2・3月の脇田の予定です。

■現在、わかっている範囲で、私の予定をお知らせします。随時、予定を追加していきます。

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1月24日(金):瀬田キャンパスで「環境ごたわり米」のPR活動。18時から研究会議。
1月28日(火):15時から深草で大学院委員会と大学院運営委員会、18時半からは農学部設置委員会。
1月29日(水):2限「地域社会論」の試験。午後は試験圃場監督。
1月30日(木):1限「大津エンパワねっとカリキュラム改革検討WG」会議。13時から京都大学生態学研究センターで研究会議・セミナー。
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2月1日(土):午前中、博士後期課程中間発表会(福祉学専攻)。午後は、ゼミ実習。
2月2日(日):大津市民駅伝。
2月3日(月):14時半から滋賀県庁琵琶湖環境部環境政策課の「つながり再生モデル検討委員会」。
2月4日(火):午後、脇田ゼミ公卒論発表会。
2月5日(水):午前中、他ゼミの口述試問。午後、卒論合評会。
2月6日(木):14時から「大津エンパワねっと授業担当者会議」。
2月8日(土):教授会。
2月11日(火):18時半からは農学部設置委員会。
2月12〜13日(水・木):入学試験B日程。
2月15日(土):大学院春季入試。
2月16〜18日(日・月・火):韓国出張。
2月20日(木):教授会。
2月21日(金):神戸シルバーカレッジ講演会。
2月22日(土):旧大津公会堂ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」上映で「北船路米づくり研究会」ブース出店。
2月23〜24日(日・月):岐阜県中津川市「地域づくり型生涯学習実践講座」出張。
2月25日(火):午後、大学院運営委員会、18時半から農学部設置委員会。
2月26日(水):9時20分〜12時35分、「地域エンパワねっとⅡ」オリエンテーション。13時35分から「大津エンパワねっと運営委員会」。
2月27日(木):午後、滋賀県庁琵琶湖環境部自然保護課「滋賀生物多様性戦略策定に係る専門家会議」。夕方、環びわ湖大学・地域コンソーシアム「明日の明日の滋賀を展望する調査」会議。晩、「町家でお酒を楽しもう」会合。
2月28日(金):琵琶湖ホテルで近江会の余興の練習。
3月1日(土):みつばち保育園・食育イベント。
3月2日(日):篠山ABCマラソン。
3月4日(火):琵琶湖ホテルで近江会の余興の練習。学科会議。教授会。研究科委員会。近江会。
3月5日(水):午後、滋賀県庁琵琶湖環境部自然保護課「滋賀生物多様性戦略策定に係る専門家会議」。
3月9日(日):『ソシオロジ』編集委員会。
3月11日(火):研究科執行部会議。18時半からは農学部設置委員会。
3月13日(木):教授会。研究科委員会。
3月14日(金):卒業式。
3月15日(土):大津市パワーアップ事業2次審査(公開プレゼンテーション)
3月17日(月):「大学院委員会」、「大学院運営委員会」。
3月18日(火):大津市都市計画審議会。
3月19〜23日(水〜日):中国出張。
3月25日(火):18時半からは農学部設置委員会。
3月26日(水):華中師範大学社会学院訪日団来学。
3月30日(日):東京都文京区本郷「求道館」。
4月2日(火):入学式。

感謝19,000アクセス!

■今月の1月5日にアクセスカウンターが18,000を超えました。そして、本日、18日目で19,000を超えました。いつもよりも少し短い期間で、アクセスカウンターが1,000増えました。いつもご覧いただく皆さま、本当にありがとうございます。たまたま、視てくださった皆さま、どうか今後ともご覧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。さて、今回は19,000ですから、あと1,000でいよいよ2万の大台に乗ることになります。来月には、到達できるかと思います。

