野洲で「つながり再生モデル構築事業」の協議
■野洲の田園地域にある施設から撮った写真です。夕日のなかで比叡山の美しいシルエットがくっきりと確認できました。夕日のなかに浮かぶ筋状の雲が、シルエットをさらに魅力的にしていました。比叡山は、眺める方向によって姿を変えます。草津から北の方では、山頂がとんがって見えます。
■昨日は、14時から「つながり再生モデル構築事業」の協議会が開催されました。この事業は、滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖政策課が実施しており、今年の春、県内の3地域の団体の提案がモデル事業として採択されました。私はその選定のさいの委員長だったのですが、選定後も、この事業の行く末を見守りたく、自分の意思でずっと参加させてもらっています。今日は、その3地域のうちの1つ、野洲市の「NPO法人家棟川流域観光船」との協議会でした。NPOの皆さん(5名)が、環境政策課の職員の皆さん(4名)、滋賀県のその他の関係部局の皆さん(2名)、野洲市役所からは環境課の職員の皆さん(2名)、滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの研究員のSさん、そして私、15名の参加で協議会が開催されました。
■昨日の協議会では、4つの議題がありました。NPO側から提案された事業を進捗させていくためには、法律や制度との調整をきちんとしていく必要があります。そこでは様々な「知恵」が必要となります。昨日の協議会は、それぞれの立場から、現場の「知恵」を出し合うことで、事業を前向きに進捗させていこうとする良い雰囲気にあふれていました。一般論として、多様な視点で、現場の抱える課題について議論する「場」をつくっていくことが大切なわけですが、それに加えて、その「場」のなかで展開される「コミュニケーションの質」が問題になってきます。昨日の協議会は、そのような点からしても有意義なものとなりました。笑顔、そして心に希望をもって会議を終えることができました。まあ、そういうこともあって、比叡山の夕焼けのシルエットが余計に美しく見えたのかもしれません。
■下の左は、会議風景です。ここからは、よくわからないかもしれませんが、昨日の協議会は、とっても良い雰囲気でした。なんといいますか、そのような雰囲気が皆さんのコミュニケーションのなかから「醸され」るといったらよいのでしょうか。右は、NPOの代表理事の方からご紹介いただいた資料です。「NPO法人家棟川流域観光船」の活動を紹介している産経新聞の記事と、家棟川を遡上するビワマスの写真です。新聞記事、かなり大々的にNPOの活動を取り上げています。写真は、ビワマスの産卵風景です。家棟川では、ビワマスが遡上してきます。しかし、河川の土木工事等により、その遡上が難しくなっている場所があります。そこに、魚道を設置したいというのが、今回のNPOの皆さんの提案のひとつなのです。これについては、なんとか見通しがたってきました。
■昨日の会議では、NPOの代表の方から、「今年は、いろんな団体が見学に来られた」という紹介がありました。そして、県内の琵琶湖流域で活動している様々な団体が、お互いに交流することの大切さも強調されていました。これもとても大切な視点だと思いました。「知識」からではなく「経験」にもとづいて、おっしゃっておられるのです。そういう、環境自治のネットワークが県内に拡大していくと、本当に素晴らしいなあと思います。
大学のホームページに「第4回 おおつ未来まちづくり学生会議」の記事
「おおつ未来まちづくり学生会議」発表会、無事に終了しました。
■昨日の「おおつ未来まちづくり学生会議」の発表会、無事に終了しました。私はアドバイザーとして、側面からの支援という形で参加させていただきましたが、ホッとしています。この発表会のあと、学生会議は、12月21日(日)に開催される「環びわ湖大学地域コンソーシアム」の催しでの発表も残っています。最後まで力をぬかずに、頑張ってまいりたいと思います。写真は、発表会終了後の記念写真です。指で丸をつくっていますが、これは大津=Ohtsuの頭文字「O」かと思います。
おおつ未来まちづくり学生会議」の学生の皆様、大津市役所職員の皆様
