卒論指導

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■ゼミ4年生の齊藤くんです。私のゼミでは、それぞれが自らの調査地を決定し、その調査地でのフィールドワークをもとに卒論を執筆することになっています。そのため、個人面談を非常に重視しています。個人面談で、こと細かに、フィールドでの調査結果を聞かせてもらいます。私は、どんどん質問します。そうすることで、調査から見えてきた大切な事柄の輪郭が、しだいにはっきり見えてくるようになると思うからです。ということで、個人面談重視なのです。

■今日は、齊藤くんが卒論指導を受けにやってきました。齊藤くん、滋賀県内のフィールドワークからとても興味深い発見をしています。卒業論文に限りませんが、実証的研究においては「フィールドからの発見」がとても重要になります。「発見」をするには経験と知識もいります。そこをサポートします。この日は齊藤くんの「発見」と関連する文献も紹介しました。「文献-フィールド-指導の三角形」のなかで、少しずつ前進しています。こういう良いパターンになると、学生自身も、卒論の調査や執筆が楽しくなってきます。楽しい…というのはちょっと違うかもしれませんね。「やりがい」を感じるようになる…という方が正確かもしれません。

■私が勤務する龍谷大学社会学部のモットーは「現場主義」です。この「現場主義」をどう理解するのかは人それぞれでしょう。私自身は、講義のような座学ではなく、文字通り学生が現場でもまれながら成長していくことにこそ、この「現場主義」の真骨頂があると考えています。私のゼミでは、学生たちはネットや新聞の記事等断片的な情報から自分の調査地を選びます。自分で選んだ調査地の関係者にお話しを伺わせてもらうために丁寧に手紙を書き電話をかけます。調査地に出かけお話しを伺い、また別の関係者を商会していたただく。そして調査のたびに結果をまとめて、研究室に報告にいき、面談のなかで質問の嵐をあびて、様々なアドバイスや指摘を受けて、また調査地の赴く。卒論の原稿を執筆しながら、補足調査も行う。私自身サポートはしますが、基本的にはこの一連のことを学生1人でやってもらいます。そうすることで、「ここまでやったぞ!」と自分で納得のいく卒業論文を執筆し、自信をもって卒業していってほしいのです。また、卒論の調査・執筆の過程で、自分自身を鍛えてほしいのです。生涯学習の時代ですが、「学校」という制度で成長するのは大学が最後の段階になります。この最後の段階でどれだけ成長できるのか、学生にとって非常に大きな問題かと思っています。

■私は、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」も長年担当していますし、ゼミでは「北船路米づくり研究会」の活動にも取り組んでいます。研究会の活動にいたっては、単位も出ませんし評価もありません。こういった活動に対して、社会人の多くの皆さんは、「学生時代からいろんな体験をすることができて、今の学生さんたちは幸せですね。羨ましい」とよくおっしゃいます。こういう話しに対しては、現役の学生は嫌な顔をするのかもしれません。しかし、卒業生たちの話しを聞くと、社会に出てみて「あの時の経験」の意味がわかるというのです。まあ、自分自身を振り返ってみても思うのですが、人生とはそういうものなのかもしれません。

研究会議の打合せ

20141106yachi1.jpg ■昨日は、朝1限の講義のあと、事務仕事や4年生の卒論指導、そして大学広報の取材対応(「北船路米づくり研究会」)。夕方からは、大津の中心市街地にある町家キャンパス「龍龍」に移動しました。月1回開催されている中央地区の皆さんと「大津エンパワねっとを進める会・中央」。進める会の最後に、地域の高齢者のサロン活動や、学区の運動会を手伝うために、卒業してからもやってくるエンパワ修了生のことが話題になりました。喜んでいただいています。

■そのあとは、引き続き「龍龍」に残り、京都大学生態学研究センターの谷内茂雄さんと今週末の土日に総合地球環境学研究所で開催される研究会議のためのミーティング。研究プロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」に関するミーティングです。

■土日の研究会議で話す内容に関して、アウトラインを相談しました。そのさい、オランダで開催された「IPBES」(Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services /「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)の会議に参加してきた谷内さんから、そこでの議論に関して、話し聞かせてもらいました(谷内さんは、IPBESの報告書の執筆者)。環境ガバナンスに関して、地球の裏側(南米)からやってきた研究者が、私たちの「階層化された流域管理」の考え方と似たような問題意識を持っていたと聞いて、ちょっと嬉しくなりました。このIBPESや以前にもこのブログでふれたFuture Earth等、世界のトレンドや動きをにらみつつ、プロジェクト進めていくことになります。そのあとは、「今日も一日ご苦労さん…」ということで、ちょっとだけいつもの店、大津駅前の居酒屋「利やん」です。いや、ほんまにちょっとだけ。急遽行くことになったものですから、ちょっとしたアテの他はひたすら呑み。食事は家に帰ってから。体に悪いです〜。

20141106yachi2.jpg■谷内さんの職場の宣伝になりますが、「データベースの構築と活用から見えてきた! 新しい生物多様性のサイエンス」という市民向けの講演会が「みやこメッセ」で開催されます。写真、クリックして拡大してみてください。市民向け…というには、少々内容は小難しいですけど、サイエンスが好きな方にはね面白い内容だと思います。

■谷内さんとは、ずいぶん長い付き合いです。15年程になるでしょうか。「利やん」では、ちょっと思い出話しにもなりました。最初の出会いである日本学術振興会の未来開拓学術研究推進事業のプロジェクトや、その後の総合地球環境学研究所の以前のプロジェクト。そして、そのときにお世話になったプロジェクトの秘書であるYさんや Kさんのこと。仕事がとろくて怒られたこと…いろいろあったなと…トホホ。ということで、お2人には、facebookでメッセージも送りました。台湾の大学教員であるYさんとはfacebook上で、ちょっとした同窓会になりました。便利な世の中になりましたね。「谷内さんと一緒に、台湾で癒されたい〜」と伝えると、大歓迎とのことでした。嬉しいな〜。「実現したらいいな台湾の温泉と美味しい料理」。

大学広報の取材

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■大学の広報の一環として、来年、ある出版社から(今まところ、ある出版社にしときます…)龍谷大学を紹介するムック本が出版されるのだそうです。来年度は、農学部に国際学部が開学しますので、そのムック本の中身は、基本的にはこの2学部の内容を紹介するものになりますが、その片隅に、1ページほどらしいですが、「北船路米づくり研究会」のことが紹介されるとのことです。ということで、今日はその取材がありました。

■取材にこられたのは、ムック本の記事を書かれるライターさん、カメラマンさん、そして龍大の広報担当Sさん。取材対象は、「北船路米づくり研究会」・「地酒プロジェクト」の中心となって取り組んできたTさん。研究会が生まれた経緯については私が話しをしましたが(Tさんは研究会4期生で事の起こりを知らないものですから…)、研究会の活動の内容と「地酒プロジェクト」に関する質問についてTさんがきちんと説明してくれました。

■上の写真・左は、研究室を出た廊下で個人ポートレートを撮影中のところです。Tさん、緊張しています。写真・右は、ライターさんと職員Sさんとの打合せ風景。Sさんには、おそらく2012年の第1回「かかし祭」の時から、様々な場面でお世話になっています。Sさん、いつもありがとうございます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

【追記】■関連ページです。「米研」が、ポスターセッションで奨励賞・環びわ湖大学地域交流フェスタ2013

金才賢先生と堀昭一さんの出会い

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(本文、後で書きます)