総合地球環境学研究所で「魚のゆりかご水田」研究の会議
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▪︎朝一番に自宅を出て、京都の上賀茂にある総合地球環境学研究所にやってきました。このエントリーは、地球研で書いています。「魚のゆりかご水田」プロジェクトの「超学際的研究」*を進めるためのミーテイングです。滋賀県の水産試験場の研究者、淡水魚のゲノム解析を得意としている研究者も参加して、プロジェクトリーダーの奥田さんの進行のもとで会議を行いました。まだ具体的にお話しをすることかできませんが、「ニゴロブナが孵化した水田に回帰してくる」(母田回帰)という習性を科学的に明らかにしていくことを軸に、そのようなニゴロブナの習性と、琵琶湖沿岸地域の農村の活性化の活動である「魚のゆりかご水田」プロジェクトとをどのように結びつけていくのか、また、どのように研究として進めていくのか、そのばあいの研究の枠組みはどうして構築するのか…、そのあたりのことについて議論をしました。なかなか、楽しい会議でした。一般の方たちにも関心をもってもらえるようなテーマなので、わかりやすい新書にでもなればなあと思っています。
▪︎今日は、午前中が総合地球環境学研究所での会議、午後からは深草キャンパスに戻ります。研究部の仕事と会議がはいっています。龍谷大学の第5期長期計画の「目玉」といってもよい「世界仏教文化研究センター」の立ち上げに関わる仕事です。学長室広報の皆さんと連携しながら、作業を進めています。研究部の仕事と会議が終わったあとは、情報メディアセンターの次長さんとミーティングをもつ予定です。龍谷大学の研究をもっと社会的にアピールしていくための作戦会議です。ということで、今日も頑張ります。
*「超学際的研究」 : ▪︎私たちのプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会―生態システムの健全性」は、総合地球環境学研究所のプロジェクトです。総合地球環境学研究所では、現在「Future Earth」という国際協働研究の枠組みに参加しています。この「Future Earth」では、「持続可能な地球環境に向けての国際協働研究イニシアティブ」であり、国際科学会議(ICSU)などの学術コミュニティ、研究資金提供団体や政策決定者などが協働して地球環境を包括的に理解し、地球規模の課題の解決に資する研究を総合的に推進することをめざしています。私たちの研究プロジェクトも、この「Future Earth」の方向性と連動しながら、「超学際的研究」のスタイルを堅持しつつ、プロジェクトを進めています。この「超学際的研究」についてですが、以前のエントリーにも書きました。再度、総合地球環境学研究所での説明を以下に引用しておきます
Future Earthは、人間活動による地球 環境への影響評価に加えて、自然科学 と人文・社会科学との文理融合の学際的(interdisciplinary)研究、及び、研究者と他のステークホルダー(行政、産業界、 NGO/NPO、メディア、市民など)との超学際的(transdisciplinary)な連携(協働)を通じて、持続可能な社会へむけた転換を目指すところにその特色があります。とくに、研究者コミュ ニティ以外のステークホルダーとの協働は、研究の立案の段階から成果の普及に至るまで組み込まれ、これまでの 科学プロジェクトとは大きく異なる研究設計となっています。
財産区の研究に関する打ち合わせ
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▪︎2日続けて地球研での仕事です。昨日は、プロジェクト主催の「第2回栄養循環セミナー」が開催され、講師としてお話しをさせていただきました。現在取り組んでいるプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」の、いわば「前史」となる、これまで私が総合地球環境学研究所で取り組んできた研究プロジェクトの概要を説明させていただきました。
▪︎今日は、現在取り組んでいるプロジェクトの打ち合わせです。私たちのメインとなるフィールドは野洲川流域ですが、その一番上流にあたる森林の保全や管理に関して、今週末、甲賀森林整備事務所、滋賀中央森林組合、大原財産区委員会の関係者の皆さんと意見交換会を実施する予定になっています。今日の打ち合わせは、そのための事前の調整等にあてられました。リーダーの奥田さんは、マスクをされています。海外出張等で超多忙。少し体調を壊しておられます。ストレスが溜まっているんですね。お疲れ様です。
フィールドステーションの開設