龍谷大学社会学部の脇田です。昨日は、無事に「おおつ未来まちづくり学生会議」を終えることができました。3チームの学生の皆さんご苦労様でした。準備段階で少し心配なチームもありましたが、最後は土壇場の瞬発力でなんとかまとめてくれたのでホッとしました。この学生会議は、7月から始まり、全体として集まるのは4回だけでしたが、各チームごとに何度もミーティングを重ね、発表会に備えてくれました。フィールドワークからの「発見」を、うまく自分たちの「論理」にまとめ、発表することができたのではないかと思います。よく頑張られたと思います。会場からの反応も、とても良かったと思います。ただ、良い評価をいただいたとしても、さらに「こういう工夫ができたのではないか」との思いもあろうか思います。自分なりに整理して、今後の糧にしていただければと思います。また、越直美市長や政策調整部の中野博之部長も、皆さんの発表された成果を、次期の大津市総合計画に活かしていきたいと述べておられました。楽しみにしておいてください。
市役所の職員の皆様。学生たちが非常にお世話になりました。もともと地域連携のなかで自分自身を鍛えてきた(あるいは鍛えつつある)学生たちですが、今回の「学生会議」の活動のなかでさらに成長することができたのではないかと思っています。市役所の職員の皆様には、丁寧にご指導いただくことともに、細かな気配りで学生たちを励ましていただきました。本当にありがとうございました。まだ、「コンソーシアム」での発表がまだ残っていますが、取り急ぎ、無事発表会を終えることができたことについて、御礼申し上げます。
昨日は、今回の学生会議でお世話になった市民の皆さん、そして大津エンパワねっとで学生たちがお世話になっている市民団体の方が学生たちの発表を聞きにお越しになっていました。facebookのメッセージで「エンパワと関わった彼らがどんどん進歩していると感じました」「学生さんしっかり対応されていました」といった感想を伝えてくださいました。今後も、大津市役所との連携のかなで、市民の皆さんとも協力しながら、今回のように学生が成長できるチャンスが企画されることを期待しています。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。
■以下は、昨日の「おおつ未来まちづくり学生会議」に関する報道です。NHKの大津支局の夕方のニュースに、本日の京都新聞と朝日新聞の地方版の記事になりました。ありがとうございました。
学生が大津の未来を語る(NHK 滋賀県のニュース 大津放送局)
大津市のまちの活性化に向けた課題について、市内の大学生が検討し、政策として提案する発表会が、大津市役所で行われました。
ことし初めて開かれた発表会には大津市内の大学に通う12人の学生が参加しことし7月から商店街や公共施設を見学したり、観光担当の職員や各地の市民との意見交換を通してまちの活性化に向けた課題を検討してきました。
発表会ではまず越市長が「学生の皆さんの貴重な意見を今後のまちづくりの計画に反映させていきたい」とあいさつしました。
このあと学生の発表が行われ、このうち「自然豊かな大津市」をテーマにしたグループは市民が地域の自然に誇りを持てる仕組み作りが必要だとして、観光客から寄せられた評価を市の広報誌に掲載してはどうかと提案しました。
また「若者の集うまち」をテーマにしたグループは、若い世代に大津市の魅力を知ってもらうためにも料金の安い宿泊施設を整備する必要があると意見を述べました。
会場には、市の職員のほか、まちづくりに関わる住民など60人ほどが集まり、学生たちの発表に熱心に耳を傾けていました。
参加した大津市出身の男子学生は「この取り組みに参加して大津の良さにたくさん気がつかされた。
自分自身も県外の人に大津市をPRしていきたい」と話していました
「おおつ未来まちづくり学生会議」発表会
■いよいよ、学生たちが発表します!! 「おおつ未来まちづくり学生会議」の発表会です。場所は、大津市市役所の別館大会議室です。龍谷大学の地域連携活動に頑張って取り組んできた学生たちが、この会議に参加しています。私はアドバイザーという形で関わってきました。学生たちは、大津市の次の総合計画の策定に資する提言ができるように、市役所職員の方達とともにグループワークに取り組んできました。今日は、市民や市の職員の皆さんの前で発表します。学生のみんなは、緊張しているでしょうね〜(^^;;。頑張って。こういう機会は、めったにないでしょうから、完全燃焼してください!!
