オンラインのための道具

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■新型コロナウイルス、今度はなんという名前のウイルスでしたかね?ひょっとすると第7波がやってくるかも…らしいですね。そうなると、再び、オンライン授業に戻ってしまうのでしょうかね。かりに、逆に、コロナが収束していったとしても、完全に対面式に戻ることはもう無いのではないかと思います。いろんな事情があって、オンライン授業が嫌だったり苦手な人たちがいる一方で、逆に、自分にはオンラインが向いているという人もいます。たとえば、片道2時間以上かけて通学している人。加えて、家庭の経済的な事情でアルバイトをたくさんしなくてはいけないという人もいます。そういう方の中には、オンラインだと助かるという人がいるのです。となると授業はハイブリッドということになります。今日は、このようなカメラが教室に固定してありました。「Web授業用常設カメラ(MEETUP)」というのだそうです。私自身は、まだ使ったことはありません。これは便利そうですね。今までは、教室にカメラとか三脚とか持ち込んで授業をしなければなりませんでしたが、もっと準備が簡単になりそうで。

■さて、昨日は午前中は授業でしたが、午後一番で大津の中心市街地にある商店街の活性化のことで学外からの相談がありました。大津市役所の商工労働政策課の職員さん、中心市街地にある3つの商店街連合会の会長さん、事務局長さんのお3人です。社会学部の課長さんにも同席していただき、龍谷大学の学外との連携を進めるRECの課長さんもご挨拶にお見えになりました。まだ相談の中身については書くことができませんが、新しい地域連携がうまく進んでいくと良いなあと思っています。

■その後は、世界仏教文化研究センターの打ち合わせでした。龍谷大学の将来計画である「龍谷大学基本構想400」に照らして、センター長を務めている世界仏教文化研究センターの複数の事業の進捗状況を確認し、事業内容の適切性を検証していく必要があるのですが、今回の打ち合わせはその作業の前提をきちんと整理することでした。まあ、なんとか、スッキリさせることができたのかなと思っています。もっとも、順調に進捗している事業もあれば、そうでない事業もあります。頑張ります。

■この後は、FD研修会でした。世界仏教文化研究センターの打ち合わせが長引いたので、出席が遅れてしまいました。今回の研修会のテーマは、さまざまな理由で大学での修学に問題を抱えている学生の皆さんくをどのように支援するのか…ということがテーマでした。多くの皆さんはteamsで参加されていましたが、私は学部執行部の皆さんと同じく6号館のプレゼンテーション室で参加しました。つまりハイブリッドで開催されたのです。対面式の会場にあったのが2枚目の写真の装置です。「MeetingOwl Pro」という製品のようです。このポットのような装置をテーブルの真ん中に置いてパソコンと繋ぐと、周囲の参加者も綺麗に写り、発言もきちんと拾ってくれます。かなり性能が優れています。これいいなあ。でもね、高いんですよ。10万円ほどするらしいです。授業用や会議用なので、大学で備品として複数台用意してもらえると有難いのですがね、どうやろね〜。

■あっ。これのようですこちらの動画には、使い方が説明してあります。すごく操作が簡単ですね。

アルファベットに取り囲まれて

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■水曜日の午前中は、「地域再生の社会学」の講義でした。昼休みは生協の弁当を食べて、午後は、学科会議、FD報告会、教授会、研究科委員会と続きました。会議は、全てオンラインです。コロナ禍が収束したとして、はたして対面式に戻るのでしょうか。同僚とも顔を合わせることがなくなってきました。これでいいのかな…と思いますが、基本、大学教員は大学という組織に属していても個人商店主のような人が多いような気もしますし。「これでもいいんじゃない」というか、むしろこちらの方が良い人の方が多いかも知れません。

■思えば、コロナ禍が始まる前からペーパーレス化が始まっていました。完全に会議はteamsになりました。会議資料も、teamsのフォルダーに保管されるようになりました。個人的にはですが、いまだに、このteamsには慣れません。一時は、会議に入れなくなることもありました。頑張って、いろいろやってみて、再び入れるようになりましたが…。授業は対面式に戻りましたが、manabaをかなり活用している。オンラインで授業をやっていた頃はzoomが多かっのですが、Google Meetも使いました。レポートもゼミでのレジュメもmanabaで提出してもらっています。授業の資料もmanabaで配布しています。学生との面談、そして学外者との会議はzoomになりました。NPOの理事会の連絡はSlack、資料はEvernoteです。いずれも、ここ3年ほどの間に起こった変化です。コロナ禍が、変化を加速させました。そういえば、LINEだけはコロナ禍の前から使っていたな。facebookは生活の一部だし、孫たちとのことwellnoteで知る。アルファベットに取り囲まれています。