滋賀県産「環境こだわり米」のPR・深草キャンバス

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■ゼミで行っている「北船路米づくり研究会」では、本日から、金曜日まで、龍谷大学の深草キャンパスと瀬田キャンパスで、滋賀県の「環境こだわり米」のPR活動をおこないます。滋賀県庁・農林水産部・食のブランド推進課からの受託事業です。本日と明日22日は深草キャンパスの22号館食堂の入口で、23日と24日は瀬田キャンパスの青志館食堂入口でおこないます。深草キャンパスで活動する両日は、補講期間であまり学生のみなさんはやってこないのでは…と心配していましたが、それなりの人数の学生のみなさんが食堂にやってこられて、なんとかPR活動を行うことができました。深草キャンパス、瀬田キャンパスともに、環境こだわり米2合入りを150円で販売しています。比良山系の蓬莱山麓にある棚田でとれたおいしい環境こだわり米です。あくまで試食用にお買い求めいただくもので、あまり量を用意していません。よろしくお願いいたします。

■「環境こだわり米」とは、農薬や化学肥料の使用量を通常の50%以下におさえ、さらに泥水を流さないなど、琵琶湖等の周辺環境にやさしい栽培方法で作られたもので、滋賀県が認証しているお米です。この「環境こだわり米」を買って食べていただくことで、消費者のみなさんご自身の水道水の源である琵琶湖の環境を守っていくことにつながります。食べることで、環境にこだわる農家を応援し、結果として琵琶湖の環境保全にも貢献できる=飲み水の源を守ることにつながる…という循環する「つながり」が、「環境こだわり米」を媒介として生まれるのです。

■「環境こだわり米」を含む「環境こだわり農産物」については、以下をご覧ください。以下のページでは、お近くのどのお店で滋賀の「環境こだわり農産物」が購入できるのかがわかります。滋賀県だけでなく、京都府、大阪府、兵庫県にもお店があります。すべて、琵琶湖・淀川水系から水道水を得ている地域かなと思います。
環境こだわり農産物~「食べることで、びわ湖を守る。」~

【追記】■翌日、1月23日(水)にも、深草キャンパスでPR活動を行いました。大量のパンフレットを受け取っていただくことができました。
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地酒プロジェクト・生原酒「北船路」のラベル完成

20140120namazake.jpg■ゼミでおこなっている「北船路米づくり研究会」からのお知らせです。研究会のなかには、いくつかプロジェクトがありますが、今回は地酒プロジェクト。この地酒プロジェクトは、研究会が開催した農村(生産者)-都市(消費者)交流イベント「かかし祭」から生まれました。学生たちによる、日本酒をプロデュースしようという試みです。その経緯については、以前のエントリーにありますので、「地酒プロジェクト」をご覧いただければと思います。

■さて、昨年の秋に北船路の棚田で収穫された酒米をもとに、大津市の酒蔵「平井商店」さんの蔵で、生原酒が生み出されます。学生たちは、平井商店さんと相談をしながら、瓶にはるラベル(350mlと4合瓶)の作成とともに、販売促進用のチラシを作成しています。

20140120tirashi.jpg■チラシはまだ完成途上ですが、ご覧いただければと思います。文章等は、すべてまだダミーの段階です。2月の下旬にはお手元にお届けできるのではないかと思います。

■販売方法ですが、お店以外でも、予約を受け付けてお手元にお届けできるようにしたいと思っています。ただし、大々的な予約受付は困難なので、龍谷大学関係者、北船路の集落関係者、いつもお世話になっている飲食店関係者の皆さま、そして「北船路野菜市」でお世話になっている丸屋町商店街をはじめとする中心市街地の皆さまを中心にさせていただこうと考えています。どうか、よろしくお願いいたします。
予約の方法については、現在、検討中です。また、お知らせいたします。

■社会学部なので農学部醸造学科のようなことはできませんが、農家と酒蔵をつなぐこと、関係をデザインすることは、社会学部の学生にもできます。そしてそのような関係から生み出された価値を、学生なりの知恵と努力で増殖させていく。学生たちが懸命に取り組んでいることに、「すごいぞ!!」と思っています。自分のゼミの学生たちですけれどね。卒論も、この勢いでやってほしいんですけどね…。

