「ひとつ屋根の下…高齢者と大学生が暮らす?」というTVニュース


◾️日テレNEWS24「東京・文京区で高齢者の住宅の空いた部屋を、大学生に安く貸し出し互いに助け合いながら共生していく取り組みがある。さらに学生は地域の行事へも参加。この仕組みが地域交流にもつながっている」。

◾️私などが学生の頃は、いわゆる間借りの下宿というものがまだ存在していました。私の先輩なども、そういう下宿にお住まいでした。もう少し前だと賄い付の下宿屋さんもあったのではないかと思います。このニュースの取り組みは、そのような下宿とは少し違っています。どこがこのような取り組みを企画し運営しているのだろうと調べてみました。ネットに記事がありました。東京の本郷にある異なる商店街経営で魚屋、お菓子屋、薬屋を経営されている店主さんたちが理事をされている、「街ing本郷」というNPOのプロジェクトであることがわかりました。この「街ing本郷」には、複数のテーマの異なるプロジェクトがあり、住民、東大生をはじめとする大学生、そして地域外からの賛同者とで活動しているそうです。いろんな能力を得意分野を持った方達が集まっているところ、多様性が大切ですね。この「日テレ」のニュースの取り組み、「ひとつ屋根の下」プロジェクトというそうです。以下は、記事の冒頭の部分です。

血縁関係のない高齢者と大学生が同じ家で暮らす「ひとつ屋根の下」プロジェクトが、東京都文京区本郷で実施されています。高齢者は、子どもの独立や配偶者との死別によって生まれた空き部屋を安く大学生に貸し出し、大学生は、安く借りる代わりにお手伝いをして、高齢者や地域に貢献します。

主催しているのは、NPO法人「街ing本郷(まっちんぐほんごう)」。代表理事であり、創業90年を超える魚屋の三代目である長谷川大さんに、どのような経緯でこのプロジェクトが立ち上がり、どのように運営されているのかを、オウチーノの女性活躍推進担当・清水菜保子がお伺いしました。脳梗塞で倒れた高齢者を、一緒に暮らしていた大学生が早期発見し命が助かった、という事例もあったそうです。

◾️似たような取り組みを、大学がやっているのをたしか新聞記事で読んだことがあります。大学が家賃のかなり部分を負担する代わりに、高齢化が進む団地に住んでそこの自治会活動に参加することを義務付けるということだったように思います。しかし、これはNPOの取り組みです。このような取り組みが生まれたきっかけを理事長の方は、次のように語っておられます。気になった部分を引用してみます。

私たちは商店主ゆえに、地域の方の住んでいる家のことや、昔と今の家族構成などを把握しています。それが私たちの強みですね。理事は町会の役員も担っているので、非常にたくさんの人のことや地域のことを分かっているんです。

―長くその街にいて、住民と関わりを持ってきた人にしか分からないことですね。
そうなんです。それに加えて、文京区にはたくさんの大学がある。それは、日本のどこにも負けない地域財産だと思っています。しかし、大学生が近くで一人暮らしをするとなると、都心なので家賃が高い。また、一人暮らしの高齢者が増えてきましたが、地域として見守っていく担い手が足りない。となったら、高齢者と大学生が一緒に住めたらWin-Winになって面白いんじゃない?という発想から始まりました。

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高齢者と大学生をマッチングするうえで、私たちの役割は両者の間に立つことです。ミスマッチやトラブルがないよう、両者からしっかり話を聞いて、何を求めているのか、どういう方を望んでいるのかを知り、仲介します。マッチングした後も、1ヶ月に1回くらいは聞き取りをしています。また不動産契約は不動産会社を介しており、契約のトラブルを防止しています。

2015年、2016年は講演や報告会をしたり、高齢者と大学生が一緒にご飯やおやつを食べる企画から始めています。つまり、まずデートをしてみましょう、と。そこで交流が生まれ、「一緒に住んでもいいわ」と思ってもらえたらと思っています。
3月6日に交流会をやったのですが、高齢者も大学生も目をキラキラさせて、とても良い笑顔をされるんですよ!

◾️ぜひ、この記事をお読みいただければと思います。何か、ヒントがあるかなと思います。付け足しのように書きますが、このプロジェクトの様子を記事で理解していると、ふと頭に浮かんできた本があります。お笑い芸人「カラテカ」の矢部太郎さんが、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞された、『大家さんと僕』というエッセイ漫画です。

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