琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その1)

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■今日は、大津の真野浜で民宿を経営されている山田 英二さんのお宅を訪問しました。実は、今、いろんな方達と連携しながら琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクトに取り組もうとしているからです。水草問題といっても、大きくは2つの問題に分けて考えることができます。ひとつは、琵琶湖南湖の生態系の問題。巨額の県費を使って刈り取っていますが、その刈り取った水草を有効利用できていません。もうひとつは、湖岸に流れ着いた水草が腐敗して悪臭を放つという迷惑問題。この水草についても、同様に有効利用できていません。この2つの問題を、様々な方達(市民や市民団体、企業、自治体)の協働のネットワークを構築していくことで、少しでも有効利用できるようにしようというのが、プロジェクトの目的になります。どのような協働のネットワークにより、どのような事業に取り組むのか、詳しいことは、またfbでいつかご紹介できればと思います。ということで、今日は、山田さんのお話しを。

■山田さんとfacebookでお友達の皆さんはよくご存知だと思いますが、山田さんは、真野浜に漂着した水草を丁寧に手作業で集めて乾燥しておられます。水分を含んだ水草をそのままにしておくと、腐敗が始まり、異臭を放つようになるからです。この真野浜で民宿を経営されているから、ということもあるのでしょうが、それよりもこの浜を綺麗にしたい、素敵な浜にしたいという個人的な思いから、流れ着いた水草を集めて乾燥されているのです。最初は手作業でされていたようですが、水分を含んだ水草はとても重く重労働になります。そこで、「身近な材料や道具」を使って、「フォーク2号」という道具を発明されました。これは、一輪の手押し車を二輪に改良して、その先に、農作業用のフォークを取り付けたものです。足の力を使って重たい水草を簡単に持ち上げることができます。テコの原理ですね。最初は、もっと重量級の「フォーク1号」だったらしいのですが、もっと軽くて使いやすいものをということで、さらに工夫されて現在の「2号」に落ち着いたようです。山田さんは、これ以外にも、いろいろ工夫をされています。乾燥した水草や湖岸の樹々の落ち葉を集めてビニール袋に入れる際には、最初にプラスチック板をビニール袋の中に入れて、筒のようにすれば、簡単に水草や落ち葉を入れることができるそうです。すごいな。「フォーク2号」と同様に、これも「身近な材料や道具」でできます。

■山田さんは、こうやって一人でコツコツと浜を美しくする作業をされてきました。そのため、最近は、この浜を散歩される方が多くなったそうです。真野浜は、琵琶湖大橋の少し北側にあります。比良山系や琵琶湖の北湖がよく見えます。とても景色の良いところです。しかし、いくら景色が良くても、悪臭がしていては人は寄り付きませんものね。

■いろいろ気がつかれたこともあるようです。以前と比較して、釣り針とか、釣り関連の捨てられたものが随分少なくなったというのです。釣り客のマナーが向上したのでしょうか。それから、コンビニの袋のようなプラスチックも少なくなっているというのです。もちろん、真野浜に限ったことですから、琵琶湖全体ではどうなのかと聞かれれば、それはよくわかりません。でも、真野浜に限って言えば、アメニティは随分改善しているとのことでした。

■ただ、山田さんの個人的な努力だけではなんともならないことがあります。それは、集めて乾燥させた水草の消費者がいないということです。現在、仕方がないので袋に入れてゴミとして焼却処分してもらっているようです。水草は、乾燥させると土壌改良剤として使えて、作物がよく育つのですが…。もったいないことです。もし、地域社会の中に、この山田さんのされている作業を手伝う人がいて、また乾燥した水草を運んでくれる人がいて、さらにはそれを分配してくださる人がいて、家庭菜園、ガーデニング、学校・幼稚園・保育所の花壇、福祉施設、公園等、様々なところで土壌改良剤として消費する人たちがいれば、焼却処分にしなくて良いからです。

■しかし、地域の人びとのつながりと協働の仕組みがなければ、水草を乾燥させてもそれは焼却処分にするしかないのです。山田さんは、そのことを大変残念がっておられました。もし、真野の地域社会で、真野浜に打ち上げられた水草を有効利用することができたら。ちょっとした人びとの努力と、そのような仕組み自体を面白がることで、協働の仕組みが動き始めたら、素敵だなと思います。そのようなことを山田さんと語り合いました。この真野浜を中心とした「真野浜モデル」ができたらいいなあと思います。今日は山田さんと、こんなお話しをさせていただきながら、2人ともワクワクしてきました。うまくいったらいいな〜。