雪の瀬田キャンパス

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■昨日の午前中、瀬田キャンパス8号館で、龍谷大学社会学部の地域連携型プログラムである「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっとⅠ」報告会が開催されました。今回は、エンパワ6期生の報告会ということになります。2007に文科省の現代GPに採択され、学生が地域にでかけて地域の皆さんと一緒に課題解決を行う「地域エンパワねっとⅠ・Ⅱ」は、2008年から始まりました。ずいぶん長く、この教育プログラムを担当させていただいています。近年では地域の皆さんにも、エンパワの趣旨を深くご理解いただき、充実したプログラムに成長してきたように思います。

20140120kyoto.jpg ■さて、報告会が開催された昨日、滋賀県ではひさしぶりに雪が積もることになりました。私の自宅は奈良ですが、奈良では雪の気配はまったくありませんでしたが、電車で山科に入るころから景色が白くなり、滋賀に到着すると雪景色になっていました。幸いなことに電車は遅れることもなく、無事に報告会を開催することができました。ふだん学生たちのご指導をいただいている地域の皆さんにもお越しいただくことができました。地域の皆さん以外にも、市役所、商工会議所などに勤務されている皆さん、他大学の学生や高校生の皆さんにも、お越しいただきました。嬉しかったのは、この「大津エンパワねっと」コースを修了した先輩4人も、忙しいなか都合をさけて来てくれたことです。先輩の皆さん、ありがとう。昨日の報告会は、京都新聞の滋賀版にも掲載されました。

■こちらは、facebookに掲載されたアルバムです。facebookに登録されていない方でも登録できるはずです。ご覧いただければと思います。

第25回「北船路野菜市」

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■1月18日は、第三土曜日。第三土曜日といえば、丸屋町商店街(大津市)での「北船路野菜市」です!! 昨日は、25回目の「野菜市」が開催されました。平成11年の9月に始まったこの野菜市、毎月1回、先輩から後輩へと引き継がれ、とうとう25回目になりました。自分のゼミではありますが、学生の皆さん、立派だと思います。素晴らしい!!

■今回、北船路の協力農家から出品された野菜は、少し少なめでした。ハクサイ、ダイコン、キャベツ、青ネギ、九条ネギ、ミブナ、サラダミズナ、赤カブ、白カブ、玉ねぎ、、サトイモ…。並べた野菜のなかに赤カブがあると、なんだか華やぎますね〜。

■今日は、2015年に瀬田キャンパスに開設される「農学部」に前倒しで着任された古本強先生が寒い中、「陣中見舞い」に来てくださいました。農学部が開設されたさいには、ぜひ、いろいろコラボで地域連携をやっていきたいなと思います。
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【写真】4枚ある写真の右下。ゼミのUさん。出荷された野菜と売り上げの管理をやってくれています。いつも、ありがとう!!

「地域エンパワねっとⅠ」報告会の準備

■毎週金曜日の1・2限は、龍谷大学社会学部・地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっとⅠ」です。この「地域エンパワねっとⅠ」の報告会が、明日、1月19日(日)に開催されます。写真は、昨日のものです。報告会の準備で、必死のパッチになっている学生たちです。

■報告会は、パワーポイントを使った口頭発表と、そのあとのポスター発表の2部から構成されています。しかし、「手作り感」満載のポスター、なんだか楽しそうですね。
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「地域エンパワねっとⅠ」報告会

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■次の日曜日、瀬田キャンパスの8号館で、社会学部の地域連携教育プログラム「大津エンパワねっと」コースの「地域エンパワねっとⅠ」の報告会が開催されます。現在、学生たちは、報告会での口頭発表やポスター発表の準備に頑張って取り組んでいます。今日も、2つの学生チームが研究室に相談にやってきました。私の研究室は、書籍や資料でスペースが大変狭くなっているのですが、なんとか5名の学生に入ってもらえました。iPhone5のパノラマ機能で撮影しました。研究室の内部はこんな感じです。もう少し整理整頓&断捨離してスッキリさせないとね…。

