滋賀県長浜市早崎町での「社会調査実習」
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(国土地理院提供 写真)
◾️8月25日(土)・26(日) 長浜市早崎町で龍谷大学社会学部社会学科の「社会調査実習」(脇田班)を受け入れていただきました。お話しを伺わせてくださった早崎の皆様、コーディネートして頂いた松井 賢一さんには、心より御礼申し上げます。
◾️上の2枚の写真。同じ早崎町のあたりを撮影したものですが、随分地形が異なっていますね。左は、1961年に撮影されたものです。右は、現在のGoogle Mapです。じつは、早崎内湖は、1964年から1971年にかけて、県営の干拓事業によって農地になりました。では、早崎内湖はいつ頃から存在しているのでしょうか。こんな質問をすると、「それは、歴史以前のずっと前からそうなんじゃないの」と思う方もおられるかもしれません。現在の琵琶湖が出来上がったのが40万年前ですから。しかし、そのような地学的な歴史と比較すると、早崎内湖が「誕生」したのは、じつは比較的「最近」のことなのです。「最近」というと誤解を生みますね。正確にいえば、明治時代です。明治時代に、治水事業の一環として南郷に洗堰が建設されました。
◾️1900年(明治33年)から瀬田川改修工事が着工されました。瀬田川の川底を掘りさげ、川幅を広げ、川に突き出た小さな山を爆破し、琵琶湖からの水が流れやすくしたのです。加えて、1905年(明治38年)に洗堰を完成させ、この洗堰の開閉によって水の流れを調整できるようにしたのです。このような改修工事により、琵琶湖の水位は低下し、「水込み」と呼ばれる琵琶湖の水位上昇による浸水水害が軽減され、下流の治水利水にも大きな影響があったといわれています。早崎内湖は、この改修工事の結果として、早崎内湖は誕生しました。沖にあった砂州が推移低下により浮上し、そこにさらに砂が堆積することの中で、上左のような内湖が出来上がったのです(これは、国土地理院が提供している空中写真です)。内湖とはいっても、琵琶湖の周囲にあった他の内湖と比較すると、北側が琵琶湖に向かって大きく開いていることがわかります。内湖とはいっても、湾のような感じなのです。少し、脱線しますが、それぞれの内湖には、それが生まれてきた自然の歴史があり、そこに人が関わることで、人と内湖との相互作用による環境史が存在しています。そのことを無視して、多様な内湖を「十把一絡げ」的に取り上げることには、少し違和感を持ってしまいます。まあ、そのような問題については、別の機会に。
◾️話しを「社会調査実習」に戻しましょう。今回は、早崎で5名の方達にお話しを伺いました。1日目は、午前中に現在の農業政策と農家に対する補助事業に関して説明を受けました。午後は、今説明した、早崎内湖が明治時代の治水事業(南郷の洗堰建設)による水位低下と土砂の堆積によって生まれたというお話しから始まり、早崎の暮らしが魚と米と蚕の3つの「生業複合」により成り立ったいたこと、内湖の湖辺に誕生したヨシ群落の入札のこと、そのような「生業複合」が高度経済成長期の就業構造の変化や干拓事業の開始とともに消えていったことを伺いました。加えて、干拓地では、干拓地特有の営農の困難さがあり、米価の低下と減反政策に加えて干拓地の管理費用にも苦しんできたこと。その後のリゾート計画の撤回、突然の内湖再生事業、そしてビオトープの活動等についても伺いました。翌日は、「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策(多面的機能支払い)」と「魚のゆりかご水田プロジェクト」のことについて説明を受けました。早崎では、「魚のゆりかご水田プロジェクト」に取り組むにあたり、早崎の事情に適した独自の「一筆魚道」を開発されていますが、それをどのように設置するのか、実際の「ゆりかこ水田」に出かけて実物の魚道を使って説明していただきました。
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◾️学生の皆さんは、早崎町の公民館でお話しを伺いました。左は、1日目の午前中、コーディネートをしてくださった松井賢一さんから、農業政策と農家に対する補助事業に関してお話しを伺っているところです。右は、1日目の午後、早崎町で内湖があったことろ漁業をされていた倉橋義廣さんからお話しを伺っているところです。倉橋さんは、「早崎ビオトープネットワーキング」の会長もされています。