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▪︎コアメンバーとして取り組んでいる総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」では、滋賀県甲賀市甲賀町に、フィールドステーションを構えることになりました。もちろん、建物自体は地域の方のものです。その方のご好意でフィールドステーションとして活用させていだけることになりました。これは、より一層、地域の皆さんや行政の皆さんと一緒に、超学際 「Transdisciplinarity」的研究をさらに進めていきます。
▪︎総合地球環境学研究所の超学際的研究の背景には、地球研が推進する「Future Earth」の取り組みがあります。以下は、地球研のサイトからの引用です。
Future Earthは、人間活動による地球 環境への影響評価に加えて、自然科学 と人文・社会科学との文理融合の学際 的(interdisciplinary)研究、及び、研究者と他のステークホルダー(行政、産業界、 NGO/NPO、メディア、市民など)との超学際的(transdisciplinary)な連携(協働)を通じて、持続可能な社会へむけた転換を目指すところにその特色があります。とくに、研究者コミュ ニティ以外のステークホルダーとの協働は、研究の立案の段階から成果の普及に至るまで組み込まれ、これまでの 科学プロジェクトとは大きく異なる研究設計となっています。
▪︎写真のチラシは、フィールドステーションの開所式のご案内です。地元の皆さんと一緒に、開所を祝うパーティを開く予定です。
Biodiversity-driven-nutrient cycling research in Laguna de Bay officially underway
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▪︎コアメンバーとして取り組んでいる総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」では、フィリピンのラグナ湖の流域でも研究を進めていきます。共同研究のフィリピン側の研究チームでも、サイトを立ち上げてくれました。
再掲「川・霧・地震・水・竹―ウイスキーの背景―」(2008/11/4)
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▪︎大学の本部のある深草キャンパスの近くに、「軍人湯」という銭湯があります。まだいったことはありませんが、その名前が気になっています。伏見区の深草には、「大日本帝国陸軍第十六師団」が存在していました。この十六師団の練兵場の跡地は、現在、龍谷大学の深草キャンバスと京都府警警察学校になっています。そういうわけで、龍谷大学の周囲の伏見区の深草界隈は軍事的なエリアでもありましたて。さて、「軍人湯」ですが、京阪の駅としては藤森駅の近くになります。かつて、この銭湯の周囲には兵舎が並んでいたてことから、このような銭湯の名前になっていようなのです。興味深いですね。大学のある伏見区、深草界隈の近現代の歴史について、もっと勉強してみたいと常々思っています。
▪︎さて、この「軍人湯」に関して短い投稿をfacebookにしたのですが、すると同僚の先生からコメントをいただきました。「銭湯も京都名物のようですね。京都通の旅行者によると『地下からくみ上げた水がまろやか』なんですって」。それに対して、「しかも京都の地下は、巨大な水瓶ですからね‼︎」とお返事しました。そうなんです。京都は地下水が豊富なんです。そうリプライさせていただいたとき、現在は「塩漬け状態」になって更新が停止しているブログに、「川・霧・地震・水・竹―ウイスキーの背景―」という記事を投稿していたことを思い出しました。2008年11月4日に投稿したものですから、もう7年近く昔のことになりますね。せっかくですから、その記事をここに掲載することにしました。以下が、その記事です。本文中に登場する「ryotaさん」とは、当時の私のブログにいつもコメントをくださっていた方です。いろいろ深い見識をお持ちの方で、私自身、ryotaさんのコメントをいつも楽しみにしていました。
■少し前のことになりますが、エントリー「サントリー・オールド」(2008/10/19)に、ryotaさんから今回は以下のようなコメントをいただきました。ryotaさんは、このブログが扱う、かなり広い意味での「環境」の話題に対して、いつも前向きにコメントをくださいます。
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「名酒がつくられる場所は人間にとっても気持ちのいい場所なのだろうか?というテーマだと各地の酒蔵を巡ったりして楽しく追求できそうだなと想像しています。」「『アースダイバー』ふうにみると、『山崎』というのは天王山の『崎』、三川合流に臨んだ『サッ』に位置する特別な場所といえるのかもしれません。」
