令和3年度東京大学学部入学式の祝辞、妹島和代さん

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■龍谷大学の親しい事務職員の方が、東大入学式で … 世さんの祝辞をアップされていました。なるほど。素晴らしい祝辞です。以下は、そのうちの一部です。

「私がお伝えしたいことは、まず一つは、専門的に考えてゆくことは、意外に専門以外の他の分野のことも考えることになっていくものだな、ということです。それから2つ目は、他分野の専門家とのコラボレーションの重要性です。そして3つ目は、自身の専門の研究を深めてゆくことは結局、その専門領域内にとどまらないで、私たちの世界全体を考えることになっていく、ということです。これらは、おそらく、いずれの専門分野にもあてはまるのではないかと思います。」

「今思うと、私は家を考えながら、人の集合のあり方を考えていたと思います。どうやったら1人でいることの快適性とみんなでいることの快適性を両立できるか、それにはどういうスペースを作ればいいのだろうかと考え、そして、それは、家だけの問題にとどまらないものになっていきました。」

「「新しい学びの場」という要望から私は、いろいろな人と出会うことができる多様性と自由、他分野の人間と場所を共有している共有感覚、を提案したのです。」

「みんなで場所や空間を共有するということは、その場所に流れている時間をも共有しているのではないかと気づきました。つまりそれは、今の時代の私たちが共有しているだけでなく、過去や未来の人々とも共有していると言えるのではないかと思います。いろいろな人々の活動が積み上がって歴史となって、その流れの一番手前に私たちの今の社会があるということだと思います。 」

■学部や学科、そして自分の専門領域に閉じこもるのではなく、こういった「開かれた場」が自分の職場にもっと必要だなあと思っています。私は、長年、文理融合型の研究プロジェクトに参加してきたので、この妹島さんがおっしゃること、自分の経験に重ね合わせてよく理解できます。もちろん、過去の経験が全て素晴らしいものであったかといえば、必ずしもそうではありません。でも、そういううまくいかなったなあという経験も含めて、それはなぜなのかなあと考えることで、今の自分の力になっているのだろうなと思っています。

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