地球研で研究会議

20150719chikyuken3.jpg▪︎昨日は、総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人・人間文化研究機構)で、参加している研究プロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」」の、社会科学系の研究会議が開催されました。朝9時半から夕方の18時まで集中して議論を行いました。一昨日からの台風11号の影響で、地球研のある京都市北部は避難勧告が出ており、この研究会議もどうなるのかなと心配していましたが、なんとか開催することができました。

▪︎午前中は、プロジェクトリーダーや、社会科学系のリーダーでコアメンバーの一人でもある私の方から話しをして、研究プロジェクトの進捗状況や「骨格」に関して議論。午後からは、研究プロジェクトの「大黒柱」と「梁」にあたる部分に関して、バリバリ研究を進めている金沢大学と京都大学のお2人にお話しをしていただきました。前者の「大黒柱」の部分は、流域のもつ階層性を深く考慮しながら、栄養循環-生物多様性-human well-being/community developmentの連関をどう解明して評価していくのか…ということです。後者の「梁」の部分とは、国内の異なる湖沼の環境ガバナンスの歴史的展開を相互に比較すし、それぞれの湖沼の環境ガバナンスの特徴を明らかにしつつ、メインの調査地である野洲川・琵琶湖流域を位置付ける…ということです。水戸黄門でいえば、「助さん」「格さん」のような感じの働きをしていただかなくていけないお2人に、これからも期待したいと思います。また、水戸黄門でいえば「風車の弥七」的存在である、若いPD研究員の皆さんも心強い存在です。これからも、しっかりプロジェクトを支えてほしいと思います。

▪︎私たちのプロジェクトでは、地球研が構想中の第3期計画の理念や、地球研が中心的な拠点となっているFuture Earth in Asiaの動向を強く意識しながら、今後もプロジェクトに取り組んでいく予定です。

20150719chikyuken.jpg ▪︎左写真は、PD研究員の浅野くんのtwitter投稿を拝借したものです。研究会議のあとの、所内での懇親会の様子です。ひさびさに宅配ピザをいただきました。ポテトチップスもいただきました。健康にいいな〜♪…というのは冗談で、2切れのピザでお腹がいっぱいになってしまいました。もう、おじいさんになりかけですから…。幟の左上には、マークも印刷されています。野洲川上流の森林から琵琶湖までの流域をアルファベットの「e」に似せてデザインしてあります。

▪︎懇親会後は、プロジェクトの「梁」を担当してくれる「助さん」Oくんと一緒に京都駅前のアイリッシュバーでさらに旧交を温めました。親子に近いほど年齢が違います。以前、この地球研で私が取り組んでいた研究プロジェクトに、当時院生だったOくんはアルバイトをやりたいと自ら売り込みをかけてきたのでした(今でも若いけど…)。私が講座環境社会学という本のなかに書いた論文を読んでやってきてくれたのです。懐かしい話しになります。もう10数年前の話しになります。

▪︎ところで、この4月から大学の研究部長になり、時間的にも体力的にも動きがとれず、地球研のプロジェクトや研究に時間とエネルギーを注ぐことができないことに相当ストレスを感じているのですが、この日は、そのようなストレスが少し緩和されたかのような思いです。研究部長の仕事は来年まで続きますが、その次の年にはなんとしても研究に専念できる研究員となり(今年申請しますから…)、この地球研のプロジェクトや自分のやり残している仕事に専念できればと思います。

【追記】
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▪︎左は、私たちの研究プロジェクトの幟です。「栄養循環プロジェクト」とは、私たちの研究プロジェクトの正式名称「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」の通称です。この幟をたてて、フィールドワークを実施することになります。すでにご協力いくとでご了解を得ている、複数の農村集落の関係者の皆さんに、「ああ、今日も地球研が来て頑張っとるんやな」と、遠くからでもご理解いただくためです。小さくてよくわからないと思いますが、幟の左上には、研究プロジェクトのマークが印刷されています。それを拡大したものが右側です。「e-rec」と書いてあります。流域をデザインしたものです。私たちのメイン調査地である野洲川を、分水嶺の山から琵琶湖まで、流域全体を表現するものとしてとしてデザイされています。アルファベット「e」の小文字の形に似せてあります。

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