山の中のコミュニティで子育てを(滋賀県高島市朽木針畑)
▪️滋賀県高島市朽木針畑。学生さんたちと今年の6月に訪問しました。私は引率の関係で2回。1回目は針畑郷の生杉、2回目は小入谷を訪問しました。山の中の細い道を進んでいくと、突然、山の中に桃源郷が現れる、そんな感じがしました。不思議な、そしてとても素敵なところです。40年ほどにわたって、移住者の皆さんがここで暮らしてきました。ただ、お子さんが高校に行く段階になると、ここを離れることもあるようです。今は小学生が5人おられますが(先生も5人)。6年生が卒業すると3人になってしまうとのこと。少し心配ですね。小学校、どうなるのかな。地域にとって学校がなくなるってとても大きな出来事なんです。トップは、ゲストハウスを経営されている藤村さんのFacebookへの投稿です。
▪️京都市内で医師として働きながら、この針畑の小入谷で暮らしておられるTさんも、藤村さんのfacebookをシェアしながら、以下のように投稿されていました。
僕が暮らす山の中の小学校です。児童5人の本当に小規模の学校。先生も5人笑。先生に支えられ、集落の方々に支えられ、森や川、自然に守られて子どもたちは濃密で大切な経験をして日々自分のペースで成長しています。こんなに豊かな子ども時代が過ごせる場所は他にない!と思うくらい。田舎での子育てに興味のある方いらっしゃったら是非お声かけ下さいm(_ _)m
▪️これは、個人的な思いつきにしかすぎませんが…。ここでのびのびと育った方達が、またこの場所に同窓会のような形で集まってくださったらいいなと、ふと思いました。ここで暮らした経験が、山を降りた後もどのような形で生きているのか(活きているのか)、そのことが多くの方達に伝わると良いのかなと思いました。かつてこの針畑で暮らした時の思い出も含めて、きちんと記録にとっておくと、将来きっとこの山の中のコミュニティ作りに役立つのではないかと思いました。なんといっても、40年間、移住者の方たちがやって来られる場所って、すごいと思います。
▪️都会を離れて自然が豊かなところに移住したいと考えておられる若いご家族がおられましたら、ぜひ藤村さんにご連絡をとってみてください。もちろん、私に連絡をくださっても結構です。藤村さんの御一家や、Tさんにおつなぎします。
父の日に贈りたいギフト
▪️かつてゼミで取り組んでいた「北船路米づくり研究会」で、ゼミ生の皆さんが、北船路の生産組合と平井商店さんをつないでプロデュースした「純米吟醸 北船路」。たまたま気がつきました、鮒寿司の老舗の阪本屋さんの鮒寿司や佃煮とのコラボ商品が、阪本屋さんの通販サイト(オンラインショップ)で「父の日に贈りたいギフト」として販売されていたんですね。嬉しいです。鮒寿司と日本酒。ともに発酵食です。それぞれの老舗の若い後継者の皆さんの連携によって生まれた商品だと思います。
【追記】▪️この投稿とほぼ同じ内容の投稿をfacebookにしたところ、阪本屋さんの若旦那からコメントが入りました。常連のお客さんもおられるようで、良かったと思っています。
こちら…3年前からコラボしてます笑
ちょっとずつお客さんが定着してきて、今は毎年買ってくれるお客さんもいますよ!他に出来ない、滋賀らしさ、大津らしさのある組み合わせの商品やと思ってますね
▪️こういう跡取りさんたちのコラボに刺激を受けて頭に浮かんでくるのは、「世界農業遺産」に関しても、このようなコラボできないかなということなんですよね。滋賀の世界農業遺産、「森里湖に育まれる 漁業と農業が織りなす 琵琶湖システム」ですから。「森里湖に育まれている」ことが理解できるコラボ商品、「漁業と農業が織りなしている」ことが理解できるコラボ商品が、「世界農業遺産」や「琵琶湖システム」に関する情報とともに、購入することができると素敵だと思うんですけどね。阪本屋さんの商品は、すでに「森里湖」のうち「里湖」はクリアされていますよね。もちろん、そのようなコラボ商品のコンセプトが違いますけど。
中央学区夏祭
▪️昨日は、「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部・社会共生実習)で学生さんたちと一緒に、中央学区(大津市)で開催された「中央学区夏祭」に参加しました。場所は、中央小学校の校庭です。以前にも夏祭に参加した経験がありますが、以前にも増して、若いご家族の皆さんの参加が多いことに驚きました。素晴らしいですね。マンションがどんどん建設されて、マンションに転居されてくる家族が増えたからです。今は、教室が足らないくらい。知らない間に建物が増築されていました。