■まだまだ、身の回りの変化が続くのでしょうか。でも、大学の中では、まだまだ紙ベースで動いている部分もあるし。なんだかマダラ模様で中途半端だな〜。

■これ、大学にいるし、NPOやっているから、teams、GoogleMeet、manaba、zoom、Slack、Evernoteを使っているけれど、大学を辞めてNPOも引退すると、世の中のDXの変化についていけなくなるな、きっと。と思っています。いやいや、もうそんな変化についていかなくても良いだろう…とも思います。どうだろう。

■ゼミの学生が、数年前まで、好きなアーティストのCDから好きな曲をWALKMANに取り込んで聞いていたけれど、今はサブスクで向こうからどんどん新しい曲を送ってくるのを聞いている。音楽との関係が変わってしまったと言っていた。便利にはなっているけれど、つまらなくなっているのかな。まあ、そんなことをつらつら思いながら、帰宅。大学のバス停で蝉が鳴いているのに気がついた。夏休みまでもう一踏ん張り。写真は、先日の瀬田キャンパスです。ちょうど昼休みかな。暑いを通り越して、熱いです。

令和3年度東京大学学部入学式の祝辞、妹島和代さん

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■龍谷大学の親しい事務職員の方が、東大入学式で … 世さんの祝辞をアップされていました。なるほど。素晴らしい祝辞です。以下は、そのうちの一部です。

「私がお伝えしたいことは、まず一つは、専門的に考えてゆくことは、意外に専門以外の他の分野のことも考えることになっていくものだな、ということです。それから2つ目は、他分野の専門家とのコラボレーションの重要性です。そして3つ目は、自身の専門の研究を深めてゆくことは結局、その専門領域内にとどまらないで、私たちの世界全体を考えることになっていく、ということです。これらは、おそらく、いずれの専門分野にもあてはまるのではないかと思います。」

「今思うと、私は家を考えながら、人の集合のあり方を考えていたと思います。どうやったら1人でいることの快適性とみんなでいることの快適性を両立できるか、それにはどういうスペースを作ればいいのだろうかと考え、そして、それは、家だけの問題にとどまらないものになっていきました。」

「「新しい学びの場」という要望から私は、いろいろな人と出会うことができる多様性と自由、他分野の人間と場所を共有している共有感覚、を提案したのです。」

「みんなで場所や空間を共有するということは、その場所に流れている時間をも共有しているのではないかと気づきました。つまりそれは、今の時代の私たちが共有しているだけでなく、過去や未来の人々とも共有していると言えるのではないかと思います。いろいろな人々の活動が積み上がって歴史となって、その流れの一番手前に私たちの今の社会があるということだと思います。 」

■学部や学科、そして自分の専門領域に閉じこもるのではなく、こういった「開かれた場」が自分の職場にもっと必要だなあと思っています。私は、長年、文理融合型の研究プロジェクトに参加してきたので、この妹島さんがおっしゃること、自分の経験に重ね合わせてよく理解できます。もちろん、過去の経験が全て素晴らしいものであったかといえば、必ずしもそうではありません。でも、そういううまくいかなったなあという経験も含めて、それはなぜなのかなあと考えることで、今の自分の力になっているのだろうなと思っています。

teamsに参加できない

■コロナ感染拡大が始まり、大学の会議は、すっかりオンラインになってしまいました。今では、オンラインの方が良いという人の方が多いようです。コロナが収束したとしても、もう昔のように対面で会議をやることはなくなるのではないかと思います(どうやろ、知らんけど)。ところで、会議の多くはMicrosoft社のteamsを使うことが多いように思います。時々、zoomの会議も入りますが。

■一昨日は午前中に授業があったので、午後からの会議は、研究室のパソコンからteamsで参加しました。学科会議、教授会まで、順調に参加できていたのですが、そのあとの研究科委員会に参加しようとすると、いつまでたっても「今すぐ参加」ってのが出てきません。これをクリックして参加するのですが。予定されていた会議開始時間を過ぎてもいっこうに変化がありません。これはおかしいと思い、委員会の事務局の担当者のところを尋ねてみると、すでに会議は始まっていました。これはいかんと、その担当者の横で、自分のiPadを使って途中から参加することになりました。一昨日、研究室のパソコンは新しいものに替りました。リースなので、3年ほどで新しいものに変わります。その際、teamsの設定をきちんとしもらったはずなんですが…。

