仰木の「わさいな仰木」を訪問しました。
▪︎棚田でよく知られる仰木(大津市)に出かけてきました。自宅から少し離れたところにあります。今日は、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の理事長として出かけました。「琵琶故知新」からは事務局長もご一緒してくださいました。
▪︎仰木には「わいさいな仰木」という直売所があります。現在、一般社団法人「仰木地区活性化委員会わさいな仰木」が運営されています。こちらの代表理事の会長さん、事務局長さん、そしてこの直売所の活動に参加されている隣接する新興住宅地にお住まいの方と、この地域の広い意味での活性化に関して、夢のあるお話ができたような気がします。この地域の…って書きましたが、仰木だけでなく隣接する新興住宅地も含めての地域です。まだ「夢=妄想」ですけれど、これを実現させていくための仕組みを私たちNPOとしてもお手伝いできたらなあと思っています。
▪︎まあ、そのようなわけで、理事長として出かけたと書きましたが、半分は、仰木に隣接する地域に住んでいる住民として…でもあるように思います。「レジデント型研究」という言葉があります。「地域 社会に定住する科学者・研究者であると同時に,地域社会の主体の一員でもあるという立場から,地域の実情に 合った問題解決型の研究を推進する」ことを指すようです(菊地直樹さん)。これはNPOの活動で研究ではありませんが、「レジデント型」的な活動なのかなあと思います。時間がかかるかもしれませんが、小さいけれど確かな地域活性化の仕組みが、着実に定着していくように、また、地域の中で醸成される信頼と協力の中で、ここに暮らすことの価値を多くの皆さんと一緒に磨いていけるようにも頑張りたいと思います。
▪︎2時間ほどお話をさせていただきました。楽しかったです。お土産に枇杷をいただきました。直売所「わさいな仰木」の建物の外に出ると栗の花の匂いが漂ってきました。すぐ横に大きな3本の栗の木が花を咲かせていました。
創立記念日に「地域エンパワねっと」の「まち歩き」
▪️昨日は創立記念日でした。大学の本部のある深草キャンパスには多くの教職員の皆さんが集まって式典を開催されました。私はといえば、「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部社会共生実習)の「まち歩き」を行いました。履修している学生さんたちの都合がどうしても昨日しか合わなかったのです。創立記念の式典、とても大切なことはわかっているのですが、昨日は、教育の方を優先させていただきました。
▪️先週は1名の学生さんと2人で「まち歩き」でした。これは、1週間前にしか日程が合いませんでした。昨日は、残りの12人の皆さんとの「まち歩き」になりました。歩いた距離は3.2kmちょっとです。大した距離ではありません。ただ、立ち止まっての説明や解説もするので、時間としては3時間半ほどかけて、じっくり「まち歩き」を行うことになりました。今日は、気温も高く、普段運動をしていない学生さんたちにとっては、けっこう体力を使うことになったのかもしれません。お疲れ様でした。
▪️一昨日は吹奏楽部の「新入生歓迎会」、昨日は「地域エンパワねっと・大津中央」の「まち歩き」。土日とも仕事が入ってしまいました。歳をとると、休み無しというのは疲れが抜けなくなります。
「地域エンパワねっと」で「まち歩き」
■「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部・社会共生実習)、今年度は13人の学生の皆さんが履修しています。2回生と3回生が中心ですが、なんと4回生の男子学生も1人います。コロナ禍と同時に大学に入学したことから、「地域エンパワねっと」のような、地域の皆さんとの協働によって実習に取り組む経験がなかなかできなかったようです。卒業に必要な単位を十分に取得してはいるのですが、あえて「地域エンパワねっと」で色々経験をしてから卒業したかったのです。その4回生は、私のゼミの学生で、しかも吹奏楽部の幹部でもあります。卒業論文も吹奏楽部の活動も大変だとは思いますが、頑張って最後まで「地域エンパワねっと」に取り組んで欲しいと思います。
■さて、今日はその4回生と一緒に大津の街を歩きました。いわゆる「まち歩き」というやつです。残りの12人とは、次の日曜日に歩きます。4回生くんは、来週はどうしても日程の調整ができなかったのです。先生1人、学生1人。教員の私の側から言うのもなんですが、贅沢ですよね。ST比(学生と教員の比率、1 : 1)、マックスです。
