デニソワ人から受け継いだもの

▪️今日は月1回の受診日でした。毎回、診察を受けているクリニックでは血液検査をその場でしてくださいます。きちんと薬を服用して、食事も節制しているせいか、肝臓の数値、中性脂肪、コルステロールの数値、血糖値、HbA1cのいずれも基準値内にきちんと収まり、健康体を維持できていることがわかりました。HbA1cについては、なんと5.2でした。糖質を徹底的に制限した結果かと思います。医師からは、「あまり無理をしないでくださいね」と言われていますが、無理をしないけれど、やるからにはきちんとやりたいと思っています。以前、農学部の石原先生のご指導で2週間だけ血糖値センターを貼り付けて、血糖値と食事や運動との関係を見てきました。食事に関しては、白米は急激に血糖値が上がるので、警戒しています。本来であれば、白米は大好きですし、日本の農業を消費者として支えるために米をもっと食べたいのですが…。今はそれができない状況にあります。農家のみなさん、申し訳ないです。

▪️さて、糖尿病関連の書籍を読むと、日本の糖尿病患者の67%の人たちは、糖尿病になりやすい遺伝的要素を持っているとのことでした。私の母や叔父は糖尿病でしたから、母方から受け継いでいるのかもしれません。日本人は、糖尿病になりやすい体質を持っています。このような日本人の傾向ですが、先日、理化学研究所がプレスリリースした研究結果によると、それは人類史と深く関係しているというのです。びっくりしました。

▪️理化学研究所のプレスリリースはこちらです。このプレスリリースによると、まず次のように書かれています。「3,256人分の日本人の全ゲノム情報を分析しました。この研究を通じて、日本人の祖先に関わる三つの源流(縄文系祖先、関西系祖先、東北系祖先)の起源を明らかにしました」。以下をお読みください。

縄文の祖先比率については、沖縄が最も高い比率(28.5%)を持ち、次いで東北(18.9%)である一方、関西が最も低い(13.4%)と推定されました。これは、縄文人と沖縄の人々の間に高い遺伝的親和性があることを示す以前の研究と一致しています。また、関西地方は漢民族と遺伝的親和性が高いことが明らかになりました。

さらに、共同研究グループは中国、韓国、日本から報告された古代人ゲノムデータを使って、東北と関西の間の遺伝的親和性の違いを評価しました。その結果、関西人と黄河(YR)またはその上流地域の中新石器時代および後新石器時代古代中国集団との間に顕著に密接な関係があることが見受けられました。対照的に、東北地方の個体は、縄文人との遺伝的親和性が顕著に高く、また沖縄の宮古島の古代日本人ゲノム(高い縄文比率を持つ)や韓国三国時代(4~5世紀)の古代韓国人とも高い遺伝的親和性を持つことが示されました。

▪️ここまでの説明でも、こういう分野に関しては全くの素人ではありますが、すごく興味深い研究成果だと思うのです。でも、個人的にさらに興味深かったのは次の点です。皆さんもご存知かと思いますが、現生人類は、ネアンデルタール人やデニソワ人と交雑しているのです。

また、現生人類(ホモ・サピエンス)の最も近縁とされる古代型人類ネアンデルタール人やデニソワ人から受け継いだ遺伝子領域を特定しました。一部の日本人が持つNKX6-1遺伝子領域は、2型糖尿病リスクと関連しており、この領域がデニソワ人由来であることが明らかになりました。さらに、日本人の遺伝子における自然選択が作用している領域も同定しました。

▪️自分の病気(2型糖尿病)が親からの遺伝、言い換えれぱ「負の遺産」と思っていたのですが、こうやって一気に人類史にまで遡ってしまうと受け止め方が違ってきます。

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