■以下は関連エントリーです。
第3回「おおつ未来まちづくり学生会議」
第2回「おおつ未来まちづくり学生会議」の開催
おおつ未来まちづくり学生会議
■「おおつ未来まちづくり学生会議」は、7月から4回開催されました。もろちん、学生会議の合間に何度も、グループごとにミーティングをもち、議論を積み重ねてきました。来月は、「環びわ湖大学地域コンソーシアム」の「大学地域交流フェスタ」でも報告を行います。
第1回7月10日(木)「おおつを『知る』」(講義、グループワーク)
第2回9月12日(金)「五感を使ったまち歩き」(まち歩き)
第3回10月17日(金)おおつの”いいね”を考える」(グループワーク)
第4回11月18日(火)「理想のおおつをつくろう!」(グループワーク、発表)
12月20日(日)「大学地域交流フェスタにて活動報告」
「つながり再生モデル構築事業」第4回協議会
■昨日は、たいへん忙しい一日でした。朝から、兵庫県にある老母の生活介護にでかけました。まあ、たいしたことはしていませんが、母親が求めるものの買い物や、生協への食料品の宅配注文など、いつもの仕事をすませて瀬田キャンパスに向かいました。昼食をとる時間もなく、大阪から乗った新快速電車のなかでオニギリをたべ、4限の3年生ゼミへ。ゼミのあとは、来年に備えて大学院社会学研究科のいろんな仕事をすませ、晩は、草津市に出かけました。
■草津市の湖岸に近い農村にいきました。「つながり再生モデル構築事業」の第4回協議会が、草津市志那町にある「志那会館」で開催されたからです。平湖・柳平湖の暮らしと内湖の「つながり再生」に向けて、地元の志那町の皆さん、滋賀県庁琵琶湖環境部琵琶湖政策課の皆さんと話し合いを進めました。昨晩は、草津市役所からも職員の方が3名参加されました。
■この日は、「つながり再生」に向けて、地域の方達一人一人から素晴らしい意見が出され、少しずつ盛り上がってきました。先日、交流会ということで、この事業のもうひとつのモデル事業である「NPO法人家棟川流域観光船」を訪問し、皆さん良い刺激を受け止められたようです(3つめのモデル事業は、高島市の松ノ木内湖です)。個人的な意見ですが、将来は、内湖や内湖の魚たちと結びついたコミユニティビジネスが始まればと思います。今、頭のなかでは、いろんなアイデアが醸し出されています。ちょっと、ウフフ…といった感じなのです。今晩の協議会のことを早速facebookにアップしたとろこ、いつも「いいね!」をくださる草津市の市議会議員の方がコメントをくださいました。この事業に強い関心をもってくださったようです。「近いうちに、南草津で懇親会をしましょう!!」ということになりました。いろいろ「ご縁」が広がっていきます。
家棟川での現地交流会
■滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、草津市の平湖・柳平湖の再生をめざす草津市志那町の皆さんと一緒に、野洲市の「NPO法人家棟川流域観光船」の活動を視察させていただきました。たいへん充実した現地交流会=視察・勉強会になりました。平湖・柳平湖の皆さんも、家棟川の皆さんも、ともに「つながり再生モデル事業」に応募されて採択されたグループです。私は、このモデル事業の採択時の「検討会」で委員長をしていたことから、積極的に実際の現場に出て行くようにしています。今回は、環境保全の活動に積極的に取り組まれてきた「NPO法人家棟川流域観光船」から学ばせていただこうと、現地交流会に参加させていただきました。
■「NPO法人家棟川流域観光船」は、「野洲の市街化の進展に伴い、市街地や水田等からの濁水の流入、ゴミの投棄、河口部のヨシ帯消失や在来魚介類の減少など、家棟川流域にはびわ湖の水や自然環境に関する課題の多くを抱えている」という状況のなかで、「ゴミがなく自然環境に恵まれた家棟川にすることを目指して」2007年に設立されました(NPOの公式ページより)。「流域観光船」って、ちょとかわった名前ですね。しかし、ただの観光船とは違います。観光は、多くの人びとに家棟川の状況を知っていただくための、ある意味「手段」なのかなと思います。