■今日は4回生の彼に「まち歩き」をしながら大津の街の歴史や現状について、じっくり説明することができました。朝9時にスタートして12時前に終了しました。途中立ち止まって説明することが多いので、歩いた距離は3.4km程度ですが、まあまあ良い運動にもなりました。もし、この地域を徹底的に「まち歩き」したらやはり最低1日、朝から夕方までかかるのではないかと思います。
■2004年から龍谷大学で勤務していますが、それ以来、このエリアを徹底的に歩き回ってきました。最近は、少しサボっているかもしれません。だから、時々、知らない間に建物が消えていて更地になっていたりして驚くことがあります。今日も、ジャズバー「パーンの笛」の入っていた小さなビルが、そしてそのビルが建っていた一角の土地が更地になっていることに気がつきました。おそらく、またマンションが建設されるのでしょうね。
■個人的な本音を言えば、大津駅前の界隈がマンションを中心とした住宅地へと少しずつ変わっていくことについては、少し残念な気持ちがあります。でも、このトレンドを変えることはなかなか難しいのかなとも思います。そのような条件の中で、どうやれば「ここに暮らすことが楽しい」まちにしていけるのか、ポイントはその辺りにあるのではないかと思っています。
「地方の地域社会に根を張って生きる」
■この2冊の雑誌、連休中に読んでみようと思います。おそらく地方の地域社会に関わって生きたいと考える方達が関心を持って読まれるのかなと思います。NHKでも、「いいいじゅー‼︎」という番組がありますね。これは個人的な意見ですが、若い方達の関心が、もっともっと地方の地域社会に向かっていったら良いのになあと思います。うちの大学の学生の皆さんの中にも、ぼんやりとですが、そのような地方の地域社会に関心を持っている人たちがいるように思います。
■もちろん、地元に帰って就職というパターンもあるでしょうが、そうでなはく、周りからの就活の「同調圧力」には距離を置き、グローバル資本主義の最前線で活躍し経済的な豊かさの獲得を目指す…そのような究極の「勝ち組」イメージにも背を向け、たまたま偶然にご縁でつながった地域に学生時代に通い、そのうちに就職先もそこに見つけて定住に至る。「地方の地域社会に根を張って生きる」、そういう人たちがいてもいいじゃないのと思います。あるいは、就職先は都市部でも、二地点居住で都会の住まいと新たな「地元」との間を往復するというパターンもありかな。そういうライフスタイルを気にしている学生さんたちに寄り添って支えていく仕組みが学内にあったらいいのにな…と妄想しています。あくまで妄想ですけど。でも、すべては妄想からスタートし、その後の試行錯誤で妄想は鍛え直されていくのかなと思います。
「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」
■一昨日の日曜日、夕方17時から、琵琶湖ホテルで「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」を開催いたしました。主催は、私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」と、野洲市須原で魚のゆりかご水田に取り組まれている農家、堀彰男さんが代表の「せせらぎの郷 須原」です。実は、堀さんとは昨年末あたりから、「世界農業遺産認定は、ゴールやなくてスタートや」、「民間からの提案で世界農業遺産・琵琶湖システムに関連した取り組みをやっていきたいね」、そのようなお話をしていたのですが、まずは「味わう会」として実現できて本当に嬉しく思います。準備がなかなか進まず、短期間であったにも関わらず、多くの皆さんが日程を調整して参加してくださいました。とっても嬉しかったです。本当にありがたかったです。会場では、あちこちで様々な「異業種交流」が生まれました。大いに盛り上がりました。こういうシーンが生まれることを願っていました。「味わう会」が人と人をつなぐひとつの小さな「触媒」になれたのではないかと思っています。
■世界農業遺産・琵琶湖システムは、「山・里・湖が育む、漁業と農業が織りなす」システムです。ですから、琵琶湖システムにはたくさんのつながりが埋め込まれているのです。その価値を共有するためには、そして価値を磨いていくためには、多様な関係者の皆様自身もつながっていく必要があります。そのようなつながりの中で、初めて価値を磨くことが可能になると思っています。「自分だけが得をする」のではなく、お互いに「贈りあう」関係の中で地域社会が共に浮上するような状況が生まれてくると素敵だなと思います。