▪️たくさんの屋台というかテントが並んでいました。子ども向けのテントには、長蛇の列ができていました。私はというと、生ビールや缶のハイボールを購入して、校庭の真ん中のテントの下で、地元の古老の皆さんといろいろお話をさせていただきました。たくさんのテントでゲームや飲食のサービスを提供しているのは、体育振興会の皆さんです。頑張っておられます。素晴らしいですね。でも、こういう地域活動の担い手不足には困っておられるようです。もっと正確にいうと、これまで頑張ってこられた方達が高齢化しているのに、後継者が現れない…ということのようです。
▪️私が校庭の真ん中にある休憩用のテントで地元の古老の皆さんと地域の現場についていろいろお考えをお聞きしている時、学生さんたちは会場で子ども会育成連絡協議会で開催している「キッズクラブ」の活動について、アンケート形式でお話を伺っているようでした。この活動も後継者の問題を抱えています。で、ようでしたというのは、人が多すぎて学生さんたちを見つけられなかったからです。見つける前に、知り合いの方と話を始めてしまったのです(飲み始めてしまったのです)。
▪️すると、後ろから2名の学生さんに声をかけてもらいました。思っていたのと違って、大変そうでしたが、「自分たちが思っていた仮説みたいなんが違ってたとわかって、修正をかけることができて、むしろ良かったや〜ん、君らもビール飲んでええよ〜」と気分が良くなっていたおじいさん(私は)は言ったのですが、飲んでいるような余裕はなかったようです。
▪️夏祭が終わったあと、テントでお世話をされていた若いお父さんにも少しお話を伺うことができました。やはりマンションに転居されてきた方でした。こういった地域活動に参加されて、大変だけど充実感があるとお話ししてくださいました。「大変さ」と「充実感」を天秤にかけてみると若いお父さんの心の中では、「充実感」の方が重かったのかなと思います。いろいろな考えがあるのでしょうが、個人的には、大変だけど充実感がある…と感じる方が増えていけばと思いますし、そのような気づきが生まれる何か仕組みや仕掛けって、どのようなものなのかなと思っています。
2023夏原グラント 市民環境講座第2回目「活動を楽しく継続していくために」(1)
▪️2012年から環境保全活動への支援を続けている、平和堂財団環境保全活動助成事業 2023夏原グラントの、市民環境講座第2回目です。「活動を楽しく継続していくために」というテーマで、ダンボールでできた円形のボード[rul=https://mk-shiko.net/products/detail/59]「えんたくん」[/url]を使って、ワイワイガヤガヤ、時には爆笑しながら、話し合いのグループワーク(ワールドカフェ)をしていただきました。多くの皆さんが、夏原グラントから助成を受けている団体の方達です。
▪️私、今日のこの講座の講師なんですが、私の話は20分程度で、あとは「えんたくん」を使ったワールドカフェの進行役に徹しました。有意義な時間になりました。「活動を楽しく継続していくために」は、何に困っているのか、どう乗り越えようとしてきたのか、その辺りを自由に話してもらいました。団体間同士がつながっていく、良い機会になったのではないかと思います。このようなつながりからは、うまくいけば、アメリカの社会学者M・グラノヴェッターのいう「弱い紐帯の強さ」が生まれることにもなるんだろうなと思います。
短歌で地域活性化
▪️昨日の朝日歌壇、歌人の小島なおさんが、短歌時評の中で、「ニシタチ歌集化プロジェクト」のことについて書いておられました。
和歌のなかに詠みこまれた地名のことを歌枕という。交通の便がなく旅をするのが困難だった時代に、人々は和歌によってまだ見ぬあこがれの地を思い描き、イメージを共有していたの。
今、現代版歌枕と呼ぶに相応しい試みが各地で始動している。二年前、地元の大学生らが立案した「ニシタチ歌集化プロジェクト」という企画に声をかけてもらった。宮崎市の歓楽街である西橘通り、通称「ニシタチ」の街をまるごと歌集にしようというもの。華やかで人情味のある街や飲食店を巡って、十五首の短歌を詠んだ。
カウンターは食べる横顔見るところ餃子八個に夜がはじまる
老舗の餃子専門店「黒兵衛」の餃子を食べて作った短歌。街の各所に貼られたQRコードをスマホで読み取ると、その場所にちなんだ短歌が表示される仕組みになっている。短歌を集めて街を楽しむ短歌スタンプラリーの趣。今年3月には、歌人の黒瀬珂瀾氏を招き宮崎県延岡市でプロジェクトが開催され、好評につき期限延長して五月の大型連休に訪れた人たちも多く参加したという。これは市内最古の銭湯「喜楽湯」の歌。
小さなる壺に煮らるる心地かな天井からは<昭和>のしずく
そしていま、群馬県みなかみ町で「みなかみまるごと短歌in匠の里」という同様のイベントが今月三十一日まで開催されている。エリア内十四ヶ所の短歌は歌人の大森静佳氏によるもの。