■これは一般論ですが、身近な「環境」に対して地域の「人びと」の関心が低くなっていくと(「つながり」が弱くなる/切れる)、身近な「環境」が悪化・劣化するリスクが高まります。言い換えれば、「人びと」と「環境」とのあいだにある、「物理的距離」が近くても「社会的距離」(意識しなくなる、かかわるチャンスがなくなる)が生まれてしまうと、「環境」は悪化・劣化していくリスクが高まります。この「エコ遊覧船」による観光は、家棟側に対する人びとの関心を高め、「社会的距離」を縮めていくための「手段」なのではないか…と思うのです。家棟川にすてられる不法投棄、流れてくるゴミ、これをなんとかしたいと、多くの市民ボランティアが参加してゴミの回収を行ったようですが、ゴミの量が減ることはなかったといいます。そこで、発想を転換し、家棟川に残る素晴らしい自然を楽しんでもらいつつ、この川の実態を多くの皆さんに知っていただこうと、手漕ぎによる遊覧船を始めたのだそうです。言い換えれば、観光船という「手段」を通して、家棟川と人びととの「社会的距離」を縮めようとされたのです。
■「NPO法人家棟川流域観光船」は、地元の漁師、「魚のゆりかご水田」を実践している農家など、里山・森・川・田畑・琵琶湖で活動する団体のリーダーが中心となって構成されています。代表の北出さんからは、野洲市環境基本計画を市民参加でつくるさいに、出会った地元の市民委員の皆さんが、その出会いをきっかけに、このNPOをつくったのだ…というお話しもうかがうことができました。多様な方達が参加されているわけです。ですから、以下のような強みをもっていることを自覚されています。以下は、NPOのパンフレットからの引用です。
地域の人に支えられて共に実践している
・琵琶湖周辺の6自治会(元)長が、NPOの趣旨に賛同し、会員参加している。
・漁師をはじめとした地元の21人が船頭として活躍している。
琵琶湖ならではの独自性がある
・琵琶湖とその水郷景観、漁師料理、漁師の語りなど、地域独自の宝物を提供できる。
行政の環境施策と連携した事業として実践してきた実績がある
・環境学習船として、延べ2,000人近くが乗船し、河川の現状を体験していただいた。
・これらの取組みが県知事から表彰された。
■以上のように「NPO法人家棟川流域観光船」で興味深いのは、そのメンバーの多様性です。いろんな「得意な分野や能力」をもった人びとが横につながり、「エコ遊覧船」による観光を柱にしながら、様々なテーマでの活動が可能になっていることてす。活動内容は、じつに様々です。家棟川の上流にある里山の保全(「漁民の森」整備)にも取り組んでおられます。家棟川流域のなかにある「山」、「水田」、「川」、「琵琶湖」をトータルに視野に入れて活動されているのです。活動に幅が生まれるだけでなく、家棟川をより大きな視点から捉えるように変化されています。素晴らしいことだと思います。チャンスがあれば、こういう多様な活動を展開されるようになってきたプロセスに関して、特に、レリジエンスという観点からきちんとお話しを伺ってみたいと思います。
■最後の方の写真についても説明しておきましょう。料理の写真。これは湖魚を使った「漁師料理」です。「NPO法人家棟川流域観光船」で提供されている料理です。「エビ豆」(大豆とスジエビ)、「鮎」(山椒風味)、「ウロリ」。「ビワマスの煮付け」、「鮒寿司」。「ビワマスの刺身」。ただし研修ですのでお酒はなし。ということで、ご飯を2杯もいただきました。
【追記】■逆にいえば、特定の人が、「地域づくり」活動のなかで自らリーダーたろうとして(主導権を独占したいという欲望)、情報を独占して他のメンバーを操作しようとすると、活動の持続性は急激になくなってしまいます。自分の頭のなかの青写真に、他のメンバーを資源として動員するような形に陥ってしまうことの危険性があります。「地域づくり活動」は、企業などを運営するやり方とは違うところがありますから。
松の木内湖の環境再生と地域づくり
■一昨日、30日(木)、滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、琵琶湖政策課や滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの皆さんと一緒に、高島市にある松の木内湖にでかけました。内湖に隣接する集落の皆さんに、小さな船(タブネ)で案内していただきました。松の木内湖は、様々な意味で周囲に暮らす人びとにとって重要なコモンズでもありました。
