人はなぜ困難なスポーツに挑戦するのか…映画「ドーバーばばぁ」、その文庫化

20131207naramarathon.jpg■今日は、奈良マラソンの日でした。私は、抽選にもれてエントリーできませんでしたが、我が家では、息子が参加しました。これまでフルマラソンはもちろん、ハーフにしろ、もっと短い距離にしろ、マラソン大会では走る方ばかりでしたが、今回は応援の側にまわりました。息子は、中高はバスケットボールを、大学・大学院はアルチメット(ボウルではなくフライングディスク(フリスビーのこと)を使った、バスケットボールとアメリカンフットボールを合わせた様な競技)をやってきました。現役のスポーツマンなので、記録には期待していたのですが、サブ4(4時間切り)、3時間53分28秒という記録でゴールしました。自分の息子のことながら、頑張ったな〜と思います。

■なぜ市民マラソンを走るのか。人それぞれの理由があるわけです。困難なスポーツに挑戦するのはなぜでしょうか。

■マラソンではありませんが、水泳に調整した女性たちのドキュメンタリー映画があります。「ドーバーばばぁ」という映画です。以前、このホームページにあるブログとは別に、「Blog版 環境社会学/地域社会論 琵琶湖畔発」を運営していました(今は、塩漬け状態にあります。こちらの行く末についても、いろいろ考えなければなあと思っています)。このプログに、「ドーバーばばぁ」についてエントリーしています。以下に、それを転載したいと思います。2011年9月5日の投稿です。少しだけ修正を加えています。

■映画、好きなんですが、映画館にいっている時間がありません。自宅でDVDをゆっくりみる余裕がありません…。残念ですね~。そんな私がドキュメンタリー映画でエントリーです。それも、まだ視てもいないのに…。

■先日、出かける準備をしながらリビングのテレビをチラチラ視ていると、興味深い話題が登場しました(たしか、テレ朝の「モーニングバード」という番組だったかな)。それは、ドキュメンタリー映画の紹介でした。「ドーバーばばぁ 織姫たちの挑戦」という作品です。「ばばぁ」ですが、チーム名は「チーム織姫」。素敵だな~。ものすごく評判のようです。
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【作品の内容】
この映画は、54歳から67歳までの女性6人が、親の介護や家族の世話という日常を抱えながら、ドーバー海峡横断リレーという非日常にチャレンジする様子を、2年間に亘って追いかけた作品です。
2年間を通して、それぞれチームメンバー6人のチャレンジまでの葛藤が描かれています。
同世代の同じ問題を抱える女性やこれからの高齢化社会を生きていく様々な世代の方々が、前向きな考えを持って、何かにチャレンジすることの楽しさ・大切さを、6人のおばちゃんたちが伝えてくれます。
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20131209dover.jpg■テレビの紹介のなかで、少し作品が紹介されており。心がググッと反応してしまいました。おそらく、単にドーバー海峡をリレーで横断する…という話しであれば、それほどでもなかったかなと思います。先輩格の年齢の女性たちが、「親の介護や家族の世話という日常を抱えながら、ドーバー海峡横断リレーという非日常にチャレンジ」という部分に反応したんですね。私自身も、すでに亡くなりましたが、父の介護や看病を終えたあと、現在は、週1回、生活介護をしに母親のもとに通っているという事情があるせいですね。でも、この女性たちの「親の介護や家族の世話」は、そんな簡単なものではありません。

■作品の内容にふれてしまいますが、「ワイドショー通信簿」というサイトでは、次のように紹介されています。すごく共感しました。
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東京・渋谷の映画館で8月29日(2011年)に自主上映されたドキュメンタリー映画が話題になっている。タイトルは「ドーバーばばぁ~織姫たちの挑戦~」という。平均年齢57.8歳の6人の主婦が英仏を隔てるドーバー海峡(直線距離で34キロ)をリレーで横断した記録だ。「人物大辞典」でコーナーで6人の主婦を紹介した。

【介護の夫や親を抱えて「だから泳ぎ切れた」】

6人は水泳選手だったり体育会系だったりしたわけではない。東京・立川周辺に住む54歳から67歳までのごく普通の主婦仲間だ。リーダーの大河内二三子さん(57)は19年前に脳梗塞で倒れ半身不随となった夫、心臓が弱くペースメーカーを付けている92歳の母親と暮らしている。鳥塚しづ子さん(61)は歩行困難の父親と病院に寝たきりの母親を見舞うのが日課だ。