■委員会終了後、情報メディアセンターに行って、ことのしだいを話してどうしたら良いのか相談をしてみました。すると、センターの職員さんは、そういうことを自分もよく経験しているというのです。えっ…まじ。で、どうしたら良いのかと尋ねると、「いったんパソコンをシャットダウンして再度立ち上げてみてください」とのことでした。ああ、なるほど。Googleで「teams 会議に参加 表示されない」と調べてみると、こういうトラブルっていろいろあるようですね。まあ、不完全だということですね。

■退職するまでに、またいろいろ新しい仕組みが登場するのでしょうか。在職中はなんとか追いつこうとしますが、退職後は使うことがなくなるので、いわゆる「情報弱者」になっていくのでしょうね。

瀬田キャンパスのヤマモモ

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■瀬田キャンパス内にあるヤマモモです。奥が雄木で、手前が雌木のようです。雌木の下には、ヤマモモの実の種らしきものがたくさん落ちていました。毎年、ヤマモモの実は、地面に落ちてしまっているのですね、たぶん。実は、ヤマモモには雄木と雌木があることを知りませんでした。イチョウと同じなんですね。このことを教えくださったのは、知り合いの植物生態学者のYさんからでした。Y さんありがとうございました。

■ヤマモモの実は食べられるそうです。そのことを教えてくださったのは、農学部の古本強先生です。古本先生は、この写真のヤマモモではなく、社会学部の建物である6号館の横、外周道路沿いに植えてあるヤマモモの実を、1回生の入門ゼミの学生の皆さんと一緒に収穫して、入門演習の班ごとにジャムを作って味を競い合ったそうです。いいですね〜、取り組みの内容が農学部らしいです。

■ということで、農学部の古本先生と一緒に楽しい学びのささやかなイベントを開催することにしました。古本先生は、瀬田キャンパスの近くで養蜂もされています。毎年、ニホンミツバチの蜂蜜を採取されています。ニホンミツバチは、いろんな花の蜜を集めてきます。百花蜜と言われています。その蜂蜜もヤマモモと共に味わおうというのです。場所は、瀬田キャンパスに新しくできた「Steam コモンズ」です。

■この「Steam コモンズ」ですが、以下の目的で瀬田キャンパスに設置されました。

STEAMコモンズは、 学生による「ものづくり」と「デザイン」を通した学生間の交流、地域コミュニティとの連携など を目的とした 活動空間 です。学部に関わらず、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、アート(Arts)、数学(Mathematics)などに触れる活動ができます。
日常的なものづくりや、自主的なプロジェクト活動が可能なFabエリア、英会話レッスンや調理活動スペースを備えたGlobal Lounge & Kitchenエリアで構成されています。

■この「Steam コモンズ」には、2つのエリアがあります。「Fabエリア」と「Global Lounge Kitchen エリア」です。古本先生とは、後者の、キッチンのついた「Global Lounge Kitchen エリア」でささやかなイベントを開催できればと思っています。食べられる野草に詳しい方等の協力も得て、楽しいイベントになればなあと思っています。

オンラインへの従属

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■昨日は、朝9時半からオンラインで世界仏教文化研究センターの会議がありました。今日は進行役でした。早めに会議が終わったので、その後は、高島市から龍谷大学に委託される「中山間地域(棚田地域)に関する調査」の契約のことで、REC(龍谷大学エクステンションセンター)と研究部を訪問、担当の職員さんたちと打ち合わせをしました。

■この委託調査は昨年度に続く2年目で、社会学部、農学部、経済学部に所属する7人の教員で調査に取り組みます。昨年度は、コロナや幾つかのアクシデントにより、委託調査に十分な期間を確保して調査に取り組むことができなかったのですが、それでも頑張って報告書等の成果物を提出しました。そのことに、研究部の職員さんが驚いて感心しておられました。ちょっと嬉しかったかな。自己満足。

■2限は「社会共生実習」の「地域エンパワねっと・大津中央」。授業の冒頭、来月開催される子ども向けアートイベントのことで、大津市役所の広報課の職員さんとzoomで打ち合わせ。このイベントのことについて説明を受けました。「地域エンパワねっと・大津中央」を履修している学生の皆さんは、まちづくりの活動を体感するために、このイベントのお手伝いをいたします。昨年履修していた学生の皆さんの一部、そして私もお手伝いで参加します。

■3限はオフィスアワーで4限が4回生のゼミ。就活で4人が欠席していましたが、きちんとゼミは行いました。脇田ゼミの先輩が執筆した優秀論文をみんなで読みました。来週から、卒論に向けての研究の進捗状況を、毎回2人ずつ報告してもらいます。この連休の辺りまでは、4回生のゼミ生とzoomで個別面談も行います。

