第42回「北船路野菜市」の開催

▪︎明日、第42回「北船路野菜市」を開催します。大津市丸屋町商店街・「大津百町館」前で、10時から開店です。明日、協力農家の皆さんから、以下の野菜が出品される予定です。

安納芋、海老芋、里芋、大根、水菜、ほうれん草、小松菜、大根、白菜、人参、キャベツ、白蕪、赤蕪、それから餅や柿も出品されます。

▪︎海老芋は、今年から北船路の農家グループの皆さんが特産品づくりを目指して一生懸命生産されてきたものです。ぜひ、お買い求めいただければと思います。冬野菜の美味しい季節に突入しました。今回は、品揃えも豊富です。ぜひ、お越しください。

Googleマップ・ストリートビュー

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▪︎26日(金)の晩に、フィリピン調査から帰国しました。今回の調査は、例えていえば、霧でモヤモヤしていた風景が少しスッキリ見え始めた…そんな感じでしょうか。それなりの成果があったと思っています。しかし、帰国をして現実の問題のなかに引き戻されると、そのような高揚感もどこかにいってしまいます。帰国した翌日、身体は疲れていましたが、老母の介護は待った無しです。妻と一緒に、母が入所している介護老人保健施設に向かいました。今回は運転を妻に頼みました。息子も一緒に母を見舞ってくれることになり、途中で合流しました。施設では、息子が母の話しを聞き(傾聴ボランティア?!)、私たち夫婦は、「家族交流会」に参加しました。施設を利用されている皆さんと、ざっくばらんに介護のことについてお話しをすることができました。介護の経験を、個人や家族のなかだけで抱えこむのではなく、こうやってゆるやかに共有することは大切だなと思いました。

▪︎夕方、施設を後にして帰宅する途中、息子と私たち夫婦で夕食をとることにしました。高速道路を途中で降りて、大阪市の福島区に行ってみました。息子のリクエストで「お好み焼き屋」さんを探しました。運良く、ちょっと個性的な「お好み焼き屋」さんをみつけることができました。お腹いっぱいになり、息子と別れて帰宅するためにコインパーキングに向かうと、写真のような車が停まっていました。おもわず「おお!!」と叫んでしまいました。Googleマップについている「ストリートビュー」という機能をご存じでしょう。街中を写した画像を見ることができます。この写真の車は、その画像を撮影するための車のようです。ストリートビューの画像は昼間なので、スタッフさんは、この日の仕事を終了して車をこのコインパーキングに駐車させたのでしょう。私の勝手な想像ですが、ストリートビューのスタッフさんは、仕事の疲れを癒すために、この福島界隈で飲んでおられるのだろうな…と思ったのでした。

草津市にコウノトリが飛来

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▪︎facebookでの話題です。滋賀県の草津市のfacebookページに、コウノトリのことが投稿されていました。記事を読んでみると、兵庫県豊岡市の野外繁殖によって巣立ちした雄と雌の姉弟鳥なのだそうです。コウノトリはかなり長距離を移動すると聞いていましたが、滋賀県にもやってきてくれました。「兵庫県コウノトリの郷公園」の公式サイトの「長距離移動」のページをみると、この草津市に飛来したコウノトリのこと記事になっていました。J0009とj0013という認識番号がついていました。この公式サイト記事からは、豊岡で繁殖したコウノトリが、香川県や和歌山県、そして山口県や島根県まで飛来していることがわかります。すごいな〜。以下は、草津市の広報課のfacebookの記事です。

