『ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み』 ( 山崎 章郎、新潮選書)

20220726yamazakifumio.jpg ■先日お会いした高橋卓志先生からいただいた書籍です。筆者は、在宅での緩和ケアに取り組まれている医師の山崎章郎です。山崎章郎さんが、ステージ4であることがわかったのは、2018年の夏のことになります。そこからご自身が体験したことをもとに、話は進んでいきます。山﨑さんが選択した治療…というか、残された人生の生き方とは、ご本人も書いておられますが、多くの医師からは評価されないことのように思います。でも、人の人生を根本から考える時、大切なことは、余命の物理的な時間の長さではないと思うのです。残された日々を大切に生きて、人生を完全燃焼させていくことでしょう。それが、家族のような周囲の方達にとっても大切なことだと思うのです。もし、そう思われるよう出したら、この本は役に立つかもしれない。

■Facebookに、この本のことを投稿したら、職場の若い職員さんがすぐに購入して読み始めたと言ってくださいました。私の拙い紹介でもお役に立てたようで、嬉しかったです。その方も、ご家族を癌で亡くされているとのことでした。私の父親も、肺癌で亡くなりました。平均年齢まで生きて、最後は、抗がん剤治療で苦しみました。父親自身の選択ではありましたが、こういった治療が父にとって本当に良かったのかどうか、私にはよくわかりません。私が父の看病をしながら思ったことは、自分がどのように死んでいくのか、どのように余命を完全燃焼させるのか、若いうちからきちんと考えて、周りの家族にそのことを伝えておくことが大切だ…ということです。自分の父親にはそれができていませんでした。いわゆる終活というやつですね。終活は、早めに始める必要があるということを、結果としてですが、父は私に説明してくれたのだと思います。

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