあります。というのも、第1回に走ったメンバーはたった6人だからです。左の写真が、第1回の集合写真です(私は真ん中に立っています)。みんな素人(なんちゃって)ランナーばかりです。この時は、新聞社の記者の方が2人入っておられました。ところが選手強化をはかってきた結果、現在は、フルマラソンで2時間20分を切る記録を持つ元・実業団の選手や、フルマラソン3時間を切るサブスリーランナーも多数参加されています。隔世の感がありますね~。今年は女子のランナーも3人になりました。アスリートから初心者まで、ますます選手層が厚くなっていってほしいと思います。
■ところで、チーム「利やん」が楽しいところは、じつは、レース終了後にお店に参加者が集まって慰労会・祝勝会を開催するところのあります。当然のことですが、オーナーの光山さん(店主さん)が選手や応援団のために料理の腕を振います。応援団のなかには、ビール会社の方がおられます。お仕事として、私たちの慰労会・祝勝会のためにおいしい生ビールをついてくださいます。ランニングという共通項はありますが、同時に、これは異業種交流でもあるわけです。といいますか、ランニングを楽しみつつも、美味しい料理と生ビール、そして異業種交流を楽しむ「ために」チーム「利やん」に参加されているわけです!! 今回も非常に盛り上がるとともに、非常に楽しい時間を過ごすことができました。宴会が進むにつれて、それぞれ職場は違うはずなのですが、テーブルのあちこちで、いろんなところで実は繋がっていることがわかってきました。例えば、「地元」が同じで中学の先輩・後輩だったとか、共通の知人がいるとか…。こういう点も、面白いな〜と思いました。 アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが、「サードプレイス」の重要性について指摘していますが、私にとって「利やん」は、大切な「サードプレイス」のひとつなのだと思います。
■この写真の中で、表彰状を持っている方が3人おられます。中央の前が、龍大職員の奥村さん、その後ろが世雄さん、そして向かって右側が竹之内さんです。龍大職員のトップランナーの方達です。さらに、今回は入賞を逃しましたが、唯一、チーム「利やん」で過去に優勝している方がおられます。龍大職員の原さんです。真ん中で緑と白のシマシマのラガーシャツを着ている方です。以前、私のフルマラソン完走を指導してくださった方です。師匠ですね。
【追記1】■ちょっと驚いたことがありました。レース終了後、自宅が遠い人はスーパー銭湯で汗を流して、慰労会・祝勝会に参加するわけですが、今回はランナーの人数が多く、スーパー銭湯までいく車の台数が足りませんでした。すると龍谷大学のアスリートの皆さんは、「スーパー銭湯まで10km走っていきますよ」と5人のグループで走り始められたのです。レース終了後、たいした疲れもなく、そのまま走っていかれたことに、びっくりしてしまいました。さすがウルトラマラソンに出場するレベルの方たちは違います。
【追記2】■もうひとつ大切なことを追記しておきます。チーム「利やん」で、ただ一人、第1回から第7回まで連続出場し続けている人がいます。私の年上の同僚、原田達先生です。原田先生は、定年退職までまだ3年を残して、3月末で退職されます。実は、原田さんには楽しみな計画があるのです。「東海道五十三次」を一気に歩き通すこと、それが先生の計画です。今年の5月にいよいよスタートされる予定です。そのための準備を着々と進めておられます。東京の日本橋からスタートとして、京都の三条大橋に到着する前日には、「利やん」で飲む…これが原田先生の希望でもあります。そこで、チーム「利やん」のメンバーが集まって、原田先生の「東海道五十三次踏破」をお祝いすることにいたしました。お仕事でお忙しいことと思いますが、チーム「利やん」の皆さんにはご参集いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。また、ご連絡をいたします。ちなみに、原田先生は、「東海道五十三次踏破」を目指して、現在、facebookに投稿されています。お知り合いの皆さん、是非、facebookで「お友達」になって、このチャレンジを応援していただきたいと思います。
【関連エントリー】「びわ湖レイクサイドマラソン」/ サードプレイスとしての「利やん」
平成27年度大津市都市計画マスタープラン 第2回まちづくり会議 中北部ブロック・中南部ブロック
