第37回「北船路野菜市」
▪︎水曜日から3晩続いた「呑み」で疲れ切った身体を引きずりながら、大津へ。昨日は、第37回「北船路野菜市」が開催されました。この日は、4年生は3名ですが、8名の3年生が参加してくれました。これから、「北船路米づく研究会」の活動を担っていくことになるので、気合が入っていました。4年生たちが張り切って3年生たちを的確に指導しているのをみて、心のなかでですが「素晴らしい…」と思いました。こうやって、私が何も言わなくても、上の学年から下の学年へと活動が引き継がれていく仕組みが、これから巧く動いてくれるといいんですけどね〜。
▪︎昨日の野菜市は、3月以来の開催になりました。月1回の活動、先月はお休みをいただきました。毎年、4月と9月は、野菜生産の端境期で、協力農家の皆さんに出荷していただける野菜がありません。今月5月は出荷してたいだきましたが、まだまだ種類や量も少ない状況です。それでも、ダイコン、タマネギ、キヌサヤ、ソラマメ、ホウレンソウ、タケノコ、ウマイナ等を出荷していただき、量も少ないこともあり、開店後1時間半で完売しました。昨日は天候もよく人通りが良かったことに加えて、最近、「大津百町物語」という「まちづくり会社」がシャッターの閉まった店舗に商店誘致して、街に賑わいを作ろうと努力されています。そのような効果の恩恵を私たちも受けることができたのかもしれません。
▪︎写真についても、少し説明をしておきましょう。トップの写真。写っているのは、2名の4年生以外は、すべて3年生です。後ほど、この日の就職活動を終えた4年生がスーツ姿で現れました。就職活動、卒論、そして北船路米づくり研究会の活動に取り組む先輩の姿を目にしておくことは、良いことかなと思います。はじめて野菜市の活動に参加した3年生ですが、意外にも、大きな声を出することができたので、「なかなかやるな!」と思いました。お客さんとのコミュニケーションもなかかな滑らか。良い感じでした。
▪︎下の方は、朝礼の風景です。指導農家の吹野藤代次さんから、この日出荷された野菜に関して、いろいろ指導を受けているところです。自分たちが売る「商品」の情報をしっかり頭に叩き込んでおかないと…と、指導してくださっているのです。いつも、ありがとうございます。
▪︎皆さんのおかげをもちまして、この日は、午前中で完売することができました。ということで、急遽、予定を変更して、兵庫県にいる老母の生活の介護をしにいくことにしました。
おいしいトンテキ
▪︎日々の身の回りの出来事を淡々とレポートしていくことに決めているので、なんだか食べログのようなエントリーもたまに入ります。申し訳ありません。
▪︎6日(火)の「滋賀マルシェ〜里山の食彩」に参加したときの昼食の写真です。「滋賀マルシェ」は琵琶湖ホテルで開催されましたが、琵琶湖ホテルから少し西に向かった、京阪石山坂本線の島ノ関駅近くに、「肉食堂 最後にカツ」という変わった名前のお店があります。その変わった店名が入ったブルーのテントが目印になります。中に入ると、カウンターと、向かい合ってなんとか2人が座ることのできる小さなテーブルがあるだけです。大変狭いです。入り口側には食券販売機が置いてあります。メニューはいたってシンプルです。基本は、トンテキです。トンテキ(豚肉のステーキ)は、「伝説のトンテキ」、「究極のトンテキ」、「至高のトンタル」の3種類。あとは、カレーやトン丼ということになります。
▪︎ふだん、肉をたくさん食べたい…という願望はあまりないのですが、この日は、近くにいたものですから、噂の「肉食堂」に行ってみることにしたのです。胃袋の要求というよりも、脳みその好奇心からという感じでしょうかね。この日注文をしたのは、「伝説のトンテキ」です。鉄板に乗ってだされますが、その厚みが半端でありません。厚いです。店名も半端ではありませんが、店名の勢いがこの豚肉の厚みに現れています。そこに、山盛りの千切りキャベツと、ローストしたニンニクが添えられます。肉には、トンテキ用の特性のソースがかかっています。厚みのある豚肉とうまく調和して大変美味しくいただきました。余分なものはついてきません。まさに「肉食堂」です。いつも行列ができていることで有名です。人気があります。
▪︎この「肉食堂 最後にカツ」の2店目が、大津駅前に出店します。なんと、いつもの大津駅前の居酒屋「利やん」の並びになります。ランチがメインと聞いていますが、大津駅前でもいただけるようになるのですね。これは良い情報です。
「ishigama」のご縁
▪︎琵琶湖ホテルで開催される「滋賀マルシェ」に「北船路米づくり研究会」として参加してきました。ご来場くださった皆様に純米吟醸無ろ過生原酒「北船路」と純米吟醸酒「北船路」を試飲していただきました。ありがとうございました。「滋賀マルシェ」のあとは、平井商店さんにご挨拶に伺い、夕方からは、長等にある「ishigama」に、マルシェで頑張ったゼミ生の小西くんとお邪魔しました。
▪︎ビックリすることがありました。オーナーの福本さんから紹介していただいたTさんは、大津の地域づくり活動に関わりながら、このお店で働いておられるのですが、話しをしていると、かつては私のゼミに来ることになっていたというのです。ご事情があってそうはなりませんでしたが、これにはビックリです。いうなれば、私の「幻のゼミ生」であるわけですね。Tさんには、「北船路米づくり研究会」の活動にもご関心をもっていただき、これから大津のまちづくりを盛り上げていこうという話しに展開していきました。若いTさんには、期待したいと思います。写真は、できあがりつつある小西くんも含めて撮った記念写真です。小西くんは、「幻の先輩」に出会ったわけです!!
