映画「女になる」上映会・パネルディスカッションの開催について

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▪️私は残念ながら行けないのですが、明日、瀬田キャンパスで「映画「女になる」上映会・パネルディスカッションの開催について」が開催されます。詳細は以下の通りです

滋賀県大津市では、平成29年12月に「おおつレインボー宣言」を行い、性的指向や性自認を理由とする差別や偏見をなくし、誰もが自分らしく生きることができる多様で包摂社会の実現を目指し、申請書の性別欄の廃止や職員研修等の取り組みが進められています。しかし、LGBTの方々を取り巻く現状は、理解不足や認識の不足から生じる様々な課題が存在しており、当事者の生きづらさにつながってます。

様々な課題を解消するためにも、当事者の声や意見を直接聞く機会を設け、理解を深めるきっかけとするため、大津市と龍谷大学が連携し、映画上映会と出演者を交えたパネルディスカッションを開催します。

日 時:2018年10月13日(土)13時30分~16時30分(受付開始13時00分)
参加費:無料
場 所:龍谷大学瀬田キャンパスREC小ホール
申 込:不要(当日直接会場までお越しください)

主 催:大津市
共 催:龍谷大学龍谷エクステンションセンター(REC)

ニュージーランドの高校生のハカ


▪️ニュージーランド・ハミルトンボーイズ高校とガールズ高校の生徒の皆さんが来学されました。マオリ族民族舞踊の「ハカ(HAKA)」を深草キャンパスのステージで披露してくださったようです。実際に見学したかったな〜。

▪️ハカというと、ニュージーランドのラグビーチーム「オールブラックス」が試合前に演じることが有名です。試合前に相手に対して何か威嚇するような雰囲気がありますが、そうではないということを知りました。相手に対する敬意を表現しているのだそうです。ですから、結婚式や開会式など、様々な式典で演じられるそうです。そうか〜。恥ずかしいことに、わかっていませんでした。

龍谷大学の歴史 -Discovery Channel制作


◾️YouTubeにアップされている、龍谷大学動画です。龍谷大学の歴史が1分45秒で紹介されています。

龍谷大学の歴史は1639年に西本願寺に設けられた「学寮」にはじまります。以来370年にわたって、本学は最高の教学環境を提供することをめざし、先進的な取り組みを続けてきました。進取の気風は今も昔も脈々と受け継がれ、インターンシップ制度の拡充やカリキュラム改革など、教育体制の充実に力を注いでいます。また本学には長い歴史を通じて貴重な文献や資料が広く社会から寄せられており、それらの多くは大宮キャンパスをはじめとする各キャンパスの図書館に所蔵され、高度な教育・研究に活用されています。

◾️その他にも、YouTubeには、様々な動画がアップされています。こちらをご覧ください

大谷光瑞師遷化70年記念国際シンポジウム 「大谷光瑞師の構想と居住空間」

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◾️龍谷大学の龍谷大学世界仏教文化研究センター(RCWBC)と龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)の主催で、以下のシンポジウムが開催されます。

大谷光瑞師遷化70年記念国際シンポジウム「大谷光瑞師の構想と居住空間」

【日時】2018年10月6日(土) 9:30~18:00
【会場】龍谷大学 大宮学舎 東黌101教室

【プログラム】
〔司会〕三谷真澄(龍谷大学国際学部長)

〈開会の辞〉
(9:30~9:35)久松英二(龍谷大学世界仏教文化研究センター長)

〈基調講演〉
(9:35~10:15)入澤 崇(龍谷大学長)「大谷光瑞師のめざしたこと」

〈学術発表 セクションⅠ〉
(10:30~11:00)菅澤 茂(工学院大学研究員)「大谷光瑞師と建築空間」
(11:00~11:30)和田秀寿(龍谷ミュージアム学芸員)「二楽荘と神戸大港都構想論-大谷光瑞師がめざした神戸への思い」
(11:30~12:00)市川良文(龍谷大学文学部)「管見三夜荘」

〈学術発表 セクションⅡ〉
(13:00~13:30)柴田幹夫(新潟大学)「中国における大谷光瑞師の動向」
(13:30~14:00)加藤斗規(別府大谷記念館)「旅順大谷邸及び大連浴日荘」
(14:00~14:30)陳 祖恩(上海東華大学)「光瑞師と上海別院・無憂園」