■そして、夕方、大津駅のカフェのWi-Fiでこの文章をfacebookに投稿しました。来週の火曜日の夕方、teamsを使ったオンラインの会議があるのですが、その後の用事との関係で、どうしても自宅や研究室から会議に参加することができません。今日は、カフェからteamsが繋がるかどうかチェックも兼ねてやってきました。つながりました。

■こうやってみると、すっかりコロナのせいでオンラインに適応した働き方をしています。適応と書きましたが、こういうオンラインを当たり前のように使用するシステムに従属させられているようにも思います。便利になっているのか、慌ただしくなっているのか…。たぶん、後者ですね。写真は、朝、RECに向かう際に撮った瀬田キャンパスのシャクナゲです。美しく元気に咲いているねと、心の中から語りかけました。

秘密の花園

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■今日の2限は「地域再生の社会学」です。履修者の人数に比べて教室が少しだけ狭いのが気になりましたが、いよいよ講義も始まりました。授業が終わっあと、キャンパスの中を歩いていると、噴水横にある樹のそばで、たくさんのスミレが咲いているのに気がつきました。コロナ感染に対する危機管理レベルが1になり、基本、授業は対面式に戻りました。ということで、たくさんの学生さんたちが歩いているのですが、みんな気がついていないというか、見向きもしないというか…。ということで「私は。ちゃんと気がついたよ。もっと綺麗に咲いておくれ」とそっと心の中で語りかけてみました。私だけの「秘密の花園」でしょうか。もっとも、ガーデニングが趣味になっていなければ、私もたくさんのスミレが咲いていることに気がつかなったかもしれませんね。ちなみに、このスミレ、葉の形からするとホコバスミレかな…と思っています。難しいです。

■さて、授業は対面式に戻っているのですが、会議は基本的にteamsを使ったオンラインで行われています。今日は、第1回目の教授会だったからかもしれませんが、対面式での出席も可能でした。もちろん、事前に申し込まねばなりません。私は、対面式で出席しました。ただ、実際には集まったのは、学部執行部、事務局、対面式の教員も合わせて15名でした。大多数はオンラインでの出席を選択されていました。こうなると、もう対面式の会議ってできなくなっているような気もします。皆さん、オンラインの方が便利なのでしょうね。

世界仏教文化研究センター

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20220401fukakusa2.jpg■今日は朝一番で大学本部のある深草キャンパスに向かいました。今日は深草キャンパスにある学部の、入学式の日なのですが、その入学式の前に行われた辞令交付式に出席いたしました。

■4月から、大学内の新しい仕事に就きました。世界仏教文化研究センターでお世話になります。センター長です。辞令交付式の後は、早速、研究事務部長にご挨拶をして、これから取り組む事業について意見交換をさせていただきました。さらに、大宮キャンパスにある世界仏教文化研究センターのオフィスにも向かい、直接お世話になる職員さんたちにもご挨拶をさせていただきました。関係者の皆さん、どうかよろしくお願いいたします。

■このプログをご覧くださっている皆さんの中には、「世界仏教文化研究センターってどんな研究センターなの?」という方もいらっしゃるでしょうね。本当は、ホームページ等をご紹介できたらいいのですが、龍谷大学研究部のサーバーが第三者の不正アクセスにより改ざんされ、ホームページは復旧中でご覧いただくことができません。ただ、ささやかな情報発信にしか過ぎませんが、このブログでも、そのうちにセンターの活動をお知らせできればと思っています。

■1枚目の写真は、昨日、Twitterで知った桜です。深草キャンパスの東門に入る前、横断歩道ではなく陸橋を渡るとこんな感じで桜が鑑賞できますよ。3枚目は、国の重要文化財になっている大宮キャンパスです。あっ、飛行機雲が。
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「ほうれんそう」の「おひたし」

■Twitterを眺めていると、「くり@育児って楽苦しい」さんが次のようなツイートをされていました。たまたま、拝見したツイートで、この方とはお知り合いではありませんが、深く納得するところがありました。

妻に聞いたのですが、最近の部下育成は「ホウ(報)レン(連)ソウ(相)には【おひたし】で返す」って言うらしいですね。

お 怒らない
ひ 否定しない
た 助ける
し 指示する(必要に応じ)