■今日は、大津市役所で「平成27年度大津市都市計画マスタープラン 第2回まちづくり会議 中北部ブロック・中南部ブロック」が開催されました。大津市の「都市計画審議員」や、「大津市都市計画マスタープラン案策定専門部会 部会長職務代理者」という長ったらしい名前の仕事をしている関係で、この日は、アドバイザーとして参加させていただきました。大津市役所別館1階の大会議室です。そういえば、昨日も市役所に行きました。大津市の転居先の住宅のガス栓を開けてもらう手続きをするためなんでした。仕事でも生活でも市役所にやってくるということで、なんとなくですが、いよいよ大津市民になるんだという気持ちが心の中に湧いてきます。
■さて、今日の「まちづくり会議」ですが、昨年12月に開催された「第1回まちづくり会議」に続いて2回目になります。前回の第1回の時は、私が参加したのは北部ブロックでしたが、今回は日程の都合で「中北部ブロック・中南部ブロック」になりました。どういう地域かといいますと、中心市街地に隣接する地域で、中北部ブロックは、雄琴、日吉台、坂本、下阪本、唐崎、以上5つの地域、中南部ブロックは、膳所、富士見台、青嵐、3つの地域になります。いずれも、新興住宅地を含む地域です。今日の「まちづくり会議」では、まず趣旨説明が行われた後、ワークショップに移行しました。第1回のまちづくり会議の結果を踏まえた「重点的な今後の取り組み」について「絞り込み」をしていただき、その上で「20年度の地域の将来像」を考えていただきました。また、重点的な今後の取り組みについて、市民、事業者、行政の3者の「役割」について考えていただきました。その上で、マスタープランをこれからどのような時に見る・使う・活用するのかについても意見をいただきました。
■ワークショップでは、AからEの5つ班のテーブルに分かれて取り組んでいただきましたが、市役所側が用意したワークショップの進め方とそれぞれの参加者の思いの間に少しずれがあり、簡単には絞り込みなどできないと考える班もありました。市役所の職員の皆さんが想定していた状況とは違っていたのでしょうが、地域の課題は様々な要因が連鎖して繋がっているので、そう簡単には絞り込みなどできない…というのは、まっとうお考えかと思います。市役所側が用意した絞り込みの作業は、議論がしやすいようにとの配慮からでしたが、裏目に出た感じでしょうか。まあ、まちづくりとは、このように紆余曲折するものなので、このようなことも当然起きてきます。
■とはいえ、皆さん、実に積極的に話し合っておられました。ある班では、「こういう問題は、短い時間だけでは話しが終わらない。酒でも飲みながら、朝まで語り合わないと」という意見が出ていました。素敵ですね〜。また、ワークショップが終了した後、こういうことを継続してやるべきだとの意見も出ていました。このような意欲を持たれていることも、とても素敵なことです。
■私はアドバイザーとして、最後に少しお話しをさせていただきました。前回の第1回は「栗きんとん」を例えにお話ししましたが、今回は料理店の立派なお弁当を例えにお話しをさせていただきました。漆塗りの大きく立派な弁当箱に、美しい器が置かれていて、そこに様々な食材を使った美味しい彩り豊かなお料理が盛られている。そんなお弁当箱です。都市計画マスタープランとは、このような漆塗りの弁当箱や器でしかありません。では肝心の中身であるお料理とは何かといえば、このマスタープランを元に、地域の皆さんが地域の課題を解決したり、魅力を発見して磨いていく取り組みの成果なのではないかと思うわけです。
■大津市の市域は、南北に長く伸びています。多様な魅力に富んでいます。それが、大津市の財産だと思っています。また7つに分かれた地域ブロックの中身も多様性に富んでいます。その固有の魅力を活かしながら、弁当箱や器=都市計画マスタープランを道具として活用しながら、美味しい料理である、それぞれの地域の創造的な取り組みを始めていただきたいなと思いました。実際、ある班では「まちづくり組織を立ち上げる」必要があると強く主張されていました。また、ある班では、問題を解決していくために「コミュニティビジネスが必要なのではないか」という意見も出ていました。すばらしいですね。このような思いを、まずは小さな成功事例からスタートして形にしていただき、「自分たちもやればできるな!」という自信を持っていただければと思います。
