ゼミの新歓コンパ
■月曜日は4限が3年生のゼミです。昨日は、3年ゼミのあと、4年生が「2014年度脇田ゼミ新歓コンパ」を瀬田駅前のとある居酒屋で開催してくれました。私のほうは、3年ゼミのあとは、2コマ続けて博士後期課程の社会人院生の指導をする必要がありました。そのため、残念ながら、今年の新歓コンパには最後のほうにしか参加できませんでした。私が到着したときは、3年、4年とも打ち解けてコンパ会場はずいぶん盛り上がっていました。私は、別会計で、生ビールとちょっとした酒のつまみを注文するだけで終ってしまいました…。ちょっと残念ですね。次回はぜひ最初から参加したいものです。4年生の皆さんには、無事に新歓コンパを開催してくれたことに感謝したいと思います。
■後列・左から、山科、坪井、光定。中列・左から齊藤、鳥居、上田、鶴井、瀬上、小林、三田、川崎。前列、西山翔、渡辺、小西、西山智弘。iPhoneで撮ったこともあり、眼が光ってしまっています。ゾンビのようだな…。
純米大吟醸「湖風」
■先日、朝、研究室につくと、ドアのノブに紙袋がぶら下がっていました。中をみると、日本酒です。お世話になっているある方が、1本わけてくださっていたのです。写真がその日本酒です。これは、滋賀県立大学の学生チームがプロデュースし、喜多酒蔵さんで醸した純米大吟醸「湖風」です。「こふう」と読みます。彦根市の八坂という琵琶湖の湖岸にキャンパスがあるので、そこからのネーミングだと思います。以下は、この「湖風」の発売に関する滋賀県立大学のホームページの記事からの引用です。
このたび、学生が商品企画から販売プロモーションまで携わる産学共同企画「滋賀県立大学日本酒プロジェクト」による、2年目の純米大吟醸「湖風」が完成し、4月上旬より発売を開始します。
第2期プロジェクトは昨年10月から始動し、酒造見学・酒造研修・新酒しぼり、学内試飲会などを実施してきました。今作の「湖風」では、大学付近の農家と契約栽培した、環境こだわり農産物認証を受けた「日本晴」を使用し、味にふくらみを持たすことができました。
■概要
分 類 :純米大吟醸
精米歩合 :50%
アルコール度数:原酒17.4%,生酒・火入れ16.3%
日本酒度 :+4.4
酸 度 :1.6
アミノ酸度:1.1■容量・小売希望価格
720ml 1,575円(税込)
1,800ml 3,150円(税込)■商品・販売に関する問い合わせ
滋賀県立大学生活協同組合本部
Tel:0749-25-4830■酒造元
喜多酒蔵株式会社
滋賀県東近江市池田町1129
Tel:0749-22-2505
■この「湖風」、親しい人たちと美味しくいただきました。
京都新聞に純米吟醸「北船路」
■京都新聞に、ゼミで行っている「北船路米づくり研究会」がプロデュースした純米吟醸「北船路」の記事が掲載されました。ぜひ、お読みください。
後輩たちと呑む
■昨日は、午前中の授業と午後からの会議を終えて、晩、大阪梅田にでかけました。大学時代に所属していてた学生オーケストラの後輩たちと呑むことになったからです。場所は、梅田のグランフフロントにある「世界のビール博物館」というお店。参加したのは、年上からいくと、私、不動産鑑定士のYくん、税理士のSuくん、会社員のOくんとSugくん、そしてバイオリン職人のSaくんの6名でした。Sugくんと会うのは、30年ぶりぐらいではないでしょうか。
■Oくんがタブレットに入れてある昔の学生時代の写真や、最近開かれたOB会の写真も見せてくれました。なつかしかったですね〜。みんな元気にしているようです。もちろん、近況もお互いに報告しあいました。大病したことや、仕事のこと、それから私たちの世代ですから親の介護のこと…。辛いこと、楽しいこと、それからおめでたいと話しもありましたね〜。
■しかし、なんといっても学生時代の話しは盛り上がりますね〜。今の大学生だと考えられないような、また耐えられないようなことを、昔はあたりまえのようにやっていたんですね〜。私たちはオーケストラで楽器を演奏していたので文科系のはずなのですが、先輩後輩の関係はちょっと体育会系でもありました。けして昔がよかったとはいいませんが、なんといったらよいのでしょうか、みんな逞しかったんだな…と思います。
