妹尾河童さんの「ビェンロー」

20160124pienrou1.jpg■約40年ぶりの大寒波の襲来らしいですね。奄美大島でも雪が降っているようです。これは普通ではありません。facebookを通してですが、香港通の日本人の友人からは、「香港郊外で雪が散らついているよ」と香港の動画を教えてもらいました。台湾の方たちの投稿からは、亜熱帯の台湾に雪が降っていることを知りました。台湾では雪が珍しいらしく、積雪のあった山間部に人が押し寄せているようです。信じられない状況ですね。ネットのニュースによれぱ、このような異常寒波の原因は、北極にあるようです。北極上空に巨大な気流の渦が生まれており、これが原因となっているようです。アメリカ東海岸の歴史的大雪と言われる豪雪も、この渦が原因のようです。

■こんなに寒い冬の晩は、「ピェンロー」がぴったりです。「扁炉」と漢字で書きます。どんな料理かといえば、干し椎茸がまずはポイントになります。今日は、老人健康福祉施設に入所している母親の見舞いと洗濯物の交換のために、兵庫県まで車を飛ばしました。出かける前に、ぬるま湯に干し椎茸の冬子(どんこ)を入れておきました。ちょっと贅沢ではありますが、冬子にこだわった方が良いかと思います。帰宅すると、良い具合に出汁が出ていました。もう一つの大切なポイントは白菜です。「ピェンロー」は冬の甘くなった美味しい白菜をたくさん食べる料理です。軸の部分と葉の部分を分けてカットします。軸の方は、細めにカットします。そして、豚肉と鶏肉と共に、干し椎茸の出汁で、白菜をクタクタになるまで煮込むのです。その際、風味を出すのために入れるのがごま油。これもポイントですね。最後に、春雨を入れて、もう一度ごま油を入れます。まあ、これだけの料理なんですが、とっても美味しいのです。美味しいスープはできるだけ残して、最後に雑炊にします。そのさい、必要なのが、冷たいぺったら漬。大根の麹漬です。これと熱々の雑炊を一緒にいただくのです(今回は、この〆の雑炊の相棒を忘れてしまいました…)。味付けですが、塩と一味だけです。それも、雑炊は別にして、各自で好みの濃さや辛さにします。ちょっと薄いかなという程度の塩味が美味しく食べるためのコツかと思います。

20160124pienrou2.jpg■この「ピェンロー」という料理、広西省の田舎の方(現・広西チワン族自治区)の家庭料理らしいのですが、実際のところ、私は詳しいことを知りません。高校の先輩でもある舞台芸術家の妹尾河童さんが、ご自身の著書の中で紹介してから、全国的に有名になりました。『河童のスケッチブック』という本です。自宅の書架のどこかに入っているはずです(長らく開いていないので、ひょっとしたら家族に捨てられてしまっているかもしれません…嫌だな)。今は文庫本にもなっているはずです。まあ、それはともかく。この本で紹介された「ピェンロー」は、私の印象ですが、あっという間に全国的に知られるようになりました。そして、この「ピェンロー」をさらに有名にしたのが、男性向けの料理雑誌である『dancyu』なのではないかと思います。この雑誌で紹介されてさらに有名になったような気がします(私の印象にしか過ぎませんが…)。こんなことを書いていると、昔、無頼派の小説家である檀一雄の『檀流クッキング』とか、その息子である檀太郎の『新・檀流クッキング』とか、ずいぶん熱心に読んで自分でも実践していたことを思い出しました。私は子どもの頃から料理を作ることが好きです。結婚してから、ずいぶん雑誌の『オレンジページ』で紹介されたレシピに助けてもらいました。さらにいわゆる男料理に関心を向かわせたのが、檀親子の著書なのです。あれっ、最後は、「ピェンロー」とは関係のない話しになってしまいました。

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