■そのような思いを、市役所も積極的に受け止め、広い意味で支援していただければと思います。支援とは、お金を付けて役所が事業を行うことだけではありません。人と人をつなぐ、情報を提供するなど、様々な支援の方法があります。これから人口減少社会の中で、財政的には益々厳しくなっていくわけですが、要求や陳情ではなく、地域住民と行政が、そして地域で経済活動をしている事業者の皆さんも含めて、一緒に悩んで、知恵を出しあって、汗をかくようなそのような取り組みを始めると素晴らしいなと思います。都市計画マスタープランを完成させることは、スタートであってゴールではありません。頑張って、楽しんで、夢を実現してまいりましょう。
大津へ
■結婚して以来、30年近く奈良で暮らしてきました。40歳から45歳までは、岩手県の盛岡市に単身赴任していましたが、それ以外は、基本的に奈良で暮らしてきました。にもかかわらず、です。これまでのエントリーにも書いてきましたが、大津市に転居することになりました。
■今日は、転居のための準備で、大津に家族と出かけました。大津も含めて滋賀県は、琵琶湖流域を研究フィールドにする私にとって「仕事の場所」でした。しかし、もうじき「生活の場所」にもなるのです。ひょっとすると、この年齢ですから、「骨をうずめる場所」になるのかもしれません。これまでも、「なんで大津に住めへんの」とよく言われてきましたが、やっと大津に住まうことになります。ただ、転居するということになると、これまであまり気にせず暮らしてきたにもかかわらず、奈良の街を去るにあたって一抹の寂しさを感じてしまいます。私の場合、子どもの頃から西日本を中心にあちこちに暮らしてきたこともあって、「大切な思い出深い場所」が多数あります。これはこれで、幸せなことなのかもしれません。
■写真ですが、大津市の「なぎさ公園」にある「なぎさのテラス」で休憩した際に撮ったものです。晴れていましたが、残念ながら比良山系は霞んでよく見えませんでした。
真の方法は、探究されるべき物事の性質に従う。(折々のことば)
■朝日新聞の1面に掲載されている哲学者・鷲田清一さんの「折々のことば」、楽しみにしています。私の場合は、ネットで拝見することの方が多いと思います。ネットでは、過去のものも拝見することができるからです。新聞で読むことができなかった(忘れていた)ものも、読むことができます。昨日の「折々のことば」は、「細く 長く 曲がることなく いつも くすくす くすぶって あまねく 広く 世の中へ 松栄堂」でした。これは、京都のお香の老舗、その創業家に伝わる家訓です。こんな時代だからこそ…、この家訓は心に染み入ります。この「折々のことば」、新聞でも読みましたが、ネットでもじっくり味わいました。その時、ふと過去のものも目に入りました。哲学者フッサールの「ことば」でした。
■「真の方法は、探究されるべき物事の性質に従う」。鷲田先生は、次のように解説されています。
あらゆる対象を等しく分析できるような一つの方法は存在しない。物事の真相を捉えるにはそれにふさわしい方法、文体、もしくは表現のスタイルがある。対象がナイフの研ぎ方を教えてくれるのであって、対象にナイフの切れ味を押しつけてはならない。これは芸術や建築についても言えること。〈現象学〉という分析の方法を提唱した哲学者の「厳密な学としての哲学」から。(鷲田清一)
■「対象がナイフの研ぎ方を教えてくれるのであって、対象にナイフの切れ味を押しつけてはならない」という鷲田先生のわかりやすい比喩的な説明にグッときました。私は、流域の環境問題について、他の分野の研究者と一緒にプロジェクト研究を進めています。流域に限りませんが、環境問題は非常にたくさんの要因が、相互に連関を持ちながら構造化されていくことによって発生します。流域の環境問題を考える場合も、調査や研究を通して知ろうとする「対象」は専門分野によって異なります。私が参加している研究プロジェクトでは、多く分野の研究者がメンバーとなっていますが、それぞれのメンバーは、自分の専門分野という枠組みを通して流域のある一部分を「対象」にしているにしか過ぎません。その「対象」に応じて方法を選択しなければなりません。自分の方法や考え方が他の「対象」についても有効かといえば、そうではありません。自分の専門分野から一刀両断的に全体像を把握できた「つもり」になることはできても、それは自己満足でしかありません。それぞれの専門分野のコミュニティ内部では通用しても、そのコミュニティの外に出たとたんに、特に環境問題の現場に出て行った時には、使い物にならないことが明らかになります。相手にされません。仮に、意味のある批判はできたとしても、「それでは、どうしたらよいの?」と聞かれたとき、その先に進むことができません。問題点を指摘し批判しても、「今・ここ」から解決に向けての「具体的な道筋」を見つけることができません(その意思もない、「解決論」がない…)。
