社会調査実習「大津祭の現在」調査合宿

20121008tyousajissyu.jpg ■担当している社会調査実習のテーマは、「大津祭の現在」です。夏期休暇中に、この「大津祭」の関係者にインタビュー調査を行いました。地域社会の基本構造が大きく変動するなかで、「大津祭」の関係者の皆さんが、江戸時代から続く伝統を継承していくために、どのような課題に直面し、それをどのように乗り越えようとされているのか、「組織・運営」、「財政」、「担い手」の3つの側面からお話しを伺いました。

■先日の土日(10月6・7日)、2012年度の大津祭が開催されました。6日の宵宮は、少し雨が降ったりしましたが、7日の本祭・曳山巡行は、晴天の中無事に終えることができました。学生たちは、1日中、町家の残る中心市街地の街中を、担当する曳山につきそって参与観察を続けました。前期に文献で学んだ「集合的沸騰」という概念を、実際に体感することができたようです。写真は、参与観察後、龍谷大学町家キャンバスに戻り、フィールドノートをまとめているところです。手前にふてくされているように見える男性がいますが、彼はTA(ティーチング・アシスタント)の院生S君です。彼自身も、学部生のときにはこの大津祭の調査実習を履修し、大学院入学後は、ずっとTAとしてこの授業を支えてくれています。

■履修している学生たちに聞いたところ、いずれも感動・興奮していました。大津の中心市街地の狭い道路を巡行する曳山の囃子方と観衆とが一体化した雰囲気に圧倒されたようです。大津祭の素晴らしい点は、曳山(囃子方)と観衆との距離が大変近いことにあります。観衆も、一体となって祭を楽しむことができるのです。

■iPhoneで撮影した動画もアップしてみます。カメラワークがひどいため、作品としては「なんだかな〜…」なのですが、少しでも大津祭の雰囲気を味わっていただければと思います。少し説明します。このシーンは、13基の曳山が、街中での巡行を終えるフィナーレにあたるものです。寺町通と呼ばれる通りをくだっていくときに撮影しました。毎年、曳山巡行のトップを行く「西行桜狸山」です。このとき、「戻り山」と呼ばれる大変リズミカルなお囃子が演奏されます。祭が終わることの寂しさを隠すかのように、曳山の囃子方と観衆は一体となって燃え上がります。各町に帰ってからもお囃子はなかなか終わりません。こうやって大津の街の秋は、大津祭の「集合的沸騰」を経て、「ハレ」から「ケ」に戻っていくのです。

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