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◾️私が担当する「社会調査実習」を履修している学生さんは、今年は6名。農村や農業と少しでも関係している人がいれば良いのですが、皆んな農業の事に関して、まったく知識がありませんでした。前期の授業では、農業のこと、特に滋賀県の農業のことや、「魚のゆりかご水田プロジェクト」に関して事前学習をしてきましたが、やはり現場に来てみると情報の多さと深さに「溺れそう」になりました。学生の皆さんは、自分たちにあまりに知識がないことを深く反省されていました。それでよかったかなと思います。あとで、補足の指導もさせてもらいます。写真は、現代の機械化された農業がどのようなものなのかの一端を知るために、農家の倉庫で様々な農業機械を見学させてもらっているところです。
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◾️左の写真、遠くに伊吹山が見えます。ここは、元々、早崎内湖だったところです。干拓地ですので、周囲よりも(琵琶湖の湖面よりも)低いということになります。干拓地の地面は元々内湖の湖底ですから、そこに出来上がった水田はとても泥深くなります。農作業をする際には、大変なご苦労があったようです。また、干拓地の中に溜まった水は、ポンプで汲み出さなければなりません。その費用も必要になります。米価がどんどん高くなっていく時代であれば別ですが、現在のように米価が低迷して、「作るだけで赤字になるかも…」という状況では、そのような費用も大変な負担になります。実際、この干拓地の中には、営農を中止し、草木が生えるママになっているような水田もありました。食糧難、米不足ということで始まった干拓事業ですが、干拓事業が終わると、米が余ることから減反政策が始まりました。農地の維持が大変な負担であることから、リゾート開発が全国各地で始まった時には、ここにゴルフ場を建設するという計画も浮上しました。その計画は頓挫しました。そのあとは、干拓地に内湖をもう一度再生する滋賀県の事業が始まりました。営農に苦労している農地を全て滋賀県が買い取ったのかといえば、予算等の関係から、全てではありませんでした。この辺りのことは、これとはまた別の投稿で説明することにしようと思います。
◾️右の写真は、「魚のゆりかご水田プロジェクト」が取り組まれている圃場です。もちろん、魚道が設置されるのは、ニゴロブナやナマズといった魚が産卵に来る春ですから、夏である現在は取り外してあります。「それでは、学生の皆さんはよくわからないだろう」ということで、わざわざ魚道をこの圃場にまで運んで取り付け方を説明してくださいました。
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◾️軽トラックの荷台に乗っているのが、早崎で開発された「一筆魚道」です。この魚道を作成されたのは、「早崎農地水守ろう会」の事務局長である中村彣彦さんです。早崎町が「魚のゆりかご水田プロジェクト」に取り組むのは、今年で3年目になります。1年目は、今とは違う、階段型の魚道を、圃場の排水溝のあたりを掘って埋め込む方式でした。その埋め込み作業には、大変な手間と時間がかかりました。そこで2年目からは、中村さんはこのような塩ビのパイプを使い、簡単に設置できるように新しい魚道を開発されました。しかも、一つ一つの圃場の排水口の形状や高さが違うことから、どのような場合にでも対応できるように改良が加えられました。
◾️早崎の「一筆魚道」は、2つのパーツから構成されています。ひとつは、排水路側に設置する部分です。排水路に出ている排水パイプにジョイントを使って接続します。もうひとつは、圃場の内側に設置します。圃場の排水溝に上から埋め込む簡単な作業が必要ですが、大掛かりな作業ではありません。このような改良を加えた「一筆魚道」を開発することで、「魚のゆりかご水田プロジェクト」に取り組む際のハードルも、随分低くなったのではないかと思います。
◾️おそらく学生たちにとっては、受け止めるのが困難なほど大量の情報だったと思います。また、伺った内容も、専門的なことが多く、事前学習をしてきたとはいえ、消化不良のところもあろうかと思います。学生たちは残りの夏休みで、伺ったお話しの文字起こしと格闘します。後期の授業では、まず今回の実習の振り返りと補講を行いたいと思います。そのような補講を済ませた後、今回の聞き取り内容に関して分析を進めていきます。また、補足調査も実施します。特に、干拓後の農地での営農の大変さを、農作業や経費の観点から伺おうと思います。
◾️今回は、早崎のリーダーの皆さんにお話しを伺いましたが、若い農家にも簡単にお話しを伺うことができました。お父様の農地を使って、トマトのハウス栽培に取り組む方です。滋賀県では珍しいと思いますが、専業農家です。ビニールハウスでトマトを生産し、販売等に関して経営的な工夫もしながら農業に取り組んでおられます。専業農家として家族も養っておられることからもわかるように、高い収益を上げておられるのだと思います。このような若い農家からお話しを伺うと、先輩の農家とは別の価値感に基づいて農業に取り組んでおられることがわかります。自営で仕事がしたかったので、家に農地もあることから農業に取り組むことにされた…とのことでした。家を守るとか、家産である農地を守るとか、そういう発想で農業に取り組まれているわけではありません。家業というよりも、ビジネスとして取り組まれているのです。私ぐらいの年代の農家は、長男でだから、昔の分類でいうと第二種兼業農家として村に残り、家を継ぎ、家産を義務として守るという傾向が強かったわけですが、今はそうではないのです。