■内湖の湖底の泥。底泥は、肥料分を含む貴重な資源でした。周辺の人びとは、この泥をすくいあげ、畑にすきこみました。夏野菜がよく実ったといいます。内湖は、様々な魚の生息場所でもありました。春には、内湖の周囲にあるヨシ原にたくさんのコイ科魚類が産卵にきました。鮒寿司の原料になるニゴロブナはもちろんですが、それ以外のフナやコイの仲間の魚たちも、タツベやモジなどの竹製の漁具で捕獲され食用にされました。昨日お会いした方達は、そのような湖魚を食べる食文化のなかで生まれ、これまで生きてこられました。そうそう、私が大好きなホンモロコもよくやってきたといいます。ヨシ原は、ボテジャコとよばれるタナゴ等の小さな魚の生息場所でもありました。その他にも、ナマズやギギ、ドジョウなどもいくらでもいたといいます。内湖の琵琶湖への出口のあたりには、小さなエリも設置されていました(フナなどを獲る荒目のエリ)。肥料や食料といった人びとの生業だけでなく、内湖は、子どもたちの夏の遊び場でもありしまた。人びとの生活とも密接につながっていました。ところが、高度経済成長期を経て生業や生活のスタイルが近代化のなかで変化していきます。化学肥料が普及すると、内湖の泥を使うことはなくなりました。食生活も変化し、若い世代の皆さんは、内湖の魚を食べることがなくなっていきました。人びとの暮らしや生業と内湖との「つながり」が切れてしまったのです。もちろん、今はこの内湖で遊ぶ子どもの姿もみることもできません。このような変化は、この松の木内湖だけではなく、現在でも残っている滋賀県内の他の内湖でも同様の状況かと思います。
■人びとの暮らしや生業と内湖の「つながり」が切れてしまうことで、内湖は少しずつ変化していきました。かつてのように内湖の低泥を肥料として取り出すことはなくなりました。当然、流入する河川からの土砂で内湖は浅くなり、そのような土砂は内湖に溜まっていくことになります。この地域の皆さんの話しを総合すると、そこに拍車をかけたのが河川改修や周囲の水田の圃場整備事業です。かつて松の木内湖には、周囲の複数の河川から、今とは違ってかなりの量の水が流れ込んでいたようです。また、内湖から琵琶湖へ内湖の水が流出するあたりは、今よりも幅が狭くなっており、そのこともあり、かなりの流速があったようです。内湖の湖底には、そのような水の流れにより「ホリスジ」と呼ばれる一段深くなった内湖のなかの水路のようなものもあったといいます。常に、この松の木内湖の水は動いていたてのですね。しかし、河川改修によりその動きがなくなりました。さらに、圃場整備事業により水田からの濁水が、内湖に河川から流れ込み、泥が堆積するようになってしまいました。圃場整備事業により濁水や内湖に堆積する泥の量は増えました。泥が堆積したところにはヨシ帯が形成され、樹木もはえるようになってしまいました。少しずつ内湖は小さくなっていったのです。実際に田舟にのって内湖を拝見したわけですが、そのさい、湖底からキノコのようなものがニョキニョキとはえているのがみえました。もちろんキノコではありません。水中の泥が沈殿していくさいに、水草の葉や茎に泥が積もってしまったのです。それが、キノコのように見えていただけでした。何も知らなければ、美しい風景のように見えますが、この地域の皆さんからすれば、これは荒れ果ててしまった内湖ということになります。
■かつての内湖をよくご存知の60歳代以上の皆さんは、なんとかこの状況を食い止めたい、そして改善したいとお考えです。この日は、地元の方に田舟に乗せていただき、内湖をその内側から見学させていただきました。内湖の状況をじっくり観察させいただきました。陸からながめているのとは異なり、地域の皆さんが悩んでおられる実態がよく理解できました。以前、公共事業により、この内湖を整備して公園化してしまおうということが計画がたてられましたが、結局、予算の関係もありうまくいきませんでした。しかし、地元の皆さんは、そこで挫けませんでした。現在、4月末か5月頭にかけて内湖の端にたくさんの「鯉のぼり」を泳がせるイベントを開催されています。少しでも、内湖のことを知ってもらい、内湖と関わってもらおうという狙いがこのイベントにはあります。私は、まだ参加したことがないのですが、地域外からもたくさんの方たちが参加されるようです。
