基礎ゼミナールのこと

■ひさしぶりに、「基礎ゼミナール」という授業を担当しています。社会学部社会学科で開講している2年生後期の演習です。

第1回:オリエンテーション
第2回:インパクトのある自己紹介をしよう
第3回目:自分の問題関心を深めよう(その1)

■私の知るかぎり、社会学部社会学科の学生の多くは、「社会学を勉強したい」と考えて社会学科に入学してきているわけではありません。受験指導のなかでなんとなく…、他大学に受験に失敗して…、法学や経済学など勉強したくなかったので消去法的に社会学が残った…、自分が勉強したいことがわからなかったが、社会学は間口が広そうだからなんとかなると思って…、理由は様々ですが、必ずしも積極的に社会学科を選択しているわけではないのです。

■2年生も後期になり、来年のゼミ選択をどうするのか、本気で考えなければならない時期になりました。自分の問題関心を深めておく必要があります。しかし、必ずしも積極的に社会学科を選択しているわけではありませんから、なんとなく「雰囲気」でゼミを選択してしまうことになりかねません。これは困ったことです。ということで、本日、第3回目は「自分の問題関心を深めよう」というテーマのもことで、グループワークを行ってもらいました。

・ゼミ生15名を3〜4人の4つのグループにわける。
・各自で、「最近、ハッとした出来事や経験」(関心をもっている、感動した、疑問に思った…等々)を3つ選び、ノートに書く。
・また、なぜ「ハッとした」のかについても理由を書いてもらう。
・そのノートもとづいて、グループの他の人に話しをしてもらう。聞く側も、相手の話しをより深く聞くために、いろいろ質問をする。
・グループワークを行った印象について語ってもらう。
・各グループから1人選んで、どういう話しをしたのか説明してもらう。
・私から講評を行う。

■グループワークといえるほどのものでもないのですが、けっこう盛り上がりました。ある学生は、「みんなが、目をキラキラさせて、熱く語るのが印象的でした」といっていました。学生たちは、これまで自分の問題関心を深めるという作業を、あまりしてきていないようです。また、そのような自分の問題関心を、人に説明する機会もあまりないようです。ということで、今日のゼミでの作業は、自分のなかに眠ったままになっている問題関心を掘り起こすことにもなったようです。本当は、いろんなことに、きちんと関心を持っているのにもかかわらず、そのことに自分自身で気がついていないだけなのかもしれません。

■今週は宿題を出しました。今日のグループワークをもとに、A4・1枚程度でよいので、自分の問題関心を文章化するという宿題です。来週のゼミでは、この宿題をもとに短い発表をしてもらいます。こんどは、自分の素朴なレベルのある問題関心を、社会学的な思考のなかに位置づけ直していくことになるのかなと思っています。

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