就活の早期・長期化

■こういう記事を読みました。「『就活の早期・長期化、学生生活を侵食』 上智大・秋場キャリアセンター長に聞く」。朝日新聞の記事です。

■以下は、記事からの引用です。

6月半ばになり、インターンの選考結果も出始めました。ただ、インターンは企業が対応できる学生数が限られ、多くの学生が選考からもれます。学生に「落胆せず本選考に向けて準備を」「インターンをしないと本選考に乗れないということはほぼないから焦らずに」と伝えています。就活は大学生活のゴールではありません。学生生活をしっかり充実させてほしいです。

就活の早期化やそれに伴う長期化は、大学生活を侵食する大きな問題で、今の流れをとても心配しています。企業も、早めに内定を出したあと、長くその学生を引き留め続けるエネルギーは多大で大変でしょう。採用を早めた企業には、コストを含め早期化したメリットがあったのかしっかり検証してほしいです。

■18歳人口が予想以上に減少していることに大学関係者は驚きの声(あるいは悲鳴か…)をあげていますが、これは大学だけの問題ではないでしょう。企業の側も、学生数が減ってきている傾向の中で、現状のように新卒一括採用を前提にしている限りは、インターンシップの制度を使って学生を囲い込むことを続けていくことはさらに大変になるでしょう。記事の中にもありますが、「採用を早めた企業には、コストを含め早期化したメリットがあったのかしっかり検証してほしい」というのは確かにそう思います。就活が大学生活後半の中心になってしまい、学生時代にしか取り組めない経験、たとえば研究、地域連携、課外活動等が不十分になってはいないでしょうか。多様な経験を積むことなく就職しても、困るのは企業の側のように思うのですが…。その辺りは、どうでしょうか。

■そもそも新卒一括採用がいつまで続くのかということも大変気になるところです。新卒一括採用は、第二次世界大戦後に終身雇用制度とセットとして生まれてきたと言われています。しかし、終身雇用制度が実質的には存在しない時代になりました。自分のキャリアを自身で磨いて形成していく時代に少しずつシフトしています。そのような時代には、通年採用が次第に当たり前になっていくのでしょうか。ただし、通年採用が当たり前になったとしても、キャリア形成は、記事の中にもありますが、(「楽に働きたい」という考えではなく)「やりがいのある仕事をしながらプライベートも充実」させるということが前提であるということは当然なのかなとも思います。

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