—————————■いただいた2つのコメントのうち、前者については、中国でいうところの「気」の問題とも深く関係していると思いますし、このテーマでアースダイビングしてみると、飲兵衛の私のばあい趣味と実益(という趣味)をかねていて大いに結構ということになるのですが、悲しいことに、そのアプローチを深めていくだけの知識や教養がありません(アースダイビングについては、ちょっと読むのが大変かもしれませんが、こちらをご覧ください)。後者については、「あっ…」と、ちょっと驚きました。山崎は、天王山という山の先っちょ、ということですよね。う~ん、そうか。このブログで、ずいぶんアースダイビングなんて書いてきたにもかかわらず、私には、そういう発想がありませんでした。ryotaさんからいただいたコメントに、真正面からお応えすることができないわけですが、それでも、非力なりに少しだけ書いてみたいなという気持ちになりました。サントリー・オールドの背景について書いてみることにしました。
■上の画像をご覧ください。トップの写真に、少しばかり知名等を入れてみました。ここは、桂川、宇治川、木津川の3つの河川が合流する三川合流地点です。この三川合流地点あたりの北西(左上)には天王山が、そして南西(右下)には男山があります。天王山については、Wikipediaでは、次のように解説しています。
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京都盆地の西辺となる西山山系の南端に位置し、東の男山とのあいだで地峡を形成する。この地峡には、桂川・宇治川・木津川が合流して淀川となる川の流れに沿って、右岸にJR京都線(東海道本線)、東海道新幹線、阪急京都線、国道171号(旧西国街道)が、左岸に京阪本線、旧国道1号(現・府道13号京都守口線、旧京街道)と、かつて水上交通路であった川筋をふくめて、近畿最大の大動脈である京阪間のほぼ全ての交通路が含まれる。また、その京都府側では名神高速道路の大山崎JCT/ICがあり、名神高速道路のバイパス機能を持つ京滋バイパスが宇治・滋賀(名神瀬田東JCT)方面へ分岐する。また、当地は、豊富な地下水に恵まれており、南麓の大阪府側にサントリー山崎蒸留所が所在することでも有名。関西地方では名神高速道路の渋滞箇所で有名な天王山トンネルの知名度が高い。
——————————————–■この「地峡を形成する」ってとこが、なんだかすごいな~。これまで、地峡だなんて考えたことはありませでしたから…。wakipediaの定義は、「二つの陸塊をつなぎ、水域にはさまれて細長い形状をした陸地」です。地峡といえば、スエズ地峡やパナマ地峡しか頭に浮かびませんでしたから…。この天王山、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀と羽柴秀吉が戦った「山崎の戦い」で有名です。スポーツの勝敗の行方に関して、よく天王山という言い方をしますが、ここからきています。といっても、お恥ずかしいお話しですが、そのことを知ったのはずいぶん大人になってから、それもオジサンと呼ばれてもよい年齢になってからでした…。まあ、こんなふうに書いても、ご理解いただけるのは、関西在住の皆さんということになりますから、少し、全体の状況がわかるように、もう一枚画像を用意しました。現在は干拓されましたが、かつて存在した巨椋池のおおよその位置も円で示しておきました。
■このような地形の特徴をご理解いただいたうえで、次の説明をお読みいただけますでしょうか。以下は、サントリーのサイト内にある「ジャパニーズウイスキー物語 第二話 研鑽が生んだ傑作」にある説明です。
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鳥井信治郎はスコッチ製造法に関する文献から、土地の重要性を学んでいた。良い原酒は良い水が生み、良い熟成は良い自然環境なしにはあり得ない。その確信をもとに、全国の候補地から選ばれたのが京都郊外の山崎だった。
山崎は北に天王山を背負い、対岸の男山をはさんで桂川、宇治川、木津川が合流する。三川の水温が異なる上に、大阪平野と京都盆地が接する、狭まった自然の関門にあるため霧が発生しやすい。この湿潤な気候が貯蔵熟成に好影響を与える。
また千利休の愛した水がある。天王山に広がる竹林の下からは良質な水が湧き出している。利休はこの清水で茶を点て、侘び茶の第一歩を記している。
最終的にはこの水が決め手となった。当時のスコットランドの醸造学の権威、ムーア博士から「山崎の水は、ウイスキーに最適の水」の検査報告を得られた。