龍谷ミュージアム特別展「地獄絵ワンターランド」

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▪︎土曜日の東京で研究集会のあと、懇親会が開かれました。少々飲みすぎました。東京に出張する前、研究集会に合わせて「国立歴史民俗博物館」の企画展「「1968年」-無数の問いの噴出の時代-」を観に行こうと思っていました。しかし、この企画展、始まるのは11日からだということが、東京に行ってから分かりました。それじゃということで、代わりに、以前から一度は行きたいと思っていた「目黒寄生虫館」に行こうかどうしようかと思案している時に、ふと頭に浮かんできた。「そうだ!京都行こう!我が大学の博物館、龍谷ミュージアムの特別展「地獄絵ワンダーランド」に行こう!」。

▪︎というわけで、やってきました「龍谷ミュージアム」。いつもよりも、たくさんの来館者が来られていました。ものすごく賑わっているではありませんか。びっくりしていると、たくさんの来館者を眺めらがら喜んでおられる木田先生(館長)が、笑顔で迎えてくださいました。木田先生とは、私が社会学研究科長として学内の会議である全学研究運営会議の場や、研究部長として部局長会議で報告するときなど、学内の仕事でいろいろお話しをさせていただきました。いろいろ教えていただきました。そんなこともあり、笑顔でお迎えくださったのです。

▪︎龍谷大学の教員ですから、もちろんこの特別展のことは知っていましたし、大変気になっていました。絶対行かなくちゃと思っていました。本当に、いろいろ工夫されている特別展です。驚いたことは、ミュージアムの方で、この特別展に合わせてTwitterのアカウトを取得し、地獄の閻魔大王が自らツイートするという設定で、次々と情報発信をされています。この特別展がとても面白いことを予感させるようなツイートです。入り口には、トップの写真のような顔出し看板もありました。木田先生から、「やってみてはどうですか」と促されました。ということで、昨日の懇親会で飲み過ぎたことを、閻魔大王の帳簿の中に下手な字で書き込みました。「昨晩のみすぎました〜」。私の白状した罪です。ということで、私の地獄行きが決定しました!!
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▪︎さて、展示を観覧する前に、館長室で木田先生からいろいろご説明を受けました。この特別展の企画のポイントのようなことを、お聞かせいただきました。その上で、3階から順番に展示を見て行きました。私は博物館に解説のためのレシーバーがあるときは、必ず使用することにしています。展示に対する理解がより深まるからです。今回、レシーバーから聞こえてきた声の主は、プロの落語家さんでした。月亭天使さん。龍谷大学の卒業生です。落語家が、面白く展示解説をしてくださっているのです。こういうところにも、この特別展のユニークさがあります。素晴らしい。とにかく、いろいろ面白さを工夫してある特別展です。ぜひ、ご来場ください。特に、龍谷大学の関係者にはご覧になっていただきたいと思います。このミュージアムについて何か語るのならば、まずはこの特別展にいかないとね。

▪︎ところで、このような特別展の面白いアイデアって、どこから生まれてくるのでしょうね。ミュージアムの課長さんにお聞きしたところ、学芸員の皆さんと事務職員の皆さんが、アフター5に一緒に飲みながら楽しみながらアイデア出しをされているのだそうです。一般に、博物館では学芸員と事務職の間に溝があったりするのですが、「龍谷ミュージアム」って両者の仲がとても良い素敵な職場のようです。

研究集会「持続可能な暮らしを求めてー地方創生時代の地域コミュニティ・観光・地域資源管理を考える」

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▪︎先週の土曜日(7日)、社会科学系ではありますが、多様な専門分野の研究者15人が集まったクローズドな研究集会が東京の公益財団法人日本交通公社で開催されました。この研究集会は、環境社会学会で知り合った東京農工大学の土屋俊幸さんとお仲間が企画されたものです。研究集会のタイトルは、「持続可能な暮らしを求めてー地方創生時代の地域コミュニティ・観光・地域資源管理を考える」です。春に第1回目が開催されたようでしたが、私は参加できませんでした。ということで、今回の第2回が初めてということになります。どのような趣旨で企画されているのか。以下をお読みください。