▪︎もうひとつ、ビックリすることがありました。昨晩は、その高校の同窓生であるIさんともお知り合いになることができました。こちらのIさんも、オーナーの福本さんや、シェフの堀さんからのご紹介でした。福本・堀両氏が、Iさんのお連れ合いと大学時代の友人関係…ということでご来店されたようです。ご夫妻がお隣の席に座られたので、お話しをさせていただいたところ、神戸にお住まいということで、さらに話しがはずみ、さらにさらに、奥様が私と同じ兵庫県立兵庫高等学校の出身であることもわかったのでした。とはいっても、お父様よりも私の方のほうがずっと年齢が上で、奥様とは卒業年次も25年ほどの違いがあります…。
▪︎ビジネスを通してまちに貢献しようと頑張っておられる大津の「ishigama」さんで、卒業した神戸の高校の、それもかなりお若い同窓生の方とご一緒できるとは思ってもみませんでした。これにもビックリです‼︎ いろいろ、楽しい「同窓生ならではの話し」ができました。思うに、世間は狭いです。「ishigama」、恐るべしです‼︎ いろいろなご縁を育む場所である「ishigama」に、これからも期待したいと思います。
【追記1】▪︎この日、Tさんは地元の中学校時代の飲み会だったようで、Tさんの友人で農政関連のお仕事をされているFさんとも知り合いになることができました。なにか、おもしろい展開になりそうな…予感がします。「ishigama」って本当におもしろいお店です。
【追記2】▪︎この日、アルバイトに入っていたのは、エンパワ7期生のHくんでした。じつに、テキパキと仕事をこなしている様子を拝見してびっくりしました。すごいよ、Hくん。
【追記3】▪︎翌日のことになりますが、Iさんご夫妻には純米吟醸無ろ過生原酒「北船路」をお買い求めいただきました。ありがとうございました。
琵琶湖ホテルで「滋賀マルシェ~里山の食彩~」
▪︎昨日、大津市にある「琵琶湖ホテル」で開催された「滋賀マルシェ」に、「北船路米づくり研究会」も出店してまいりました。学生3名と私の4名で参加させていただきました。私たちのブースは、正面玄関から入ってすぐ、2階ロビーにありました。滋賀県内からたくさんの企業・団体が出店されていました。このイベントのサブタイトルに入っている「食彩」にふさわしく、それぞれ自慢の食品や野菜の数々を販売されていました。いっぽう、私たちの方はどうかといえば、北船路の野菜生産が端境期に入っていることから野菜の販売はできませんでした。また、プロデュースした日本酒に関しても、酒販売の免許を持っていないことから、あくまで試飲をしていただく程度…ということになりました。販売する商品がないことから、地味なブースになりそうなところを、日本酒のポスターや研究会のポスターやチラシ等でかざりつけ、なんとか雰囲気だけは醸し出すように努力したのでした。トップの写真が、完成したブースです。
▪︎私たち「北船路米づくり研究会」のブースでは、農事組合法人「北船路 福谷の郷」の農家の皆さんが生産された吟吹雪という酒米を原料に、大津の中心市街地にある老舗の酒蔵「平井商店」さん(万治元年=1658年創業)の方で醸造していただいた純米吟醸酒「北船路」と、純米吟醸無ろ過生原酒「北船路」の2種類を持参し、ご来場の皆さんに試飲していただきました。多くの皆さんに、清酒と生原酒のそれぞれの味わいを楽しんでいただくことができました。皆さん一様に、2つのお酒の美味しさに満足されたり、驚かれたり。免許の関係からお酒を販売できないことは残念でしたが、学生たちと必死になって丸屋町商店街にある平井商店さんのことをアピールさせていただきました。
▪︎この日のイベントには、直接、存知あげている団体の皆さんが多数参加しておられました。滋賀で「野菜ソムリエ」の活動をされている立花尚子さんたちのグループ。龍谷大学大学院理学研究科の本郷真理くんたちが大学の枠を超えて取り組んでいる「お野菜大学」。また、ゼミ生が卒業論文等で大変お世話になった山川君枝さんの「北比良グループ」。研究プロジェクトでお世話になっている甲賀市の「甲賀もち工房」。滋賀県庁時代に同僚だった方が参加している「滋賀の食事文化研究会」さん、それから市役所の職員の皆さん…。じつにたくさんの方たちが参加されていました。
