東海テレビ「保護者の98.7%が賛同…小学校で“PTA解散”決断 学校「一旦リセットと前向きに」会費等なしで活動する学校も」


■ PTAをリセットする。PTAではなくPTCA。Cはコミュニティのことです。時代の変化や価値観に合わせた新たな動きなのかなと思っています。日本のこれまでの地域社会によくあった、義務として各世帯から労働力を調達するような形の、あるいは「もやい」と呼ばれたかつての義務としての共同労働のような形のPTA活動ではなくて、それぞれの個人の意思と主体性で地域の子どもたちの成長を支えていこう…そういう新たな動きが生まれてきているのかなと思います。これは地域社会の自治に関連する問題なのかもしれません。「地域社会の子どもを、みんなで支え合って守り育てていこう」、そういう意識がこのTVニュースの中から感じ取ることができます。

■地域社会の小さな変化でしかないと思う方もおられるでしょうが、私は、このような小さな変化の中に、ゆっくりゆっくりと進む社会全体の大きな変化を垣間見るような気もします。そういあって欲しい…ここは願望。でも、私自身は、仕事のせいにしてPTAのことやった経験がありません。偉そうなことは言えません。

■この投稿とほぼ同じ内容の投稿をfacebookにもいたしました。すると、若い知人がシェアしてくださいました。その知人は、PTAの役員です。当事者でもあります。この知人の近隣の学校ではPTAが解散している地域もあるそうです。その知人は次のように考えておられます。「PTAは手段であって、組織の存続自体が目的化しているのはおかしいんです。目的は、子どもたちの健やかな育ちなどを応援することだと思っています。また、PTAは完全に自由意志の有志によるボランティアというのが、19世紀にアメリカで始まって以来の本来の姿です。自発的にやる人がいないのであれば、それはもう成り立ちません」。私もそう思います。日本において、現在のようなPTAが登場したのは第二次世界大戦後のことになります。ただ、戦前からの地域社会のあり方と、戦後、占領軍が新しく設定したアメリカ流の組織とのハイブリッドのような気がします。この辺りは、きちんと文献を確認したわけではありませんので、ご注意いただいたと思います。

■この知人の投稿には、「昔PTA活動に携わってきて、今はその他の地域活動に精を出している地域の方々」が、このような新たな動きに対して反発されていることも書かれていました。その点について気になるのは、どういう年齢層の、どういう経験を積み(地域社会での成功体験)、どういう地域社会観を持っている方達なのかという点です。おそらくは、地域社会はこうあらねばならない、あるべきだ…というようなお考えがあるのかなと思っています。そういう方達にも、意見を伺いたいですね。大切なことは、知人も述べておられるように、「子どもたちの健やかな育ちなどを応援する」ために、地域社会で何ができるのか、何をしなければならないのか…というあたりのことを共有できるかどうかなのではないかと思います。形式ではなくて、実質をどのように担保するのかです。もうひとつ、ニュースにあるPTCAと関連して、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)に関しても述べておられました。知人の意見は「なかなか形式的なものから脱却できずに」いるというものですが、なぜ形式的なものから脱却できないのか…、おそらくは従来のPTA活動の延長線でこの「学校運営協議会」が捉えられているからではないのかなと思っています。

■私は、従来のPTAの組織のあり方を全否定するつもりはありません。ただ、子どもたちの多くの保護者の皆さんが日中は働いているような状況で、現実問題として、従来の「専業主婦」の存在を前提としたPTA活動は成り立たなくなっています。学校というものの捉え方も、私が子どもの時とはずいぶん変化しているようにも思います。乱暴なことを言いますが、多くの保護者の皆さんが、学校が必要だとは思っておられても、以前ほどは学校という存在を有難いもの、大切なものとは考えてはおられないのかなと思っています。

■この投稿に書いた内容は、社会学の課題、特に地域社会学や教育社会学の課題かなと思っています。なにか、既存の研究が存在しているかもしれません。というか、きっとあるに違いありません。専門分野ではないので、まだ調べてはいませんが。

【追記】■facebookの投稿に、大学の後輩で、長年、高校で教員と管理職を経験してきた方です。「定時制高校では、昔の勤労青年の学びを支える観点から保護者と一緒に雇用主がいまも必ず重要なメンバーとして制度化、参画している」とのことでした。facebookに投稿したときは、「PTAといえば小中学校」ということが前提になっていました。その後輩の方は、お子さんが小中学校に通学されているときはPTA役員を経験され、教員としてもPTAに関わってこられました。その経験から、「地域と密接な共生関係にある義務教育校と校区が広い高校での温度差、高校ごとの温度差に常に考えさせられました」とのことでした。高校は、地域社会=コミュニティよりもぐんと校区が広いため、私が本文で書いたような「地域の子どもたちの成長を支えていこう」という気持ちは、共有できないことはないにしろ、かなり困難であろうことは容易に想像できます。また、偏差値によって序列化された高校ごとに、家庭の経済力や文化資本も違っているかもしれません。コメントでいただいた、「高校ごと温度差」の背景には、そのようなことが存在しているのではないかとも思います。

管理者用