第32回「北船路野菜市」

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20141124kitafunaji5.jpg ■先週の土曜日、第32回「北船路野菜市」が開催されました。月1回開催しているこの野菜市も、これだけ回数を重ねてくると、少し迫力が出てきました。4月と9月を除く月ですから、特別の困った事情がないかぎり年に10回開催することになります。かりに、あと7年継続すると100回を超えます。そこまで継続できるのかどうか、今のところよくわかりませんが、とにかく成果が生まれる限り継続していきます。また、参加したい学生が次々とやってきてくれる限り継続します。

■今回も、近くにお住まいの一般の消費者の皆さんや、大津駅前の居酒屋「利やん」さんにご購入いただきました。さらに、これまた近くにある料亭「魚忠」さんにも里芋や赤ズイキ、そして季節の野菜をご購入いただきました。ありがとうございました。今回の赤ズイキは、芋付きでした。ズイキの芋は、きめの細かいねっとりとした食感があるそうで、サトイモとはまた異なった美味しさがあるといいます。「…あるそうで、」とか「…といいます。」と書きましたが、私自身がきちんと食べたことがないからです(おそらく…)。芋の上側、茎の方は、皮をむいて茹でて酢の物や漬け物にします。また、乾燥させた干しずいきにしてこれまた酢の物にして食べることが多いのだそうです。

■昨日は、たまたま、協力農家さんからこの赤ズイキの出荷がありました。一般のお客さんは、どうやって食べたらいいのなかわからないらしく、なかなか手が出ません。それに対して、さすがに料亭の板長さん(社長さん)は、反応が違います。あらかじめ注文のあった龍大芋(里芋)の配達と一緒に試しに見ていただいたのです。そうすると大変関心を示され、指導農家の吹野さんにいろいろお尋ねになったうえで、その他の野菜とともに購入されました。「いろいろ市内でも、珍しい、地元の野菜をつくっておられるのでしょうが、その野菜をどのように購入したらよいのか、私たちはよくわかりません。こうやって、農家とつないでいただけるとありがたいです」とおっしゃっておられました。板長さんの思いは、できるだけ地元の農家が生産された地元の農産物を使いたいということです。そのような思いから、私たちが生産した「龍大米」(コシヒカリ)もご購入いただき、懐石コースの中の一品としてお客様に提供していただきました

■こういうやり取りをしていたとき、板長さんと私たちのあいだに眼に見えないけれど、とても熱いものが流れているように感じました。「農産『物』」と「お金」を単に交換するという単純な関係ではありません。単なるウイン・ウインの関係…というものでもありません。料亭と私たちとの間に、「農産『物』」と「お金」の交換の根底のところで「贈与」の精神のよなうものが流れていると思いました。単に地元の野菜が入手できるということを超えて、学生が地域のために様々な挑戦をしていることを評価し応援していただいているのです。このことに対して、私たちは応えていかねばなりません。贈与とはいっても、同時に私たちは、「目に見えない何か重いもの」を背負うことになります。今回は、「北船路米づくり研究会」の活動目的である「農村(生産者)と街(消費者)の顔の見える関係づくり」を、また一歩進めることができたように思いました。いろんな方達に信頼していただくとともにご支援いただいくことによって初めて可能になる、このような関係を、これからも「感謝」の気持ちとともに大切にしていきたいと思います。

■さて、写真の説明をしておきます。【上段左】朝礼風景。指導農家の吹野さんから、この日、協力農家から出荷された農産物について説明が行われました。【上段右】これも朝礼風景。声出しの練習。大きな声で挨拶ができるようにと、兼業農家でビジネスマンでもある吹野さんの提案で、学生たちがこんなことを始めたようです。ちょっと照れくさそうですが、この日一日、笑顔で大きな声を出すことができました。笑顔と声…「地域づくり」の現場においては、とても大切なことです。【中段・下段】この日、出荷された野菜です。白・赤カブ出荷されました。人気がありますね〜。中断・右のカゴに入っている赤い長い農産物、これが赤ズイキです。上の説明にも書きましたように、料亭の「魚忠」さんにたくさんご購入いただきました。下段は、ミズナ、ホウレンソウ、コマツナ、ダイコン、サトイモといった野菜です。出荷農家ごとにカゴに入れて分けて販売しています。

■来月の第33回「北船路野菜市」、12月27日に開催します。

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