現代の歌枕は、自分の足で訪れ、自分の目で見ることができる。
▪️こちらは、「ニシタチ歌集化プロジェクト」の公式Twitterです。すでに更新はされていないようです。同様のイベントも開催されています。「みなかみまるごと短歌in匠の里」です。面白い試みですよね。いつもの当たり前の地域社会を短歌を通して再評価していく、見直していく、あるいは意識化していく…、そのようなイベントなのではないかと思います。ここには、何かヒントがあるように思うのですが…。ちょっと、自分が関わる地域でも何かできるのではないかと思っています。
▪️ところで、一部でしょうが、若者の間で短歌に人気が出てきているようです。
NHKクローズアップ現代空前の”短歌ブーム”は何映す 令和の歌に託した思い
東洋大学 LINLOTOYOなぜ、現代短歌がZ世代の心をつかむのか?ブームの鍵は「いいね」にあった
仰木の「わさいな仰木」を訪問しました。
▪︎棚田でよく知られる仰木(大津市)に出かけてきました。自宅から少し離れたところにあります。今日は、特定非営利活動法人「琵琶故知新」の理事長として出かけました。「琵琶故知新」からは事務局長もご一緒してくださいました。
▪︎仰木には「わいさいな仰木」という直売所があります。現在、一般社団法人「仰木地区活性化委員会わさいな仰木」が運営されています。こちらの代表理事の会長さん、事務局長さん、そしてこの直売所の活動に参加されている隣接する新興住宅地にお住まいの方と、この地域の広い意味での活性化に関して、夢のあるお話ができたような気がします。この地域の…って書きましたが、仰木だけでなく隣接する新興住宅地も含めての地域です。まだ「夢=妄想」ですけれど、これを実現させていくための仕組みを私たちNPOとしてもお手伝いできたらなあと思っています。
▪︎まあ、そのようなわけで、理事長として出かけたと書きましたが、半分は、仰木に隣接する地域に住んでいる住民として…でもあるように思います。「レジデント型研究」という言葉があります。「地域 社会に定住する科学者・研究者であると同時に,地域社会の主体の一員でもあるという立場から,地域の実情に 合った問題解決型の研究を推進する」ことを指すようです(菊地直樹さん)。これはNPOの活動で研究ではありませんが、「レジデント型」的な活動なのかなあと思います。時間がかかるかもしれませんが、小さいけれど確かな地域活性化の仕組みが、着実に定着していくように、また、地域の中で醸成される信頼と協力の中で、ここに暮らすことの価値を多くの皆さんと一緒に磨いていけるようにも頑張りたいと思います。
▪︎2時間ほどお話をさせていただきました。楽しかったです。お土産に枇杷をいただきました。直売所「わさいな仰木」の建物の外に出ると栗の花の匂いが漂ってきました。すぐ横に大きな3本の栗の木が花を咲かせていました。
創立記念日に「地域エンパワねっと」の「まち歩き」
▪️昨日は創立記念日でした。大学の本部のある深草キャンパスには多くの教職員の皆さんが集まって式典を開催されました。私はといえば、「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部社会共生実習)の「まち歩き」を行いました。履修している学生さんたちの都合がどうしても昨日しか合わなかったのです。創立記念の式典、とても大切なことはわかっているのですが、昨日は、教育の方を優先させていただきました。
▪️先週は1名の学生さんと2人で「まち歩き」でした。これは、1週間前にしか日程が合いませんでした。昨日は、残りの12人の皆さんとの「まち歩き」になりました。歩いた距離は3.2kmちょっとです。大した距離ではありません。ただ、立ち止まっての説明や解説もするので、時間としては3時間半ほどかけて、じっくり「まち歩き」を行うことになりました。今日は、気温も高く、普段運動をしていない学生さんたちにとっては、けっこう体力を使うことになったのかもしれません。お疲れ様でした。
▪️一昨日は吹奏楽部の「新入生歓迎会」、昨日は「地域エンパワねっと・大津中央」の「まち歩き」。土日とも仕事が入ってしまいました。歳をとると、休み無しというのは疲れが抜けなくなります。
「地域エンパワねっと」で「まち歩き」
■「地域エンパワねっと・大津中央」(龍谷大学社会学部・社会共生実習)、今年度は13人の学生の皆さんが履修しています。2回生と3回生が中心ですが、なんと4回生の男子学生も1人います。コロナ禍と同時に大学に入学したことから、「地域エンパワねっと」のような、地域の皆さんとの協働によって実習に取り組む経験がなかなかできなかったようです。卒業に必要な単位を十分に取得してはいるのですが、あえて「地域エンパワねっと」で色々経験をしてから卒業したかったのです。その4回生は、私のゼミの学生で、しかも吹奏楽部の幹部でもあります。卒業論文も吹奏楽部の活動も大変だとは思いますが、頑張って最後まで「地域エンパワねっと」に取り組んで欲しいと思います。