■そのような「贈りあう」関係が、県内の水産業や農業に関わる皆さん、食品産業に関わる皆さん、飲食業に関わる皆さん、旅行業に関わる皆さんの間に生まれたとき、「近江テロワール」のようなものが生まれてくるのだと思います。また、中山間地域にも琵琶湖システムの価値の恩恵を届けることができると思うのです。琵琶湖システムを土台から支えているのは山なんですから。
■「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」、多くの皆さまにご参加いただき、大盛況のうちに御開きとなりました。特に、青田朋恵さんのご講演は、世界農業遺産認定を目指し、その先頭に立ち、獅子奮迅のご努力をされてきた方ならではの素晴らしいものでした。ありがとうございました。
■また、喜多酒造の喜多良道社長からは日本酒の味わい方についてのご講義もいただきました。参加された方達を深く納得させる名講義でした。ありがとうございました。須原のゆりかご水田米を原料にして醸した「月夜のゆりかご」と「喜楽長純米大吟醸」を飲み比べながら、日本酒の奥深さを味わうことができました。このような近江の米で近江酒が醸されるような連携が、日本酒以外にもたくさん生まれてきてほしいなあと思っています。
■滋賀県が世界農業遺産申請に取り組むスタート時の農政水産部長であった安田全男さんからは、乾杯のご挨拶とご発声をいただきました。安田さんのご挨拶、心に染みるような思いでお聞きしていました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で安田さんとお会いし、世界農業遺産に関わる話で盛り上がった時が、私にとっての全てのスタートでした。
■昨日は、主催者である須原の堀さんによる「魚のゆりかご水田」の取り組みの他に、長浜市早崎で取り組まれている「魚のゆりかご水田」の事業についても、ご報告をいただきました。それぞれの取り組みに、独自の工夫と多様な展開があることを、参加された皆さんと共有できました。このような独自の工夫と多様な展開を、もっと多くの農家の皆さんと共有できればと嬉しいです。
■今、いろんな思いが溢れて、その全てを書ききれないのですが、このブログの投稿を通して私からの感謝の気持ちを多くの皆様にお伝えしたいと思います。今後も、第2回、第3回と工夫しながら継続していければと思っています。ありがとうございました。この日は、琵琶湖ホテルさんにもかなりご努力をしていただきました。琵琶湖ホテルさんにも、共に琵琶湖システムの価値を磨いていく側として、ご協力くださいました。心より御礼申し上げたいと思います。おかげさまで、素晴らしい会になりました。ありがとうございました。
■最後、もうひとつエピソードを。「味わう会」、無事に終えることができて嬉しかったものですから、持ち込んだ自分のパソコンを、うっかりそのまま会場に忘れてきてしまいました。そのことを自宅に戻ってから気がつきました。ということで、再びパソコンを受け取りにホテルに向かいました。いやはや…です。私は、主催者側で司会をしていたこともあり、食事やお酒を楽しむ余裕はほとんどありませんでした。といいますか、体調のこともあり、美味しいお料理もお酒もあくまで控え目にしていました。パソコンを回収し、帰宅したのちは、野菜をしっかりいただきました。
■今回の「味わう会」には、読売新聞の編集局部長がご参加くださり、編集委員と記者さんがご取材くださいました。ありがとうございました。読売新聞では、現在取り組まれている「農project」で、世界農業遺産・琵琶湖システムにも注目していただいています。これからも記事が続々と出ていくのではないかと思っています。ぜひ、皆様もご注目いただければと思います。また、毎日新聞にコラムを書いておられる家鴨あひるさん(ペンネーム)もご参加くださいましたが、家鴨さんにも連続してコラムをご執筆いただけるとお聞きしています。とっても楽しみにしています。
【追記】■18日の読売新聞朝刊の滋賀版に、記事が掲載されました。編集委員の記者さんのお話では、また取材をしてくださるとのことでした。世界農業遺産・琵琶湖システムの価値を磨く活動について、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。
