「大津市都市計画マスタープランまちづくり会議 北部ブロック」ワークショップ
▪︎今日は、大津市の堅田にある「北部地域センター」で、「大津市都市計画マスタープランまちづくり会議 北部ブロック」が開催されました。この会議では、大津市の「都市計画マスタープラン」を作っていくためのワークショップも同時に開催されました。このワークショップに参加された市民の皆さんのご意見が、マスタープランに、特に地域別構想に反映されていくことになります。大津市を7つに区分したブロックごとに、このようなワークショップが開催されています。7ブロックの区分は、超高齢社会・人口減少社会のもとでも都市サービスの確保を図るためのコンパクト+ネットワークの視点、地域コミュニテの視点、歴史・文化の視点、地形・景観の視点、他の計画との整合の視点、以上5つの視点からの総合的判断にもとづいています。私は、大津市都市計画審議会で審議員や大津市都市計画マスタープラン案策定専門部会部会長職務代理者を務めていることから、この日はアドバイザーとして参加させていただきました。
▪︎最初は、少し緊張した雰囲気でしたが、ファシリテーターの方達のお力もあり、すぐに笑い声が聞こえてくる楽しい雰囲気になっていきました。皆さん、熱心に自分の考えを述べておられました。この日参加された皆さんは、北部ブロックにお住まいの皆さんです。北部ブロックとは、堅田、仰木、仰木の里、真野、伊香立、そして葛川にいたる広いエリアです。もっとも広いエリアとはいえ、同時に、地域間には相対的に強い関係があることも事実です。特に、堅田、真野、伊香立、葛川といった地域はそうだと思います。しかし、普段、交流されているのは、おそらくはもっと小さいエリアになるのではないでしょうか。北部ブロックという地域社会について話しをされたご経験も、あまりなかったのではないかと思います。
▪︎これまで、ワークショップを経験されたことのある方は、参加者のうちの約半分ほどの方達だけでした。ワークショップを通じて、ふだん何気なく自分自身で考えていることと、似たような発想をしている人がいることに納得し、あるいは逆に、自分自身とは異なる考え方に気がついたりと、有意義な経験をされたようでした。今回のワークショップでは、この北部ブロックの「魅力」と「問題点」についてポストイットカードに書いて提示しあい、それを模造紙に貼り付けていきました。また、さらに「魅力」を伸ばしていくための、そして「問題点」を解決していくための「取り組み」についてもアイデアを出していただきました。かなり盛り上がりました。予定の時間をオーバーして、熱心に議論いただきました。今後は、このワークショップの成果を、マスタープランや地域別構想に反映していくわけですが、どのように反映させているのか、またその反映させていくプロセスをも含めて、参加者の皆さん、そしてお住まいの地域の皆さんにフィードバックしていくことが大切かと思っています。
▪︎ところで、今日の会議の会場となったのは、「北部地域センター」のホールでした。ホールにはステージがあり、緞帳がぶら下がっていました。緞帳に描かれているのは、「堅田の浮御堂」と琵琶湖のようです。
【追記】■今回の北部ブロックの「まちづくり会議」では、最後にアドバイザーとして総評をさせていただきました。そのなかで、ひとつのたとえ話をしました。先日、岐阜県の中津川市のまちづくりのお手伝いにいったさい、「栗きんとん」の詰め合わせをお土産にいただきました。中津川市は、栗きんとんの発祥の地なのです。ただし、この「栗きんとんの詰め合わせ」、市内にあるさまざまな老舗の和菓子屋さん自慢の栗きんとんを詰め合わせにしたものなのです。すべて「栗きんとん」なんですが、そうでありながらひとつひとつに個性があるのです。今回、北部の「まちづくり会議」では、これからの「まちづくり」のイメージを伝えるために、この中津川市の「栗きんとん」の詰め合わせのお話しをさせていただきました。小さなコミュニティが、それぞれ個性をもちながらも、全体としてはまとまっている、あるいは相補的な関係のなかでに全体ができあがっている、そのようなイメージです。うまく伝わったかどうかわかりませんが、参加者のおひとりからは、「わかりやすくて聞いててワクワクしてきました」という感想をいただきました。他のみなさんにも、そのように感じてもらえるとうれしいんですけど、どうでしょうね〜。
■もうひとつ、とても印象に残ったことがあります。今回の「まちづくり会議」の最年少の参加者は、20歳代前半の方でした。消防団に所属されているようです。災害対策に関連して、ご自身の意見を述べられました。災害時には安否確認が大切になりますが、普段からのつながりが大切だという意見です。これも大切な意見かと思いました。超高齢化社会では、行政サービスに期待することができません。ますます地域社会では共助の仕組みが大切になってきます。自分たちの地域の実情を基盤にした、持続可能な共助の仕組みをどうつくっていくのかが問われるのです。一人の方が、複数の共助の仕組みを支えることに参加していると、地域には重層化された共助の仕組みのネットワークが生まれることになります。重層化されたネットワークをどう構築していくのか、いろいろ地域の皆さんのご意見を伺いたいと思います。