フロム鉄道(その1)

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■今年の夏の家族旅行は、北欧のノルウェーでした。特に、鉄道好きの私にとって、フィヨルド観光にいくさいに乗った「フロム鉄道」は、最高の思い出になりました。フロム鉄道は、ノルウェー国鉄のオスロからベルゲンに向かうベルゲン線のミュルダル駅から分岐してフロム駅にいたる、全長20kmたらずの鉄道です。ただし、フロム鉄道の魅力は距離ではなく、高度の落差にあります。ミュルダル駅は標高865m、そこからフィヨルドの港町フロムまで、急勾配の山間部をクネクネと走りながらくだっていくのです。その間、風光明媚な風景が眺められることから、世界的に有名になっています。今回は、フロム駅に到着したさいの写真をアップしました。

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■【上段左】自転車を列車に乗せている人たちがいました。サイクリングと鉄道が、あたりまえのように結びついていますね。日本でも、このような仕組みがもっと広がったらいいのに…とつくづく思います。【上段右】フロム鉄道の「NSB El17型機関車」です。下の方についているのは、除雪するためのものでしようか(たぶん…)。【下段右】駅の向こうは、フィヨルドの港に接岸している観光旅客船です。かなり大きな船です。こういう船も接岸できるだけの深さがあるということなのでしょうね。このフロムという町は、ノルウェー最大のフィヨルドの支流にあたるアウルランフィヨルドの最奥にある町です。海からは、200kmは離れていると思います。フィヨルドは、氷河による浸食作用によって形成された複雑な地形の湾・入り江のことです。自然の力に圧倒されます。ソグネフィヨルドだと、崖と水深をあわせて1,000mにもなると聞いたことがあります。

ノルウェー旅行(6) - Stegastein(ステーガスタイン)-

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20140815stegastein6.jpg ▪︎ひとつ前のエントリー「Aurlandsfjord(アウルランフィヨルド)」で、「ステーガスタインにあるビューポイントを訪れました。この展望台は、急な山の斜面からせり出すようにつくられています。そして、一番先端はガラス張り。ノルウェー最大のソグネフィヨルドにつながるアウルランフィヨルドを眺めることができます」と書きました。アップしたのは、そのステーガスタインの展望台です。

▪︎すごいです。これ!! さすが森林の国ノルウェー、木材の合板と鉄筋でできた幅4m・長さ30mのプラットホームが、山肌から突き出ているのです。迫力があります。アウルランフィヨルドからは650mの高さなのだそうです。しかもプラットホームの先端は、ガラス張りです。高所恐怖症の人は無理かも…ですね。ところで、データが復活し、ノルウェーの写真は山ほどあるので、海外の話題は当分ノルウェーが続くかと思います。

ノルウェー旅行(5)- Aurlandsfjord(アウルランフィヨルド)-

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20140815stegastein4.jpg▪︎今年の夏のノルウェー旅行の写真、復活しました。デジタル一眼レフでたくさんのノルウェーの風景を撮っていたのですが、データカードが壊れて情報を取り出せなくなっていました。データベース復活を専門とされている会社に依頼して、なんとかデータがほぼ復活したのです。ということで、タイミングは悪いですが、個人的にはプライベートなところでは一番のハイライトとなったノルウェー旅行の写真をアップさせていただくことにいたします。

▪︎以前のエントリーに、こう書きました。「ノルウェーでは、あちらで研究に励んでおられる同僚のT先生ご一家のお世話になりました。8月14日には、ベルゲン急行とフロム鉄道を乗り継いでフロムに到着しました。T先生や息子さんのRくん一緒です。翌日、15日には、近くにあるアウルランの村を通って、そこから葛折の道を登り、ステーガスタインにあるビューポイントを訪れました。この展望台は、急な山の斜面からせり出すようにつくられています。そして、一番先端はガラス張り。ノルウェー最大のソグネフィヨルドにつながるアウルランフィヨルドを眺めることができます。心が洗われるような風景でした」。そうなんです。心が洗われるような風景。自分で撮ったものをアップします。