■「心地よいコミュニティ」の外に出ていく必要があります。では、他の分野の研究者、行政の職員の皆さん、地域の住民の皆さん、企業の関係者…自分とは異なる多様な人びととともに、流域の環境問題を解決していくためには、どのような社会的な仕組みを育んでいけばよいのでしょうか。その辺りが、私の関心になります。鷲田先生が取り上げられた「真の方法は、探究されるべき物事の性質に従う」というフッサールのことばに反応したのは、このようなことをいつも考えているからなのです。もっとも、フッサール自身、どのような意図でこう言っているのか、「厳密な学としての哲学」を自分自身できちんと読んでみなければなりませんね。
■私自身が、社会学の勉強を始めた若い頃、アルフレッド・シュッツや彼の弟子にあたるピーター・L・バーガーやトーマス・ルックマンの現象学的社会学に関する研究は、特に若い世代に人気がありました。私もそのようなある種のブームの中で、現象学的社会学の文献を読みましたが、シュッツが影響を受けたフッサールまでには遡ってきちんと読込むようなことはやっていません。若い時に、もっときちんと「古典」と呼ばれる文献を勉強しておけばよかったと思います。反省。
【関連エントリー】いい専門家とは
NHKクローズアップ現代「小さな島の大きな決断~地方創生の現場から~」
■NHKの「クローズアップ現代」、新年度から新しい番組に変わるようですね。新しい番組がどのような内容なのか私は知りませんが、1993年から続いてきた国谷裕子キャスターの番組がNHKから消えてしまうことに、非常にがっかりしています。もったいない…。私は、勤務時間の関係で、なかなか放送を拝見することはできませんが、公式サイトにある「放送まるごとチェック!」は頻繁に拝見してきました。放送が一部動画で観ることができますし、放送内容が全てテキスト化されています。学生を指導する際にも、活用させてもらいました。国谷裕子キャスターが降板することで、この公式サイトも消えてしまうのでしょうね。もったいない…、非常にもったいないと思います。
■今日は、会議と会議の間の時間で、来年度の授業の内容を考えていました。その際にヒントにさせてもらったのが、クローズアップ現代の今年の1月13日に放送された「小さな島の大きな決断~地方創生の現場から~」です。こんな内容です。アンダーラインは、私が注目したところです。ぜひ「放送まるごとチェック!」でご覧いただきたいと思います。番組に登場された、青柳花子さん、その後も頑張っておられますかね〜。
“消滅”を回避し、自ら地域振興アイデアを絞り出せ-いま全国の自治体に、年度内を期限に総合戦略の策定が求められている。データに基づく人口ビジョンや具体的な雇用創出戦略が国に承認されれば、地方創生予算から助成を受けられる仕組みだ。現実には特効薬はなく「コンサルタント丸投げ案」も存在すると言われる中、新潟沖にある人口365人の孤島の挑戦が注目されている。新潟県粟島浦村(あわしまうら)は、衰退する漁業と観光民宿業を抱え、25年後には人口が180人まで減ると予測される典型的な消滅危惧自治体だ。いま、残った若者たちが島外協力者と10年先を見据えた「基幹産業の再生プロジェクト」に取り組む。横ならびの基準料金を定めた民宿ではない新しい宿の設立などを含む「若者提言書」の策定を進め、変化に前向きになれない村を粘り強く動かし始めた。総合戦略の提出期限が迫り、島民らが迎えた決断の日。地に足をつけた創生とはどうあるべきか、ある地域の奮闘を通じて考える。
■「放送まるごとチェック!」では、キャンスターの国谷さんが、コメンテータの山崎亮さんに以下の質問をされています。質問に対する山崎さんの答えが面白いですね〜。
●人口減少・将来の予測が厳しい島ならば、外から来た方のアイデアを歓迎するかと思いきや抵抗感が強かった その姿をどう見た?
「こういう強いつながりの中で、何かを動かしていこうと思う時には家族のような関係の中からどういうふうに、それを新しい方向へつむぎ直していくのかという事が大切になると思いますね。」●外から来た変化をもたらしてくれそうな人に対する不信感や本気度を問う気持ち 島の人々のその気持ちの背景にあるのは何か?
