NHK「体感!グレートネイチャー 名画が語る“地球の力”〜フランス・大地誕生の謎〜」

▪️録画してあったNHK「体感!グレートネイチャー 名画が語る“地球の力”〜フランス・大地誕生の謎〜」を視ました。5月に大阪中之島美術館で開催された「モネ 連作の情景」展を観覧していたので、大変興味深く視聴することができました。モネの時代の人びとは、鉄道を使ってあちこちに気軽に旅行でかけるようになりました。観光の始まりですね。モネも鉄道に乗ってあちこちに旅したのでした。そして、驚くような風景に魅了され、たくさんの絵画を残すのです。でも、そのような自然に魅せられたのはモネだけではありませんでした。ミレー、セザンヌ、そしてマティス。彼らが、魅了された自然の風景がどのように形成されてきたのか、番組の中ではその自然史・地学的な歴史がわかりやすく解説されていました。以下は、番組の解説です。

白き断崖エトルタ…、悪魔の絶景・ベリール…色彩と光の島コルシカ…19世紀、モネやセザンヌ等の画家たちを魅了した絶景から5億年に及ぶフランスの大地形成の謎に迫る!
19世紀後半、天才画家たちが競うように描いたフランスの絶景…。モネが描いた、奇観ベリールと白き断崖エトルタ。ミレーが愛した奇岩の森・フォンテーヌブロー。セザンヌが終生描いたサント・ヴィクトワール山、さらに色彩の魔術師マティスの原点・コルシカ島…天才画家たちを魅了したのは何だったのか?絵画の現場をたずね、そこに働く圧倒的な大地の力を体感!絶景誕生に秘められた5億年に及ぶ地球の歴史を明らかにする。

「まなざしのヒント 日本近代洋画」(NHK「日曜美術館」)

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▪️NHKの「日曜美術館」、毎週欠かさず視聴しています。昨日の放映は、特に勉強になりました。ちょっと社会学的だったかな。テーマは「まなざしのヒント 日本近代洋画」。以下のような内容です。

美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。今回のテーマは「日本近代洋画」。明治になって異文化として日本に流入してきた西洋絵画。日本の画家たちは、試行錯誤を重ねながら日本独自の「洋画」を生み出した。講師に大原美術館館長の三浦篤さんと美術家の森村泰昌さんを迎え、ルノワールやモネやマティスの作品と日本人作家の作品を並べて鑑賞しながら、オリジナリティー溢れる日本近代洋画の魅力を探る。

▪️画像は、wikipedicommnsにあったエル・グレコの「受胎告知」です。大原美術館に所蔵されているようです。番組では、この「受胎告知」に関して大原美術館館長の三浦篤さんが解説されていました。マリアの服の赤色、ベールの青色が持つ宗教的な意味、天使ガブリエルが抱えている百合の花の意味について。こういうのは絵が描かれた文化的社会的背景をきちんと理解していないと深い意味を読み取れません。この三浦さんの解説とは別にハッとしたことがありました。ゲストの森村泰昌さんのコメントです。マリアの顔が長く見えるけど、それは横から見ているからであって、本来あの作品は、下から見上げるようにして鑑賞されることを前提にしていたのでは…というコメントでした。

半年ぶりの再会

20240712namiki_family2.jpg▪️昨晩は、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で、並木州太郎さん千代苑子さんのご家族と懇親会でした。昨年の9月以来、10ヶ月ぶりでしょうか。まずは、龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターに勤務されている並木さんのお仕事の話を聞かせていただきました。龍谷大学では、自らの事業や行動を通じて、主体的に社会の変革をリードする「価値創造力」や、他者の幸福に資することを考え行動するマインドを育むことを目的として、ビジネスや事業を学生が生み出す支援を続けていますが、並木さんの勤務されている部署、その先端で頑張っておられます。志を持って頑張っておられる若い方からお話を伺い、とても楽しい時間を過ごすことができました。並木さんには、私の話も聞いていただきました。最近の高島市での経験とか、地域連携の様々なプログラムやプロジェクトを、バラバラではなく包摂するような学内的な仕組みの必要性とか…諸々、有意義な時間になりました。