「無理なく、楽しく、続けられる」やり方で
■最近注文している若者のお一人、土肥潤也さん。大変面白い活動をされています。その土肥さんのfacebookへの投稿です。「無理なく、楽しく、続けられる」やり方で、「自分たちが住みたいまちは自分たちでつくっていく、自分たちの生活圏を自分たちで豊かにしていくことが必要」、その通りだと思います。
■土肥さんは、ご自身のfacebookへのご投稿を公開されています。といことで、このブログに「埋め込み」しようと思ったのですが、うまくいきません。以下は、転載させていただきます。
無理なく、楽しく、続けられる。
思うに、コミュニティスペースはできる限り民間資金をベースにしながらやった方が良いんじゃないかと。
というのも、行政資金などに依存してしまうと、どうしても行政の事情に合わせないといけないし、何より予算が切れたらそこで終了になってしまいます。
首長が変わったり、行政の方針が変わったりで、運営していたコミュニティスペースを泣く泣く手放すことも経験してきました。あのときは、なんとも無念でした。
(自分は若くして行政事情で事業がスパッと切られた経験が、いまの考え方のベースになっている気がします。つまりは依存度高すぎるとやばいぞと。だからと言って完全に行政と関わらないわけではないけれど)
もちろん子どもや若者の居場所など、収益化しづらい領域もあるので、そこは社会保障として取り組んでもらうのが良いとは考えています。
だけど、全体的な流れとしては、行政予算はどんどん縮小するし、自活する方法をなんらか考えないといけません。
つまりは自分たちが住みたいまちは自分たちでつくっていく、自分たちの生活圏を自分たちで豊かにしていくことが必要です。
一方で、完全市民活動的にコミュニティスペースをつくって、運営に疲弊して無くなっていく場もいくつか目にしてきました。
運営が大変な割に儲からないし、どんどん利用者からは求められることが多くなる。それに葛藤する運営者の皆さんともたくさん出会ってきました。
さんかくをはじめて3年。
さんかくの経験をもとにいろんなコミュニティスペースづくりに伴走させてもらってきました。
めちゃくちゃ儲からないけど、ちゃんと黒字でまわる。そして、地域を豊かにしていく。そんな市民主体の場をもっと全国あちこちに増やしていきたいのです。
そこではじめるのが、「コミュニティスペースの学校」です。
https://cs-school.jp/
キャッチコピーは、無理なく、楽しく、続けられる。そんな場が今の時代だから必要です。
ちなみに、、、
行政主体の場でももちろん大歓迎です。一緒に持続可能な形を考えましょう!
■この引用の中にある、「コミュニティスペースの学校」についても、ぜひリンク先をご覧ください。こういう形での事業化ってありなんですね。
高島市役所での聞き取り調査、棚田サミットの報告書。
■今週の火曜日、午前中は大津市役所で今年度最後の「大津市協働を進める三者委員会」でした。いったん帰宅して昼食を済ませ、午後は高島市役所へ移動しました。市役所では、総合戦略課の課長さんからお話を伺いました。まあ、聞き取り調査ですかね。高島市は、2022年の市人口が転入が転出を3人上回る「転入超過」となったことが、ニュースになりました。そのこととも関係するのですが、高島市への移住促進や関係人口の創出に関する取り組みについてお話を伺いました。また、高島市と龍谷大学との連携に関しても意見交換を行いました。楽しい聞き取り調査でした。写真は、帰りの電車の中から撮ったもの。今日は天気が良いし、気分が良いです。
■高島市役所では、昨年の秋に開催された「第27回全国棚田サミット」の報告書をいただきました。事例発表、基調講演、3つの分科会、全ての記録がこの報告書の中に収められています。力が入っています。文字起こしも、業者さんに委託せず、全て市役所の職員の皆さんでされたのだそうです。そのような作業、今回の棚田サミットの成果を、改めて深く理解する上で良い経験になったとのことでした。ちなみに分科会のコーディネーターは、龍谷大学の3人の教員が担当しました。社会学部の坂本清彦先生、経済学部の西川芳昭先生、そして私です。また、この3人に加えて、社会学部の岸本文利先生、農学部の山口道利先生、金子あき子先生、田邉公一先生も一緒に、あわせて7人で高島市からの委託研究に取り組んできました。前述したように、この棚田サミットをひとつのきっかけとして、これから高島市と龍谷大学の連携がさらに深まっていけば素敵だなと思っています。