持続可能な暮らしを求めて
̶ 地方創生時代の地域コミュニティ・観光・地域資源管理を考える研究集会 趣旨

地方創生が叫ばれている。田園回帰という言葉も聞かれる。確かに悪くはない傾向だ。しかし、何か足りなくはないか。何か欠けてはいないか。問題は地域に流れる時間を捉える⻑期的視点、そして、地域に賦存する自然資源を広域で総合的に捉える空間的な視点だろう。

そして観光立国である。確かに、外国からの来訪客が増えるのは色々な意味で良いことだ。しかし、急ごしらえで外国人に媚を売ることが持続的な観光のあり方とは思われない。地域コミュニティの健全な維持が観光の基盤となるべきだろう。

2017 年は国連が定める持続可能な開発のための観光年である。「持続可能な開発」が国を越えた共通目標として掲げられた 1987 年から 30 年を迎えるが、2015 年に発表された SDGs(Sustainable Development Goals)が MDGs を上回る 17 目標に増えたことも物語るように、残念ながら人々の営みがその理想に向かっているとはいいがたい。

いま、必要とされているのは、スローガンを声高に唱えることではない。真の地域の持続可能な発展のために、地域コミュニティ・観光・地域資源管理を統合的・総合的に捉え、議論することこそが求められているのではないか。そして、研究者には、そうした議論を踏まえて、新たな政策や具体的な課題解決方策の提案、地域へのアドバイスなど多様な役割が期待されているのではないか。

しかし現状を見ると、自然公園、自然保護、地域づくり、エコツーリズム、ガバナンス、農村計画、観光まちづくり、観光計画、農林水産業振興など個々の専門分野で研究の進化を図るにとどまっており、縦割りの壁を越えて議論が行われることは、驚くほど少ない。学会群もその延⻑にあり、近接する他分野の知見や意見に触れる機会はほとんどない。

地域社会と資源管理、観光がこれまでにないほど近接した関係にある今、複数分野の研究者が共通認識をもち、横断的に論じあう機会づくりは急務である。本研究集会は以上の認識に基づき、分野横断型議論の共通基盤となる人的ネットワークを構築することを目的とする。

そして、われわれは、まず、現場で活動を続ける社会科学研究者に呼びかけることにした。自然保護地域・自然再生地域で顕著な生態学者の、社会科学的アプローチに踏み込むことも辞さない現場主義には敬意を表するが、それは自然科学ないしは自然科学者の独善にも通ずる。ここでは社会科学、そして社会科学者が何を現場でできるのかを問いたい。現場には縦割りはない。あるのは地域、地域の問題・課題であって、専門外を理由に逃げることは赦されない。一方、縦割りを超えたところには、多くの発見と新しい出会いが待っている。そうした現場でもまれ、悩んできた研究者が、この研究集会の主役である。

▪︎この日の話題提供者は、北海道大学の宮内泰介さんでした。話題提供のタイトルは「社会の順応性を引き出す支援と合意形成」です。この話題提供の内容をご紹介しながら、ディスカッションの段階で私が行った発言(問題提起)についても、ここで改めて文章にしておこうと思います。(続きます)

命のお裾分け

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▪︎先日伺った東近江の若い友人から、鹿肉のお裾分けが我が家に届きました。ありがとう!東近江の友人は、「SHARE WILD PROJECT 2017」という活動のメンバーです。この活動の詳しい説明については、過去のエントリー「『SHARE WILD PROJECT』という試み」をお読みいただければと思います。この鹿肉が我が家に届くまでのことを少し。

▪︎先日、罠で捕獲された鹿を引き取り、夜中に解体して、早朝より皮剥と生肉の作業が行われました。私は、「SHARE WILD PROJECT 2017」のメンバーではないのでのですが、もし良ければ作業を見学できるかも…ということで、連絡をしてくださったのです。皮を剥いで枝肉にするまでは、「SHARE WILD PROJECT 2017」の代表であるウエノチシンさんがされるわけですが、余分な脂肪をとったり、料理しやすい形に精肉していく作業は、仲間のメンバー4名が取り組んだのだそうです。精肉された鹿肉は、真空パウチにします。背骨のすき身までミンチにするとのことです。通常、駆除された鹿は山の中に放置されるわけですが、この「SHARE WILD PROJECT 2017」の皆さんは、その捨てられ放置されてしまう鹿を引き取り、手間と時間をかけて精肉にして、命を最後まで大切にされているのです。もちろん、大変な作業ですが、楽しみながら、そしてしっかりとした理念を共有しながらの取り組みです。