■さて、今日はその4回生と一緒に大津の街を歩きました。いわゆる「まち歩き」というやつです。残りの12人とは、次の日曜日に歩きます。4回生くんは、来週はどうしても日程の調整ができなかったのです。先生1人、学生1人。教員の私の側から言うのもなんですが、贅沢ですよね。ST比(学生と教員の比率、1 : 1)、マックスです。
■今日は4回生の彼に「まち歩き」をしながら大津の街の歴史や現状について、じっくり説明することができました。朝9時にスタートして12時前に終了しました。途中立ち止まって説明することが多いので、歩いた距離は3.4km程度ですが、まあまあ良い運動にもなりました。もし、この地域を徹底的に「まち歩き」したらやはり最低1日、朝から夕方までかかるのではないかと思います。
■2004年から龍谷大学で勤務していますが、それ以来、このエリアを徹底的に歩き回ってきました。最近は、少しサボっているかもしれません。だから、時々、知らない間に建物が消えていて更地になっていたりして驚くことがあります。今日も、ジャズバー「パーンの笛」の入っていた小さなビルが、そしてそのビルが建っていた一角の土地が更地になっていることに気がつきました。おそらく、またマンションが建設されるのでしょうね。
■個人的な本音を言えば、大津駅前の界隈がマンションを中心とした住宅地へと少しずつ変わっていくことについては、少し残念な気持ちがあります。でも、このトレンドを変えることはなかなか難しいのかなとも思います。そのような条件の中で、どうやれば「ここに暮らすことが楽しい」まちにしていけるのか、ポイントはその辺りにあるのではないかと思っています。
「地方の地域社会に根を張って生きる」
■この2冊の雑誌、連休中に読んでみようと思います。おそらく地方の地域社会に関わって生きたいと考える方達が関心を持って読まれるのかなと思います。NHKでも、「いいいじゅー‼︎」という番組がありますね。これは個人的な意見ですが、若い方達の関心が、もっともっと地方の地域社会に向かっていったら良いのになあと思います。うちの大学の学生の皆さんの中にも、ぼんやりとですが、そのような地方の地域社会に関心を持っている人たちがいるように思います。
■もちろん、地元に帰って就職というパターンもあるでしょうが、そうでなはく、周りからの就活の「同調圧力」には距離を置き、グローバル資本主義の最前線で活躍し経済的な豊かさの獲得を目指す…そのような究極の「勝ち組」イメージにも背を向け、たまたま偶然にご縁でつながった地域に学生時代に通い、そのうちに就職先もそこに見つけて定住に至る。「地方の地域社会に根を張って生きる」、そういう人たちがいてもいいじゃないのと思います。あるいは、就職先は都市部でも、二地点居住で都会の住まいと新たな「地元」との間を往復するというパターンもありかな。そういうライフスタイルを気にしている学生さんたちに寄り添って支えていく仕組みが学内にあったらいいのにな…と妄想しています。あくまで妄想ですけど。でも、すべては妄想からスタートし、その後の試行錯誤で妄想は鍛え直されていくのかなと思います。
「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」
■一昨日の日曜日、夕方17時から、琵琶湖ホテルで「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」を開催いたしました。主催は、私が理事長をしている特定非営利活動法人「琵琶故知新」と、野洲市須原で魚のゆりかご水田に取り組まれている農家、堀彰男さんが代表の「せせらぎの郷 須原」です。実は、堀さんとは昨年末あたりから、「世界農業遺産認定は、ゴールやなくてスタートや」、「民間からの提案で世界農業遺産・琵琶湖システムに関連した取り組みをやっていきたいね」、そのようなお話をしていたのですが、まずは「味わう会」として実現できて本当に嬉しく思います。準備がなかなか進まず、短期間であったにも関わらず、多くの皆さんが日程を調整して参加してくださいました。とっても嬉しかったです。本当にありがたかったです。会場では、あちこちで様々な「異業種交流」が生まれました。大いに盛り上がりました。こういうシーンが生まれることを願っていました。「味わう会」が人と人をつなぐひとつの小さな「触媒」になれたのではないかと思っています。
