学生たちの地域デビュー
◾️昨日、学生2人と教員2人の4人で、「地域エンパワねっと」のフィールドのひとつ、大津市の中心市街地の中央校区にある中央市民センターに出かけ、大津市中央学区自治連合会会長の安孫子邦夫さんから中央学区の抱えている問題や現状についてお話を伺いました。
◾️安孫子さんは、中央学区では二つの問題が混在しており、そのことがとても自治会長としてとても気になっているといいます。ひとつは、独居老人(特に男性)の引きこもりの問題です。昨年の「地域エンパワねっと」(地域連携型教育プログラム「大津エンバワねっと」のプロジェクトです)では、ひとつのチームが自治連合会の役員の皆さんとこの問題に取り組みました。今年は、自治連合会の役員さんたちは、とても興味深いアイデアをお持ちで、そのアイデアを学生の皆さんと具体的に膨らませていければと考えておられます。
◾️もうひとつの問題は、最近増加してきたマンションの新住民(若年層)の世帯に自治会離れの傾向があるということです。もっともそのような傾向を持つマンションの自治会においても、前向きに自治会活動に取り組む自治会長が生まれると、自治会の活動が活発になるということもお聞かせいただきました。自治会長の任期は1年と短いわけですが、活動の方向付け次第では、良い方向に展開していくわけで、学生の皆さんが、そのようなきっかけを生み出す可能性も持っていると激励もしていただきました。
◾️安孫子さんからお話を伺ったあとは、中心市街地を、ごく簡単に「まちあるき」してみました。旧大津公会堂に展示されている古写真から、かつての大津の街の様子や状況について学び、大津祭曳山展示館では国指定無形民俗文化財に指定されている大津祭の曳山(レプリカ)の展示を見学したました。また、明治中期の町家である施設「大津百町館」を訪問し、室内の様子を見学するとともに井戸の水汲み体験をしました。さらに、電柱の地中化と、周囲の家々や道路の景観に配慮した修景が進められた旧東海道を散策しました。学生の皆さん、まずは「地域デビュー」を無事に終えることができた…という感じでしょうか。来週は、瀬田東学区を訪問します。
◾️写真の3枚目。安孫子さんからは、「街の中には、縁側や床几のような場所が必要です」という話をお聞かせいただきましたが、学生の皆さんが、床几の意味がわからないので、絵を描いて説明してくださっているところです。ちなみに、床几とは、細長い板に脚をつけた腰掛のことです。昔は、どの家にも床几があり、夏場にはこの床几で夕涼みをしながら、近所の人とおしゃべりを楽しまれていました。