〈学術発表 セクションⅢ〉
(14:50~15:20)黄 朝煌(国立高雄大学前研究員)「台湾・逍遥園と修復事業」
(15:20~15:50)イムレ・ガランボス(イギリス・ケンブリッジ大学)「欧州における大谷光瑞師の構想と居住空間」
(15:50~16:20)エルダル・キュチュキュヤルチュン(ボアジチ大学)「トルコにおける大谷光瑞師の構想と農業」
(16:20~16:50)掬月誓成(別府大谷記念館)「別府・観光都市計画と晩年の大谷光瑞師」

(17:00~17:30)〈コメント〉
(17:30~18:00)〈質疑応答〉
〈閉会の辞〉楠 淳證(龍谷大学アジア仏教文化研究センター長)

※上記発表者・発表題目は変更になる場合もあります。
参加無料 (参加希望の方は、下記までお名前と参加人数をお知らせ下さい)
barc@ad.ryukoku.ac.jp

主催
龍谷大学世界仏教文化研究センター(RCWBC)
龍谷大学アジア仏教文化研究センター(BARC)
連絡先 龍谷大学アジア仏教文化研究センター
TEL (075)343-3811

2018年度「創立記念・親鸞聖人降誕会法要」

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■昨日は、龍谷大学の創立記念日でした。大宮キャンパスでは、2018年度「創立記念・親鸞聖人降誕会法要」が挙行されました。浄土真宗本願寺派・西本願寺に隣接する大宮キャンパスは、大学発祥の地でもあります。写真に写っている建物は、大宮キャンパスの本館です。1879(明治12)年に竣工した、大宮キャンパスのシンボル的建物です。国の重要文化財にも指定されています。この本館を中心とした大宮キャンパスに来ると、「場所の力」を強く感じます。気持ちがピシッとするのです。そして同時に、とても心が落ち着き安らぎます。そのことが写真からも伝わるでしょうか。法要では、入澤崇学長の法話を、教職員の皆さん、同窓生の皆さんと一緒にお聞きしました。大宮キャンバスでの法要の後は、深草キャンパスに移動しました。真宗佛光寺派大行寺住職の英月さんの記念講演「人生は素晴らしい」をお聞きしました。こうやって創立記念日の行事に参加するって、とても大切なことですね。といいますか、私立大学の教職員にとって、こういう行事に参加して「建学の精神」を毎年きちんと再確認することは必要なことだと思います。

■法要の後は、大学生協の食堂で祝賀会が開催されました。龍谷大学はキャンパスが3つあり、他キャンパスの教職員の皆さんには、なかなかお会いすることはありません。こういう祝賀会のような場は、本当にありがたいものです。祝賀会の後は、別の場所に移動して教職員の皆さんと飲みながらいろんな話をすることができました。結局、二次会、三次会と続き、気がついたら四次会になっていました。さすがに、飲み疲れました。また、最後の方は何を話しているのか記憶も曖昧です。いけませんね。こういう飲み方は。とはいえ、創立記念日ですから。

「卒業生との勉強会」(キャリアセンター主催)

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20180206setubun1.jpg■2月3日のことになりますが、深草と瀬田キャンパスで、「卒業生との勉強会」(キャリアセンター主催)が開催されました。私のゼミを昨年の春に卒業したKくんも、在校生に自分が勤務している職場や就職活動等についていろいろレクチャーしていたようです。キャリアセンターからは「Kくんがやってくるので、『勉強会』が終わった後の懇親会にぜひ出席してください」との連絡がありました。キャリア主任ではありませんが、せっかくですので私も出かけてみることにしました。そうすると、「勉強会」が終わったばかりのKくんにたまたま出会うことができました。ところが、「お父さんの代わりに地域の会議に出なくてはいけないので、懇親会は出られない」というのです。あら、残念ですね。でも、仕方がありません。地域の会議にも、お父様の代理出席ができるようになったんですね。チラリとでもKくんに会えてよかったです。

■懇親会では、「大津エンパワねっと」で指導した社会学部のHさんやDくんと会うことができました。病院のメディカルソーシャルワーカーや福祉施設の相談員として活躍している様子でした。もう卒業してから6年経つそうです。社会人として働き始めると、みんな大人になりますね。喋り方、話しの内容、表情、立ち振る舞い…。「大人の雰囲気」「大人のオーラ」があふれています。それから、指導はしていませんが、原田先生のゼミ生だったTさんが挨拶に来てくれました。「facebook上での原田先生とのやりとりをいつも拝見しています」とのことでした(そうか、油断できんな…)。Tさんは鉄道会社に勤務されているそうです。そのうちに車掌や、試験に受かる必要がありますが運転士の仕事もやるのだそうです。わたくし、少し「鉄」が入っていますので、「おっ!すごい」「かっこいい!」と思ってしまうわけですけど(^_^;。短い時間でしたが、卒業生の皆さんと交流できました。教員は、卒業生と会って話す機会がもっと必要ですね。今日は、そう思いました。ゼミの同窓会は時々卒業生が開催していますが、学部単位でもっとこういう機会があればと思いました。