▪︎そのようななかで、驚いたことがもうひとつありました。それは、私が滋賀県立琵琶湖博物館に勤務している時代に研究プロジェクトでお世話になった、近畿大学農学部の山根猛先生にお出会いしたことでした。すでに近畿大学は退職され、現在では、「琵琶湖みらい研究所」にお勤めとのことでした。これは、びっくりしました。最後にお会いしたのは、15年以上昔のことかと思います。このようなイベントは、様々な団体同士の関係性や、関係者間の社会関係を鼓舞・強化する役割があります。来場者の皆さんや主催の琵琶湖ホテルだけでなく、私も含めて、出店した多くの皆さんにとっても、意味や価値のある場になったのではないかと思います。「琵琶湖ホテル」の担当者の方がおっしゃっておられましたが、これからこのようなイベントを時々開催していきたいとお考えのようです。企業のCSRとしても重要なことなのではないかと思います。
▪︎写真ですが、左が「お野菜大学」の皆さん。右は三井寺の「ベンベン」。この日のイベントには、大津・滋賀の「ゆるキャラ」が大集合しました。「べんべん」は、三井寺さんのゆるキャラです。頭が三井の晩鐘の鐘です。僧兵の白い頭巾もかぶっています。カバンをぶら下げていますが、そのなかには自分の名刺を入れていました。学生の一人が「カバンのなかには何が入っていの?」と直接ストレートに質問をしたところ、写真ように名刺をもらうことができました。
滋賀マルシェ~里山の食彩~
▪︎明日、大津市の琵琶湖ホテルで、「滋賀マルシェ〜里山の食彩〜」というイベントが開催されます。ゼミで取り組んでいる「北船路米づくり研究会」も、県内の様々な企業様と並んで、このイベントに参加させていただく予定になっています。明日は、研究会でプロデュースした、平井商店醸造の純米吟醸無ろ過生原酒「北船路」と、火入れをした純米吟醸「北船路」のふたつの日本酒の試飲をしていただく予定になっています。ぜひ、お越しください。
▪︎本当は野菜の販売もできればよかったのですが、野菜生産の端境期で…。こればかりは仕方がありませんね。また、お酒の販売もできればよかったのですが、私たち研究会は免許を持っていないため、販売も断念しました。そのかわり、研究会の活動を、より多くの皆様に知っていただけるように学生とともに頑張ってきます。明日は、琵琶湖ホテル2階のエントラスロビーの右側に、私たちのブースを置かせていただくことになっています。そばでは、研究会のプロジェクトでお世話になっている甲賀市甲賀町小佐治の「甲賀もち工房」も出店されるようですね。
民間まちづくり会社「大津百町物語」のグランドオープン
■4月26日に、大津の中心市街地の商店街で「大津百町物語」という商店街活性化の取り組みが始まりました。商店街の活性化…というと、「またか…」という反応が返ってきそうですが、今回の取り組みには私は大いに期待しています。中心市街地の商店の社長さんたちが、自分たちできちんとリスクを背負って民間まちづくり会社「百町物語」を設立させ、社長さんたちが横に連携しながら頑張っておられるからです。
■事業内容として4つの柱を掲げておられます。以下は、ネットで配信される「びわ湖大津経済新聞」の記事からの引用です。
事業内容として4つの柱を掲げる。第1の柱は「プラチナ大津計画」。大津在住の60歳以上の「プラチナ世代」が出資し、働く飲食店などを展開。野菜やジェラートなど地産食材を使ったスイーツを販売する。第2の柱は「愛犬都市計画」。僧侶・蓮如が犬に命を助けられたことをきっかけに築いた犬塚が大津百町にあることから、犬に優しいまちづくりを企画する。
第3の柱は有名店誘致事業計画。現在、兵庫の菓子店「アンリシャルパンティエ」、長野の寒天を扱う「伊那食品工業」による「かんてんパパ」などが出店を予定する。第4の柱は地元の店誘致。近江牛の老舗「松喜屋」、肉料理レストラン「ダイニング・モー」、アンティークの「吾目堂」の大津の有力店が集結するほか、果物とジュースの販売・カフェを営む「丸二」もリニューアルする予定。シャッターが閉まった状態の店が大半の現状から、どれだけの景観の変化を遂げるのか注目が集まる。
百町物語の社長を務める芝田清邦さんは「喜び合える場所、永続性ある取り組みとして、ベースとなる百町をつくりたい。大阪の黒門市場や京都の錦市場のような名所になれば」と意欲を見せる。「町衆が立ち上がっているのが心強い」と話し、後継者を育てることを重視するという。