草津市西渋川、「日本年金機構草津年金事務所」前の電柱に19日夕、コウノトリ2羽が飛来。多少移動しながらも同じ位置に約17時間止まり続け、20日午前9時52分ごろ、北へ飛び去るのが目撃されました。
現地は住宅の密集地です。多くの車が行き交う道路をはさんで、2本の電柱のてっぺんに1羽ずつが向かい合って止まった姿は、遠くからでもよく目立ち、野鳥愛好家や近所の人たちがカメラを片手にかけつけ、盛んにシャッターを切っていました。
2羽は足に付けた識別標から兵庫県豊岡市で野外繁殖によって巣立ちした雄(6歳)=写真左と、雌(7歳)の姉弟鳥とみられます。「兵庫県立コウノトリの郷公園」に連絡して個体番号(J0013、J0009)が確認されました。ふだんから豊岡市周辺で共に行動することが多かったようですが、9月末から今月3日にかけて2羽とも、姿が見えなくなっていたということです。
野鳥の生態に詳しい県立琵琶湖博物館の亀田佳代子総括学芸員は「コウノトリは、繁殖期以外は広く飛び回ります。車や人が多い場所でも高い所なら安心して止まっています。近づきすぎて驚かしたりしないよう静かに見守ってください」と話しています。(取材 広報課)

▪︎記事のなかに、亀田さんのお名前がありました。コメントをされています。私も琵琶湖博物館で学芸員をしていました。かつての同僚・後輩にあたる方です。ずいぶん長いあいだお会いしていませんが、懐かしいですね〜。

カヤネズミの巣

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▪︎一つ前のエントリーで、カヤネズミの巣のことを書きました。このカヤネズミの巣は、総合地球環境学研究所のPD研究員である浅野悟史くんが、8月末に開催された「北船路・かかし祭」のさいに確認していたものです。写真は、そのカヤネズミの巣を撮ったものです。発見してくれたのは、この「かかし祭」に参加してくれた農学部の古本先生の息子さんでした。観察眼が鋭い!! その知らせを聞いて、浅野くんが写真に撮ってみたというわけです。

▪︎このカヤネズミの巣ですが、浅野くんからの報告によれば、一昨日の稲刈りのさいに、最終的には5つも確認されたようです。小さな田んぼですので、これはすごいなと単純に思いました。浅野くんからの情報によれば、まわりのススキの多い草原にも巣を作っていないか探索しても見つけられなかったといいます。カヤネズミにとって、私たちが「龍大米」を生産している小さな田んぼの方が居心地が良かったのかもしれません。餌が豊富にある…、敵に襲われにくい…といった理由があるのかもしれません。浅野くんは、私たちの田んぼ以外の、村の農家の田んぼの稲刈りも手伝ったようですが、そこではみつからなかったようです。ちなみに、私たちの田んぼは、通称「限界田」と呼ばれています。といいますか、指導農家の吹野さんが、そのように呼んでおられます。なにが限界かというと、北船路集落の棚田の一番てっぺんにあるためです。これ以上は田んぼをつくれない…から限界なのです。田んぼの山側は草原や森林になっています。つまり、人間の手が少し加わった自然のすぐそばにある田んぼということになります。

▪︎カヤネズミは、その名前からもわかるように、茅場やススキの原っぱで生きる動物です。それらは、人間の手によって刈り取られることが前提になっています。そのような人の手が加わるところに生息する動物なのです。調べてみると、今回のようにイネに営巣するさいには、米を食べるそうです。まあ、食べるといっても日本で一番小さなネズミですので、1日に食べる量はほんのわずかです。むしろ、田んぼにいるバッタやイナゴも食べてくれます。田んぼのなかの生態系は、どのようになっているのでしょうね。専門家に確認する必要があります。それはともかく、「北船路米づくり研究会」の田んぼは、カヤネズミが生きることのできる(餌になる昆虫がちゃんといる)、生物多様性の高い田んぼであるといえそうです。

【追記】▪︎カヤネズミについてエントリーしたところ、カヤネズミの生態に関して研究されているアマチュア研究者の方から、このブログの「CONTACT」機能を使ってメッセージをいただきました(以前は、個々の記事にもコメントを書けるようにしていたのですが、海外から大量のスパムメールが送られてくるようになり、その処理に辟易して、現在ではコメント機能が使えないようにしています)。「農地周辺でカヤネズミがどのように暮らしているかに興味を持ち、自宅近くの農地などでも観察」されているそうです。いたただいたメッセージからは、カヤネズミが一箇所でなく季節で移動しながら暮らしていることを教えていただきました。ありがとうございました。また、カヤネズミに関して何かありましたら、このブログにエントリーしたいと思います。