■帰宅後は、節分ということで恵方巻きをいただきました。いつから恵方巻きなんて言い出したのでしょうね。ここ20年ほどのことだと思うけど、すっかり定着したみたいです。いつもは買っているんですが、今年は我が家で恵方巻きを作ってくれました。海鮮の太巻きです。カットしてあるのは、海鮮抜きになります。海鮮の太巻き1本をいただくと、もうお腹いっぱいになりました。

職員の皆さんのSD活動「討論会」

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■一昨日、所属する社会学部の課長さんから教員宛のメーリングリストで、来月、昨今の大学改革との関連でいろいろ話題になっている、近畿大学の総務部長・世耕石弘さんが本学に講演に来られるという情報が届きました。そのメールの下の方に、創立400周年になる2039年の本学の大学の展開について、討論会(ディベート)するから来てください…とも書いてありました。2039年というと、21年先のことになりますね。私は後9年で退職しますし、21年先というと80歳を超えています。生きていられるかどうかも、わかりません。そのような先のことではありますが、素朴に面白そうだと思い、昨日、大学本部のある深草キャンパスに出かけました。

■よくわかっていなかったのですが、職員の皆さんのSD活動(Staff Development)の一環として取り組まれている自主的な研究会「龍谷未来塾」が主催した討論会でした。SD活動とは、大学事務職員の能力(企画・運営能力)および資質の向上を図ることを目的に取り組まれる活動のことです。一昨日いただいたメールには、「ご興味のある方は、是非ご参加ください」とあったので出かけたのですが、そんなところに現れる教員は私しかいませんでした。おっちょこちょいですね…。私としては、なんとも場違いなところに来てしまったとアウェー感をビシビシ感じつつも、職員の皆さんの日々の研鑽についてもビシビシ感じ取ることができたので、とても良い機会になりました。こうやって日々研鑽を積んでいる職員の方達が、学内様々な部署で勤務されていることについても、素敵なことだなあと思いました。

■さて、討論会ですが、ディベート形式ですので、与えられたテーマに対して賛成派と反対派の2チームに分かれて徹底して討論するということになりました。参加された若い職員の皆さんが、職務以外の時間に相当リサーチをして討論に臨まれていることがわかりました。大学が抱える様々な課題を乗り越えていくためには、建学の精神を具現化するブレのない具体的なアプローチとともに、財政的な問題や、当該の課題を取り巻く国の政策や社会状況等を、同時に視野に入れながら考えていかなければなりません。今回のテーマは、かなり難しいものでした。でも、チャレンジングなテーマで面白かったな。

■討論会に参加された若い職員の皆さんたちは、先輩の職員の皆さんに鍛えられているなあと思いました。若い職員の皆さんの討論を見守る管理職の皆さんのコメントにも感心しました。管理職の皆さんのご発言は、それぞれの勤務されている部署の立ち位置から見えてくるご指摘でした。討論会、先輩である管理職のコメント、いずれも教員の私にとって勉強になりました。

■2039年。どういう時代なんでしょうね。「人口減少社会」、「超超高齢社会」、「多死社会」、「100歳時代」…。未だ人類が経験したことのない社会が訪れます。2030年で3人に1人が高齢者になるという予測があります。死ぬ直前まで元気に働き、生活が成り立つだけの収入もあり、医療や福祉もそれなりに充実している…そんなことはおそらく不可能です。そのような時代の「生老病死」とは、どのようなものなのでしょうか。現在、平均寿命は伸びてはいても、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間、すなわち平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約13年といわれています。2039年には、この健康寿命はどう変化しているのでしょう。その時の経済力によっても、健康寿命には差が生まれてくるような気がします。