▪︎この日は、ちょっと小雨がふるような天気でした。8月ですが、肌寒く、ウインドブレーカーを着なければならないような気温でした。必ずしもコンディションはよくありませんでしたが、このような写真を撮ることができました。カメラの腕がよければ、この風景の素晴らしさをもっとお伝えできるのに…残念です。

▪︎とろこで、フロムとかアウルランといっても、どこにあるのかわかりませんよね。ということで、地図で位置を示しておこうと思います。
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▪︎こうやって地図を改めて見てみると、イギリスのスコットランドに近いことがよくわかります。少し前にノルウェーの作曲家グリーグに関連してエントリーしましたが、グリーグの曾祖父は、1779年にノルウェーに帰化したスコットランド人でした(世界史をよく勉強された方たちはご存知ですが、ノルウェーとイギリスは関係が深い)。グリーグが生まれたベルゲンは、中世の時代はハンザ同盟の拠点でもありました。ドイツからも近いですね。

ノルウェー旅行(4) - グリーグのカエル -

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■ノルウェーの作曲家・グリーグは、ピアノの名手でした。ただし、かなりの「あがり症」だったようです。演奏するさいは、このカエルをお守りのようにポケットに入れていました。そして、指先で、このカエルのお守りをこすっていたのです。本物は、ゴム製だったようです。もちろん、これはお土産です。グリーグの暮らした家がある場所(「トロールハウゲン」)には、少し前に投稿したコンサートホールだけでなく、博物館もあるのですが、その博物館のショップに売られていました。グリーグがもっていたお守りのレプリカですね。前足が欠けています。おそらく、本物が欠けているのでしょうね。

■グリーグにとって、このゴムのカエルは、単なる幸運を呼ぶお守りを超えて、精神的なつながりをもった友達だったようです。このカエルの他に、子豚のぬいぐるみの友達もいました。寒い冬のあいだ、グリーグは、自分の作品をもってヨーロッパのあちこちに演奏旅行することが多かったようですが、そのときにはいつもカエルくんと子豚くんが一緒でした。眠るときも、一緒だったと伝えられています。

■グリーグの博物館では、彼の生涯についていろいろ学ぶことができました。特に、妻であるニーナ・グリーグとの関係は、とても興味深いものがあります。グリーグ自身、以下のように語っています。「私は素晴らしい声とたぐいまれな解釈力を持つ若い女性に恋をした。その女性が私の妻となり、生涯の伴侶となった。あえていえば、ニーナは私の歌曲の唯一の理解者であり、表現者だ」。詳しくは、以下のページをご覧ください。

ニーナ・グリーグ Nina Grieg (1845~1935)(norway the official site japan)

20141207grieg2.jpeg ■グリーグの生涯について関心をもつようになり、良い伝記はないかとちょっとだけ調べてみました。すると、この本が一番、読んでみたいと思いました。「音楽の友社」のサイトのなかで、青山学院大学の広瀬大介(ひろせ・だいすけ)さんが、この本の書評を書かれています。この書評を読んで、迷わず読んでみることにしました。

本書は、グリーグの生涯を丹念に追いかけるというよりも、作曲家の生涯においてもっとも輝ける瞬間をそのまま切り取り、そこからグリーグの人となりをあぶりだすような手法を用いる。ノルウェーの民謡素材を用いつつも、それを普遍的言語へと高める努力を惜しまぬ結果生まれた《ピアノ協奏曲イ短調》作品16、そしてもっとも長大な分量が割かれる《ペール・ギュント》など、「音楽そのもの」を媒介として、そこから作曲家の生涯を浮かび上がらせていく。とりわけ、後者を巡るヘンリク・イプセンとの関係は興味深い。お互い完全に胸襟を開くわけではないものの、その志のありようをきちんと理解しあう友情は、互いの芸術を尊重するゆえの距離感なのだろう(このような詩人と音楽家の距離感の取り方は、ホフマンスタールとリヒャルト・シュトラウスのそれをある程度識る筆者にとっては、大変納得ゆくものだった)。
 こうした特殊な、ある種の入門的・あるいは啓蒙的とも言うべき記述方法を採用したのは、そもそもグリーグの浩瀚な伝記は言うに及ばず、北欧音楽の研究書そのものが日本語ではまだまだ少ない(これは日本に限らず西欧諸国でも大差ないはず)という特殊事情にもよるだろう。寡作なグリーグの場合であれば、代表曲についての記述によって、その生涯をほぼ網羅できてしまう。
 その全貌をいまだ知られているとは言い難いこの作曲家を多くの人に知ってもらう、という観点から見れば、この叙述方法は、考え得る幾多の方法のなかでも、もっとも適したものと思われる。まだ人目に触れることの少ないグリーグ関連の写真もふんだんに用いられており、それを見るだけでも豊かな発見に満ちている。もっとも、作曲家の人生とその作品を並置して描こうとするこの方法は、前者の体系的な叙述がある程度犠牲になることは避けられない。巻末の年譜を参照しながら読むことで、理解を補うことも必要になるだろう。作品へのアプローチも、その種の人間ドラマを紡ぐことに主眼があるために、「音楽そのもの」への言及はごく限られている。