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■なるほど~。霧ですか。霧が生みだす湿度がウイスキーの熟成に必要なわけですか。「狭まった自然の関門」、つまり上でみた地峡ですね。それから「三川の水温が異なる」ってところがポイントのようです。調べてみると、霧の発生には、①空気中に凝結核が多い、②水蒸気量が十分である、③空気を冷却する、この3つの条件が必要だといいます。この3つの条件についてはよくわかりますが、三川の水温が違うとどうして霧が発生しやすいのでしょうか。う~ん、わかるようで、ちょっとわからない部分があります…(ちょっと、理解できなくて気持ち悪いのですが…どなたか教えてください…)。まあ、それはともかく、サントリー山崎蒸留所の水野めぐみさんが運営されているブログ「山崎蒸留所ブログ」のエントリー「霧の山崎」で、この霧が発生している状況をご覧いただけます。■さて、もうひとつは水です。さきほどのサントリーの解説では、「天王山に広がる竹林の下からは良質な水が湧き出している。利休はこの清水で茶を点て、侘び茶の第一歩を記している」とあります。この点についても、少し調べてみました。尾池和夫さんのホームページのエッセーで興味深い記述をみつけました。尾池さんは、京都大学の総長をつとめられた地震学者ですが、俳人でもいらっしゃいます。月刊俳誌「氷室」に、「京都の地球科学」という連載エッセーを、1994年5月からずっと続けておられます。この連載の23番目のエッセー(1996年3月号)「京都の水」です。
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京都の有名な茶席を市の地図に記入すると、それらは南北に三列に並んでいることがわかる。東山の山麓に、北は大原三千院から、銀閣寺の東山殿お茶の井、菊の井、清水寺の南の延命水、東福寺、その南の金湧水まで並ぶのが花折断層系、市中の裏千家、表千家から菊水、芹根井までの列が伏流水、西の天竜寺や西芳寺が西山断層系の水である。
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■う~ん、なるほど。尾池さんの解説を地図に落とすと、上の画像のようになります。黄色が花折断層系、水色が伏流水、ピンクが西山断層系です。じつにはっきりわかります。気になったところを、大変乱暴にまとめると…。
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①「京都の名産である京扇子」
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②「原料は竹」
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③「竹は活断層の破砕帯や扇状地の補強のために植えられる」。
——————————————–それから…
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①「水と地震は深い関係にある」
↓
②「おいしい酒が作られる所は大地震の起こる所である」(伏見の地下水=伏し水)
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③「千年から数千年に一度ずれた活断層に沿って岩盤は深くまで破砕されていて、そこを地下水が大量に流れている」
↓
④「天王山麓の山崎蒸留所と千利休の妙喜庵」
↓
⑤「有馬-高槻構造線は、大地震を繰り返し起こしてきた活断層」。
——————————————–■いや~、竹と水と酒(伏見の日本酒、山崎のウイスキー)がつながってくるわけですね。サントリーのホームページのなかで、作家・椎名誠さんの「シングルモルトウイスキーの旅」というタイトルのエッセーを読むことができます。その第5回目は「山崎 勇躍編」です。ここにも竹のことが登場します。椎名さんは、山崎蒸留所の裏山を登ったときのことをレポートされています。その最後には、「山崎峡は昔から豊富な竹林に覆われて、これが良質の水を蓄えていた。その湧水がうまいウイスキーのもとになる」と書かれています。しかし、尾池さんの説明によれば、竹が良質の水を蓄えてきたというよりも、「竹は活断層の破砕帯や扇状地の補強のために植えられ」たのであり、「活断層に沿って岩盤は深くまで破砕されていて、そこを地下水が大量に流れている」ということになります。なるほど~。勉強になります。冒頭に書きましたように、ryotaさんからいただいたコメントとうまく結び付けてエントリーすることはできませんでしたが、個人的には、いろいろ勉強になりました。そういう意味で、ryotaさんに感謝、です。
