報告会に向けの準備

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■今日は朝一番から総合地球環境学研究所に向かいました。少し寝坊をしたので、いつもは電車・地下鉄・バスで移動するのですが、今日は自家用車です。自宅からだと、いわゆる途中越えと呼ばれるルートで地球研に向かうことになります。慣れない道で、少し遅れての到着になりました。今日の会議の目的は、近々開催される所内の研究経過の報告会に備えて議論をして報告内容をブラッシュアップする殊にあります。月曜日の会議に続いての会議になりました。月曜日の会議のディスカッションでホワイトボードに生み出された「デッサン」(プロジェクトの地球環境問題研究の中への位置付け)を、今日の議論では組み込んで、報告会の予行演習とディスカッションを行いました。前回よりも前進したように思います。

■ふと横を見ると、京大生態研の谷内茂雄さんの手元には、谷内さんと取り組んだ以前のプロジェクト(琵琶湖-淀川水系における流域管理モデルの構築)の報告書が置いてありました。地球研における超学際研究(TD研究)の蓄積を検討する研究のための資料になるようです。「地理的スケールに応じたCo-designとStakeholder engagementの方法論」。私は存じ上げませんが、大西有子さんという助教の方が取り組む予備研究(fs)のようです。資料は、10年ぐらい前のものです。懐かしいですね。昔の資料、ある意味で「歴史的な資料」になるわけですが、新しいプロジェクトに役立てば何よりだと思っています。

第12回地球研国際シンポジウム「持続可能性におけるスケールと境界―真の問題解決をめざして―」

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■総合地球環境学研究所が、第12回地球研国際シンポジウム「持続可能性におけるスケールと境界―真の問題解決をめざして―」を開催します(2017年12月20日(水)・21日(木)/国立京都国際会館 Room D)。総合地球環境学研究所の私たちのプロジェクトは、このシンポジウムの「Session1 空間を超えた関係性」と深く関わっています。以下は、このシンポジウムの開催趣旨です。

このシンポジウムでは、時間と空間を超えて、ステークホルダーの間における資源、価値やガバナンスにおけるコンフリクトに 焦点を当てた、持続可能な未来への新たなアプローチについて考えます。

現状の、地域におけるコモンズの悲劇に対する理解の背後には、認識され解決されるべき、地域・国・地球規模の間のコンフリ クトやシナジーのような超空間的な課題や、過去・現在・未来を包含する超時間的な課題が存在します。そのなかで、自然・社会・ 制度的な資本・資源の保護、またその開発についての分析が新たな研究の方向性への鍵となります。

ここでは特に、シナリオ開発や統合化指標、社会-環境-経済モデルを利用して、気候変動や土地不足状況下での水関連の課題 を取り上げます。

■現在参加している「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会-生態システムの健全性」では、流域の環境問題考えていく上で、「異なる空間スケールに分散するステークホルダー間に発生するディスコミュニケーション」という問題に注目しています。これは、流域だけでなく、地球環境問題を考える上でも、非常に重要なポイントになってきます。この原理的な問題意識については、以前参加していた総合地球環境学研究所のプロジエクト「琵琶湖-淀川水系における流域管理モデルの構築」から継承してきたものです。以前のプロジェクトの成果は『流域環境学 流域ガバナンスの理論と実践』(京都大学学術出版会)にまとめています。この成果本の中で、流域における空間スケールの違いが生み出す問題を、「階層化された流域管理」という考え方・理論的な枠組みを提案しています。

■今回のシンポジウムの「Session1 空間を超えた関係性」では、ステークホルダーの間における資源、価値やガバナンスにおけるコンフリクトに焦点を当てる予定になっています。私たちは、この空間スケールの問題に先駆的に取り組んできましたが、今回のシンポジウムからも研究プロジェクトを深化させていくためのヒントが得られるのではないかと考えています。同時通訳もあるようです。環境問題に関心をお持ちの皆様、ぜひご参加ください。私も、20日だけですが参加する予定です(21日は、残念ながらすでに予定が入っています)。

第20回「甲賀もちふる里まつり ありがとう20年 さようなら”もちまつり”」

20171120kosaji1.png■昨日は、第20回「甲賀もちふる里まつり ありがとう20年 さようなら”もちまつり”」のお手伝いに行ってきました。総合地球環境学研究所のプロジェクトでお世話になっている甲賀市甲賀町小佐治の皆さんが開催されています。私たちプロジェクトのメンバーは、おにぎりを作って、味噌を塗って焼いて、「焼きおにぎり」を売ること、そして餡子の入ったお餅を焼いて「焼きもち」にして売ること、その両方のお手伝いをさせていただきました。もちろん、「豊かな生きものを育む水田づくり」をされている小佐治の営農を、地球研のプロジェクトとして支援させていただいていますが、その研究の内容についてもポスター展示で紹介させていただきました。今日は寒風が吹き、とても寒かったわけですが、充実した1日でした。