■後輩の皆さん、また呑みましょう。
札幌「すみれ」の味噌ラーメン
■今日は、ひとつ前のエントリーにも書きましたように、社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の用事が大津であったため、京都で昼食をとることしました。
■自分自身に問うてみたところ、「今日は、ラーメンの気分」ということで、京都の駅ビル10階にある「拉麺小路」にいくことにしました。そして選んだのは、「すみれ」。札幌味噌ラーメンで有名なお店です。塩味や醤油味もありましたが、お店の一押しの味噌ラーメンを注文しました。トッピングは半熟卵です。特徴があります。表面に覆われたラードがいつまでもスープを熱々にしている…のだとか。なるほど、寒い冬、特に北海道の厳しい吹雪の日なんて、この味噌ラーメンをいただくと体が暖まるでしょうね〜。1年を通して食べたくなるラーメンかと問われると、私のばあいは違うような気がしますし、私がラーメンに求める路線からも外れていると思いますが、これはこれで美味しいラーメンかと思います。素敵ですね。北海道に出張したことがありますが、きちんとラーメンをいただいた記憶がありません。ぜひ、現地の気候とセットで味わいたいと思います。
■ところで、全国にいろいろラーメンで有名な所があります。北海道もそのひとつですが、全国の都道府県庁所在地で一番ラーメンを食べている(外食として)のはどこなんでしょうか(1世帯年間中華そば(外食)支出額)。驚きましたが、山形市です。私のなかでは、山形市といえぱ蕎麦です。本当に蕎麦のレベルが高いんです。しかし、ラーメン好きも相当なものですね。日本一のラーメン好きな地域のようです。では2012年の2位は、調べた資料では富山市です。「富山ブラック」の富山ですね。この2つの市は圧倒的です。また人口10万人あたりのラーメン店登録件数(NTTのタウンページ登録数)も、圧倒的です。1位です。では山形のラーメンって…といわれると、イメージがわいてきません。
日本一のラーメン好き都道府県は山形!~ラーメン市場は「東高西低」、ところ変われば麺変わる~(2011年)
都道府県別統計とランキングで見る県民性(2012年)
データーで見る都道府県民性 3 データが「麺類王国・山形県」を証明! 山形県の女性はよく働く?
ラーメン消費量全国1位の県は?
【追記】■こういうデータをみる限り、関西人のラーメンへの情熱は、東日本と比較して相対的に低いということになります。日本列島の東の方が圧倒的に高いですね。やはり、外食で適当にすませよう…ということになると、関西のばあいは「うどん」だからでしょうか。
鰻重、ウナギの進化、琵琶湖のウナギ
■老母の介護をしにいった帰り、大阪の梅田で妹にあいました。正月以来でしょうか。というのも、facebook上で妹が「鰻が食べたい…」とつぶやいていたものですから。それじゃ、兄貴が「喰わしてやろうか!!」となったわけです。妹が注文したのは「鰻重」です。これはかなり立派な「鰻重」です。私は自身は、鰻の白焼き、柳川をあてに、土佐は高知の酒「土佐鶴」の燗酒を楽しみました。
■こちらのお店は、関東風の鰻です。関東風というのは、一旦素焼きをしてから15分程度強火で蒸して余分な脂を落します。そのうえで、タレを付けてから再び焼き、蒲焼きにするのです。関西風は、蒸しません。そのまま焼きます。私は関西風に慣れているので、関東風はかなりあっさりした味わいに感じます。
■この鰻を食べながら、思い出した話しがあります。私はゼミの活動「北船路米づくり研究会」で、北船路の棚田に通っていますが、地元の方から、蓬莱山麓(比良山系)の棚田の真ん中を流れる川にも昔は鰻が遡上していたというお話しを伺いました。ウナギは、河川で成長します(ここからは、料理ではなく生物のウナギの話しなので鰻ではなくウナギとします)。性成熟すると河川をくだり、河口のあたりまでいって海水に体を慣らすのだそうです。そして、そこから泳いで太平洋のマリアナ海嶺までいって産卵するのだそうです。いや〜不思議ですね。そして生まれた仔魚は、再び日本の河川に帰ってきたくるのですから、グレイトジャーニーですね。