■このような話題は、社会学とはまったく関係のないことであり、地理学や地学等の話題になってくるわけですが、私自身は、それぞれの地域の社会を特徴づけているこのよう制約条件は、環境社会学の枠組みのなかで考えていることともつながっていると思っています。近代社会は、このような環境がもつ制約条件を制御する方向で展開してきました。実際には、「制御できている」と思い込む方向で…という方が、より正確かもしれませんね。そして、近代社会から生まれた社会学も、このような制約条件を無視しがちです。しかし、環境の研究を進めていると、普段は無視している/気が付かないそのような制約条件を、強く意識せざるを得ないことがたびたびおこります。
ぼてじゃこトラストの記念シンポジウム
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▪︎本日の午前中は、ボランティアの皆さんと一緒に自治会の夏祭りの後片付けをして、午後は大津市南郷の「アクア琵琶」に移動しました。この「アクア琵琶湖」を会場に、発足20年を迎えた市民団体「ぼてじゃこトラスト」の記念シンポジウムが開催されたからです。20年も地道に活動を継続しながら成果もあげていく…とてもすごいことだと思います。私は、お祝いの気持ちとともに参加させていただきました。この「ぼてじゃこトラスト」は、環境の変化や外来種の増加で激減したぼてじゃこ(タナゴ)の調査を行うとともに、子どもたちへの環境教育活動にも取り組んでおられます。
▪︎今日のシンポジウムでは、琵琶湖や琵琶湖流域に関わって活動をされている小中高生を中心とした団体が活動報告をされました。「ぼてじゃこワンパク塾」、「アイキッズ」、「ホタルの学校」の3団体の皆さんです。それぞれの団体のみなさんの活動のレベルの高さに驚きました。素晴らしい。活動報告のあとは、前滋賀県知事・びわ湖成蹊スポーツ大学学長の 嘉田 由紀子さんが基調講演をされました。嘉田さんのファンの方達がたくさんいらしゃっていたようで、真剣にメモを取りながら聞いておられました。そのあとのパネルディスカション、残念ながら、夕方から自宅マンションの管理組合の理事会があるため、聞かせていただくことができませんせでした。途中で会場を後にしました。「滋賀の川遊び、雑魚取り文化を次世代につなげよう!!」というテーマでのディスカッションだったようです。残念ですね〜。でも、総合地球環境学研究所のPD研究員の浅野さんが来てくれていたので、彼にどのようなディスカッションだったのかをあとで聞かせてもらうことにしたいと思います。このパネルディスカッションのテーマ、すごく大切なテーマだと思っています。
2015「びわコミ会議」
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▪︎昨日は、大津市の「コラボしが21」で、「びわコミ会議」が開催されました。琵琶湖に関わって活動をしている人びとが一堂に会すると同時に、琵琶湖の現状を知るための「大交流会」です。この「びわコミ会議」ですが、「マザーレイク21」と呼ばれる琵琶湖総合保全整備計画との関連で開催されています。詳しくは、こちらをご覧ください。私は、参加している総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」のメンバーと参加しています。
▪︎午後のセッション「びわ湖のこれから話さへん?」では、様々なテーマに分かれてグループ・ディスカッションを行いました。地球研のプロジェクトリーダー奥田昇さんと、PD研究員の浅野さん、サブリーダーである京都大学生態学研究センターの谷内茂雄さん、そして私で担当したのは、「野洲川と人びとのつながり」に関するグループです。野洲川上流、甲賀市の丘陵地帯にある農村、そして野洲川下流の守山市にある農村からお越しの、3人の農家の皆さんにお話しを伺うことができました。特に話題になったのは、お3人がまだ少年だった昭和20年代の話しです。河川改修や圃場整備事業が実施される以前の、「魚つかみ」「魚食」の文化の豊かさについていろいろお話しを伺わせていただきました。皆さん、大変楽しそうにお話しになりました。私自身も、とても興奮しました。野洲川流域の上流、野洲川の下流と、お住まいの農村はもちろん、「魚つかみ」をしていた河川の状況や、つかんだ魚の種類も全く違っているわけですが、「もっと話しをしていたい」とおっしゃるぐらいに話しあいは盛り上がりました。村の中で昔話をすることはあっても、他所の村の方たちと話しをした経験はないそうです。必ず、また、こういう盛り上がることのできる「場」を設けること、お約束いたしました。