「地域エンパワねっとⅠ」報告会

神戸の南京町

20140114roshoki1.jpg■昨日の投稿で、神戸に行ったと書きました。せっかく神戸に行ったのだから、いつもであれば、美味しい中華料理を食べて帰ろうか…ということになるのですが、夫婦とも昼間に食べた讃岐うどんが、なかなか胃袋で消化できず、そのチャンスを逸してしまいました。そのかわりに、神戸の中華街である南京町で、てっとりばやく何か買って帰ろうということになりました。

■最近の南京町は、すっかり観光客のための街になってしまったように思います。観光客の目線にあわせているといいますか・・・。あちこちで、お店の前に屋台が出ています。一種独特の雰囲気を作り出してはいると思います。比較的安い値段で、発砲スチロールの御椀にはいったラーメンや粽や肉まん、そして中華バーガー(マントウにトンポーローをはさんだもの)等を、気軽に買って食べることができます。これはこれで良いのかもしれませんが、以前の南京町とはずいぶん雰囲気が違ってきているように思います。外部の観光客のためのエリアになり、テーマパーク化した南京町には、地元の人間はあまり行かないのではないか…とも思います。地元の人間は、美味しい中華を食べさせる店をちゃんと知っていますからね。南京町、どうなっていくのかな…。

20140114roshoki2.jpg■現在の南京町の姿は、外部からの目線と、南京町の関係者による内側のまちづくりの動きとが、絡み合うなかで生まれているわけですが、観光客でもなく、関係者でもない、南京町を身近に感じてきた市民は、この町の変化をどのように感じているのかな…と気になったわけです。

■まあ、ぶつぶつ言っても仕方ありません。とりあえず、昔からよく行っていた「老祥記」という豚まん屋さんにいきました。大正4年創業です。かなりの歴史をもっています。私がよく行ったのは、高校から大学にかけての時代でしょうか。まだ、南京町もエリアが整備される前です。細い路地にお店がありました。現在は、そこは公園になっています。豚まんといっても、二口ぐらいで食べてしまえる程の大きさです。関西で豚まんといえば、「551の豚まん」ということになります。あちらはサイズも大きいし、味も日本風です。味については、なかなか比較ができません。両方とも、独特のおいしさがあります。私たちは、10個しか買いませんでしたが、なかには50個をまとめて買っていかれる方もおられました。昔から、人気があるんですよね~。

メタレベルを強く意識する

■大学院生に指導をするとき、昔、自分が院生時代に読んだ本の話しをすることがあります。たとえば、佐伯胖さんの『認知科学選書10 認知科学の方法』(1986年)です。この本の1章から4章までのところで、佐伯さんは、「メタ理論の吟味」の重要性について述べておられます。そのうち、1章はズバリ「おもしろい研究をするには」です。タテ糸、ヨコ糸、ナナメ糸という比喩的な表現を使いながら説明されています。少しだけ紹介しましょう。

■タテ糸とは、「それぞれの研究テーマに関する過去から未来へ向けての研究の歴史的な流れ」であり、「過去にどのような人がどのような主張をし、どういう反論を経てどういう変化をしたのか」といったような、「一貫した問題意識と主義主張」の系列のことです。ただし、このタテ糸だけでは研究はおもしろくなりません。そこでヨコ糸です。ヨコ糸とは、「異なる分野での同じような考え方、理論、モデル、主張」のことです。佐伯さんは、このように述べられています。

当面の研究テーマの従来のバラダイムを一応踏襲しながら、その中で、従来研究の発想の限界を飛び越えた、あたらしい研究をはじめるため、他の領域からヨコ糸をはっぱってきてよりあわせる、ということならば、それほど困難なことではない。そういう例はいくつもあるのだが、発表された論文ではヨコ糸は陰に隠されて、読み取ることがむつかしくなっていることが多い。そういう隠れたネタを探り出し、「ははん、発想はあそこから取ったな」ということをあばいてみるのは、自分の研究をすすめるときのよいヒントになる。