■そのような時代に、龍谷大学はどのように大学を展開して行けばよいのでしょうか。現在においても、人生の最期の段階で、肉体的な苦しみを緩和する「医学」と、最後の段階の生活のQOLを支える「福祉」と、自分が死んでいくことの意味を支える広い意味での「宗教」は、うまくつながっていません。その間をつなごうと、様々な努力が行われていますが、私には十分だとはとても思えません。「医学」「福祉」「宗教」の分離した現在の状況が、2039年には緩和しているのでしょうか。私にはよくわかりません。わかりませんが、その時代の「生老病死」にきちんと向かい合い対応できる人材養成をできる大学であって欲しいと思います。もちろん、そのことが龍谷大学だけでできるわけではないでしょう。学外の様々な組織との連携は不可欠です。そのような連携を促進するような法制度ができるているのか、それも私にはわりません。わからないことだらけですね。しかし、その時代の「生老病死」を支える「共助の仕組み」、多様な主体と連携しながら地域に展開していけるような、そのような大学であって欲しいと思います。それでこそ、浄土真宗の宗門校である龍谷大学だと思うのです。

世界仏教文化研究センター公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」

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■2月11日に、龍谷大学の世界仏教文化研究センターが開催する公開研究会「人類知のポリリズム―華厳思想の可能性―」に参加します。中沢新一さんや、臨床心理学の河合俊雄さんが講演をされるからでしょうか、すでに定員はいっぱいになり申し込みは締め切られています。コーディネーターは、センターの博士研究員である唐澤太輔さんです。唐澤さんは、今回の開催趣旨を以下のように述べておられます。上記のチラシの裏側のメッセージ、読みづらいと思いますので、ここに改めて書き起こしておきます。ずいぶん以前のことになりまずか、講演をされる河合俊雄さんのお父様、河合隼雄さんと中沢新一さんとの対談を本で読んださい、お二人が華厳経や曼荼羅について語り合っておられたように記憶しています。『仏教が好き!』(朝日出版社)です。

華厳思想は、大きな可能性を秘めています。
現代において、それは、仏教の枠を超え、現代哲学、深層心理学、量子力学、アートなど、様々な視座から捉えなおされようとしています。
華厳思想の「在り方」は、重々無尽に異なる複数の拍子が重なり合うポリリズム(複音)のようです。私たちはまるで心地よいリズムに導かれるように、この華厳思想の研究を開始しました。そして現在、仏教学のみならず、人類学、哲学、心理学的視点を盛り込んだ多角的・複合的な研究を行っています。

華厳思想には、人類の営為における重要な通奏低音が隠されているのではないでしょうか。その重々無尽の知は、分断・分裂・孤立が目立つこの現代社会における大きな指針となり得るのではないでしょうか。自然破壊や人間同士の関係の断絶が目立つ今、動的かつ柔軟な、すなわち華厳的な「つながり」を見直すことは急務だと思われます。

今回は、思想家・人類学者の中沢新一氏(明治大学野生の科学研究所所長)と臨床心理学者の河合俊雄氏(京都大学こころの未来研究センター教授)をお招きし、若研究者を交えた公開研究会を開催いたします。

<第一部>では、龍谷大学所属の若手研究者3名による研究発表を行います。まず、知の巨人と言われた南方熊楠の生命感と華厳思想とのかかわりについて、唐澤太輔が発表します。次に、明恵による夢記に見られる華厳思想の影響と意味について、野呂靖氏が発表を行います。最後に、東アジアの密教と華厳思想の結びつきについて、亀山隆彦氏が発表します。

<第二部>では、まず、河合俊雄氏から、現在の臨床心理学、特にユング派心理療法と華厳思想のつながりについてご講演いただきます。次に、中沢新一氏から、華厳思想をベースとした「レンマ学」とはいかなる学かについてご講演いただきます。

<第三部>では、発表者によって「華厳研究のこれから」と題したディスカッションが行われます。
本研究を通じて、ご来場のみなさまと、華厳思想から現代を捉え直す根本的な意義などについて考えていくことができれば幸いてです。

■河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『仏教が好き!』(朝日出版社)の最後の章に、「大日如来の吐息-科学について」というタイトルの章です。この章を少し進んだあたりから、量子論のマトリックスの話しから胎蔵界曼荼羅へと話しは展開していきます。私が最初にこの本を呼んだ時に気になり、ずっと記憶の中に止まっている部分です。

(中沢)曼荼羅は一つ一つの細部には神様が配置されていて、それぞれが自由な動きをしていますが、その動きは全体に及んでいき、また自分も全体のほうから影響を受けつつ、変化いしていきます。ですから、曼荼羅には中心に立って、全体に号令を出して動かしていくものはいません。そういうものがあるとしたら、曼荼羅のさらに奥のヴァーチャルな全体性しか考えられません。それをとりあえず、大日如来と呼んでいますが、この方は宇宙の根本とされる、密教で最高位にある仏様なんですが、曼荼羅のプログラマーじゃないんですね。