◾️もう一つ、書いておかなければならないことがあります。それは、晩の「交流会」のことです。1日目の晩に、お話しを伺った皆さんとの交流会を持つことができましたて。その交流会の中で、学生の皆さんたちは早崎の皆さんと「盃の交換」をさせていただくことができました。民俗学に関心がある方はご存知かと思いますが、地域によって「烏帽子親」と呼ばれる行事がありました。これは、擬制的親子関係と説明されています。昔、成人(元服)した時に、初冠と称して烏帽子を着ける儀式を行いましたが、その際地域の有力者に烏帽子をかぶせてもらい、その方の庇護を期待したことから、そのような呼ばれているのです。この儀式では、「盃の交換」が行われます。もちろん、昔は男性が成人する際に行われる儀式ですが、現在では男女に関係なく(笑)、村のリーダーの皆さんと「盃の交換」をさせていただくことができました。もちろん、「これで早崎の社会調査実習は間違いなく成功」…というわけにはいきません。学生の皆さんには、さらに頑張って実習に取り組んでいただくことになります。
◾️帰宅後、この「社会調査実習」のことをfacebookで報告したところ、経済学部の農業経済の教員の方から、2年生のゼミで学生の皆さんに調査実習の成果を報告してほしいとの依頼がありました。さて、どうなることでしょう。学生の皆さんには、頑張ってほしいと思いますけど…。どうなるやろ。
【追記】◾️農家は、経済活動としてこの「魚のゆりかごプロジェクト」に取り組んでいます。農家がこのプロジェクトに取り組むのは、プロジェクトに取り組むことで収入が向上するからです。この「収入の向上」は、プロジェクトを進めていく上で、いわば「必要条件」ということになります。もちろん、湖岸の農家は、農業を主生業にしながらも、簡易な漁具(モンドリやタツベ等)を使って、「オカズとり」と呼ばれる自給を主たる目的とする漁業にも携わっていました。ですから、魚の水田への俎上を楽しみにしていること、プロジェクトに取り組む動機の一つとしてあげても良いかと思います。また、プロジェクトの中で世代間や村人同士の交流が生まれるわけですが、それを楽しみにされているところもあります。これも重要なポイントです。これは、「十分条件」ということになります。個々の集落でプロジェクトに取り組むか否かの意思決定の中では、この「必要条件」と「十分条件」を視野に入れながら、その他にも、頑張ってプロジェクトの推進に取り組む世話役を務める人(リーダー)がいるかどうか、そしてトータルなコスト(手間暇)とトータルなベネフィット(現金収入などの経済的な利益だけでなく、広い意味でのもの、何らかの効用も含む)とが天秤にかけられ、取り組むか否かが決まっていくように思います。
◾️必要条件と十分条件のうち、前者の必要条件に関していろいろお話しを伺っていると、生産した「魚のゆりかご水田米」を、付加価値のついたプレミアム米として売り尽くせるかどうかが課題であることもわかってきました。もちろん、取り組むことで農政から補助金は出ます。そのような補助金も、農家にとっては重要であることに間違いはありません。しかし、せっかく手間暇かけて「魚のゆりかご水田米」を生産しても、最後の売る段階で、通常の米と同じ価格で買われてしまうのであれば、生産意欲のさらなる向上につながりません。
◾️個々の集落で、プレミア米として評価してくれる販売ルートをきちんと確保していれば問題ありませんが、生産したプレミアム米をそのようなルートで全て売り尽くせるかといえば、必ずしもそうではありません。プレミアム米として販売できない場合は、通常の米として販売するしかありません。1つの集落で生産される「魚のゆりかご水田米」の生産量は、通常の米の生産量と比較しても少ないわけです。量が少ないことから、農協では通常の米とは別枠で、プレミアム米としては扱うことができないようです。農協で扱ってもらうためにはロットが必要なのです。複数の集落の米をあわせれば量も確保できそうではありますが、現状では、それも難しいようです。
◾️東京の全国の米を扱う専門店での出来事として、こんなお話しをお聞きした。「魚のゆりかご水田米」を、出産の内祝いとして購入するご夫婦がおられるという話しです。出産の際の内祝いとは、現在では、お祝いに対するお返しのような感じになっていますが、生まれたお子さんの体重と同じ重さの「魚のゆりかご水田米」をお返しに贈るのだそうです。このプレミアム米の名前に「ゆりかご」が入っていることから、内祝いに用いられるとのことでした。このお話しを聞いた時、とても面白いなと思いました。「魚のゆりかご水田米」は、そのようなネーミングがつけられた時点で、「物語」を付与されたプレミアム米になっているわけですが、さらに、この「内祝い」という、これまでとは別種の「物語」の文脈が与えられ、さらなる付加価値が生み出されているのです。しかも、その「物語」は、生産者である農家の側ではなく、消費者の側が与えているのです。