▪️以下は、並木さんが取り組まれている事業の一部です。学生さんむけの講演会の情報です。
宮島勇也氏(パナソニック株式会社)「失敗から学ぶイノベーション -人生を豊かにする挑戦-」(アントレプレナーシップセミナー )
菊池 モアナ 氏(Borderless Tanzania Limited)「すべての命が祝福される社会へ-アフリカで挑戦する女性起業家-」

▪️並木さんと仕事関係の話をした後、保育園から帰宅し、ひとっ風呂浴びてきたもうじき3歳になる息子さんと苑子さんも合流。苑子さんからは、ダンスを通じて、地域づくりを行う事業のお話を伺いました。兵庫県の豊岡市で一般社団法人ダンストークの活動です。大津でも、事業展開したらいいのにね、ということで少しだけお手伝いができるかもしれません。

▪️こんな動画も教えてくださいました。彼女の活動については、こちの記事「[for_KIDS 舞台芸術編]子どもたちの生きる力を育む「ダンス」の可能性」に詳しく紹介されています。

図録『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』

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▪️東京にお住まいの友人が、府中市美術館で開催されていた展覧会「Beautiful Japan 吉田初三郎の世界」に行かれたことをfacebookに投稿されていました。これは、府中市美術館独自の企画展で、巡回する類の展覧会ではないようです。残念ですけど。ということで、図録を取り寄せました。

▪️鳥瞰図絵師・吉田初三郎(1884-1955)の作品の多くは、観光というテーマに焦点化されています。旅行や観光が一般の人びとにも可能になった時代の作品、ガイドブック的な作品なのです。丁寧に取材をして、たくさんのスケッチを描き、それらを一枚の紙にグッと集約して書き込んでいます。特に描かれた鉄道は注目されます。鉄道を利用しながら、その地域を巡ることを眺める人に想像させます。そのような様々な工夫がしてあります。しかも、作品の端っこには、当時、日本が植民地としていた朝鮮半島や占領していた上海、また樺太等も書き込まれています。吉田初三郎の世界観を垣間見るような気持ちにもなります。

▪️当時の皆さんは、現在の私たちがGoogleEarthを使っている時に感じるのに近い感覚を、作品から感じ取っていたのかなと想像します。もちろん、GoogleEarthは人工衛星からの画像ですから全て写っていますが、吉田初三郎の場合は、テーマに沿って情報が選択され、あるいはテーマからは余分な情報は排除されています。そこに描いた作者である吉田初三郎の存在を逆に感じ取ることができるし、GoogleEarthとは異なる作品としての楽しみが生まれてきます。この図録、大変興味深いものなのですが、残念ながら、印刷では、作品に書かれた細かな文字が読むことができません。思わず、スワイプしてみたくなりますが、印刷だとそれは無理ですね。

【追記1】吉田初三郎式鳥瞰図データベース(国際日本文化研究センター)

【追記2】▪️先日観覧したあべのハルカス美術館「広重 擦りの極」展や、少し前になりますが大阪中之島美術館「モネ 連作の情景」展でも感じたことがあります。かつては、特定の土地に人びとが縛り付けられてきた過去とは異なり、社会全体に経済的なゆとりが少し生まれてきて、徒歩にしろ、お伊勢参りのように楽しみのために移動すること=観光が可能になったこと。鉄道でその範囲が広まったこと。また、そのような観光を支える仕組みや産業が発達したことと。それらのことと、広重の浮世絵、印象派の絵画、そして吉田初三郎のアートとは深く関係してるように思います。

あべのハルカス美術館「広重 擦りの極」展

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▪️昨日はあべのハルカス美術館の「広重 擦りの極」展を観覧しました。広重って、火消し同心役の武士だったんですね。知らなかったな〜。いろいろ勉強させていただきました。広重の浮世絵風景画が、江戸時代の旅行ブームと関係しているということが、とても面白いなと思いました。大阪中之島美術館で開催された「モネ展」で、鉄道が整備されて旅行ブームが起こり、モネたちもスケッチ旅行に出かけて作品を描いた…ということを学びましたが、そのことと似ています。

