エフゲーニ・スヴェトラーノフ指揮、NHK交響楽団「チャイコフスキー 交響曲5番」

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◾️昨晩は、9時前に帰宅して夕食。録画してあったNHKの「クラシック音楽館」を視る、というか聴きました。家族が録画してくれていました。今回は、「N響 伝説の名演奏~リクエスト特集~」で、冒頭は1997年9月6日にNHKホールで収録されたチャイコフスキーの交響曲5番。指揮は、エフゲーニ・スヴェトラーノフ。今から21年前の演奏です。

◾️どういうわけか録画は2楽章の有名なホルンのソロから始まりました(録画の失敗か…)。続いて円舞曲の3楽章。抑制するところは抑制して、とても丁寧に演奏されている気がします。それに対して、4楽章は大変な重量感と迫力を感じました。感動しました。名演奏ですね。まあ、だからこそ視聴者からたくさんのリクエストがあったわけです。私は、学生時代に関西学院交響楽団に所属していました。4年生最後の定期演奏会でのメインの曲は、このチャイコフスキーの5番でした。まあ、思入れのある曲だということもあり、普段にも増してこのテレビでの演奏に釘付けになったわけです。

◾️4楽章の490小節。1stバイオリンが演奏する基本動機が金管楽器に移行するあたりになると、スヴェトラーノフは目をつぶってしばらく指揮をすることをやめました。いや、やめてはいないのですね。指揮者とオケが完全に溶け合った感じかな。素敵です。演奏を終えたスヴェトラーノフは、大層満足したようでした。私のように30年以上もオケで楽器を弾いていない者が言うべきではないのかもしれないけれど、どのように演奏して欲しいのか、指揮者が求めるものが非常によくわかる指揮でした。演奏後の続き。ホルンの松崎裕さんが難しいソロを完璧に演奏したことを讃えるために、スヴェトラーノフは松崎さんのところに歩み寄り、指揮台まで引っ張りし出して、指揮台に上がるようにと促しました。松崎さんは、とても困った表情をされていたが、これも伝説になっているエピソードのようです。松崎さんはすでにN響を退団されていますが、現在も在籍されている方達も、この演奏当時は相当に若い。チェロの藤森亮一さん、今とは全く雰囲気が違います。

◾️さて、ネット上にアップされているNHK交響楽団の記録を見ると、この演奏の前日、9月5日のメインの曲もチャイコフスキーの5番でした。さらに調べてみると、5日の演奏では、第2楽章の開始前、スヴェトラーノフは「ダイアナ妃に捧げる」とスピーチしたのだそうです。ダイアナ妃は、その5日前の8月31日に自動車事故で亡くなっています。ちなみに、スヴェトラーノフは、この演奏の5年後、2002年5月に他界しました。このスヴェトラーノフが亡くなったことについては、N響のバイオリン奏者であった鶴我裕子さんが執筆された『バイオリニストは肩が凝る 鶴我裕子のN響日記』で、「スヴェトラーノフが来た日」と「スヴェトラーノフが死んだ日」というエッセーで読めるらしいことも知りました。ぜひ、読んでみたいものです。また、この演奏の録音はCDになっているらしいので、ぜひ購入してみたいとも思います。

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