ノルウェー旅行(3) - コンサートホール「トロルサーレン」-

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■一昨日の木曜日、午前中、大阪・梅田にでかけました。デジタル一眼レフのデータカードから情報が読み取れなくなったため、データ復旧の作業を専門の業者さんにお願いしていたのです。なかなか受け取りにいけなかったのですが、やっと昨日、都合をつけることができました。多くのデータは、すでにパソコンのハードディスクや外付けのハードディスクにも保存してありましたが、比較的最近になって撮影したデータはまだ保存していなかったのです。これで、一安心です。あとは、ハードディスクを業者さんに送って、データを送り返してもらうだけです。

■読み込めなかったデータには、仕事のものも個人的なものも入っていました。そのなかでも私が気になっていたのは、今年の夏のノルウェー旅行のときの写真です。下の写真は、妻から拝借したものですが、同じ写真を私も撮りました。この写真は、ノルウェーの国民的作曲家・グリーグが暮らした家のすぐ横にあるコンサートホール「トロルサーレン」です。素敵です…。グランドピアノの向こうにみえるのは、グリーグが作曲に取り組んだ小屋、その向こうはフィヨルドです。この「トロールサーレン」やグリークの暮らした家は、ノルウェー第二の都市ベルゲンの郊外の「トロールハウゲン」にあります。トロールとは妖精の一種でしょうか。「トロールハウゲン」とは、そのトロールが棲む丘という意味なのだそうです(グリーグの奥様のネーミングです)。

20141206grieg2.jpg ■私は、自分で撮ったこのホールの写真を大きく引き延ばして、額に入れて飾りたいのです。なんとなく静かなピアノの音が聞こえてくるような写真です。いろいろ、どんどん仕事が迫ってきますが、こういう写真を眺めていると心が癒されます。左の写真、コンサートホールのステージの向こうにある作曲小屋のなかの様子です。グリーグは、この窓からフィヨルドの風景を眺めながら作曲に励んでいたのですね。この「トロールハウゲン」という丘からフィヨルドの方に下っていくと小さな船着場があるのですが、その手前の崖にグリーグ夫妻が眠る墓がありました。クラシック好きにとって、この「トロールハウゲン」に来てグリーグの存在を感じることは、広い意味での「聖地巡礼」といえるのかもしれません。

ノルウェー旅行(1)

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■更新をしばらくお休みしていました。8月11日から20日まで、北欧のノルウェーに旅行していました。さっそくいろいろ記事をアップしたいところですが、残念ながらいろいろ仕事がたまっており、それが片付いてからになります。とはいえ、何も報告しないのもと思い、1枚だけアップします。

■ノルウェーでは、あちらで研究に励んでおられる同僚のT先生ご一家のお世話になりました。8月14日には、ベルゲン急行とフロム鉄道を乗り継いでフロムに到着しました。T先生や息子さんのRくん一緒です。翌日、15日には、近くにあるアウルランの村を通って、そこから葛折の道を登り、ステーガスタインにあるビューポイントを訪れました。この展望台は、急な山の斜面からせり出すようにつくられています。そして、一番先端はガラス張り。ノルウェー最大のゾグネフィヨルドにつながるアウルランフィヨルドを眺めることができます。心が洗われるような風景でした。

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