2015年度の稲刈り・天日干し

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20150922kitafunaji1.jpg▪︎昨日は、2015年度の「北船路米づくり研究会」の稲刈り作業、籾の天日干しが行われました。残念ながら、今年は、老母の生活介護の日と重なり、作業に参加することはできませんでしたが、学生リーダーの小西くんがfacebookにアップしてくれた写真を転載させてもらいます。稲刈りの作業は、指導農家の吹野さんが所有されているコンバインを使って行われます。鎌で刈り取り、稲架掛けをして乾燥させ…という体験も学生たちには良いとは思いますが、それを実施するだけの技術力はもちろん、時間的余裕や資材費等もありません。しかしかながら、今年も、コンバインで収穫した籾は、筵の上で天日干しして乾燥させました。これで、仕上がりの味が良くなります。午前中が稲刈りの作業、午後は天日干しの作業でした。

▪︎この日は、私がコアメンバーとして参加している総合地球環境学研究所の栄養循環プロジェクトから、PD研究員の浅野さんも参加してくれました。私たち研究会が「龍大米」(コシヒカリ)を栽培している田んぼには、今年、カヤネズミの巣が発見されました。浅野さんの一番の目的は、その巣を採取することにありました。カヤネズミは、日本で一番小さなネズミで、胴の長さは10cmありません。イネ科の草の種子や小さな昆虫を食べていきています。もともとは、農村周囲で人が刈り取りを行う茅場、牧草地などに生息していました。しかし、そのような場所がしだいに少なくなってきたことからでしょうか、棚田の一番てっぺんにある、私たちが限界田とよぶ辺りにも巣をつくるようになった…と推測しています。私たちの限界田は、カヤネズミが巣つくるだけの条件が整っていたのかもしれません。こういう話題も、今年の「龍大米」の販売の際には、話題として提供させていただこうと思います。

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ゼミOBからの連絡

20150915ob.jpg ▪︎昨日、昨年の春に卒業したゼミのOBからLINEで近況報告がありました。じつは、そのOBからは、今年の4月に「今の会社なんですがけど、もうじき辞めようと思っています」という連絡が入っていました。原因は過労だったようです。ちょうど、私の誕生日だっかな…。こういう連絡を唐突にもらうと、ゼミの教員としては落ち込みますよね〜。

▪︎ところが、です。そのOBが、こんどは会社から成績優秀につき表彰されたというのです。その連絡が、昨日LINEに届いたのです。彼は営業職です。なにか仕事のコツを得たようです。彼自身は、「覚醒しています(笑)」といっていました。彼が言うに、社歴最短で役職クラス級の営業成績を上げたようなのです。私にはよくわかりませんが、目標の7.0ポイントを大幅に上回る15.02ポイントの営業成績をあげることができるようになったらしいのです(私には、1ポイントの持つ意味や価値がわかりませんが…)。その証拠の写真、「表彰状」を撮った写真もわざわざ送ってくれました。

▪︎今も新人にかわりはないのですが、ここ数ケ月で、仕事のどこに力を入れて、どこは抜いてもよいのか…そのあたりのコツをつかんだようですね。力をぬくというのは語弊がありますね、無駄な力が抜けるようになったという方が正しい表現かもしれません。あとは、実績を積むことで自分に自信がついてきたといっていました。こういうのって、大切なことですよね~。彼のいうところの「覚醒」ってどういう経験なんでしょうね。後輩の人たちにも説明してほしいなあと思います。

第4回「北船路・かかし祭」前日(準備)