◾️「魚のゆりかご水田米」は、環境に良い、琵琶湖に良い取り組みなのだという情報発信の仕方は、環境に優しい農産品を求める、農産品に安心・安全を求めるグリーンコンシューマーにとっては意味があると思いますが、今回の場合は、必ずしも環境や琵琶湖とは直接的には関係ありません。「ゆりかご」という言葉が名前に入っていることから、そのような発想が生まれているのです。「魚のゆりかご水田米」というプレミアム米、一般の消費者の目線ではどう捉えられているのか、その点についてもっと深めていくべきかなと思っています。
「箇条書きばかりしていると…」
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◾️立教大学経営学部の中原淳さんが更新されているブログを時々読んでいます。LINEで更新情報の連絡が入るように設定していることもあり、結構な頻度で拝見しています。今日読ませていただいたのは、「『箇条書き』ばかりしていると『頭が悪くなっちゃう』のはなぜか?」という記事でした。
まず罹患してしまうのは、「思いついたまま羅列病(られつびょう)」です。
問題や現象や考え方を「思いついたまま」、それらの関係や、そこに駆動するロジックやストーリーを「ほとんど」顧みないままに、羅列して、「なんか、よく考えたなー、今日頑張っちゃったなー」と勘違いすることが「習慣化」します。
この下位症候群には「プライオリティつけられない症候群」、「ロジックレス症候群」「ストーリーガン無視症候群」というものがつづきます。
要するに、思いついたままを「羅列」するだけなので、概念間の包含関係、論理などを考慮することができないのですね。
◾️ここに書かれていること、前期の担当している科目「地域社会論」の論述式の試験を採点している時にも、同様のことを思いました。論述の試験ですから、学生さんたちもきちんとした文章で書いている「つもり」なのですが、全体を束ねるロジックやストーリーがないので、実質的な内容は箇条書きと変わらないのです。もちろん、きちんとロジックを組み立てて書いている学生さんもおられましたが、多くの場合、そうではありませんでした。採点しながら「orz…」でした。ということで、後期の授業は、前期の定期試験の講評から始める予定です。卒業前には、長い論理的な文章を卒業論文として書かねばなりません。私の勤務している社会学部では、卒論を提出しないと卒業できないことになっています。「箇条書き」的文章しか書けないのでは、卒業できません。私のゼミでは、そのような現代の学生さんたちの傾向を危惧し、ゼミ内の指導でしかありませんが、卒業論文の調査・執筆に時間をかけて個人面談を行い、丁寧に指導をしてきました。もちろん、この個人面談も、自分から進んでしなければ意味がありませんが…。
◾️ところで、私の担当する「地域社会論」は、龍谷大学社会学部のどの学科の学生でも、2年生以上であれば履修できることになっています。そのようなこともあり、前期の履修者は363名になってしまいました。2年生は193名、3年生は143名、4年生(留年生も含む)が27名です。例年ですと、100名程度の履修者ですので、論述式の試験でも採点する上で苦労はありませんでした。試験に加えて、レポートの評価も加算して成績の点数を出すのですが、それほどの苦労ではありませんでした。しかし、今回は非常に苦労しました。試験監督を手伝ってくれた同僚の教員の方からは、「これだけの履修者で論述式とは、自殺行為ですね…」と言われてしまいました。私も、こんなに履修者が多いとは思わなかったものですから、従来通りの方針で試験をすることにしたのです。
◾️そもそも、どうしてこんなに履修者が多いのか。調べてみると、担当している「地域社会論」が金曜日の3次限目に開講されているのですが、その3次限目には、他に履修する授業がほとんどないことがわかりました。履修の動機に関して、学生さんたちにアンケートを取ってみても、「効率良く単位を取得するために、この科目を履修した」とか、「履修できる授業の中でも、関心を持つことができそうだから」というものが半分以上でした(なぜ、この金曜日3次限には履修できる授業が少ないのかの理由については、ここでは書きません…)。こういう動機は、教員としてはあまり嬉しいものではありません。「シラバスを読んで関心を持った」という学生さんは、100名いなかったように思います。なんだか、残念な話しなのですが…。来年以降も、このような傾向が続くことが考えられます。ということで、私の方も、方針を変更することにしました。この変更の中身についても、後期の授業で説明するようにしようと思います。