「その本気度を確かめたくなるという気持ちが湧いてしまうんだと思いますね。」●外から来た人が特別扱いされる事で、まなざしが厳しくなる そういう例もあった?
「我々が関わった当初はやはり、役場の人たちが外から入ってくる移住者ばっかりに優遇策を出しているんじゃないかという話をとてもよく聞きました。」●人間関係が濃密でいろいろな古いルールがある地域で理解を進め、本当の変化をもたらしていくには、どういうプロセスを踏んでいけばよい?
「誰かが持ってきたものをやろうという事ではない事。」「本人たちがこれをやるというふうに言い出したかどうかという事と、この人たちと一緒にやりたいと思えるような仲間を、ちょっと時間はかかるけれどもつくる事ができたかどうか。」●コンサルタントの阿部さんは40代までの移住者を中心に話し合いを重ねた その中での気づきや理解はどういうふうに生まれてくるもの?
「情報を知らないと、なかなか新しい発想が出てきませんので、これから島の人口はどれぐらいになるのか、それから、もし人口が減ってしまうんだったらどんなやり方があるのか、全国や世界の事例をみんなに知って頂く。」「要望や陳情型の意見ではなくて、提案・実行型の意見ですね。」●提案されたものが実行できるかは人間関係が大事だとおっしゃったが、どこを見ている?どういう人を見ている?
「人と人のつながりをどういうふうに作っていくのか、最初にそれを見て、そのあとつながった人たちが地域資源とどういうふうにつながると新しい事業が生みだされるのか?人と物の関係を見るのは、その次ぐらいかもしれないですね。」
■いろいろ指摘をされていますが、共感するところが多々ありました。地域づくりや地域活性化だけの問題ではなく、現在、自分が関わっている超学際的・実践的な研究プロジェクトと照らし合わせても、とても参考になります。
『もやしもん』
■『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を読んだ後、すごく菌のことが気になり始めました。菌そのものに興味を持つようになったのです。こうなると、普通は、菌に関連するサイエンスの本を読み始めることになるのですが、どういうわけか、そうではなく漫画『もやしもん』を読んでいます。とても評判の高い漫画のようですね。非常に面白いです。
■どのようなストーリーかといいますと、通常では見えない菌を見ることのできる特殊な能力をもった沢木惣右衛門直保という大学生が主人公です。彼は、種麹屋の次男坊なのですが、幼いころから菌を見ることができます。菌たちとコミュニケーションをとることもできます。見るといっても、菌の姿は顕微鏡で観るのとはかなり違っています。登場する菌たちは、非常にかわいらしいキャラクターとなっています。このような特殊な力をもった主人公が東京の「某農業大学」(正式名称)に入学します。漫画では、同大学で発酵食品の研究をしている樹慶蔵教授の研究室で、教授、先輩、そして仲間たちとのあいだで起きる様々な出来事(騒動)が描かれています。菌についても、いろいろ勉強できます。私などはもう年なので、「なるほどね~」といった端から忘れてしまっていますが…。
■この漫画での重要なキーワードは「かもすぞー」です。菌たちが、そう叫ぶのです。漢字で書けば「醸すぞー」ということになります。醸すとは、発酵するということですね。広義の意味での発酵は、腐敗と同じ菌の働きなのだと最近知って驚きました。両方とも、有機物が微生物の働きによって変質したものになっていく現象のことですが、特に人間にとって有用な場合に限って「発酵」と呼ぶのだそうです。「醸す」という言葉は奥深いですね~。この「醸す」ですが、社会的な場面では「物議を醸す」というふうに使います。「世間の議論を引き起こす」という意味です。あまり良い意味合いではありませんよね。「そういう発言は、いかがなものか」という感じです。でも、人間にとって有用な「発酵」=「醸す」っていうことは社会に必要なように思うんです。もっと「社会は醸される必要がある」、そう思うのです。「社会を醸す」とはどういうことなのか、いずれもう少し詳しく説明してみたいと思いますが、今日は、「発酵」に関して教えてもらったことを、備忘録として残しておきます。