▪︎過去のエントリーにも書きましたが、私が非常に興味深いと思ったことは、駆除された鹿の数だけ、山に苗木を植えていくことも同時にされている点です。

今年も廃棄される命があるのであれば、僕はその命を引き獲りに山に向かい、解体し、食べて、山に苗木を還しに行きます。そして、小さな食べられる森を創り続けます。

このプロジェクトは決して環境保護活動の為に始めたものではなく、あくまで一人の人間が野生の命と向き合い、自然の繋がりの中で生かされていることを忘れない為に始めたことです。
僕はこの山で当たり前のように繰り返される、獲った命を捨てるというあまりにも不自然な行為を次世代にまで繋いでいくつもりはありません。
SWPはとても原始的でシンプルな方法です。自然からの恵みを無駄にすることなく、奪い合うことなく、共に分かちあえる人と人、人と自然との関係性を取り戻していきます。

▪︎というわけで、東近江の友人家族も、今回の精肉作業参加されたようです。そして、過去にパウチして冷凍保存した鹿肉を我が家に送ってくださることになったのです。たくさん鹿肉が手に入ったので、おそらくはストック分を我が家に回してくださったのだと思います。ありがとう。大切にいただきます。我が家にも分かち合っていただき、本当に、感謝・感謝です。

▪︎いただいた鹿肉は、ロース肉の塊、モモ肉のハバキの部分、モモ肉の筋の部分です。鹿肉料理のレシピ、いろいろ検討してみます。

第7回栄養循環セミナー「土地利用の改善を通じた防災・減災 フィリピン国シラン・サンタロサ流域における取組みを例に」

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■今日は、14時から16時まで総合地球環境学研究で第7回栄養循環セミナーが開催されました。栄養循環セミナーとは、私たちの地球研のプロジエェクトが主催しているセミナーです。今日の講師は、地球環境戦略研究機関(IGES)でプロジェクトマネージャーをされている遠藤功さんでした。遠藤さんの講演のタイトルは、「土地利用の改善を通じた防災・減災:フィリピン国シラン・サンタロサ流域における取組みを例に」。ご講演の要旨は、以下の通りです。

本講演は、地球環境戦略研究機関がフィリピンのシラン・サンタロサ流域で実施しているパイロット事業の概要と今後の事業展開の紹介を通じ、同地域で、ガバナンスに関わる研究を行っている総合地球環境学研究所との連携・協力の可能性を協議する際の基礎情報の提供を目的とする。

近年、東南アジアでは、洪水や地滑り等の深刻な気象関連災害が多数発生している。この主な原因の1つは工業化や都市化に伴う大規模な土地転換であり、将来の開発や気候変動による問題の深刻化が懸念されている。気象災害の防止や軽減には、開発及び気候変動に配慮した包括的な土地利用管理が有用と考えられる。

こうしたアイディアを検証すべく、地球環境戦略研究機関(IGES)は、フィリピンのシラン・サンタロサ流域を対象に、フィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)と現地地方自治体と協力してパイロット事業を2014年から実施している。
具体的には、(1)シナリオ分析、(2)リスク評価、(3)対策立案、(4)開発・土地利用計画改善の4つのステップから構成される「流域単位での参加型土地利用管理」手法の開発及びその試験的な適用を行った。シナリオ分析とリスク評価(ステップ1&2)の結果、2025年までに、流域全体の約90%の土地が宅地または商業用地に転換され、10年に一度の台風を仮定した場合、1,180ヘクタールの土地が浸水し、約23万人の住民が影響を受けることが明らかになった。この評価結果を踏まえて、各自治体において対策案が策定され(ステップ3)、既存の土地利用計画の改定と気候変動計画の策定が行われた(ステップ4)。

現在、研究対象地域を3ヶ所に拡大し(シラン・サンタロサ流域を含む)、手法の有効性・汎用性に関する検証ならびに手法の改善を行っている。
また、シラン・サンタロサ流域において、既存の植生が有する防災・減災機能の社会経済的価値の評価を実施するとともに、地域住民の参画を促す方策の検討を行っている。

今後は、こうした研究から得られる追加的な知見を元に、自然環境が有する機能を活用する「グリーン・インフラストラクチャー」と、本研究で提唱する「流域単位での参加型土地利用管理」を組み合わせた「生態系を活用した防災・減災(EcoDRR)」に係る方法論を確立したい。