卒業生の来訪
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◾️昨日は、自宅に懐かしい方がお越しになりました。2008年の春に卒業した脇田ゼミ3期生の正木晴香さん(旧姓吉澤さん)です。正木さんは、ご家族と一緒に我が家に遊びに来てくれたのです。普段は、お連れ合いの転勤で九州にお住まいですが、お盆の休暇で帰省しているとのことで、昨日、ぜひ会いたいと連絡をくれたのでした。
◾️2歳のお子さんは、最初は知らないお家に連れてこられて緊張のあまり大泣きしていましたが、途中から機嫌を直してくれました。良かった、良かった…(^_^;。最後は、笑顔でハイタッチできるまでに関係が良くなったんですが、「人見知りに関して私の右に出る人はいない…」と威張りたいくらいなので⁈、正直にいうと最初はちょっとオロオロしていました。
◾️さて、正木さんとは久しぶりでした。ご実家のこと、お住いの街のこと、お子さんのこと、うちの孫のこと、昔の思い出話し…。あっという間に時間が過ぎてしまいました。お連れ合いは、初めてお会いしましたが、龍大社会学部出身ということで、なんだかちょっと同窓会のような感じでもありました。連絡をくれて、訪問をしてくれて、嬉しかったな〜。晴香さん、ありがとう❣️今度は、脇田ゼミ3期生で、同窓会をやりましょう。
◾️ところで、正木さんが卒業したのは10年前。私のゼミにやってきたのは、12年前でした。ゼミが始まった時は、私は47歳。すぐに48歳になりましたけど。まだ私自身も若くて、けっこう厳しく卒論指導をしていたと思います。正木さんも、そういう指導のもとで一生懸命、調査と卒論の執筆に取り組みました。卒論のタイトルは「都市農家と周辺住民の地域交流-京都グリーンファームでの取組を事例に-」でした。よく頑張った卒論だったと思います。懐かしいなあ。あの頃は、正木さんも含めたゼミの学生たちと、夏に岩手県の農村にスタディーツアーに出かけたりしました。10年経つうちに、私も歳を取り、学生の気質も大きく変化しました。正木さんが帰られた後に、こんな感じで昔を懐かしみました。
いよいよ「地域デビュー」
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▪️5月25日(金)は、「大津エンパワねっと」の第5回目の授業でした。今日は、瀬田東学区を担当するチームと中央地区(中央学区を中心とした中心市街地)を担当するチームとで、それぞれの活動に取り組みました。
▪️中央地区担当チームの方は、以前の投稿にも書きましたが、地域の皆さんが学生たちと一緒に取り組みたいテーマを事前に調整されていたこともあり、高齢者の問題と子どもの問題に、地域の皆さんと一緒に取り組んでいくことになります。この日の晩は、子どもの問題に取り組むチーム(「しんごうブラザーズ」)が、中央学区で開催される「団体連絡協議会」の会議(総会と役員会)に参加し、議論を傍聴させていただきました。いよいよ地域で活動を始めることになります。「大津エンパワねっと」では、伝統的にこのことを「地域デビュー」といってきました。ということで、この日の授業で取り組んだのは、「大津エンパワねっと」の報告書に掲載されている先輩たちの活動の中身を読み込むことです。担当教員である私の方からは、先輩たちが課題を発見して具体的な活動に取り組むまでのプロセスについて解説しました。いずれも、私が指導した学生チームです。地域活動に取り組むための「コツ」のようなものですね。11期生の「大津エンパワねっと」の今後の取り組みにご期待ください!! 写真は、中央地区担当チームです。屋外のベンチとテーブルを使って野外授業です。気持ちの良い季節になりました。
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▪️さて、「しんごうブラザーズ」の男子学生3人が、地元の皆さんの会議(「団体連絡協議会」の総会と役員会)に出席したときのことも。地域の皆さんのシビアな議論を傍聴しつつ、人口減少社会の中での地域自治の難しさを、改めリアルに理解しました。また、学生たちも少し自己紹介程度の発言の機会があったのですが、なかなかしっかりしていて、担当教員としては安心することができました。無事に「地域デビュー」することができました。ということで、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」でちょっとした慰労会。二十歳の学生は生ビール、未成年の学生はアルコール抜きの酎ハイ。学生たちは、お店のご常連にもご馳走になり、なんと無事に「利やんデビュー」も果たすことができました。ご常連のTさん、ありがとうございました。