■世界農業遺産・琵琶湖システムは、「山・里・湖が育む、漁業と農業が織りなす」システムです。ですから、琵琶湖システムにはたくさんのつながりが埋め込まれているのです。その価値を共有するためには、そして価値を磨いていくためには、多様な関係者の皆様自身もつながっていく必要があります。そのようなつながりの中で、初めて価値を磨くことが可能になると思っています。「自分だけが得をする」のではなく、お互いに「贈りあう」関係の中で地域社会が共に浮上するような状況が生まれてくると素敵だなと思います。
■そのような「贈りあう」関係が、県内の水産業や農業に関わる皆さん、食品産業に関わる皆さん、飲食業に関わる皆さん、旅行業に関わる皆さんの間に生まれたとき、「近江テロワール」のようなものが生まれてくるのだと思います。また、中山間地域にも琵琶湖システムの価値の恩恵を届けることができると思うのです。琵琶湖システムを土台から支えているのは山なんですから。
■「第1回 世界農業遺産・琵琶湖システムを味わう会」、多くの皆さまにご参加いただき、大盛況のうちに御開きとなりました。特に、青田朋恵さんのご講演は、世界農業遺産認定を目指し、その先頭に立ち、獅子奮迅のご努力をされてきた方ならではの素晴らしいものでした。ありがとうございました。
■また、喜多酒造の喜多良道社長からは日本酒の味わい方についてのご講義もいただきました。参加された方達を深く納得させる名講義でした。ありがとうございました。須原のゆりかご水田米を原料にして醸した「月夜のゆりかご」と「喜楽長純米大吟醸」を飲み比べながら、日本酒の奥深さを味わうことができました。このような近江の米で近江酒が醸されるような連携が、日本酒以外にもたくさん生まれてきてほしいなあと思っています。
■滋賀県が世界農業遺産申請に取り組むスタート時の農政水産部長であった安田全男さんからは、乾杯のご挨拶とご発声をいただきました。安田さんのご挨拶、心に染みるような思いでお聞きしていました。大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で安田さんとお会いし、世界農業遺産に関わる話で盛り上がった時が、私にとっての全てのスタートでした。
■昨日は、主催者である須原の堀さんによる「魚のゆりかご水田」の取り組みの他に、長浜市早崎で取り組まれている「魚のゆりかご水田」の事業についても、ご報告をいただきました。それぞれの取り組みに、独自の工夫と多様な展開があることを、参加された皆さんと共有できました。このような独自の工夫と多様な展開を、もっと多くの農家の皆さんと共有できればと嬉しいです。
■今、いろんな思いが溢れて、その全てを書ききれないのですが、このブログの投稿を通して私からの感謝の気持ちを多くの皆様にお伝えしたいと思います。今後も、第2回、第3回と工夫しながら継続していければと思っています。ありがとうございました。この日は、琵琶湖ホテルさんにもかなりご努力をしていただきました。琵琶湖ホテルさんにも、共に琵琶湖システムの価値を磨いていく側として、ご協力くださいました。心より御礼申し上げたいと思います。おかげさまで、素晴らしい会になりました。ありがとうございました。
■最後、もうひとつエピソードを。「味わう会」、無事に終えることができて嬉しかったものですから、持ち込んだ自分のパソコンを、うっかりそのまま会場に忘れてきてしまいました。そのことを自宅に戻ってから気がつきました。ということで、再びパソコンを受け取りにホテルに向かいました。いやはや…です。私は、主催者側で司会をしていたこともあり、食事やお酒を楽しむ余裕はほとんどありませんでした。といいますか、体調のこともあり、美味しいお料理もお酒もあくまで控え目にしていました。パソコンを回収し、帰宅したのちは、野菜をしっかりいただきました。
■今回の「味わう会」には、読売新聞の編集局部長がご参加くださり、編集委員と記者さんがご取材くださいました。ありがとうございました。読売新聞では、現在取り組まれている「農project」で、世界農業遺産・琵琶湖システムにも注目していただいています。これからも記事が続々と出ていくのではないかと思っています。ぜひ、皆様もご注目いただければと思います。また、毎日新聞にコラムを書いておられる家鴨あひるさん(ペンネーム)もご参加くださいましたが、家鴨さんにも連続してコラムをご執筆いただけるとお聞きしています。とっても楽しみにしています。
【追記】■18日の読売新聞朝刊の滋賀版に、記事が掲載されました。編集委員の記者さんのお話では、また取材をしてくださるとのことでした。世界農業遺産・琵琶湖システムの価値を磨く活動について、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。