『戦後日本公害史論 』(宮本憲一・著)

20140825miyamoto.jpeg■発注しました。『戦後 日本公害史論』。読者は、歴史から学ぶ…ということですね。この著書の根底のところに流れている宮本先生の「歴史観」のようなものを、きちんと理解できればなあと思います。丁寧に、真摯に読み、先生のご著書から学ばさせていただかなくてはいけないと思います。しかし、同時に、宮本先生が気になさらかったことはどういうことなのか、そういうことについても、後発の者たちは考えなくてはいけないと思っています。

■amazonでは「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」ということになっています。定価よりも、中古品の方が値段が高いということ、これも、この本への社会の注目度があらわれではないのかなと思います。

■朝日新聞の書評で、環境経済学者の諸富徹さんは、次のように書いておられます。

「著者は日本の環境政策が決してトップダウンではなく、ボトムアップ型で形成された点に特徴があると強調する。それは、世界でも類例のない公害問題を手探りで克服する中から、新しい方理論が生み出され、画期的な被害者救済制度が創出され、今では当たり前になった『原因者負担原則』が打ち立てられる創造的な過程でもあった。」

序章 戦後日本公害史論の目的と構成
  第1節 歴史的教訓
  第2節 日本公害史論の方法と構成
第1部 戦後公害問題の史的展開
 第1章 戦後復興と環境問題
  第1節 戦後復興期(1945〜59年)の経済と政治
  第2節 本源的公害問題の発生
  第3節 大都市の公害
  第4節 公害対策
  第5節 典型公害
 第2章 高度経済成長と公害問題
  第1節 国民的社会病
  第2節 公害の政治経済システム
  第3節 公害対策の始まり
  第4節 地域開発と公害
 第3章 公害対策の展開
  第1節 公害反対運動
  第2節 公害対策基本法
  第3節 革新自治体と環境権
  第4節 公害国会と環境庁の創設
 第4章 4大公害裁判
  第1節 公害裁判の創造
  第2節 イタイイタイ病裁判
  第3節 新潟水俣病裁判
  第4節 四日市公害裁判
  第5節 熊本水俣病裁判
  補論 高知パルプ生コン投入事件刑事訴訟
 第5章 公共事業公害と裁判
  第1節 公共性と環境権
  第2節 大阪空港公害裁判
  第3節 国道43号線・阪神高速道路公害裁判
  第4節 東海道新幹線公害裁判
 第6章 公害対策の成果と評価
  第1節 公害健康被害補償法
  第2節 ストック公害とPPP
  第3節 公害対策の成果と評価
  第2部 公害から環境問題へ
 第7章 戦後経済体制の変容と環境政策
  第1節 高度経済成長の終焉と政治経済の動態
  第2節 環境政策の一進一退
  第3節 環境保全運動の新局面
 第8章 環境問題の国際化
  第1節 多国籍企業と環境問題
  第2節 アジアの環境問題と日本の責任
  第3節 沖縄の環境問題
  第4節 国連環境開発会議をめぐって
 第9章 公害対策の転換と環境再生
  第1節 公害健康被害補償法全面改定
  第2節 環境基本法の意義と問題点
  第3節 「公害と闘い環境再生の夢を」
 第10章 公害は終わっていない
  第1節 水俣病問題の解決をもとめて
  第2節 終わりなきアスベスト災害
  第3節 福島第一原発事故
 終章 維持可能な社会(Sustainable Society)
  第1節 システム改革の政治経済学
  第2節 足元から維持可能な社会を

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