▪️28日(月)には、「しんごうブラザーズ」のうちの1人の学生が、中央学区の「学区社会福祉協議会」の会議を傍聴させていただく予定です。
3回生ゼミで「私の推薦図書」
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■今日は3回生のゼミでした(社会学演習IA)。今日は、自分が取り組む卒業論文のテーマを決めていくための、準備作業のようなグループワークを行いました。やったことは、自分が取り組みたいテーマに関係しそうな書籍を探して、その中から「しっかり読んでみたい」ものを1冊選び、その内容をゼミの仲間に紹介するというグループワークです。学生の皆さんは、あまり本を読む習慣がありません。それでは、卒業論文を書くことができませんからね。こういうグループワークで読書に「慣れてもらおう」ということです。
■ゼミ生の皆さんには、あらかじめ簡単な資料を用意してもらいました。
①選んだ書籍のタイトル
②なぜこの書籍に自分は注目したのか
③本のテーマ(概要)
④目次
⑤卒業論文にどう繋がっていくのか
…といったことを書いてもらいました。学生の皆さんにお願いしたのは、「自分が推薦したい本の中身を、ゼミの仲間に熱く語ってくれ!!」ということです。しっかりグループワークに取り組んだ人から、とりあえず「宿題」だからやってきましたという人まで、中身は様々ですが、なかなか面白いグループワークになりました。
■1つだけ紹介しておきましょう。『だれが墓を守るのか-多死・人口減少社会の中でー』。岩波ブックレットです。著者は、第一生命経済研究所の小谷みどりさんです。高齢者の生活問題、現代人の死生観、終末医療、葬送問題を専門にされています。たびたび、マスコミにも登場されているのでご存知の方も多いかと思います。で、この岩波ブックレットを選んできたのは、1人の男子学生です。どうしてこのようなテーマに関心を持ったのか、個人面談ではじっくり聞いてみたいと思います。私自身もとても関心のあるテーマです。
「大津エンパワねっと」の全体講義
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■金曜日の2限は、「大津エンバワねっと」です。今年度は全員で12名。少数精鋭ですね。瀬田東学区と中央地区の2箇所を6名ずつで分担しています。私が指導している中央地区は、子どもの問題と高齢者の問題、この2つの問題に取り組みます。地域の子どもの問題に取り組む男子3人のチームが「しんごうブラザーズ」。高齢者の問題に取り組む男子1名女子2名のチームが「サクらんぼ」。チーム名の意味、私にもよくわかりませんが、とりあえずチーム名が決まったことは良いことです。
■今日は、「高齢者の引きこもり」「老老介護」等の問題に関して報告をしてくれました。自分の頭でリサーチした内容をしっかり消化して、自分の言葉で報告してくれました。なかなか頼もしいです。今日、報告してくれた内容は一般的なものかもしれませんが、このような土台の上に、中央地区独自の課題をきちんと位置付けていって欲しいと思います。
■そろそろ、中央地区の皆さんとの出会いの機会も作っていくようです。また、私がガイド役となって学生たちと一緒に「まち歩き」ほすることもなっています。「大津エンバワねっと」の活動については、facebookやTwitterでも随時報告していますが、こちらのブログにもアップしていくようにしたいと思います。エンパワ11規生の活躍にご期待ください。
3回生ゼミでマンダラート
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■昨年度は研究に専念する年でしたが、4月からは再び授業を担当しています。ゼミも受けもっています。私の3回生のゼミ生は全員で18人。これまでと比較すると、多めかなと思います。私はゼミの目標を「『ここまでやり遂げた!』と、納得のいく卒論を書いて、自信を持って卒業していく」ことにおいています。ということで、個人面談を大切にしながら、丁寧に指導していくことにしています。ただし、3回生はゼミに所属したばかりなので、今のところグループワーク中心にゼミを行なっています。お互いをよく知り、良い関係を築くことも大切ですからね。
■先月は、「まわしよみ新聞」を使って、自分はどういうことに関心があるのか、自分でよく考えて人に話す…ということをやってみました。少し前のことになりますが、5月1日のゼミでは、メジャーリーグで活躍している大谷選手で有名になった「マンダラート」を使ってみることにしました。この「マンダラート」を使って、「納得がいく卒論を執筆するために、自分は何をしていくのか」を考えてもらう作業を行いました。サークルや就活との両立といったことまでも視野に入れながら考えてもらいました。私のゼミでは、全員がフィールドワークに基づく調査をして卒論を執筆することになっています。かなり、頑張らねばなりません。