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■講演の後、遠藤さんは、ご自分たちの研究の課題について、シナリオ分析とリスク評価によるトップダウンなアプローチの研究であることから、私たちの地球研のプロジエェクトのようにボトムアップな視点も導入することが必要であることを率直に認めておられました。私からは、こういった質問をさせていただきました。それは土地利用の背景にある歴史の問題です。このシラン・サンタロサ流域のみならず、フィリピンの土地所有の背景には、大土地所有制の問題があります。少数の地主が広大な土地を所有してきた歴史があります。そのため、農民は耕作権は持っているものの土地の結びつきがとても弱く、地主が大きな開発のために土地を売却しやすくなっています。シラン・サンタロサ流域の上流では、農民が裁判を通して自分たちの権利を守る闘いを展開してきたと聞いています。しかし、流域の中流域にあたる丘陵地帯はそうではありませんでした。そのような歴史的な背景をも視野に入れなければ、多くのすてーくほるだーと共に流域管理を進めていくことは困難になります。現在のところ、遠藤さんたちの研究プロジェクトでは、今後の課題になるようです。ボトムアップなアプローチ、歴史的な視点を導入するために、フィールドワークのできる社会科学系の研究者がプロジェクトの研究員として参加することになったとのことでした。「流域単位での参加型土地利用管理」を組み合わせた「生態系を活用した防災・減災(EcoDRR)」、私たちのプロジェクトとも大いに関係しています。今後の連携を期待したいと思います。

龍谷ミュージアム特別展「地獄絵ワンダーランド」の閻魔大王のツイート

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■龍谷大学の博物館「龍谷ミュージアム」の特別展「地獄絵ワンダーランド」の公式ツイッターがとても面白いです。どなたがツイートしているんでしょうね〜。博物館の職員の方、学芸員の方だと思いますけど。「閻魔大王がつぶやいているため、やや上から目線ですが、ご容赦ください。」というのも面白い。この特別展、時間を見つけて近いうちに行こうと思っています。

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■さて、実際の展示の構成ですが、以下の通りです。
龍谷ミュージアムのホームページの解説

展示構成
第1章:ようこそ地獄の世界へ
第2章:地獄の構成メンバー
第3章:ひろがる地獄のイメージ
第4章:地獄絵ワンダーランド
第5章:あこがれの浄土

■この特別展の解説には、次のように書かれています。

「日本では、平安時代に恵心僧都源信が『往生要集』を著したことを契機に、来世のイメージが形成され、地獄や六道の情景を表した美術が発展しました。本展は、日本の中世から現代にかけて描かれた地獄絵や、地獄をめぐる多彩な作品を通して、日本人が抱いてきた死生観・他界観の変遷と、その精神史を紹介するものです。

■この解説にある恵心僧都源信の『往生要集』、「来世のイメージが形成され」とあるように、日本人の死生観を考える上で重要な文献かと思いますが、私はまだ読んだことがありません。私には原文を読む力はないので、最新の現代語訳を読んでみたいと思います。梯信暁さんの現代語訳で『新訳 往生要集(上・下)』 が法蔵館から出版されています。大学の図書館にも入っていますが貸し出し中です…。高いけれど、購入してみましょうかね。

「〜物語る〜」(龍谷大学大宮図書館2017年度特別展観)

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■龍谷大学の大宮図書館で、「2017年度特別展観」が開催されます。以下は、この特別展観のチラシにあった説明です。面白そうですね。

龍谷大学図書館「2017年度特別展観」は、「~物語る~」をテーマに開催いたします。

古代より、日常の営みのなかで、あるいは予期せぬできごとに遭遇した時に、人々が感じたさまざまな思いや喜怒哀楽は、多くの人の手を経て記録され、「物語り」として広く後世に語り伝えられてきました。それら「物語り」は、実在のできごとや人物の記録や伝記だけではなく、架空のはなし、小説、説話、絵本などを含む広いジャンルとして、人々に親しまれ、今に至っております。

龍谷大学では、これまでも図書館が所蔵している貴重な古典籍を特別展観として展示してまいりましたが、今回は、仏教の著名な説話をはじめとして、古今東西の人々が紡いできた「物語り」を紹介したいと思います。