こんな普通の主婦がなぜ無謀ともみえるドーバー海峡横断に挑戦したのか。大河内はごく軽い気持ちで「トリちゃん(鳥塚)と還暦の時に泳ごうねって約束したから」という。

ドーバー海峡は潮の流れが早いため、流されて一直線で泳ぎきるというわけにはいかない。海水温も低く「海のエベレスト」と呼ばれている。

挑戦が始まったのは2009年3月。互いの時間を調整しては集まって、奥多摩などで練習に励んだ。そして迎えた冒険当日の10年9月17日午前6時45分、イギリスのドーバー海岸から第一泳者がスーパーに買い物に行くかのように「じゃ、行ってくるよ」と泳ぎ出した。1時間ずつ交代で泳ぎ、一人でもリタイヤすればその時点で挑戦は終了してしまう。12時間後には太陽は沈んだが、暗闇の中を一掻き一掻き進む。フランス側の海岸にゴールしたのは午後9時4分、14時間22分かかった。

大河内さんはこんな事をいう。
「みんないろいろな事情を抱えている。とくに鳥塚と私は障害者を2人ずつ抱えているが、共通して思っていることは『介護があるから遠泳ができる。遠泳があるから介護ができる』小さなことでもいいから、自分のためだけにやることをつくっておけば、やんなきゃならないことも続けられる」

【2年後には「対馬・釜山」に挑戦】
スタジオでは、同世代の吉永みち子(作家)が「長距離を泳ぎきるのもすごいが、皆いろんな事情を抱えながら達成したことが素晴らしい。ダブルで乗り越えたのがすごい」と絶賛した。

もっとも、6人はこれで終わらない。2年後には対馬から韓国の釜山まで50キロに挑戦するという。
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■6人のチームワークを維持するのも、なかなか大変だと思います。そのちょっとしたエピソードも、「Excite Bit “ばばぁ”達がドーバー海峡に挑む、ドキュメント映画」で紹介されています。「ドーバー海峡に挑む半年前、ある者がチームへの相談無しに股関節の手術を受けてしまった。結果、他のチームメイトから「何故、言わなかったんだ」と、不満が爆発!手術して、本番に間に合わす事ができるのか?そんな不安による不協和音が発生」。いろんな苦難を乗り越えての達成なんですね。

■このドキュメンタリーの「公式サイト」には、予告編もあります。トーバー海峡をリレーで泳ぐ様子とともに、彼女たちの日常の介護や生活の様子が織り交ぜて紹介されます。チームの女性のお1人が、こういいます。「赤の他人と暮らして、練習して…」。介護されているお母さんは、「しょうがないんだけど。どうしても行くっていうから」。また、お連れ合いでしょうか、「本人が行きたんだったら、男たちは我慢してがんばります」…。このあたりが、単なる、ドーバー海峡横断のドキュメンタリーとは違って、多くの人の評判になるところなのだと思います。ぜひ、視てみたいのですが…関東地域ではチケットが売り切れるほどの評判のようです。

■「チーム織姫」の皆さんは、産経新聞のニュースによれば、「これまでチームはドーバー海峡だけではなく長崎・対馬-韓国・釜(プ)山(サン)間(57キロ)、津軽海峡(27キロ)などをこなしている。酒田-飛島は3年前の8月にもチャレンジ。12時間泳ぎ、ゴール目前だったが、酒田港の沖合で天候が悪化したため断念した」、とりあます。そうか、さらにチャレンジを積み重ねておられるのですね~。この酒田-飛島のチャレンジは、先月に行なわれました。しかし、山形新聞によれば、「潮流と日没に阻まれ泳ぎ切ることはできなかった」ようです。残念。また、頑張ってほしい。

■この「ドーバーばばぁ」、申し込むとDVDでもご覧いただけるようになりました。申し込み先は、こちらです。

■そして、文庫本にもなったようです。塩漬けになっているブログに、担当編集者の方から、直接にコメントで情報をいただきました。ありがとうございました。塩漬けになっているため、迅速にお返事できず失礼いたしました。『ドーバーばばぁ』 (新潮文庫)です。

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