「“外来種”は悪者」ということについて

20190222goka.png ◾️国立環境研究所(以下、国環研)の生物・生態系環境研究センター 五箇公一室長さんのインタビュー記事です。記事は、国立研究開発法人「国立環境研究所」のサイトに掲載されていました。私は、五箇さんの外来種に対する考え方に共感しました。こんなふうに思うのも、先日、「ヒガンバナは外来種だから増やしてはダメだ」という1人の生態学者の意見を聞いて、私からするととても「原理主義」的なその考え方にカチンときてかなり厳しいことを言ってしまいました。でも、五箇さんのような人もちゃんといるのですね。まあ、今や当たり前かな。

五箇さんは、「まずは自分が住んでいる地域に関心を持ち、自分たちの身の回りの理想的な生態系や環境とは何かを、地域単位で考えることが大切」と話します。
 「20年ぐらい外来種問題を取り扱っているが、結局、生物多様性のベースとなるローカリティ、地域の固有性というものをどう守るのかこそが重要なポイントであり、ようするに地域の人たちが自分たちの暮らす場所の自然とどう向き合ってどう決めていくかが、外来生物問題を解決するためのプロセスだということに気づいた。
 主体性は、地域にゆだねられるべきだ。例えば、池の水が汚れているからきれいにしようという判断がされた中で、そこに外来種がたくさん生息していたことがわかったとする。その地域の住人が外来種がだめだと思うなら排除するといった、常に地域の人の意思決定が働くようにすることが大切。もし駆除されたら困るという意見でまとまれば、その意思決定はまた尊重されなくてはならないだろうし。
 もともと地域の環境や自然というのは、そうやって守られてきた。そしてそれが、昔の里山時代のローカルなコミュニティを形作ってきた。学者がああしろこうしろと決めるものではなく、また国がああしろこうしろと指図する話でもなく、地域の人たちでどうしたらいいか考えることが大事」。
 また五箇さんは、自分の住む地域を第一で考えられるようになること(地方主義)は、結果的に地域の活性化につながり、それが自然環境を守ることになるとも話します。

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