■どうして、こんなふうに進化したんでしょうね。調べてみると、こんな記事がありました。東大の大気海洋研究所のサイトにある記事です。解説部分を引用します。
ウナギは川や湖などの淡水域で成長し,そこから数千キロメートルも離れた外洋で産卵を行うことが知られています.しかしながら,ウナギがなぜこのような大規模な回遊を行うのか,長いこと謎とされてきました.今回,東京大学海洋研究所の塚本勝巳・西田睦教授と千葉県立中央博物館の宮正樹上席研究員らの研究グループがロンドン大学の井上潤研究員らと共 同で行なった詳細な遺伝子解析により,ウナギが外洋の深海に生息していた祖先から進化してきた可能性が高いことが明らかになりました.ウナギの産卵大回遊は,餌が豊富な熱帯・亜熱帯の淡水域で十分に成長する一方で,遠い昔から慣れ親み安心して産卵のできる (しかも外敵が少ない) 外洋の深海を利用するという,二つの異なる環境の特性を最大限に利用するために 進化してきたものと考えられます.この結果は英国王立協会が発行する Biology Letters のオン ライン版に 2010 年 1 月6日に発表されました.印刷出版は8月の予定です.
ウナギの進化的起源は深海に!ー 遺伝子分析で解けたウナギの産卵大回遊の謎 ー
■話しを北船路に戻します。北船路の川を遡上したウナギも、マリアナ海嶺で生まれ、淀川から琵琶湖に入り、最後は琵琶湖の西、湖西は比良山系・蓬莱山の麓の川まで遡上してきた…ということになるのでしょうか。それは、この話しがいつ頃のことなのかで異なってきます。というのも、滋賀県立琵琶湖博物館の解説によれば、1905年の南郷洗堰の完成で海からの遡上量が減少し、1964年に竣工した天ケ瀬ダムで完全に海から遡上できなくなったのだそうです。そのため、現在では、琵琶湖のウナギは放流によって維持されているとのことです。ちなみに、近年著しく減っており、2013年の環境省のレッドリストで絶滅危惧種IB類に指定されているそうです。ということで、北船路のウナギは放流によるものなのでしょうね。とはいえ、あんな高いところまで遡上するとは驚きです。
【追記】■最近よく報道されますが、世界のウナギの7割を日本人が消費しています。ウナギに限りませんが、昔は年にうまくいって1回程度(土用の丑の日)いただく程度のものでした。「飽食」の最近は、そうじゃないのでしょうね〜。世界の7割…。異常な感じがします。ウナギは完全養殖できないだけに…辛いね。
梅田で蕎麦
■今日は週1回の老母の生活介護の日でした。いつも、老母宅に行くまえに、気合いを入れるために、梅田の「インデアンカレー」で昼食をとるのですが、今日は少しカレーという気分ではありませんでした。ということで、蕎麦です。
■時々行く蕎麦屋が梅田にあります。新梅田食堂街のなかにあります。小さなお店ですが、蕎麦のレベル、高いと思います。これはあくまで私見ですが、東北は岩手県盛岡市に6年暮らして思うこと、関西は蕎麦のレベル・平均値が東北に比べて低い…ということです。これは仕方がありません。東日本では、「立ち食い蕎麦」といいます。よく駅にあるお店のことです。しかし、関西では「立ち食いうどん」ですからね。麺といえば、関西はやはりうどんなのです。もちろん、私はうどんは嫌いではなく好きなのですが、蕎麦を食べることのほうが多いような気がします。蕎麦、とっても好きなんです。そのような私の判断なのですが、ここの蕎麦は美味しいです。繊細な味やな。
■席にすわると蕎麦茶が出てきます。蕎麦茶をすすりながら、今日は、「もり蕎麦」の大盛りをいただくことにしました。お店のお勧めの通り、最初は、岩塩でいただきました。写真のお皿の左の端にあるのが岩塩です。少しだけピンク色をしています。この岩塩を少しつけていただく、蕎麦の甘みがはっきり伝わってきます。いいですね〜。もちろん、蕎麦つゆもあります。キリっと辛口です。いいですね〜。私からすれば、関西の蕎麦つゆは、総じて甘目のように感じるのですが、ここのは辛口です。蕎麦がひきたちます。いいですね〜。喉越しもよく、繊細な蕎麦のように思います。その繊細な蕎麦をいただく箸の先が、また細いのです。この細い箸の先からも、蕎麦の美味しさが伝わってきます。いろいろ考えてあります。最後は、蕎麦湯です。トロっとした濃厚な蕎麦湯です。私は、こういうトロっとしているのが好きなのです。ということで、大満足です。
