ゼミナール
私のゼミについてのおもい…
■就職活動のさいに、企業の面接担当の方は、「大学では、どのようなことに取り組みましたか?」と、必ずといってよいほど質問されます。そのようなとき、学生の皆さんは、どのように答えますか?たとえば、「アルバイトで頑張りました」、「サークル活動に情熱をそそぎました」でしょうか。
■そのようなことに加えて、「ゼミではこんな研究課題に取り組んでいます」、「ゼミを通してこのような社会的貢献活動に取り組んでいます」と自信をもって堂々と答えてほしい。そしてゼミの仲間とともに人間的にも成長してもらいたい。それがゼミ担当者としての私のおもいです。
[size=120%]ゼミの進め方
■特別なことをやるわけではありません。ある意味、オーソドックスなものです。ゼミ(社会学演習ⅠA・B/社会学演習ⅡA・B)では、各自が研究発表をおこない、その発表の内容について全員で討論します。そのことにより、卒業論文執筆に必要な社会学的な見方や考え方をみにつけていきます。3年生の前期から学術論文等を読みこなす力(論理的な文章の「幹」を把握する力)を養いながら、同時に、プレゼンテーションする力、コメントをする力も養っていきます。もちろん、最初からスムーズに自分の研究ができるわけではないでしょう。報告のテーマや文献等の探し方、報告の仕方等についても、ゼミの時間だけでなく面談により個別に指導します。3年生後期からは、少しずつ各自の卒論のテーマを絞り込んでいきます。4年生からは、卒論の執筆に向けて、各自の研究の進捗状況を報告してもらいます。
■ゼミの仲間の報告に質問をしたり、コメントをしたりすることに抵抗を感じる人がいるようです。「せっかく準備をしてきているのに、それに、いろいろ言うことは、傷つけてしまうのではないか…」、「積極的に意見をいうと、なんだか周りの雰囲気から浮いてしまうのではないか…」といった心配からです。これは、大きな勘違いだと思います。
■大切なことは、「今日の彼の/彼女の報告、こういう点についても調べたら、もっと素晴らしい報告になるかも」、「こういう考え方はできないのだろうか。ひょっとすると、視野が広がり、彼の/彼女の研究に深みが出てくるのではないかな」といったような仲間の持っている可能性をさらに顕在化させていくために、ゼミの仲間で応援していくことだと思うのです。質問やコメントは、報告者をけなすことではなく、励ましでなければなりません。そのさい大切なことは、報告者の主張をきちんと理解し、そのポイントを的確に把握する力を自分も身につけなければならないということです。報告を聞く側にいる自分自身も、その場で、同時に、鍛えていかねばならないということなのです(ボーっと座っているだけでは意味がない…)。
■以上のように、私のゼミでは、特別に変わったことをしているわけではありません。繰り返しますが、大学のゼミとして大変オーソドックスなものかと思います。あえて特徴をいえば、ゼミの時間とは別に、個人面談を重視している点が特徴かと思います。また、「卒業論文」はフィールドワークを自ら行い執筆してもらいたいと思います。
ゼミの最終目標
■私はゼミ運営の最終的な目標を、「ここまでやったぞ!」と自分で納得のいく卒業論文を執筆し、自信をもって卒業していくことにおいています。ですから、卒論指導は時間をかけて丁寧におこないます。個別面談を重視します(面談の記録)。
■過去の先輩たちの卒業論文の題目については、以下からご覧いただけます。卒業論文のページ(このホームページのメニューバーからも見ることができます)。参考にしてください。
■そのような卒業論文とともに重要なことは、就職活動も含めた自らのキャリアをどのように形成していくのか、ということです。就職や進路に関する相談にものります。ただし、卒業論文を就職活動の犠牲にすることのないように。ともに大切にしていきましょう。卒論と就職活動は、学生生活後半における「車の両輪」です。
研究テーマやフィールドの選択
■私自身の専門は環境社会学/地域社会学/農村社会学です。環境問題、地域社会、コミュニティ、地域再生(地域づくり・まちづくり・村づくり)、自分の専門分野に近い、ないしは関連したテーマ指導が得意です。ただし、これ以外のテーマに取り組んでもらってもいっこうにかまいません。ただし、条件があります。どのようなテーマであるにしろ、フィールドワークにもとづく実証的な事例研究(ケーススタディ)により卒業論文を執筆してもらいたいということです。
■テーマとともに、具体的にどこでフィールドワークを行うのかは、面談のなかで相談しながら決定しますが、「本人」の主体性が重要になります。フィールドワークの進め方については、随時、アドバイスや指導をします。少し高く「ハードル」を設定しているようにみえるかもしれませんね。でも、大丈夫です。卒論指導は時間をかけて丁寧におこないますので、安心してください。