■山梨県立大学に勤務されている箕浦一哉さんが教えてくれました。山梨県には、「たぶん世界で初めての発酵ラジオ番組」があるのだそうです。「発酵兄妹のCOZY TALK 」という番組です。すごいですね。発酵がテーマの番組。この番組をやっているのは五味兄妹。この兄・弟・妹の皆さんは、「もやしもん」のモデルになっているらしい東京農大のご出身とのことです。で、このご兄妹は、「家業であるみそ屋を継いでいる兄と『発酵兄妹』というユニットを組み、みそだけでなく、発酵文化や日本の食文化を伝える活動」をされています。なんだか、おもしろいですね~。まだ詳しくは見ていませんが、以下の公式サイトでは、この番組を聞くこともできます。
「発酵兄妹のCOZY TALK」
■そういえば、滋賀県の高島市も、発酵をテーマに地域おこしをされていますね。
「発酵するまち、高島」
「北船路米づくり研究会」のこと
■facebookに、「北船路米づくり研究会」の活動に関して、以下の【重要なお知らせ】をいたしました。
【龍谷大学・北船路米づくり研究会】第45回北船路野菜市が、2月27日、大津市の丸屋町商店街で10時から開催されます。今回は、ネギ、大根、レタス、水菜、ブロッコリー、キャベツ、里芋 、それから餅等が出品されます。
4月と9月を除く月1回の開催ですが、とうとう45回目になりました。「米研」2期生から始まったこの野菜市も、現在は6期生が中心となって頑張っています。今年の夏は、いよいよ節目の第50回になります。今年の春からは、少し運営の仕方を変えていき、活動に幅を持たせるため、 6期生の学生たちや農家と色々模索していきたいと考えています。
運営の仕方。これまでゼミの活動として行ってきたものを、ゼミ以外の学生も参加できるようにしていきます。「地域連携型学生学術団体」を目指します。社会学部の1・2回生はもちろんのこと、他のゼミの皆さん、そして理工学部や農学部の学生の皆さんにも参加していただけるようにしていきます。それぞれの学部学生の「多様な持ち味」を活かした活動が展開できればと思っています。
北船路のある旧志賀町には、和邇に「道の駅」が誕生しました。毎月というわけにはいきませんが、この「道の駅」とも連携して事業展開できればと思っています。また、北船路のコミュニティや農事組合法人「福谷の郷」の農家の皆さんともさらに連携を深めていければと思います。それぞれ、関係者の皆さんと相談を始めさせていただいているところです。これまでの活動を評価していただいているのでしょうか、皆さんとても積極的にお考えいただいています。地域との連携を深めることで、「活動に幅」をもっと持たせていこうと思います。
大切なことは、「多様な持ち味」と「活動に幅」です。
詳細については、またお知らせすることになろうかと思います。よろしくお願いいたします。農学部や理工学部の学生や教員の皆さんにも、新しいアイデアを出していただき、一緒に活動していただけるととっても嬉しいです。
私は、瀬田キャンパスがもっともっと地域と連携していければ、それがこのキャンパスの特色になればと常に思ってきました。その夢に向かって、少しずつ歩んでいきます。
■「北船路米づくり研究会」は、2009年に、現在、研究会顧問をしていただいている吹野藤代次さんの相談から始まりました。「学生と一緒に、自分が農業をしている北船路で、むらづくりの活動をしたいのです」というのが、ご相談の内容でした。あまり深く考えず、直感的に、「わかりました、やりましょう」とお返事をしたように思います。そして、2010年から活動が始まりました。最初は、米づくりや野菜づくりの真似事のような活動でしか有りませんでしたが、次第に、活動の焦点が定まってきました。あの頃は、こんなふうに活動が成長していくとは、夢にも思っていませんでした。いろんな皆さんから「ご縁」をいただく中で、ここまで歩んでくることができました。
■写真は、2010年の5月かと思います。当時、私のゼミに所属していた田中茉実さん(ゼミ長)と吹野さんのところを訪問した時のものです。現在、私たちが「限界田」と呼んでいる、棚田の一番てっぺんの田んぼに立って記念撮影した時のものです。田中さんは、現在、京都市役所に勤務されています。田中さんにはしばらくお会いしていませんが、田中さんたちが始めた小さな活動が、いろいろ展開して現在の活動にいたっていることを、どのように感じておられるでしょうね。聞いてみたいな。
ランのあとの餃子