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▪︎昨日は、第4回「北船路・かかし祭」の前日でした。学生たちが翌日の本番に向けて、準備に取り組みました。昨年までは、「かかし祭」と呼んでいましたが、今年からは地元との関係をより明確に示すことができるように「北船路・かかし祭」と一部名称を変更しています。本番は、まず、北船路の棚田のいちぱんてっぺんから棚田と一望できる琵琶湖とが一体となった風景を堪能しつつ、参加してくださる「みつばち保育園」の園児さんたちが製作した案山子をご覧いただきます。そのあとは、一般参加の皆さんと、保育園とに分かれて、「村内ツアー」に出発します。昨日は、追加の案山子の製作と設置、「村内ツアー」のコース確認と、ご協力いただく農家へのご挨拶に伺いました。トップの写真は、研究会が栽培している「龍大米」(コシヒカリ)の水田です。他の水田はそろそろ稲刈りの作業に入る時期ですが、「龍大米」は9月の下旬頃になる予定です。これから熟成していきます。

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▪︎左は、大津市内の酒造会社・平井商店さんに出荷される予定の酒米です。こちらもこれから熟成させていきます。酒米は背丈が高く、稲穂が熟成しすぎると倒れてしまいます。かといって、米粒のなかにある心白(しんぱく)が熟成しなければ良い酒ができません。栽培が難しいのです。今年の出来はどうでしょうか。栽培は、農事組合法人がされていますが、すごく気になっています。右は、「みつばち保育園」の園児さんが田植えをされた水田です。三角形の小さな水田です。こちらも稲刈りは、もう少し先になります。現在は、10月1日に稲刈りをする予定になっています。可能であれば、研究会の学生がサポートします。
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▪︎「北船路・かかし祭」の会場。北船路の棚田の一番てっぺんで記念写真。ここまで徒歩で登ってくると滝のように汗がでます。しかし、景色は最高です。あいにくの曇天ですが、天気が良くて空気が澄んでいると、南(右手)は大津と草津との境あたり、北(左手)は伊吹山まで見渡すことができます。てっぺんまで登った棚田からは、こんどは「村内ツアー」のコースを確認しながら下っていきます。まずは、研究会が里芋を栽培している畑に。それなりに順調に里芋も成長しているようです。こちらの里芋の収穫は、10月末から11月にかけてかと思います。

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20150830kakashi10.jpg▪︎午後からは、「北船路・かかし祭」の会場にかざる案山子を学生たちも作りました。今回の「北船路・かかし祭」には、新規就農を目指す方達を支援するNPO法人「スモールファーマーズ」からもご参加いただきますが、準備作業からいろいろお手伝いくだいました。学生たちと一緒に、案山子づくりもしていただきました。

▪︎できあがった後は、毎回、「北船路・かかし祭」にご協力いただいている、「みつばち保育園」の園児さんたちが製作した案山子15体に加えて、学生たちが製作した案山子も棚田のてっぺんまでかついであがり、棚田の端に立てていきました。「スモールファーマーズ」の皆さんたちには、草刈機で棚田の法面や道沿いの草を刈ってくださいました。本当に助かりました。

▪︎夕方には、この「北船路・かかし祭」を立ち上げた学年のリーダーである岩崎智紀くんも車で駆けつけてくれました。岩崎くんは、この日、学生たちや「スモールファーマーズ」の皆さんと一緒に北船路に宿泊してくれました。翌日も、そのまま参加してくれます。来月のシルバーウイークには、岩崎くんたちの学年の有志が集まる予定とのことでした。岩崎くんは、現在、名古屋で働いていますが、卒業後も後輩たちの活動を気にかけて応援してくれています。なかなかできないことです。岩崎くん、ありがとうございます。

華中師範大学の試験研究機関訪問

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▪︎昨日は、華中師範大学の皆さんを、午前は滋賀県立琵琶湖博物館に、午後は滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターにご案内しました。一昨日、華中師範大学の皆さんは龍谷大学を訪問され、国の重要文化財である大宮キャンパスの講堂や校舎、世界遺産である西本願寺の書院、そして龍谷ミュージアムを見学されました。華中師範大学の皆さんの多くは、中国の湖沼の環境問題について研究されていることから、その後、関係のある研究者や研究機関を訪問されたようです(その中には、私が親しくしている関係者がいたりして…世間は狭いものです)。そして、昨日は、琵琶湖の環境問題を研究している滋賀県の試験研究機関をご案内したというわけです。