▪︎「びわコミ会議」の最後まではいることができませんでした。自分の所属する自治会で「夏祭」か開催されており、そこでボランティアとして焼きそばを作らなければならなかったからです。あとで、プロジェクトリーダーの奥田さんに聞いたところ、琵琶湖に関わって活動をしている人びとが一堂に会する「大交流会」である「びわコミ会議」らしく、いろんな方達との今後の協働の可能性が見えてきたようです。こういう人びとの連携が生まれるとこも、この「びわコミ会議」の魅力かなと思います。
夏期休暇中に総合地球環境学研究所へ
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▪︎大学の一斉休暇明、深草キャンパスと瀬田キャンパスに出勤しましたが、今日は大学ではなく総合地球環境学研究所へ向かいました。今年度、下半期の予算の計画的な執行にあたっての打ち合わせです。いつのまにやら研究プロジェクトの「人間社会班」というザクッとした名前の班リーダーになっていることから、地球研の職員ではありませんが、けっこう細々したことを調整しなければなりません。夏期休暇中は、けっこう頻繁に地球研に通っています。まず、旅費を確定するために、フィリピンで行う海外調査と、国内の宍道湖や八郎湖で行う調査の日程を決めました。優秀なPF研究員がいてくれるので、なんとかなっていますが…、そのように人材がいても研究プロジェクトのマネジメントはなかなか大変…なわけです。もちろん、大学の仕事とのバランスや調整も難しいのですし…。
▪︎休憩しに研究所の庭に出ると、私たちのプロジェクトの調査地である甲賀市甲賀町小佐治から頂いた稲が成長していました。少しずつ成長して、稲穂らしくなっきていました。こんなふうに、私たちの研究プロジェクトも成長発展すればよいのですが、なかなかそういうわけにはいきません。少しずつしか前進できません。とはいえ、前向きに、誠実に、研究プロジェクトに取り組んでいます。
安定同位体による魚の耳石の研究
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▪︎私は、30歳代の頃からずっと、自然科学分野の研究者と一緒に、環境(環境問題)に関わる様々な研究プロジェクトに取り組んできました。そのようなこともあり、私は、社会学の「業界」だけで仕事をされてきた多くの社会学研究者の皆さんとは、ずいぶん異なる研究経過を歩んできました。今日のエントリーも、そのようなことと関係しているのかもしれません。さて、この写真の機械ですが、「安定同位体」を測定する機械です。そうすると、「安定同位体」とはなにか…ということになりますね。「門前の小僧習わぬ経を読む」的な感じではありますので(多少は自分でも勉強しましたが…)、怪しいところが多々あるのですが、少しだけ説明をさせてください。
▪︎この世界は、様々な元素からできあがっています。元素の最小は原子ですし、その原子は、原子核と電子からできており、さらに原子核は陽子と中性子からできています(このあたりは私のばあい高校までの知識でも大丈夫です)。ところが、同じ元素でありながら(同じ性質をもちながら)、中性子の数が違うため、重さの違う原子がこの世の中には存在しているのです。これを「同位体」と呼んでいるそうです(このあたりにくると、私の時代の高校までの知識では、ちょっとあやしくなってきます)。さらにこの「同位体」は、放射能を出して別の元素に変化していく「放射性同位体」と、時間が経過しても安定したままの「安定同位体」にわけられます。自然界には、大変微量ではありますが、通常の原子とは重さの異なる「安定同位体」が存在しています。親しい研究者が、講演用のパワーポイントを使って私にこんなたとえ話をしてくれました。
▪︎「女子マラソンに野口みずき選手がいるでしょ(パワーポイントは、野口選手がアテネオリンピックでゴールする写真)。安定同位体の分析ってていうのは、フルマラソンにたとえれば、彼女の42.195kmの最後の数センチを測定しているようなものなのです。それほど微妙な量を測定できるのです」。う〜ん、わかったようなわからないような…。「重さ」を「長さ」に置き換えてあるわけですが、大変微妙なものでも測定できるだけの技術がすでに存在していて、それがバンバン研究に使われている…ということなのです。非常に微妙ではありますが、安定同位体は自然界のどこにでも存在しています。それぞれの場所で、通常よりも重い「安定同位体」が、極々わずかに存在しており、通常の重さのものとの比率を調べることで、いろいろなことがわかってきます。
▪︎安定同位体は、私たちも含めて、あらゆる生物に取り込まれます。そして、体の一部になります(また、排泄されます)。脊椎動物には「耳石」と呼ばれる平衡感覚を保つために必要な組織が存在していますが、魚にもこの「耳石」が存在しています。「耳石」は、木の年輪のような模様があり、この模様が1日1本ずつ増えていきます。当然のことながら、この「耳石」には、その魚が成長した水域の環境のなかにある「安定同位体」が取り込まれることになります。「耳石」のなかには、その魚が成長した過程が「安定同位体」という指標によって記録されることになります。ここまでは、いろんな魚で研究されているところですが、私たちのプロジェクトでは、琵琶湖のニゴロブナに関して、この方法を使って研究を進めています。