■しかし、タテ糸とヨコ糸だけで研究がおもしろくなるわけではありません。佐伯さんは、ナナメ糸が必要だといいます。ナナメ糸とは、「それぞれの時代のそれぞれの考え方に対する『批判』の流れ」です。というのも、「すべての研究は『何かに対する』研究であり、『闘う相手』がいるはず」だからです。

そういう闘う相手をどこまで深く、広く意識した研究であるかによって、その研究の「おもしろさ」がきまるのだといってよいだろう。つまり、対立する仮説や考え方をどこまで徹底して「つぶして」いるか、それが相手にはどこまで深刻な打撃になっているかということが読み取れたとき、人は知的に興奮をおぼえる。

■ナナメ糸とは、「自らの闘う相手=敵手」をどこまで深く認識しているのか…ということと、関係しています。もちろん、「闘う相手=敵手」とは理論的・学説史的なものですが、おわかりいただけますよね。自分が闘う相手が「自明」としている点を、その足元から揺さぶりをかける(深刻な打撃)を与えるには、それなりの鍛錬がいります。自分自身の経験、そしていろいろ指導をしてきた経験からすると、そのような鍛錬ができるようになるのは博士課程(博士後期課程)からなのかなと思います。研究者として自立・自律していくプロセスでこのような能力を獲得する必要があります。言いかえれば、メタレベルを強く意識する必要があるのです。

■学術雑誌の査読や編集作業を長年やってきました。一番困るのは、このメタレベルをきちんと意識できていない論文です。そういう論文は、とりあえず分析っぽいことをしていますが、自分自身で論文の価値をうまく浮かび上がらせることができていません。「ほんで、どないやねん!!」と、ツッコミを入れたくなるのです。一応、冒頭の課題設定の節では、それらしいことを書いてはいるのですが、さっぱり理解できません。そういう論文の多くは、自分が闘う相手=敵手がわかっていないことが多いように思います。闘う相手が設定できても、ピントはずれな議論を展開して、闘う相手に深刻な打撃を与えることができていないばあいもあります。そうすると、結果として、分析の視点は焦点化していきません。これは大変困ったことです。比喩的な言い方をすれば、出汁が効いていない料理のような感じ…とでもいえばよいのでしょうか。

■もうひとつ、困ったことがあります。それは、一見、メタレベルを意識しているようでいながら、それが「借り物」であるばあいです。師匠である先生から学問的なトレーニングを受けるなかで、武道でいうところの「型」を身につけていきます。たしかに、それはメタレベルを認識する力でもあるわけです。「型」を身につけることは、その学問の「流派」の先人たちが蓄積してきた力をみにつけることでもあります。それはそれでよいのですが、下手をすると、そのあたりが無自覚なままになってしまう危険性があります。「型」のもっている「怖さ」も同時に知らなければ、単なる先生の「モノマネ」「サルマネ」のような論文になってしまいます。先生とは、扱う対象や事例が違ってはいても、わかる人が読めば、「モノマネ」「サルマネ」の論文にしか読めないのです。時々こういう話しを聞きます。「あの人たちは、どれを読んでみても、みんな同じようなかんじの論文しか書けないのだね…」と。

■「エピゴーネン」という言葉があります。「先行する顕著な思想や文学・芸術など追随をし、まねをしているだけの人。独創性のない模倣者・追随者を軽蔑していう語」のことです。そこまでいうと言いすぎかもしれませんが、自分自身の力でメタレベルを洞察し整理してほしいのです。とってつけたような学説史の整理や、「またそういう落とし所か…」(メタレベルの金太郎飴)というような感想をもたれてしまう論文は、あまり評価できません。こちらについても比喩的な言い方をすれば、スーパーやコンビニでよく売れている化学調味料で無理矢理まとめた味…という感じでしょうか。残念ながら「おもしろい研究」とは思えません。メタレベルで闘っていない論文は、おもしろくないのです。

■大学院生の指導に関して、次は、論文の構造ということについて書いてみたいと思います。

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