【追記】■蕎麦で思い出したことを、ひとつ。今から11年前まで岩手の盛岡にいました。6年程暮らしていました。岩手でも美味しい蕎麦をたくさんいただきました。個人的に、東北で一番蕎麦の味の「平均値」が高いのは山形ではないかと思いますが、岩手の蕎麦も美味しいのです。ざる蕎麦やもり蕎麦といえば、薬味はネギとワサビが一般的ですが、盛岡にいるときは「権八」でした。大根と大量の鷹の爪を一緒におろしたもの…なのだと思います。いわゆる紅葉おろしはピンク色ですが、この「権八」は真っ赤です。これを薬味にして蕎麦をいただくのです。この「権八」のばあい、個人的には、白っぽい更級蕎麦ではなくて、ソバ殻も一緒に挽いて作った薮蕎麦(田舎風のそば)のほうが、ぴったりくるようにも思います。関西にいると、この「権八」に出会うことはありません。懐かしいな〜。
木戸の「二ツ屋さん」
■昨日の続きです。農作業が終了したあと、指導農家の吹野さんのお宅で少し休憩をさせていただきました。お暇するとき吹野さんからのおすすめもあり、「北船路米づくり研究会」がプロデュースした清酒「北船路」を置いてくださっている地元の酒屋さんを訪問することにしました。「二ツ屋」さんです。旧志賀町の木戸にあります。
■お店の日本酒の棚をみると、きちんと置いてくださっていました(右)。「北船路」です。その横は、この北船路も含めた木戸地域のお祭り限定の「二ツ鳥」です。レジの横には、「大津市 北船路産 『山田錦』100%使用 純米吟醸 北船路」てポスターまで張って商品を並べていただいています。300mlの小瓶で660円です。お店では、300mlの小瓶、四合瓶、そして一升瓶を置いてくださっています。たくさん売れると嬉しいな〜。「地元の酒」と喜んで呑んでいただくことで、少しだけでも地域に対する意識に変化が生まれてくるといいなと思います。
■「二ツ屋」さんを訪問したあと、疲れきってしまった坪井くんを岩崎くんの車で守山まで送り、そのあとはOBの2人と夕食をとりました。しかし、食べるね〜、君たちは…。驚きました。また、夕食のあとは大学の近くを通るということもあり、3人で瀬田キャンパスに立ち寄ることにしました。学生のとき、車での通学は禁止されていましたが、今回はOBですので私と一緒に堂々と車で入構できるわけですね。新しいテニスコートや、学生たちが仲間とくつろぐことのできるテラス等。卒業したのはほんの1年前のことなのですが、大学のキャンパスの変化に少し驚いていました。こうやって、卒業生がふらりと立ち寄れるような大学になってほしいなと思います。
京都のラーメン(2)新福菜館
■今年の2月4日は、京都のラーメン店「ますたに」に関するエントリーでした。背脂が特徴のラーメンを楽しませてもらったときのものです。今日も、昼近くに京都駅を通過するさいに頭のなかに「ラーメン」が浮かんできました。前回は、京都駅ビルにある伊勢丹の「拉麺小路」に出店されている「ますたに」にいきましたが、今日は、駅の近くにある「新福菜館」です。私がいったときは、まだ11時半頃でしたが、すでに行列が少しできかけていました。こちらも「ますたに」と並んで大変有名なお店です。
■こちらのラーメン=中華そばの特徴は、なんといっても黒いスープ。いっけん塩分が強そうですが、そんなふうにはあまり感じません。この味は存在感があります。麺は太め(中太ストレート)、チャーシューはほどよい固さ(柔らかすぎることもなく…味もよし)。今回オーダーしたのは、メンマいりです。お店では「竹入り中華そば」という名前だったと思います。京都を代表するお店のひとつだけのことはありますね。満足のいく昼食になりました。