(中沢)曼荼羅の内部では、一人ひとりの、どんな細部に潜んでいる小さな神様も、それぞれが勝手に動いています。しかしその一人ひとりの動きは、ただちに全体につながっていきますから、勝手に動きながら、真ん中にいる大日如来の意図とシンクロニシティー(同時性)の関係で結ばれていることになります。

(河合)だから「統一理論」という考え方自体が間違っているかもしれない。「曼荼羅」は調和しているけれど統一ではない。
(中沢)一人ひとりは好き勝手いに動きながら、シンクロニシティーの原理で通信をおこなって、全体調を保ちながら、自律的に動いているわけです。こういうの、いいですね。河合隼雄的でしょ。
(河合)それが僕の理想像です。
(中沢)しかも通信手段は、大日如来のポワーッという煙の動きで。

■このような話しを読んで、当時、流域管理に関する文理融合の研究プロジェクトに関わっていた私には、ピンとくるものがありました。特に、流域と限らなくても良いのですが、ここで語られていることは、重層化された、多様な空間スケールを入れ子状に含む環境を、それらの空間スケールに分散した多様な主体がコミュニケーションを行いながら維持していくための人-社会-環境のイメージを与えてくれるように思えたからです。空間スケールを超えて、主体間に対称性がどのように成立しうるのかということであり、言い換えれば、究極の環境ガバナンスとはどのようなことなのか…といった問題とも関連しています。

■このようなことを言うと、「はあ? 何を言っているんだ」と思われるでしょうね。しかし、以前に出版した『流域環境学 流域ガバナンスの理論と実践(和田英太郎 監修/谷内茂雄・脇田健一・原雄一・中野孝教・陀安一郎・田中拓弥 編,2009,京都大学学術出版会)の通奏低音として流れている原理的発想は、ここで河合さんと中沢さんが語り合っておられることと、どこかでシンクロしています。と言いますか、この本の企画を考える際に、私の念頭にあったことのひとつは、この河合さんと中沢さんが対談で語られている内容だったのです。そしてあえて、もうひとつあげるのならば、中沢新一さんが『蜜の流れる博士』もそうかもしれません。もちろん、この上記の公開研究会の中で語られるキーワード「ポリリズム」(複音)とも関係してきます。

【参考】■上記の公開研究会に関連して、以下もお読みいただければと思います。
「南方曼陀羅」と『華厳経』の接点 (唐澤太輔 龍谷大学仏教文化研究センター)
公開講座:南方熊楠の新次元 第三回「明恵と熊楠」レポート

学長のツイート

20171204irisawa.png■2015年4月から2017年3月までの2年間、研究部長を務めていました。龍谷大学の研究部で教員部長として、事務職員の皆さんと一緒に働いていました。その2年間、「研究広報をもっとやろう!! 組織的に展開して、頑張って研究に取り組んでいる人(この場合は、非常に広い意味での研究で、龍大らしさを具現化しているような研究)に光をあてて、龍大の持っている可能性を顕在化させ、評価を高めよう!!」と言い続けてきました。しかし、現実は、なかなかそのような私の思いのようにはいきませんでした。外部資金の獲得とその会計処理のことばかりの2年間でした。加えて、研究倫理に関する制度を整備したり、そして長期・短期研究員の制度を再編したりと、様々な課題がありました。

■新たに研究部の目標を提示しても、マンパワーが足らないこともあるのでしょうが、実現に向けて動き始めることはほとんどありませんでした。非常に残念でした。研究部は研究経理部ではありません。その辺りのことを、きちんと考えないといけないわけです。部長としての私の力が及びませんでした。昨年のことになりますが、このことに関連したこと、学長に就任される前に入澤先生にお話しいたしました。確か、大学の第5期長期計画の2期中期計画のヒアリングの時でした。

■さて、今朝のことになりますが、Twitterで情報発信をされている入澤学長が、以下のようにツイートされていました。このような情報発信をされることのないように、昨年までに研究部長としてきちんと情報発信の事業で成果を出すことができていればよかったのですが。入澤先生のかなり厳しい雰囲気のツイートを読んで、申し訳ない気持ちとともに深く反省いたしました。