▪︎午前中、琵琶湖博物館では、博物館の展示の説明を私がさせていただきました。私は、博物館の開設準備室の時代から展示にかかわってきました。開館後は、企画調整課の学芸員としてマスコミ対応をしていました。そのようなわけで、琵琶湖博物館の展示の解説には自信がありました。もちろん、華中師範大学の皆さんにも、ご満足いただけました。もっとも1996年(平成8年)開館以来の展示は、これからリニューアルされるそうです。博物館の開館準備にかかわってきた者としては、少々、感慨深いものがあります。午後からは、滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターに移動しました。センターの職員の皆様には、琵琶湖のこれまでの環境政策や、琵琶湖のプランクトンに関してご説明いただきました。写真は、琵環研のテラスで撮ったものです。背景は、大津の街です。

▪︎華中師範大学の皆さんは、琵琶湖の雰囲気が(特に、南湖の雰囲気かな?)、雲南省の洱海(じかい/アルハイ、漢語拼音: Ěrhǎi)という湖の雰囲気に大変似ていると何度も語っておられました。華中師範大学の研究チームでは、洱海で研究を行っているのです。また、華中師範大学は、湖北省の武漢市にありますが、新しい大きなキャンパスを武漢市の南方にある簗子湖の湖岸のエリアに開設されます。日本の大学は、18歳人口の減少のため、経営的には厳しい状況に突入していますが、中国の大学は、まだまだ拡大していく余地があるようですね。この新しいキャンパスで展開する研究や教育のプログラムに関して意見を求められました。近い将来、現地をご案内していただくことになりそうです。

華中師範大学訪日団の来学

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▪︎中国湖北省の武漢市から、華中師範大学の訪日団の皆さんが来学され、大宮キャンパス、大宮図書館、西本願寺、龍谷ミュージアムを訪問されました。華中師範大学の社会学院と外国語学院と、私どもの龍谷大学大学院社会学研究科とは協定を結んでいます。これまでも、研究教育交流を深めてまいりました。今回の訪日では、華中師範大学と関係のある日本の複数の大学を訪問されます。この日も、午後は京都大学を訪問される予定でした。

▪︎写真は、龍谷大学の大宮キャンパスです。ここは、文学部のキャンバスですが、文学部長のI先生と文学研究科長のN先生、そして文学部教務課のT課長がキャンパスを案内してくださいました。ありがとうございました。写真は、上から順番に、大宮キャンバスの講堂、講堂の内部、そしてI先生が華中師範大学の先生方に説明をされていところです。このあと、大宮図書館では、職員のIさんにお世話になりました。大変短い時間しか滞在できませんでしたが、大宮図書館の価値をご理解いただけたかなと思います。

▪︎大宮キャンパスのあと、華中師範大学の皆さんは、世界遺産でもある西本願寺を訪問しました。大学の建物は冷房が入っていますが、見学した西本願寺の書院は当然のことながら冷房は入っていません。暑いなか、西本願寺の2人の職員の方たちが、非常に丁寧にご案内くださいました。書院の襖や壁の絵は、中国の故事にもとづくものが多く、華中師範大学の先生方は大変興味深かそうに説明を聞いておられました。私も勉強になりました。中国の故事の教養がもっとあれば…なのですが。お1人の職員の方とは、浄土真宗や西本願寺のことについて、いろいろお話しをさせていただきました。大変勉強になりました。私の拙い質問にも、真剣にお答えいただきました。ありがとうございました。また、このような機会があればよいなと思いました。

▪︎西本願寺のあとは、龍谷ミュージアムを訪問しました。ちょうど、「三蔵法師 玄奘 迷いつづけた人生の旅路」という企画展の展示替えの時期にあたり、見学したのは、ベゼクリク石窟大回廊に関する映像作品と、ベゼクリク石窟大回廊復元展示の2つだけでしたが、大宮キャンパスに引き続き、前・ミュージアムの館長でもあるI先生に再びご説明いただき、華中師範大学の皆さんは、大変満足されていました。