東海テレビ「保護者の98.7%が賛同…小学校で“PTA解散”決断 学校「一旦リセットと前向きに」会費等なしで活動する学校も」
■ PTAをリセットする。PTAではなくPTCA。Cはコミュニティのことです。時代の変化や価値観に合わせた新たな動きなのかなと思っています。日本のこれまでの地域社会によくあった、義務として各世帯から労働力を調達するような形の、あるいは「もやい」と呼ばれたかつての義務としての共同労働のような形のPTA活動ではなくて、それぞれの個人の意思と主体性で地域の子どもたちの成長を支えていこう…そういう新たな動きが生まれてきているのかなと思います。これは地域社会の自治に関連する問題なのかもしれません。「地域社会の子どもを、みんなで支え合って守り育てていこう」、そういう意識がこのTVニュースの中から感じ取ることができます。
■地域社会の小さな変化でしかないと思う方もおられるでしょうが、私は、このような小さな変化の中に、ゆっくりゆっくりと進む社会全体の大きな変化を垣間見るような気もします。そういあって欲しい…ここは願望。でも、私自身は、仕事のせいにしてPTAのことやった経験がありません。偉そうなことは言えません。
■この投稿とほぼ同じ内容の投稿をfacebookにもいたしました。すると、若い知人がシェアしてくださいました。その知人は、PTAの役員です。当事者でもあります。この知人の近隣の学校ではPTAが解散している地域もあるそうです。その知人は次のように考えておられます。「PTAは手段であって、組織の存続自体が目的化しているのはおかしいんです。目的は、子どもたちの健やかな育ちなどを応援することだと思っています。また、PTAは完全に自由意志の有志によるボランティアというのが、19世紀にアメリカで始まって以来の本来の姿です。自発的にやる人がいないのであれば、それはもう成り立ちません」。私もそう思います。日本において、現在のようなPTAが登場したのは第二次世界大戦後のことになります。ただ、戦前からの地域社会のあり方と、戦後、占領軍が新しく設定したアメリカ流の組織とのハイブリッドのような気がします。この辺りは、きちんと文献を確認したわけではありませんので、ご注意いただいたと思います。
■この知人の投稿には、「昔PTA活動に携わってきて、今はその他の地域活動に精を出している地域の方々」が、このような新たな動きに対して反発されていることも書かれていました。その点について気になるのは、どういう年齢層の、どういう経験を積み(地域社会での成功体験)、どういう地域社会観を持っている方達なのかという点です。おそらくは、地域社会はこうあらねばならない、あるべきだ…というようなお考えがあるのかなと思っています。そういう方達にも、意見を伺いたいですね。大切なことは、知人も述べておられるように、「子どもたちの健やかな育ちなどを応援する」ために、地域社会で何ができるのか、何をしなければならないのか…というあたりのことを共有できるかどうかなのではないかと思います。形式ではなくて、実質をどのように担保するのかです。もうひとつ、ニュースにあるPTCAと関連して、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)に関しても述べておられました。知人の意見は「なかなか形式的なものから脱却できずに」いるというものですが、なぜ形式的なものから脱却できないのか…、おそらくは従来のPTA活動の延長線でこの「学校運営協議会」が捉えられているからではないのかなと思っています。
■私は、従来のPTAの組織のあり方を全否定するつもりはありません。ただ、子どもたちの多くの保護者の皆さんが日中は働いているような状況で、現実問題として、従来の「専業主婦」の存在を前提としたPTA活動は成り立たなくなっています。学校というものの捉え方も、私が子どもの時とはずいぶん変化しているようにも思います。乱暴なことを言いますが、多くの保護者の皆さんが、学校が必要だとは思っておられても、以前ほどは学校という存在を有難いもの、大切なものとは考えてはおられないのかなと思っています。
■この投稿に書いた内容は、社会学の課題、特に地域社会学や教育社会学の課題かなと思っています。なにか、既存の研究が存在しているかもしれません。というか、きっとあるに違いありません。専門分野ではないので、まだ調べてはいませんが。