■私の周りでも、多くの方たちが注目されています。特に、スイーツ好きの方たちは、芦屋の有名洋菓子店「アンリシャルパンティエ」が出店することを喜んでおられます。私はよくわかっていませんが、すごく有名なようですね。引用した記事のなかにもありますが、「シャッターが閉まった状態の店が大半の現状から、どれだけの景観の変化を遂げるのか」という点に期待したいと思います。それから、もうひとつ期待したいことがあります。商店街の活性化は、広義の「中心市街地のまちづくり」のひとつの重要な柱かと思います。経済的な賑わいを生み出す活性化とともに、この地域に暮らす人びとの生活を支えるような活動等ともうまくつながっていくとよいなあと思います。さらにもうひとつ。大津の中心市街地では、浜大津で開催されてきた「浜大津朝市」を継承する形で、「こだわり大津百町市」が開催される予定になっています。そのような他の活動と「大津百町物語」との間にも、良い連携が生まれればと願っています。ちなみに、私は、「こだわり大津百町市」のお手伝いをすることになっています。
平和堂財団 第4回「夏原グラント」助成金目録贈呈式
▪︎昨日、25日(土)は、草津市のエストピアホテルで、平和堂財団 第4回「夏原グラント」助成金目録贈呈式が行われました。今年度、「夏原グラント」から助成を受ける49団体の皆さんが出席されました。「夏原グラント」とは、公益財団法人平和堂財団が、豊かな環境の保全および創造のために、NPO法人・市民活動団体または学生団体の自主的な活動に助成するものです。私は、今回から審査員をしている関係で、出席させていただきました。各団体の皆さんは、平和堂の取締役社長であり財団理事長である夏原平和さんから、助成金の目録が手渡されました。トップの写真は、東近江市や多賀町を中心に活動されている「一般社団法人kikito」の大林さんが、理事長から目録を手渡されているところです。kikitoは、これまで「夏原グラント」から助成を受けることで成長されてきました。今回は、さらにステップアップして自立した活動を展開していただくための助成です。kikitoの皆さん、おめでとうございます!!
▪︎ちなみに、「北船路米づくり研究会」も、今回、学生団体の部門で助成をいただくことができることになりました。もちろん、「北船路米づくり研究会」の審査過程では、私は関係者ということで審査からはずれております。また、他の審査員の皆さんも厳しく審査されています。どうなることかと思っていましたが、以前のエントリーにも書きましたように、なんとか助成をいただけることになりました。4年生の皆さんには、「夏原グラント」から助成を受けることができたことの意味を、きちんと3年生の皆さんに伝えて活動をしてほしいと思います。よろしくお願いいたします。
▪︎贈呈式では、懐かしい方に出会いました。秋山廣光さんです。秋山さんは、琵琶湖・淀川水系の小魚の保全に取り組む市民団体「ぼてじゃこトラスト」のメンバーですが、数年前までは滋賀県立琵琶湖博物館で水族担当の学芸員をされていました。私は、18年ほど前まで滋賀県立琵琶湖博物館に学芸員として勤務していましたので、秋山さんは私の「先輩」であるわけです。お若い頃から立派な髭をたくわえておられましたが、ますます立派な雰囲気を漂わせておられました。懐かしい方にお会いできて、私としてもとても嬉しかったわけです。ところで、髭の具合は、亡くなられた経済学の宇沢弘文先生のようでもありますね。
▪︎秋山さんとは、琵琶湖博物館の昔話しで盛り上がり、「ぼてじゃこトラスト」のことなどについても、いろいろお話しをお聞かせいただきました。「ぼてじゃこトラスト」は滋賀県の環境系の市民団体としては古く、20年近く活動を継続してこられています。ベテランの市民団体です。最近の課題は、後継者をどうして確保していくのか、また養成していくのかということなのだそうです。活動メンバー高齢化の問題ですね。そのため、小魚の保全に加えて、後継者の養成にも力を入れておられます。今回、「夏原グラント」からは、そのような後継者養成の事業に対して助成が行われます。全国の多くの団体で、世代交代の難しさをよく聞きます。なかなか難しい問題でもありますが、頑張って取り組んでいただきたいと思います。
石山駅界隈