▪︎8月5日は、琵琶湖の環境問題をテーマにした視察をサポートする予定です。琵琶湖の環境問題に関する滋賀県の研究機関を訪ねます。というのも、今回、華中師範大学からの訪日団のメンバーのうち、3名の方は環境科学の研究者で、中国の湖沼の富栄養化やアオコの問題に取り組まれているからです。琵琶湖における富栄養化問題への取り組みが、どのようなものであったのかを知りたいとのご希望をお持ちです。そこで、滋賀県立琵琶湖博物館と滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターにお連れすることにしました。また、報告します。

吉武博通先生の講演会

2015072kouenkai.jpg▪︎昨晩は、事務職員向けの講演会に参加しました。「龍谷大学未来塾」という職員の有志グループが主催した講演会です。この「龍谷大学未来塾」とは、若手職員10人と管理職3人、合計13人の職員の皆さんが、大学職員としての資質を高めるために立ち上げられた自己研修のグループです。大変真面目に勉強会をされています。組織は縦割りで動いています。その縦割りの壁を越えて、志しを同じくする人たちが連携して大学全体のことを考え、勉強する…、こういう横のつながりがもっと必要だと私も思っています。

▪︎さて講演会ですが、講師は筑波大学の吉武博道先生でした。たいへん勉強になりました。吉武先生は、新日鉄製鐵株式会社で総務部長をながらくお勤めになったあと、筑波大学の教授に転身されました。筑波大学では、副学長、大学研究センター長をつとめられ、現在は、ビジネスサイエンス系教授をされています。ご講演の内容は、大学を取り巻く社会・経済の構図が大きく変化したことから、それぞれの大学は、より一層、独自の教育研究の高度化、質保証、社会への説明が求められるようになり、そのためには経営力の強化=経営資源(人・物・金・情報)の獲得と高度活用が必要になっている…というお話しから始まりました。

▪︎吉武先生のご講演の内容は多岐にわたりますが、その一部だけでもご紹介できればと思います。以下は、講演資料や記憶をもとにしたものです。あくまで私の要約です。その点をお断りしておきます。

大学という組織は、「経営体的組織」と「共同体的組織」が併存しているところに特徴がある。

前者は、共通目的、指揮命令系統が明確であり、大学の法人組織や事務組織がこちらにあたる。後者は、構成員の責任で自らの組織を規律づける点に特徴があり、教員組織はこちらにあたる。

そのこととも関連するが、大学のガバナンスには2つの側面がある。法人や大学の運営をステークホルダーの視点からどう「規律づけ」るか、そして共同体的組織において、いかに合意形成を図り自律的に組織運営するかが重要となる。そのような大学のガバナンスにおいては、「パワー」と「リーダーシップ」の違いを踏まえた議論がきちんとなされているかが問われる。

「パワー」とは、組織における個人の地位(権限)などに基づき、他者に影響を与える力です。「リーダーシップ」とは、目指す方向に向けて、メンバーの能動的な行動を引き出す能力(正直である、先見の明がある、仕事ができる、やる気にさせる)のことです。後者の「リーダーシップ」は、組織の幹部だけでなく、組織のあらゆるメンバーがもつことのできる能力であり、それは他者を「まきこむ力」である。

リーダーが最大の力を発揮するのは、模範となり、共通のビジョンを呼び起こし、プロセスに挑戦し、人びとを行動にかりたて、心から励ますときである。

リーダーシップとは人間関係。熱心にメンバーを導く人と、その人についていきたい人との関係。おたがいが尊敬と信頼で結ばれていれば、どんな逆境も乗り換え、偉大な功績を残すことができる。

リーダーシップとは、リーダーとメンバーの双方向のプロセスであり、この関係性なしには語れない。結びつきを求める人間の基本的な欲求を理解できなければ、リーダーシップのどんな戦略や戦術も、スキルや実践も、意味を持たない。正直である、先見の明がある、仕事ができる、やる気にさせる。信頼こそがリーダーシップの土台。

(本文続きます)

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