▪️例によって分厚い図録を買ってしまいました。こうやって、自宅が少しずつ少しずつ狭くなっていきます。写真ですが、撮っても良いコーナーの作品です。作品って書きましたが、絵画のような1つしかないものとは異なり、版画という方法を使って量産した印刷物に似たものと考えたほうが良いのかな…どうなんでしょう。たくさんの庶民に買ってもらうために製作してされているのですから。そうそう、春画も浮世絵のひとつのジャンルですね。この浮世絵は、ゴッホなどの画家に強い影響を与えてました。そのような西洋美術に影響を与えたということを経由して、浮世絵は「芸術」として日本でも評価されるようになった…ということはないんのでしょうか。日本で、浮世絵が芸術として受け止められるようになったのは、いつ頃なんでしょうか。知りたいです。

坂本さんとの再会

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▪️昨晩は、「限界集落にみるIターン者の役割-滋賀県高島市朽木針畑を事例に-」という卒業論文で、2011年春に卒業した坂本昂弘くんの叔父様、坂本恭二さんと再会しました。楽しかったです。盛り上がりました。叔父様は、副業で木工のお仕事もされています。今日は、スマートフォンを入れるとアンプのように音が拡大される木製スピーカーを受け取りました。叔父様の作品です。ありがとうございました‼️で、坂本くんの叔父様と知り合ったきっかけなんですが、以下をお読みいただければと思います。

「朽木村古屋の坂本家のこと」
「朽木古屋『六斎念仏踊り』の復活」

▪️あっ、もちろん大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」です。昨日は、お店は満員でした。コロナ禍の最中はお店の継続が心配されるほどでしたが、最近は完全に以前のように復活しています。すばらしい。

明後日までです「バーミアン弥勒信仰」

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▪️龍谷ミュージアムでは、春季特別展「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰-ガンダーラから日本へ-」が開催されています。明後日の6月16日までです。これは急がねば。私は、明日、観覧させていただきます。今年度は美術館と博物館できちんと勉強しようと誓っていたのですが、奈良国立博物館で開催されていた生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI ―密教のルーツとマンダラ世界」は行くことができませんでした。龍谷ミュージアムは、明日、絶対に参ります。

▪️龍谷大学の関係者の皆さん、教職員、学生の皆さん、保護者の皆さん、ぜひ参りましょう。

「雪舟伝説」と「Tessai」

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20240527llustrated_catalog.jpg▪️昨日は、京都国立博物館で開催されている「雪舟伝説」を観覧してきました。昨日が最終日でした。なんとかぎりぎりセーフで観覧することができました。「雪舟伝説」というタイトルからもわかるように、雪舟店ではありません。もちろん、国宝になっている雪舟の作品6点を最初に鑑賞するわけですが、そのあとは雪舟の作品に影響を受けた桃山時代から江戸時代にかけての画家達の作品が展示されています。それらの画家は、自分たちの絵画の原点に雪舟を位置付け、雪舟を継承・模倣しながら自分たちの作品を描いて行ったからです。そのような歴史の中で、雪舟は「画聖」と呼ばれるようになったのです。だから、「雪舟伝説」なのです。展覧会の意図がよく理解できました。次回、京都国立博物館に行くのは秋になりそうです。「法然と極楽浄土」が開催される空です。楽しみにしています。

▪️「雪舟伝説」の後は、三十三間堂のバス停から市バスで京都国立近代美術館に向かいました。近代美術館で「Tessai」(没後100年 富岡鉄斎) が開催されていたからです。鉄斎は、「万巻の書を読み、万里の路を徂(ゆ)き、以て画祖をなす」という中国の文人画家の教えを大切にしていました。文人画家とは、「本来職業画家でない中国の士大夫が、金銭や生活の糧を得るためでなく、純粋に精神の表現として描く画」のことなのだそうです。「最後の文人画家」と呼ばれる鉄斎は、自分は学者(儒学者)との自己認識があり、職業画家であるとは思っていませんでした。書物を読み、実際に旅に出て心に風景を心に読み取り、その上で描かれるのが彼の作品のようです。ですから、実際の風景そのものではありません。通常の絵画を前提にしていると奇妙に見えるかもしれません。鉄斎が描いた理想の風景だからです。初めてみた時には、私はすごくパワーを感じました。独特です。それが私には心地良かったのです。展覧会では、作品だけでなく、彼が愛用した落款や文房具が多数展示されていました。この辺りも、とても面白いなと思いました。