■ただし、ゼミ生を見渡すと、卒論のテーマがまだまだぼんやりしている人がかなりいます。むしろ、この時期の多くの学生は、まだまだこんな状況なんです。この状況から、グループワークや私との面談の中で、卒論のテーマを明確にしていくことになります。画像は、「マンダラート」に取り組んだ時のゼミの様子です。楽しそうに語りあっていますね。自分たちが学生だった40年前には、こんな感じではありませんでした。ゼミで購読する文献があらかじめ決められていました。毎週、分担した章の内容をレジュメにまとめて報告する…そんな伝統的なやり方でした。ちなみに、文献は、フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースの『親族の基本構造』でした。もちろん、翻訳したものです。当時の私たちには、とても難しい内容でした。その当時と比較すると、なんだか隔世の感があります。今の大学ではそんな「乱暴」なことはとてもできません。そのような昔話はともかく、3回生の皆さんには少しずつゼミに慣れてもらい、自分の卒論のテーマを焦点化していってもらえればと思っています。
■今回、ゼミで「マンダラート」を使うことにしたのは、経済学部で講義をされている原尻 淳一先生のfacebookへの投稿がヒントになっています。原尻先生、ありがとうございました。
2018年度ゼミ面談の記録
■このエントリーでは、2018年度のゼミ生との卒業論文やゼミ報告に関する簡単な面談の予約状況を記録として残していきます(「社会調査実習」の面談も必要があれば付け加えていきます)。ただし面談の詳しい内容については、ここには書きません。私のこれまでの経験では、面談の回数と卒論の進捗状況とは比例しています。きちんと準備をして面談に臨んでください。また、自分のペースメーカーとしてこの記録を時々見るようにしてください(「しばらく面談に行っていないな…、これはマズい」という感じです…)。面談の予約・終了のみここに書き込んでいきます。このページは、「2018年度」4月からの面談記録です。
面談の記録:2018年4月以降の記録です
◾️記録に残せなかった面談も多々ありますので、抜けている場合は申し出てください。
◾️面談終了後、「卒論カード」をメール添付書類で送ってもらうことになっています。送ってくれた人については、「◉」を付けていくことします。
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【3月】
(38)2019/03/05/17:30 : 3回生・FP(ばば)・社会調査実習の原稿について。終了。
(37)2019/02/28/12:00 : 3回生・TS(さえ)・社会調査実習の原稿について。終了。
(36)2019/02/28/11:30 : 3回生・MN(ななみ)・社会調査実習の原稿について。終了。
(34)2019/03/01/10:30 : 3回生・KM(みか)・社会調査実習の原稿について。終了。
【2月】
(33)2019/02/27/12:00 : 3回生・FS(さくら)・社会調査実習の原稿について。終了。
(32)2019/02/27/11:30 : 3回生・KA(あいか)・社会調査実習の原稿について。終了。
(31)2019/02/21/11:30 : 3回生・KA(あいか)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(30)2019/02/14/11:30 : 3回生・TY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(29)2019/02/14/11:00 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【11月】
(28)2018/11/13/13:45 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【10月】
(27)2018/10/09/11:40 : 3回生・SR(りょうたろう)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(26)2018/10/04/17:20 : 3回生・IY(よしなり)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(25)2018/10/04/17:00 : 3回生・KY(ゆうき)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(24)2018/10/04/16:30 : 3回生・TM(まもる)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(23)2018/10/03/15:40 : 