▪︎「魚のゆりかご水田」プロジェクトでは、ニゴロブナが水田に遡上し、水田で産卵します。水田で孵化した仔魚の「耳石」には、その水田の「安定同位体」の比率が「記録」されることになります。そして、6月の中干しと呼ばれる作業と同時に、成長した仔魚は水田から琵琶湖に泳いでいきます。そして数年後、琵琶湖で成長したニゴロブナは再び水田に産卵のために遡上してきます。そのさい、捕獲されたニゴロブナの「耳石」に記録されている「安定同位体」比と、その水田の水環境の「安定同位体」比とを比較し、両者が一致するかどうかを調べることで、ニゴロブナが自分の生まれ育った水田へどの程度回帰しているのかがわかります。興味深い結果が出たらなあと思っています。また、そのような研究結果を、「魚のゆりかご水田」プロジェクトを推進している地域社会にとっての意味、社会的努力が可視化されることの意味を考えていかねばなりません。
▪︎サイエンスは、ある意味、大変シンプルです。サイエンスでは、シンプルで力強いことが大切だと思います。それに対して、社会学は…。おそらく、自然科学分野の人たちからすると、社会学は大変わかりにくい学問領域かと思います。しかし、私たちの研究プロジェクトのように、流域全体の環境保全を「超学際 Transdisciplinarity」的に進めていく研究プロジェクトにおいては、自然科学だけでなく、社会科学や人文学との連携が不可欠な状況が生まれています。このあたりは、自然科学分野の方たちの方が、大変貪欲です。課題解決志向の科学的研究に積極的に取り組もうとされています。そのような「超学際 Transdisciplinarity」的研究領域で、自然科学との連携に積極的なのが環境経済学の分野の方たちかと思います。私が参加している地球研のプロジェクトでも、メンバー有志で、国の機関( JST科学技術振興機構)が進める「超学際 Transdisciplinarity」の研究分野に、新たに応募しました。環境問題に関連する環境科学の学問領域は、その編成自体が、どんどん変化しつつあります。おそらく、従来の社会学の立場からすれば、このような問題解決志向の「超学際 Transdisciplinarity」的研究は、新たな道具的理性として批判の対象になるのかもしまれせん。しかし、私自身は、巷に流布する批判の形式に安易に便乗することなく、もっと深く建設的な議論していく必要があります。
【追記】▪︎生物の体を構成しているのは、基本的に、水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、イオウ(S)といった元素です。これらの元素の「安定同位体」を用いた研究が、生態学や地球化学の分野で行われています。ところが、生物にとって同様に重要な元素リン(P)については、「安定同位体」がありません。しかし、私たちの研究プロジェクトでは、その代替的な方法として、「リン酸-酸素安定同位体」を用いた研究を進めようとしています。いろいろ困難な課題があるのですが、それについても見通しがたってきました。河川や湖沼等の淡水域の環境においても、リンの循環を把握できる方法に見通しがたってきたのです。言い方を変えれば、何に由来するリンであるのか、その起源を探ることができる(トレーサビリティ)技術が開発されようとしているのです。このような技術で明らかになる科学的事実は、社会科学分野の研究や、私たちの研究のキーワードである流域ガバナンスに活かされていくことになります。
湖西の小河川
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▪︎夏期休暇に入り、大学の研究部の仕事からも解放され、やっとこのサイトの名称に相応しい(?!)内容のエントリーが続くようになりました。なんだか本来の自分を取り戻しているようで嬉しいです。そのような状況になったところで、参加している総合地球環境学研究所の若い研究者(PD研究員)の浅野さんから、「湖西に、魚好きの家族と一緒に魚釣りにいくんですが、一緒に行きますか?」とお誘いを受けました。もちろん、学術的な調査などではなくて、純粋の息抜きに行きませんかというお誘いです。私自身は、魚釣りよりも、「魚好きの家族」の方に惹かれて、参加してみることにしました。