■多くの先輩たちは個別面談での指導を受けながら実証的な調査を進め、卒業論文に取り組んできました。時間をかけて丁寧に研究を進めれば、内容のある「あなただけ」の卒業論文を執筆することができます。心配する必要はありません。先輩たちと同様に、充実した卒論を執筆して自信をもって卒業してください。
[size=120%]ゼミの選択にあたって
■フィールドワークを通じて、地域社会の「現場」から誠実に学ぼうという意欲のある人を歓迎します。積極的に調査にでかけ、良い卒論を書きたいと考えている人に来ていただきたいと思います。卒業論文には、時間をかけてじっくり取り組んでいただきたいと思います。長い人生のなかで、卒業論文の執筆は、小さな「点」にしか過ぎないかもしれません。卒業するための通過点にすぎないように思うかもしれません。しかし、卒業論文に真剣に取り組んだ人は、その過程で自分のなかで確かな達成感を味わうことでしょう。その経験は、大変大きいと思います。「たかが卒論、されど卒論」です(これは、私がお世話になったある大先生の口癖です)。
■よく、ゼミ選択のさいに質問を受けます。こんな質問です。「このゼミでは何ができますか?」。なにやら、レストランにいって突然「この店では何を食べさせてくれるの?」と質問しているのと同じように聞こえます。「よくわからないのだけど、自分を満足させてくれることがあったらいってみて」というふうにも聞こえます。学生の皆さんの中には、自分が何を研究したいのか…よくわからないという人もいるかもしれません(現代の学生によく見られることではあります)。だから、ある意味仕方のないことかもしれません。しかし、あえていえば、「私はこういうことを研究したいのだが、先生は指導してくれるか」という質問であってほしいと思います。「自分は何に関心があり、またなぜ関心があるのか」、自分自身との対話をまずは大切にしてください。
ゼミの連絡等に…
■基本的に、ゼミ生との連絡はメールで行いますが、LINE等、それ以外の手段を使うこともあります。脇田ゼミでは、個人研究だけではなく、ゼミ活動の一環として地域と連携した活動を展開することがあります。チームで力をあわせて、2010年度から2016年度までは、農村活性化等の地域貢献活動を行っていました。その時は、ゼミ内でのゼミ生同士、同学年だけでなく3年生と4年生との間でも活動に必要な連絡をとりあっていました。2017年度以降、同様の活動をしていくかどうか、まだ未定ですが、私のゼミを選択された方達の様子を見ながら無理せずにやっていこうと思います。
ゼミの行事
■楽しい行事も大歓迎です。どうでもよいことのようで大切なのは、ゼミの飲み会等の親睦です。春には、新3年生を4年生が迎える「新歓コンパ」を開催します。かつては、伝統的に(?!)ボウリングも行ってきました(「ワッキー杯」争奪戦)。復活を期待しています。夏休みの終わり頃には、「卒業論文・中間発表会」をかねた合宿も開催していました。3年・4年合同でおこなってきましたが、現在は実施していません。もちろん、合宿は行わなくても個別指導は丁寧に行います。2月には「公開卒業論文発表会」をおこないます。その直後に4年生の「追い出しコンパ」を開催します。
■ちなみに、私(脇田)は、お酒が大好きです。突然、緊急的なコンパ(飲み会)も、時間の都合がつくかぎり参加したいと思います。ゼミ旅行などもできたらいいですね。かつては、岩手県北地域の農村を学生と一緒に訪問し、グリーンツーリズムについて体験学習を行ったこともあります。
■以下は、そのゼミ旅行(スタディ・ツアー)に関連する個人的なブログのエントリーとPDFファイルです。参考にしてください。ゼミに入って、「岩手に行きたい!!」という希望がありましたら、早めに計画を立てて、夏期休暇中にゼミ旅行にでかけましょう。
2008/8/23「岩手日報の記事-2008カシオペア連邦地域づくりスタディツアー(その3)」
2008/8/22「奥中山高原駅のマロン名誉駅長-2008カシオペア連邦地域づくりスタディツアー(その2)」
2008/8/11「軽米のゆめがもり牧場-2008カシオペア連邦地域づくりスタディツアー(その1)」
『めざせ、カシオペア連邦の大地!!』
2007/12/6「ひめがもり牛乳」
2006/9/7「いくぞ、岩手の大地へ!!(その2の予告編)」
2006/8/26「いくぞ、岩手の大地へ!!(その1)」
「北船路米づくり研究会」の活動
■脇田ゼミナールでは、2010年度より2016年度まで、大津市八屋戸にある北船路の農家の指導を受けながら、農村活性化について実際の活動から学ぶ「北船路米づくり研究会」をゼミ活動の一環としておこなっていました。2017年度、私が国内長期研究員となりゼミを担当しなかったことから、活動を終了しました。詳しくは、「北船路米づくり研究会」関連の投稿をご覧ください。2012年12月には、「北船路米づくり研究会」の公式ホームページも作成しました。現在は、活動記録ということになります。