3回生・SA(あきと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(22)2018/10/03/15:20 : 3回生・HY(ゆうた)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(21)2018/10/02/10:40 : 3回生・YS(さえ)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(20)2018/10/03/10:20 : 3回生・TK(かな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(19)2018/10/03/10:00 : 3回生・FM(まさと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(18)2018/10/03/9:40 : 3回生・KK(かいと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(17)2018/10/02/17:00 : 3回生・NR(りな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(16)2018/10/02/14:45 : 3回生・KA(あいか)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(15)2018/10/02/10:10 : 3回生・TY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(14)2018/10/02/09:50 : 3回生・SK(こうへい)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(13)2018/10/02/09:30 : 3回生・FR(りな)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(12)2018/10/01/15:20 : 3回生・TJ(じゅんや)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
(11)2018/10/01/11:40 : 3回生・SR(りょうたろう)・研究文献と卒論のテーマについて。現れず…。
(10)2018/10/01/11:20 : 3回生・MW(わたる)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。◉
(9)2018/10/01/11:00 : 3回生・OY(ゆうと)・研究文献と卒論のテーマについて。終了。
【9月】
【8月】
(8)2018/08/03/15:30 : 3回生・TM(まもる)・卒論のテーマについて。終了。
【7月】
(7)2018/07/17/12:35: 3回生・KA(あいか)・卒論のテーマについて。終了。
【6月】
(6)2018/06/19/15:45 : 3回生・KA(あいか)・卒論のテーマについて。終了。
(5)2018/06/19/15:20 : 3回生・FR(りな)・卒論のテーマについて。終了。
(4)2018/06/12/17:05 : 3回生・SA(あきと)・卒論のテーマについて。終了。
(3)2018/06/08/15:20 : 3回生・FR(りな)・卒論のテーマについて。終了。
【5月】
(2)2018/05/17/14:00 : 3回生・SA(あきと)・卒論のテーマについて。終了。
(1)2018/05/15/17:00 : 3回生・IY(よしなり)・卒論のテーマについて。終了。
2018年度の時間割(改訂版)
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■2018年度の時間割については、1月5日にアップしましたが、オフィスアワーの時間が抜けていました。これまでは、金曜日の3講時をオフィスアワーの時間に充てていましたが、2018年度は授業が入ることから、火曜日の3講時に移動させました。よろしくお願いいたします。
■オフィスアワーとは、「学修上の問題はもとより、個々の学生生活の諸問題についてみなさんの相談相手となり、より適切な道を見い出すべくアドバイスを与え、大学生活を有意義なものにする手助け」をするための時間です。私が担当するクラスやゼミナールの履修者のための時間ですが、履修していない学生の皆さんの相談でもかまいません。
【追記: オフィスアワーの場所】
■オフィスアワーの場所ですが、2018年度は、4月17日(火)より6号館1階にある「社会共生実習室」を使わせてもらうことにしました。研究室ではありませんので、ご注意ください。(2018年4月10日)