■田舟での内湖の視察のあとは、地元の方達と、この松の木内湖の再生、特に地元の皆さんの暮らしと内湖の「つながり」をどのように再生していくのか…という点について協議を行いました。これで3回目になります。今回は、松の木内湖の「つながり」をもっと再生できるように、これまで地域の皆さんで実施されてきた「鯉のぼり」のイベントを、さらに盛り上げていこうということになりました。最初は少々堅い雰囲気でしたが、しだいにいろんな「夢」が出てきました。「夢」を語り合うことができました。結果として、「さあ、やるぞ!!」という感じで「力」が湧いてくる素敵な会議になりました。「こんなこといいな、できたらいいな…」と漫画「ドラえもん」の歌の歌詞のような展開になりました。写真とは異なり、みなさん笑顔になりました。いろんなプランが提案されました。そうした中で、まず決定したことは、若い世代の方達が泥臭いと嫌っておられる内湖の魚を美味しく料理して食べてもらおう…というものです。そのために、新しい湖魚料理をプロデュースできる料理人の方に、そのイベントに参加してもらおうということになりました。現在、料理をしてくださる方を募集中です。すでに、声をかけさせていただいた方もいます。個人的な主観といわれるかもしれませんが、湖魚は美味しいんです!! 美味しい湖魚を、現代風のレシピのなかで使っていただき、若い世代にも楽しんでもらおう…というのが狙いです。湖魚料理以外にも、内湖のもっている「びっくり」するような「すごい」魅力を、しっかり伝えていけるような企画も考えています。楽しいイベントにしていきます。地元はもちろんですが、地域外からもたくさんの参加をいただければと思います。また、このブログでも広報させていただきます。
白鬚神社
■昨日は、滋賀県庁の「つながり再生モデル事業」(琵琶湖環境部・琵琶湖政策課)の関係で、琵琶湖政策課や滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの皆さんと一緒に、高島市にある松の木内湖まででかけました。滋賀県庁の公用車ででかけたのですが、途中、白鬚神社で少しだけ時間をとっていただき、この写真を撮りました。
■iPhone5で撮ったわけですが、なかなか満足のいく出来に仕上がりました。写真を撮っているとき、とても清々しい気持ちになりました。最近は、いわゆるパワースポットとしても有名らしいのですが、なるほど…と思います。
第3回「おおつ未来まちづくり学生会議」
■17日(金)、瀬田キャンパスのREC棟の部屋に瀬田キャンパス「おおつ未来まちづくり学生会議」の面々が集まって、午前中からグループワークを実施しました。第1回目はテーマ設定とグループ分け。第2回は細長い大津市を分担して「まち歩き」、そして「まち歩き」で発見したことの整理。第3回は、次回の市役所での発表を前に、パワーポイントの作成…。タイトなスケジュールの中で、自分たちの気付きがうまく伝えられるよう「あーでもない、こーでもない」と頑張っています。
■私も作業の途中を時々のぞきにいきましたが、なかなか大変ですね〜。この日だけでは完成できず、あとは第4回まで各グループで作業を継続してもらうことになりました。頑張れ、学生諸君。
「本文続きます」のこと
■時々、時間が足りず、「本文続きます」などと書いているばあいがあります。もっと書きたいことがあっても時間の関係で書けないときは、そうやって、あとで時間をみつけて書き足すようにしています。ところが、「老人力」がついてきているせいか、「本文続きます」のままにしているばあいがどうもあるようです。申し訳ありません。今朝も見つけました。10月10日の「町家キャンパスについて」というエントリーもそうでした。「学生の皆さんへ」で終わってしまっていました。しかし、何を書こうと思っていたのか、なかなか思い出せないのです。まだ「老人力」がつきはじめたばかりなので、「いつか思い出すやろ〜」とはいかず、しばし頭をひねっていました。なんとか思い出すことができました。「学生の皆さんへ」と書いていたのが、ヒントになりました。
■こういう「本文続きます」のまま…になっているエントリー、他にもあるのではないかと思います。申し訳ありません。気がつきしだい。きちんと追加をしたいと思います。何かを追加すべきか忘れてしまっているばあいは、「本文続きます」をカットします。また、過去のエントリーに関して、後から追加したいなと思うものもあります。そのばあいは、【追記】として書き足しています。