■並サイズの中華そばだけでけっこうな量があるので、食べたいけれど食べられないものがあります。それはここの焼き飯です。焼き飯も黒いのです。おそらくは、中華そばのスープを使って味付けてしているのでしょう。これもチャレンジしてみたいのですが、並でも中華そばを食べると胃袋にスペースがなくなります。次回は、中華そばの「小」を頼んで、それと焼き飯を組み合わせてみようと思います。
駒形どぜう
■大学は4月2日の入学式まで春期休暇なのですが、例年にも増して、今年はまったく休んでいる余裕がありませんでした。2月の韓国と3月の中国の海外出張、そのあいだに学内の会議・打ち合せ、そして学外の委員会、そして国内出張が続き、年度末の原稿の提出になども含めて、心身ともに疲れきってしまいました。もちろん、こういう生活を相対化するためにフルマラソンを走っているのですが、あまり練習を蓄積することもできず、タイムもいまいち…、これではストレス解消になりません。というわけで、年度がかわるまでに時間を無理矢理にでもみつけて、小さな旅行をすることにしました。リフレッシュするためです。このまま、ダラダラと新年度を迎えたくなかったのです。
■今回、目指したのは東京です。目的は3つ。(1)おともだちのアコーディオン奏者・岩城里江子さんのライブを楽しむこと。(2)東京で「どじょう」を楽しむこと。(3)岡本太郎記念館を訪問するとともに、渋谷駅にある壁画「明日の神話」をみること。ということで、まずは、「どじょう」のエントリーからです。
■岩城里江子さんのライブは、東京文京区の本郷にある「求道会館」で開催されましたが、ライブのあとは、最寄りの駅「本郷3丁目」から地下鉄・大江戸線に乗って「蔵前」まで。そこから徒歩で浅草にある「駒形どぜう」にいきました。東京の地下鉄の利用の仕方も、だいぶ理解できるようになりました。あたまで移動のプランが描けるようになりました。ところで、この「駒形どぜう」、大変有名などじょうのお店です。関西にいるとなかなかどじょうを食べるチャンスがありません。このお店では、どじょうだけでなく、鯉や鯰等の料理もいただくことができます。東京・江戸といえば、「江戸前」の魚ということで、東京湾の海の魚に意識が向きがちですが、もともとは、江戸の庶民は郊外の農村地帯でとれる淡水魚を重要なタンパク源としてきたのです。農村地帯では、水路や運河が発達していました。淡水魚が生息するのに適当な環境がふんだんに存在していたのです。このことについては、また別の機会に…。
■トップの写真は、「どぜうなべ」です。炭火の上に浅い鋳物の鍋がのっかっています。そこにあらかじめ下味をつけたどじょうが敷き詰められていて、そこに好きなだけネギをのせていただくのです。私は、ささがきごぼうも別に注文して一緒にいただきました。ひさしぶりのどじょう、大満足です。ひさしぶり…。それは、関西では、このような「どぜうなべ」を食べることができないからです。簡単に調べたところ、兵庫県の篠山市や滋賀県の長浜市には、どじょうを食べさせるお店はありましたが、都市部にはみあたりません。関西では、もともとどじょうをいただく食文化があまりないように思います。「駒形どぜう」さんでは、どじょうは、大分県の湯布院や屋久島、それから台湾で養殖されているものを使っておられるようです(この記事を参照)。「駒形どぜう」の公式サイトでも、次のように説明されています。
高度経済成長期にあった1960〜70年代の日本では、経済のみならず環境においても著しい変化が生じました。その影響で私たちはお客様に御満足いただける天然のどぜうを提供することが難しくなってしまいました。そこで店主は優れた品質のどぜうを求めて全国を渡り歩きました。そしてとうとう天然のものにも劣らない優れた品質のどぜうを見つけ出し、皆様にいつでも楽しんでいただけるようになりました。
■食習慣の変化(川魚に対する食の関心がなくなっていった…)だけの問題ではないように思います。強い農薬を使っていた高度成長期に、どじょうが生息できる環境がなくなってしまったこと、河川改修や圃場整備事業などの土木事業により流域の環境が変化してしまったこと…いろいろだとは思いますが、食用に適したどじょうを、安定的に提供できる地域が身近なところになくなってしまったのでしょう。