【追記】■facebookの投稿に、大学の後輩で、長年、高校で教員と管理職を経験してきた方です。「定時制高校では、昔の勤労青年の学びを支える観点から保護者と一緒に雇用主がいまも必ず重要なメンバーとして制度化、参画している」とのことでした。facebookに投稿したときは、「PTAといえば小中学校」ということが前提になっていました。その後輩の方は、お子さんが小中学校に通学されているときはPTA役員を経験され、教員としてもPTAに関わってこられました。その経験から、「地域と密接な共生関係にある義務教育校と校区が広い高校での温度差、高校ごとの温度差に常に考えさせられました」とのことでした。高校は、地域社会=コミュニティよりもぐんと校区が広いため、私が本文で書いたような「地域の子どもたちの成長を支えていこう」という気持ちは、共有できないことはないにしろ、かなり困難であろうことは容易に想像できます。また、偏差値によって序列化された高校ごとに、家庭の経済力や文化資本も違っているかもしれません。コメントでいただいた、「高校ごと温度差」の背景には、そのようなことが存在しているのではないかとも思います。
喜多酒造さんを訪問しました。
■今日は、野洲市須原で「魚のゆりかご水田」に取り組まれている農家の堀彰男さんと、東近江市にある喜多酒造の喜多良道社長を訪問いたしました。今、堀さんと企画中の「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」についてご相談をするためです。喜多酒造さんは、「喜楽長」という銘柄でよく知られていますが、それに加えて、堀さんの「魚のゆりかご水田米」を使って「月夜のゆりかご」という銘柄のお酒も醸しておられます。
■そのようなこともあり、「味わう会」でも「月夜のゆりかご」をお出しするのですが、喜多社長には、農家である堀さんとの連携で「月夜のゆりかご」が誕生するまでの事や、世界農業遺産を梃子に滋賀の農林水産業、食品産業、旅行業がどのように連携していくのか、そのあたりの展望についてもお話しいただくことになりそうです。今日は、今後の「味わう会」の展開についてもご質問やご意見をいただきました。また貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございました。喜多社長にご相談をさせていただいたことで、とても力が湧いてきました。そして、次の展開についても少しビジョンを持つことができました。
【関連投稿】「滋賀の地酒-酒学事始」
「夏原グラント」と「モバイル本棚」
■本日は、平和堂財団夏原グラント・一般助成2年目の団体の皆さんによるプレゼンテーションの日でした。地域で取り組まれている活動のお話を伺っています。いつものことながら、勉強になります。場所は、草津市立総合交流センターです。立派な施設ですね。草津市が羨ましい。大津市は…。それはともかく、掲示板に面白いグループのポスターを見つけました。
■おそらく、この団体の皆さんかと思います。「学び床」という団体です。そのようなことをfacebookに投稿すると、すぐに代表の池田次のようなコメントが入りました。「モバイル本棚、少しずつ活動を広げています!! またお話しましょう」。これは、また会いに行かないといけませんね。
学び床って?
「社会人がまちに出る」をモットーに、学びや本をベースにした様々なコンテンツを通じて交流し、まちとつながる実践型コミュニティです。モバイル本棚って?
その名の通り、手作りの移動式本棚。
大きさ:車に詰めるくらい
収納冊数:できるだけ
走行可能距離:未知数活動の背景?
こんにちは、代表の池田です。
私は、まちづくりや生活の基盤に関わりたいとの思いから、鉄道会社に入社しました。
とはいえ、既存の組織や肩書きではアプローチできないことがたくさんあります。
私は同じような会社員や、またはそうでない人も、既存の枠組みから「越境」し、地域や暮らしを考えたり、人との出会いを通じそこから新たな挑戦が生まれてくる。そんな「まちの入り口」になっていけばなぁと思っています。活動内容は?
月に2回程度、de愛ひろばなどに本棚を置き、集まった人が自由に本を読んだり、本を通じて対話したりしています。神社や畑など様々な場所でも場づくりを計画中。ゆくゆくは、地域の人と好きな本などを持ち寄り、シェア型図書館を展開したい。絶賛仲間募集中です。
その他、有志で古本市を開いたり、公共公益機関などと連携し市民参加型アクションを行っています。
■素敵じゃないですか。