▪️2つの展覧会を観覧した後、もちろん、図録もきちんと購入しました。そしてクリアファイルも購入しました。図録とクリアファイル、いつも博物館や美術館に行ったときに買っています。こうやって自宅に重い図録が増えていくわけです。まあ、仕方がないですね。気持ち的に買わないというわけにはいかないもので。気が向いた時に、ページをめくってみるといろんな発見や学びがあります。

大阪中之島美術館「モネ 連作の情景」展

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20240508monet3.jpg▪️ちょっと前のことになりますが、大阪中之島美術館で開催されていた「モネ 連作の情景」で、モネの作品を鑑賞してきました。美術史の知識があまりありません。モネは印象派で睡蓮の絵を描いた画家…程度の知識しかありません。ということで、良い勉強になりました。モネはサロン(フランスの画壇)に挑戦したとか、なかなかの絵画の売買についても交渉能力があったとか…ああ、そういう人だったのかと認識を新たにしました。結構な「やり手」のように思いました。

▪️また、今回の展覧会では、同じ場所やテーマなんだけど、天候や季節、時間が違っている作品群を比較しながら鑑賞できました。「連作」という手法の意味がよく理解できました。ということで、撮影OKの「連作」の作品を写真に撮ってみました。モネが活躍した時代は、鉄道網が張り巡らされてきた時代のようです。蒸気機関車は当時の最先端の技術です。この蒸気機関車に乗って、人びとはあちこちに気軽に旅行でかけるようになりました。観光の始まりかな。モネも鉄道に乗ってあちこちに旅したので。ただ、モネの場合は、単なる観光ではなく、絵を描くための風景を求めて移動したようです。

▪️晩年に取り組んだ自宅に作った池や庭の風景を描いた作品群で、大胆な筆使いをしていることなどは、モネ自身が白内障を患っていたこととも大きく関係しているのだそうです。このことも考えたこともありませんでした。重い図録も購入したので、時間を見つけて図録をにより復習をしておこうと思います。

ミュージアム・美術館・博物館

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▪️龍谷ミュージアムでは、春季特別展「文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰-ガンダーラから日本へ-」が開催されています。6月16日までです。元龍谷ミュージアム館長のうちの学長も相当熱い投稿をXにされています。私もイケメンの弥勒に会いに行く予定です。忘れないうちに、行かなくちゃ。ただし、「龍谷大学関係者」は龍谷ミュージアムで開催するすべての展覧会を無料で観覧できます。この龍谷大学関係者とは、龍谷大学学生(科目等履修生を含む)、龍谷大学学生保護者(親和会員)とその同伴者1名、龍谷大学卒業生(校友会員)とその同伴者1名、龍谷大学教職員 (非常勤講師、アシスタントスタッフ職員を含む)、龍谷大学退職者(専任教職員・特別任用教員)、浄土真宗本願寺派の宗会議員、学校法人龍谷大学理事・監事・評議員の皆さんのことです。ということで、「龍谷大学関係者」の皆さん、ぜひ観覧いたしましょう。

▪️2つめは、京都国立近代美術館で開催されている「没後100年 富岡鉄斎 TESSI」です。この前、日曜日の朝に放送されているNHKの日曜美術館で作品の解説を視聴しました。鉄斎って、「万巻の書を読み、万里の路を行く」、書の人であり旅の人だったんですね。ぜひ現物を鑑賞してみたいと思いました。5月26日までだから、これも忘れないようにいかないといけません。

▪️3つ目は、奈良国立博物館で開催されている生誕1250年記念特別展「空海 KŪKAI ―密教のルーツとマンダラ世界」です。この展覧会も行っておきたいのです。こちらは、6月9日までです。

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