龍谷大学ならではの研究プロジェクトがいくつかありながらも、それらを社会に向けて発信することができていない。昨日他大学の先生からも、どうして発信しないのかと質問を受けた。大学のブランディングということを言っているけれど、建学の精神と研究の中身に対する関心があまりに低い。

■Twitterを通して、入澤先生からは、「先生のお気持ち、十分にくみとっております。早急に、広報・研究部と話し合いの場をもち、いい方向に進めてまいります」とのお返事をいただきました。関係される皆さんのご努力で、頑張って取り組んでいただきたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。では、どうすれば良いのか。まずは、研究広報の必要性を深いところから理解することが前提です。ここでは具体的には書けませんが、対案があります。もっとも、関係部署の方達が、「何で、そんなことをしなくてはいけないのだ」と思っている限りは実現しません。このような内容をあえてこのブログに書くことの意図を、どうかご理解いただければと思います。

■ところで、入澤先生のTwitterを読んでいる人たち、非常にたくさんおられます。私の知り合いも入澤先生のTwitterのファンで、「いつもハッとさせられています」と言っています。ぜひ、ご覧ください。

龍谷ミュージアム特別展「地獄絵ワンターランド」

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▪︎土曜日の東京で研究集会のあと、懇親会が開かれました。少々飲みすぎました。東京に出張する前、研究集会に合わせて「国立歴史民俗博物館」の企画展「「1968年」-無数の問いの噴出の時代-」を観に行こうと思っていました。しかし、この企画展、始まるのは11日からだということが、東京に行ってから分かりました。それじゃということで、代わりに、以前から一度は行きたいと思っていた「目黒寄生虫館」に行こうかどうしようかと思案している時に、ふと頭に浮かんできた。「そうだ!京都行こう!我が大学の博物館、龍谷ミュージアムの特別展「地獄絵ワンダーランド」に行こう!」。

▪︎というわけで、やってきました「龍谷ミュージアム」。いつもよりも、たくさんの来館者が来られていました。ものすごく賑わっているではありませんか。びっくりしていると、たくさんの来館者を眺めらがら喜んでおられる木田先生(館長)が、笑顔で迎えてくださいました。木田先生とは、私が社会学研究科長として学内の会議である全学研究運営会議の場や、研究部長として部局長会議で報告するときなど、学内の仕事でいろいろお話しをさせていただきました。いろいろ教えていただきました。そんなこともあり、笑顔でお迎えくださったのです。

▪︎龍谷大学の教員ですから、もちろんこの特別展のことは知っていましたし、大変気になっていました。絶対行かなくちゃと思っていました。本当に、いろいろ工夫されている特別展です。驚いたことは、ミュージアムの方で、この特別展に合わせてTwitterのアカウトを取得し、地獄の閻魔大王が自らツイートするという設定で、次々と情報発信をされています。この特別展がとても面白いことを予感させるようなツイートです。入り口には、トップの写真のような顔出し看板もありました。木田先生から、「やってみてはどうですか」と促されました。ということで、昨日の懇親会で飲み過ぎたことを、閻魔大王の帳簿の中に下手な字で書き込みました。「昨晩のみすぎました〜」。私の白状した罪です。ということで、私の地獄行きが決定しました!!
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▪︎さて、展示を観覧する前に、館長室で木田先生からいろいろご説明を受けました。この特別展の企画のポイントのようなことを、お聞かせいただきました。その上で、3階から順番に展示を見て行きました。私は博物館に解説のためのレシーバーがあるときは、必ず使用することにしています。展示に対する理解がより深まるからです。今回、レシーバーから聞こえてきた声の主は、プロの落語家さんでした。月亭天使さん。龍谷大学の卒業生です。落語家が、面白く展示解説をしてくださっているのです。こういうところにも、この特別展のユニークさがあります。素晴らしい。とにかく、いろいろ面白さを工夫してある特別展です。ぜひ、ご来場ください。特に、龍谷大学の関係者にはご覧になっていただきたいと思います。このミュージアムについて何か語るのならば、まずはこの特別展にいかないとね。

▪︎ところで、このような特別展の面白いアイデアって、どこから生まれてくるのでしょうね。ミュージアムの課長さんにお聞きしたところ、学芸員の皆さんと事務職員の皆さんが、アフター5に一緒に飲みながら楽しみながらアイデア出しをされているのだそうです。一般に、博物館では学芸員と事務職の間に溝があったりするのですが、「龍谷ミュージアム」って両者の仲がとても良い素敵な職場のようです。

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