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54kmウォーキング練習会

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■先日、滋賀県庁の農政水産部の職員の皆さんと一緒に、琵琶湖の南湖・南郷をぐるっとウォーキングで1周しました。約54kmです。今月の21・22日の両日、第4回「びわこチャリティー100km歩行大会」が開催されますが、このウォーキング大会で、昨年に引き続き、職員の皆さんと「世界農業遺産」に関するPR活動を行なってきます。この日は、そのための練習会でした。職員の皆さんは、もちろん仕事とは別に、一県民として自腹を切って参加されるわけですが、PR活動をするということで仕事との絡みもあります。公務員がプライベートでもそこまで頑張るのか…というふうに感じられるかもしませんね。でも職員の皆さんは、そのことを楽しんでおられます。100kmという距離を歩くことを楽しもうと(自ら苦しみ挑戦しようと)されているのです。私も、滋賀県の世界農業遺産申請作業のお手伝いをしていることから、昨年から、職員の皆さんと一緒に、この100kmウォーキグ=「びわこチャリティー100km歩行大会」に挑戦させていただいています。

■朝、6時40分に滋賀県庁に集合しました。きちんと計画された練習会で、時計回りに湖西方面から回ることになっています。できるだけ本番に近いコースを歩こうとすると、右回りになります。本番は、長浜市をスタートして、彦根市、東近江市、近江八幡市、野洲市、守山市、栗東市、草津市を通過して大津市に入り、南郷の洗堰を渡って折り返した後は、大津市の中心市街地、そして最後は大津市の雄琴温泉でゴールというコースです。練習会のコースは、本番を事前に経験しておくという意味で、とても重要なものだと思っています。もちろん、100kmという距離を歩くための基礎脚力を養う目的もあります。正確には、脚力を養うというか、身体の苦しみや脚の痛みを事前に経験しておくということでしょうか。昨年も、県庁の皆さんと54kmの練習会に参加しました。50kmを超える距離を経験しておくと、100kmの完歩率が高まると聞いており、そのことを信じての練習会です。

■練習会ですが、40kmあたりまでは筋肉の痛みもなく普通に歩けていたように思います。しかし、40kmの前後から脚のあちこちに痛みを感じるようになりました。40kmというのは、琵琶湖の南湖を時計回りで進み、瀬田川に入ったあたりです。南郷の洗堰を折り返して最後は、足首や足の裏にも少し痛みを感じました。きついですね〜。本番はこの2倍の距離を歩くとになります。大丈夫かな…。昨年、初参加した時と同様に、どこかに不安があります。とはいえ、10人の皆さんと一緒に歩いたおかげで、練習会の54kmはなんとか歩き終えることができました。職員の方のスマホに入っているアプリの計測によれば、かかった時間は12時間28分。ここには、昼食時間や適宜休憩した時の時間も含まれています。ですから、歩くスピードは時速5km程度になります。

■ゴール後は、大津駅近くの銭湯で汗を流し、いつもの居酒屋「利やん」で練習会の打ち上げを行いました。銭湯の体重計に乗ったときは、やはり54km歩くと効果が出ているな…と思いましたが、打ち上げで生ビールを飲むと、ほぼ元に戻っていました(^^;;。

■ところで、滋賀県内にお住いの方であれば、「長浜からスタートして、南郷を経由して雄琴でゴール」というと、なんとなく距離感が掴めるかと思います。しかし、県外の皆さんには難しいですね。ということで、名神高速道路の大津SAから100kmというと、高速道路ではどこまで行けるのかを調べてみました。すると、関西空港までが104kmでした。2日かけて徹夜で大津から関空まで歩く…そんな距離になるわけですね。自分でも、改めてびっくりです。下の写真ですが、上段左は南郷洗堰で、右はゴールした県庁の入り口で撮ったものです。
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■昨年の大会のことは、このブログの方で報告しています。以下をお読みください。
「第3回びわ湖チャリティー100km歩行大会」

【追記】
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■今回の54kmのウォーキング練習会では、昨年の第3回「びわこチャリティー100km歩行大会」での経験から、「ノルディクウォーキングポール」を使ってみることにしました。「KIZAKI」というメーカーの製品です。2段伸縮のものです。事前にポールの使い方の練習をしていたわけではないのですが、色々試しながら使ってみました。前にある腕が後ろへ下がる瞬間、少しポールを後ろを押すような感覚になると良いようです。その時に、腰のあたりが前にグッと出てくるのです。推進力になっているわけですね。こう書くと腕に力が入っているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。というか、腕は振っているわけですが、ポール自体は緩く握っているだけです。力は抜いています。このポールを使うことで、100kmを歩くさい、足への負荷を減らすことができそうです。なかなかの優れものですね、これは。

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