▪︎昨日、12日の朝9時。集合場所は、JR湖西線の北小松駅でした。そこからは、浅野さん以外の研究員、上原さん、石田さん、そして中一のお嬢さんとお母さんの親子ペア=「魚好きの家族」、合計6名で、北小松駅の比較的そばにある、小河川が注ぎ込む砂浜に移動しました。トップの写真は、その砂浜から撮ったものです。この日は、幸いにも「ぴーかん」の快晴ではなく、少し曇りがちな天気でした。8月の真夏真っ只中、私のようなおじさんの身体には優しい天気でした。写真は、南向きです。湖西の山々のシルエットが順番に確認できますね。琵琶湖の水温は「緩い」という感じでしたが、それに対して流入する小河川の水温はかやり「冷たい」感じがしました。湖西には、ほとんど平地がありません。山から流れてきた水はすぐに琵琶湖に注ぎ込むことになります。北小松には水泳場があります。そのような水泳場や私たちの目的地である砂浜の砂も、湖西の、このような小河川が山から運んできたものかと思います。花崗岩に由来するものでしょう。小河川を歩いてみると、足の裏が痛くなります。砂礫が、まだ磨かれていないのです。そのような砂礫の小河川に、琵琶湖から小鮎やハスが遡上していました。
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▪︎最初は、若い研究員の3人は、琵琶湖で釣りをしていたのですが、すぐに関心は小河川の方に移りました。「魚好きの家族」のうち、中一のお嬢さんも含めて、みんなでタモなどで魚を捕まえ始めました。また、追い詰めたハスを手づかみで捕まえていました。若い方たちは、動きが俊敏ですね。私などのおじさんには、とても魚を素手で掴むことなどできません。研究員の浅野さんが手で捕まえた魚は、コイ科の仲間の「ハス」です。魚食性の魚です。この魚の特徴は口にあります。口の形が横からみると「へ」の字型になっています。小鮎などを捕食するために、口が、このような形に適応したのではないか…といわれています。私自身は、琵琶湖から一歩小河川に入っていくと、こんな別世界が待っていることにちょっと感動しました。
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▪︎昼食は、若いみなさんが捕まえた魚を塩焼きにしていただきました。「魚好きの家族」のお嬢さんも、包丁でハスのお腹をさばいて塩焼きの下ごしらえをしておられました。素晴らしいですね〜。このお嬢さん、そして彼女のお母さんは魚が大好きです。食べるのはもちろんですが、小河川で「ガサ入れ」をするのが好きなのだそうです。「ガサ入れ」とは、通常、警察が証拠を確保するために建物等に立ち入ることを言います。しかし、「魚好き」(淡水魚愛好家)のあいだでは、「ガサ入れ」とは川岸の水生植物の生えているあたりにタモ網を「ガサガサ」と突っ込み、タナゴのような小さな魚を捕まえる行為のことをいいます。「魚好き家族」の親子のお2人は、この「ガサ入れ」が大好きなのです。
▪︎若い研究員の皆さんが、魚に夢中になっているあいだ、私はお母さんに少しだけライフヒストリーをうかがってみました。お母さんは、八日市の田園地帯のなかでお育ちになりました。学校の行き帰り、いつも気になっていたのが、水田の水路にいる魚たちのことでした。もちろん、典型的な女の子の遊びをしないわけではありませんでしたが、お母さんは、弟さんと一緒に、魚とりに出かけて遊んでいたといいます。お母さんの魚好きは、大人になって、ご結婚されてからも続きました(ここが素晴らしい…)。今では、お嬢さんと一緒にで「ガサ入れ」に出かけておられます。そうやっているうちに、「ガサ入れ」仲間も増えていきました。魚好きの「おっさん」たちです。そのような、魚にワクワクしている大人たちと一緒に過ごしていると、お嬢さんにもそれが伝わっていくことになりました。「文化」とは、こうやって伝承されていくものなのだと思います。
▪︎以前、「自然が大好き、魚が大好き」だという親子の皆さんにお話しを伺ったことがあります。あるお父さんは、こう語っておられました。「子どものときに滋賀県に家族でキャンプにいきました。手でつかんだ魚のヌルッとした感覚やそのときの匂いを、今でもありありと思い出すことができます。そのとき、めちゃくちゃ感動しました。その感動を子どもたちに伝えたくて、家族でアウトドアを楽しむようになりました」。そのような内容の話しでした。魚を手でつかんだときの経験が、このお父さんの「自然観」を形成するうえで大変重要な契機になっていることがわかりました。
▪︎こうやって遊びを通して、流域に「深くかかわっている」方たちがたくさんいればいるほど、流域の環境は保全されていく可能性が高まっていくことになる…、私はそう確信しています。もちろん遊びだけでなく、いろんな「アプローチ」から、そしていろんな「立場」から、「深くかかわっている」人びとが大勢いることが大切なのです。問題は、「深くかかわる」とはどういうことなのか…ということでしょう。それについては、また別の機会に述べたいと思います。