■昨年の秋の定期健康診断でひっかかりました。「無料ですから、2次検診を受けますか」と大学の保険管理センターからオススメがあり、2次検診も受けることにしました。そうしたところ、数値が良くないので、さらに精密検査ということになりました。金曜日、京都駅前の大きな病院に検査を受けに行きました。どういうわけか、血液検査の結果はほぼ正常値内だったのです。「あれっ?節酒が効いてきたのかもしれない」と。実は、ここ2か月半ほど自宅では酒をできるだけ飲まない、1週間に2〜3回休肝日を作る、以上の2つを目標にしてきましたから、効果が出てきたのかもしれません。もっとも、まだエコー検査があるので、油断はできませんが、少し安心しました。
■で、今日はちょっとぐらい良いかなと思い、餃子をいただきました。もちろん、写真は2人前です。家族と一緒にいただきました。午前中は10kmを走り、午後からは老母の見舞いに行く予定にしていましたので、昼食が外食になったのです。自宅近くの「大阪王将」に行きました。いつも行く「王将」が元祖で、創業者から暖簾分けをして「大阪王将」なのだそうです。両社で裁判になったこともあるようですが、今はきちんと棲みわけておられるようです。味なんですが、「大阪王将」の方は、どちらかといえば「あっさり」「上品」な感じがしました。逆に言えば、すこしパンチが弱い。これは主観で、好みは人それぞれですから、どちらが良いとはなかなか言えませんが…。比較はともかく、私のばあい、こちら「大阪王将」の餃子も美味しくいただきました。
10kmのラン
■昨日は、入試判定のために教授会が開催されました。さらに、大学院の社会学研究科委員会、そしてさらにさらに、大学院の「東アジアプロジェクト」(もう説明しませんが…)の会議があり、その時間がかかりすぎることに「もう何だかな〜…」とぼやきながら、今年の3月末で退職される原田先生と一緒に、いつもの大津駅前の居酒屋「利やん」へ行きました。そういえば、その前日も、滋賀県庁の皆さんと「利やん」だったのですが…。それはともかくです、原田先生も私も、この「利やん」のマスターがオーナーをされているランニングチーム・チーム「利やん」のメンバーなのです。これも何度もこのブログで書いてきたように思います。そして、チーム「利やん」のメンバー全員が年に1度出走する「びわ湖レイクサイドマラソン」が、いよいよ来週に日曜日に開催されることになっているのです。どうしましょう。
■レースに向けて準備万端であれば良いのですが、ぜんぜ〜〜ん、練習ができていません。どうしましょう。これはいけません。15kmにエントリーしているのですが、果たして制限時間以内に完走できるのかどうか…いささか不安になってきました。ということで、今日は、頑張って10km走ってみました。ちょうど、フルマラソンを走っていた頃の本番のスピードです。フルマラソンを完走するためには、つまり42.195kmを完走するためには前半を抑えて走らなければなりません。そうしないと、30km以降、ガクンとスピードが落ちてしまうのです。私の場合、その目安となる速さが6:30/kmでした。1kmを6分30秒のペースでゆっくり走り続けることが目標でした。今日は、そのフルマラソンのさいの抑えたスピードで走りました。正確には、全く余裕がなく、現状の体力と走力では、このスピードが限界だったのです。考えてみれば、10km以上走ったのは2年前の篠山ABCマラソン以来ではないかと思います。フルマラソン完走を目指していた頃も、情けない体力と走力と思っていたが、今はもう、それどころではありません。問題外です。もう、普通のおじさんの体力に戻ってしまっています。
■来週の「レイクサイドマラソン」も、今日のような天気であってほしいと思います。チーム「利やん」の皆さん。アスリートの皆さんは優勝や入賞を目指してください。初心者の皆さんは、私と一緒に完走を目指して頑張りましょう!
■写真ですが、今日の記録です。アプリにより記録したものです。今日のペースで15kmを走ることができれば、おそらくですが、少々遅れても1時間40分までにはゴールを切れるはずなのですが、果たしてどうなることでしょうか。こんな時代もあったんですけどね〜。下の写真は、私が54歳からランニングを始めた際、お世話になってきた練習コースです。ため池を整備した公園の周回コースでよく練習をしてきました。1周、1.3kmのコースです。樹の芽が膨らんできていました。走っていると冷たい風が吹きますが、風が止むと、非常に暖かさを感じました。遠くに、生駒山も見えました。ただ、この周回コースを走るのも、あとわずかかと思います。滋賀に転居するからです。どこかに、何か寂しいものがあります。