うーん、これは子育てにも活かせそうだ🤔💭

■企業等で、入社したての新人の皆さんを指導する際に、先輩や上司の皆さんは「ほうれんそう」ということをよく言われるようです。会社の仕事はチームワークが大切ですからね。上司や先輩への報告、連絡、相談をきちんと行うことが大切になってきます。ところで、この「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」がビジネスの世界でよく知られるようになったのは、1982年頃のことだそうです。もう40年も前のことなんですね。私が学生の頃の話です。知らなかったな…。まあ、それはともかく、上記のツイートに話を戻しましょう。これは、部下が、きちんと「ほう(報告)・れん(連絡)・そう(相談)」をしてきたときに、上司は部下に対してどのように接するのか…ということのようです。「ほうれんそう」に対して「おひたし」。覚えやすいですね。「くり@育児って楽苦しい」さんは、奥様からこの「おひたし」の話をお聞きになって、子育てにも活かせそうと直感的に感じられたようです。なるほど、子育てにも応用展開できそうです。私からすると、学生の皆さんへの指導もそうかなと思います。

■「お」は怒らない。まあ、これは今や普通のことかなと思います。次の「ひ」は否定しない。最初から「ダメだし」するような指導だと、そのような指導は受け止めてもらえない…ということになりますね。まずは普通に受け止める。その上で、「さらにこうした方が良いよ」と丁寧に説明する…という感じかな。「た」の助けるは、側面からサポートするという感じかな。ゼミで卒業論文の調査で半構造化されたインタビューをすることがありますが、そのインタビューの質問項目を一緒に考えるというのは、この「た」に当たるのかなと思います。「し」の指示する、これはなかなか難しい。必要に応じて…ということなので、なんでも指示をするわけではないのでしょうが、その加減が難しいですね。下手をすると「指示待ち」の姿勢を強化してしまいかねません。あるいは、自分の力で考えてもらおうと教師の側が意図して指示をしたとしても、「こうやれば良いとわかっているんだったら、きちんと最初から教えてくれよ」と反発する人も出てくるでしょうね。学部生や修士課程の院生だと、研究史や当該分野の既存の諸研究をきちんとおさえられていないので、自分のやっている研究の方向性や価値や意味がよくわからなくなってくることがあります。その場合は、いろいろアドバイスをして、文献を読み込んでもらわねばなりません。何を読めば良いのか、本当は自分で開拓していくべきことなのでしょうが、「まずは、この文献を読んでごらんなさい」と指示を出すことになります。

■卒業論文の指導の場合、「おひたし」は、こんな感じなのかな。当人の「やる気スイッチ」を入れて、主体性を育んでいくためのテクニックのようにも思いますが、その加減は意外に難しいかもしれません。いろいろ試行錯誤しながら指導のやり方を改善していくのかな…。そういうふうに試行錯誤している間に、定年退職してしまいますね。

社会共生実習「課題発見×課題解決」の3つの実習の報告会

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■昨日の午前中は、社会学部の教育プログラム「社会共生実習」の10のプロジェクトのうち、「課題発見×課題解決」を目指す3つの実習、「地域エンパワねっと大津中央」、「地域エンパワねっと大津瀬田東」、「多文化共生のコミュニティ・デザイン~定住外国人にとって住みやすい日本になるには?~ 」のメンバーとお世話になった地域の皆さんにもご参加いただき、21名でオンラインのzoomで報告会を開催しました。

■先日の投稿にも書きましたが、「大津エンパワねっと」の時代は、中央学区と瀬田東学区の2つの地域で、たくさんの学生グループが、それぞれ地域の皆さんとの交流の中で発見した課題に取り組んでいました。全体授業といっていましたが、たびたび全員が集まってグループワークにも取り組んでいました。そのような授業運営で、グループ同士で相互に学び合うことも多々ありました。異なるテーマに取り組みながらも、全体としては「自分たちはエンパワ生」という一体感がありました。

■今は、そうやって相互に学び合ったり、一体感をなかなか感じることはありません。ということで、少なくとも「課題発見×課題解決」を目指す3つの実習だけでも交流してみようということで、今回の報告会が実現しました。コーディネートくださった川中大輔先生、ありがとうございました。

■今日は、zoomのブレイクアウトルームという機能を使い、5人ほどのグループに分かれて話をしました。そこで、異なるプロジェクトに参加している人たちですが、共通する指摘をされていることを確認しました。多くの学生の皆さんのように、普通に大学で授業を受けて、普通にアルバイトをして…そういった学生生活をしているだけだったら、絶対に出会うことのなかった人たちに、このプロジェクトを通して出会うことができた…そのこと自体が自分にとっては大切な経験だったというのです。なにか、すごくナイーブな意見のように思われるかも知れませんが、私はこの学生の感覚がよくわかります。ましてや、履修している学生の中心は2回生、入学と同時にコロナ感染拡大が始まり、授業がオンラインになってしまったのですから…。こんなことをお互いに話すことで、異なるプロジェクトではあっても、お互いに共通する経験をしているんだなと思えたこと自体も、とても大切だと思いました。

社会共生実習

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