▪︎私的な用事ではありますが、少しだけ大津市の石山にいかなければならなくなりました。本当は、自宅でひさしぶりにゆったりしたかったのですが、そうもいかず、いつもの通勤のときと同じように出掛けたのでした。JR石山駅は、龍大社会学部のある瀬田キャンパスのむ最寄りの駅、JR瀬田駅のひとつ手前の駅です。なんだかな〜…と思いながらも、しなくてはいけない用事を済ませました。
▪︎そのあとは、老母の生活介護に向かわねばならなかったのですが、少し「道草」をしてみました。石山駅界隈の「まち歩き」を少しだけしてみました。「まち歩き」は、私の「趣味」といってもよいことなのですが、最近は、全然…なんです。時間がありません。そういうこともあり、駅の向かう途中の風景を楽しんでみました。もともと、この界隈は、何度も歩いているので、私のテリトリーでもあります。しかし、しばらく歩いていないうちに、ずいぶん雰囲気が変わってきました。石山駅界隈は、現在、道路の拡幅等で、元々あった家が建て替えられ、街の雰囲気がすごく変化しています。わかりにくい表現かもしれませんが、「生活の歴史が染み込んだ風景」がどんどん消えていっているのです。
▪︎こういうとき、「街の新陳代謝のスピード」ということについていろいろ考えることになります。街は生きていますから、変化していきます。問題は、その変化のスピードです。あるいは、街のアイデンティティのようなものを保持しつつ、人が素敵に歳をとるように、街も歳をとっていけるのか…ということでもあります。「街の新陳代謝のスピード」はどうあるべきなのか、大変気になります。日本の社会は、街のストックの持つ価値をあまり評価できない社会です。文化財的な、あるいは建築学的な価値のある風景は別にして、こういう「生活の歴史が染み込んだ風景」については、ほとんど評価されません。
平和堂財団「夏原グラント」
▪︎先週の木曜日から始まった総合地球環境学研究所・奥田プロの「国際ワークショップ」ですが、私は29日(日)だけ抜けさせてもらいました。滋賀県や京都府を中心に、幅広くスーパーマーケットを展開されている平和堂が創設された「平和堂財団」の仕事を引き受けていたからです。「平和堂財団」では、2012年に平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」を創設して、NPO法人、市民活動団体、学生団体等が行う琵琶湖およびその流域の自然環境の保全活動に対して助成を開始されています。「夏原グラント」の公式ページでは、「対象となる事業は『琵琶湖およびその流域の自然環境の保全活動」で、水質保全、森林・ 里山保全、水源の森保全、河川環境保全、湖岸(葦原)保全、生物多様性保全等、内容が先進的で他の団体のモデルとなるものを対象としました」と説明されています。私は、今年度からこの「夏原グラント」の審査員をつとめさせていただいています。
▪︎これまでも、NPOによる地域活動助成の審査員等をしたことはありますが、これだけの大きな規模の助成に関する審査は初めてです。たくさんの書類を読み込み、たくさんの団体のプレゼンテーションを拝見して、他の審査員と議論をする…なかなかエネルギーのいる仕事でした。個人的には、この「夏原グラント」に応募されることが、結果として、ご自分たちの活動の目標や現在の活動状況を再点検するチャンスになっていけばよいなあと考えています。限られた紙面の申請書類や、短いプレゼンテーションだけで、自分たちの思いや考えを伝えていくことはなかなか大変だろうなと思います。こういうことに慣れておられない方もいらっしゃると思います。しかし、だからこそ、申請書類の書き方やプレゼンテーションの仕方については、十分に工夫や準備をしていただきたいのです。もちろん、すべての団体に、申請されたまま金額の助成金をお渡しするわけにはいきません。助成できるお金も上限があります。採択できない団体も出てきますし、採択されても減額ということになります。でも、頑張っていただきたいと思います。すでに書いたように、自分たちの活動の目標や現在の活動状況を再点検するチャンスにするとともに、自分たちの活動を飛躍させていくチャンスにもしていただきたいと思います。
▪︎「夏原グラント」の審査会は、大津駅前のビルで開催されました。写真は、審査員の控え室から撮ったものです。この角度、この高さから、駅前の風景を見るのは初めてでした。見慣れた風景ですが、この角度からだととても新鮮な気持ちになりました。