■連続20回開催されてきたということで、その規模も、内容も、素晴らしいものでした。アトラクションも充実していました。甲西高校吹奏楽部の皆さんの演奏を堪能させていただきました。県の吹奏楽コンクールで金賞を受賞されるだけあって、演奏もマーチングもとてもレベルが高いですね。大変満足しました。ありがとうございました。なんといいますか、集団としてきちんとトレーニングされていることもよくわかりました。龍谷大学のよさこいチーム「華舞龍」も頑張ってくれていました。その他にも、地元のみなさんによる「小佐治すいりょう太鼓」の演奏や「忍者ダンス」も。充実していました。

■「甲賀もちふる里まつり」は、今回で最後になります。1集落で開催するのには、規模が大きくなりすぎたことがその一番の理由です。形を変えてでも、地域の連帯・つながりの中で、このようにイベントが継続されることを願っています。また、小佐治としては、原点に還って集落としての収穫祭を実施していただければ嬉しいな〜と思います。もちろん、またお手伝いをいたします。「甲賀もちふる里まつり」が終了したあと、私はプロジエェクトを支える事務の皆さんと一緒に帰宅しましたが、若い研究員の皆さんは小佐治の皆さんと一緒に「反省会」。ちょっと羨ましいですね。
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山間部の人口に占める30代女子の割合が上昇中…という記事

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■以下は、記事の中からの引用です。

そんな中で今増えているのが30代女性です。子育て中の場合も多く見られ、その場合は自分のことだけでなく、子供のことも考えたうえで移住に踏み切った例が多いのが特徴です。空気の良い自然の中で子育てをしたいと思った場合、山間部は魅力的ですし、過疎地域なら格安で住める家が見つかることもよくあります。また、過疎地域といっても世間と隔絶されている訳ではありません。インターネットの普及により、仕事から子供の教育まで都会にいなくても成り立ちます。これらが子育て世代の移住が増えた大きな要因になっています。

■なるほど。詳しくは、記事をお読みください。「そんな馬鹿な…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、静かに、少しずつ「田園回帰」の現象が進行しているのです。
山間部の人口に占める30代女子の割合が上昇中!

琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その6)

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■昨日も水草の有効利用のプロジェクトに関連して人に会いに行ってきました。午前中、「フォレオ一里山」にある「Flower produce ichica」の岩上 ちかこさんにお会いしてきました。岩上さんは、滋賀県の花屋さんとして、琵琶湖の環境問題に貢献したいと、お店で「水草堆肥」を配布されたり(2段目左)、ラベンダーやハーブと「水草堆肥」をセットにして販売されています(3段目左・右)。また、同時にアンケートもとっておられます(2段目右)。素晴らしい!岩上さんにはプロジェクトのことをご説明させていただいたところ、岩上さんがお持ちのアイデアやお力を、おかしいただけることになりました‼︎少しずつ、プロジェクトに一緒に取り組んでいただける仲間が増えてきました。とっても嬉しいです‼︎

■ところで、昨日の夕方、滋賀県庁の琵琶湖政策課に伺いました。水草の堆肥化する技術開発について教えていただくためです。現在、ある企業さんの方で、県の補助金をもとに技術開発が進められています。「条件的嫌気発酵による堆肥化工法(KS工法)を活用することで、水草を3ヶ月程度の短期間で堆肥化する実証研究」に取り組まれているのです。昨日の話しでは、このような新たな有効利用技術と連携した「社会的な活動」(新たな有効利用の仕組み)が可能になってくるのではないかとのことでした。有効利用技術をもとに水草を堆肥化する以前の費用や、商品化して市場で販売するために必要な様々な経費を、「社会的な活動」(新たな有効利用の仕組み)の中で削減するとともに、販売して得られた利益を、水草を刈り取る費用に回していく、そのようなことが可能かもしれません。

■琵琶湖の漁師さんから、花屋さんまで、プロジェクトの中でつながってきました。横につながることのなかで、水草有効利用の「大きな循環」が生まれてくると素敵だと思います。付け加えれば、浜に漂着する水草の地域内での有効利用、これを「小さな循環」と呼んでいますが、こちらの方も様々な立場の方にお声がけして頑張って取り組んでいます。

琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その5)

■今日も琵琶湖南湖の水草問題の関連で、午前中、南湖で漁業をされている漁師さんの御宅を訪問しました。いろいろお話しを聞かせていただきました。とても楽しかった。本来であれば、勉強になったと書くべきなのですが、勉強になるだけでなく何か将来一緒にいろんなことをさせていただけそうで、本当にワクワクして楽しかったのです。

■こんな感じで、少しずつ水草問題のプロジェクトに参加してくださる方達が増えてきました。まだ、プロジェクトの正式名も決まっていませんが、とりあえず動き始めています。ご参加いただいた皆さんが、それぞれの、ご自身の「持ち場」や所属されている「業界」ならではの、「餅は餅屋」的な専門的なお力を、「持ち場」や「業界」を超えた、横の連携の中で相補的に活かしあっていくことができれるのならば最高ですね。

■今日、お会いした漁師さんからは、いろいろお話しを伺いました。私の方から、「昔、琵琶湖の南湖は『貝の湖』でしたよねとお聞きしたところ(それほど、たくさんの貝が獲れていました)、「消費者の皆さんが琵琶湖の貝を食べてくれなくなったので獲れなくなった…」というご意見でした。琵琶湖では、マンガンと呼ばれる漁具で湖底を引いて貝を獲ります。それは、湖底の表面を良い意味で撹乱することなるのですが、そのことが貝の生息場所を作っていたというのです。消費者が琵琶湖の貝に関心を持たなくなると、貝を獲っても仕方がないので、漁師はマンガンを引くことがなくなってしまう…。結果として、水草が生えやすい環境を作ってしまった…。そういうご意見なのだと思います。

■どうして南湖が「貝の湖」でなくなってしまったのか。これまでは、河川から砂が供給されなくなったとか(砂防ダムのため)、高度経済成長期は有害な物質が流れ込んだとか、これまで、いろんな方達からいろんなご意見を聞かせてもらってきましたが、今日は琵琶湖で漁をされてきた立場からのご意見でした。なぜ水草が増えたのか。琵琶湖の渇水が契機となっているという意見が、自然科学分野の研究者の大方の見解です。1994 年 9 月、琵琶湖基準水位-123cm に達する記録的な大渇水が発生しました。この大渇水で南湖の湖底へ光がよく届ようになり、水草が今まで以上に成長する様になったことが、南湖に水草が生い茂る様になった原因だと言われています。漁師さんの意見は、その様な渇水になっても、漁師がマンガンで湖底を引く漁業がずっと継続していれば、現在の様なことはなかったのではないか…。その様な意見だと理解した。もし、そういうことなのであれば、「里山の様に適度に人間が手を加え続けないといけない、そうしないと南湖は荒れてしまう…」ということになるように気がします。すごく気になりますね。

■この話題以外にも、いろんなお話しをさせていただきました。大津の街中から流れている小さな河川の河口にビワマスの稚魚がいたとか…。びっくりしますね。その川にビワマスが遡上して産卵している可能性があるのです。まあ、そんなこんなで、ここには書ききれない。将来は、こんな事業が展開できたらいいねだとか、本当に楽しくワクワクしました。

■午後からは、滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターに、研究員をされている佐藤さんと淺野さんを訪ねました。草津、守山、野洲といった琵琶湖の沿岸沿いの地域と、野洲川流域の奥にある甲賀の地域との地域間連携を促進できたらいいね、どうしたらいいかな…、いろいろ相談をさせていただきました。なんだか、うまくいく様な気がするんだけど。

■滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターのあとは大津市役所へ。自治協働課で、市民と行政の協働を促進してくための方策についていろいろ相談させていただきました。相談のあとは、買い物をして帰宅。一日いろいろありましたが、水草問題、流域内連携、協働推進…最後の買い物以外は、どれもが深いところでは、何らかの形で繋がっている課題なのです。少なくとも私には、そう感じられるのです。

琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その4)

■今日は、水草問題プロジェクトの関連で、滋賀県庁琵琶湖環境部自然保護課の中井克樹さんに教えを請うために伺いました。中井さんの「本業」は、滋賀県立琵琶湖博物館の専門学芸員です。私もかつて滋賀県立琵琶湖博物館に勤務していましたので、かつての同僚ということになります。中井さんは学芸員として勤務されていますが、外来生物の問題で全国的に活躍されています。ということで、滋賀県庁の琵琶湖環境部自然保護課の仕事も兼務されています。この日は、中井さんに、水草に混じってくる外来植物の取り扱いについて相談に行きました。

■沈水植物である水草と、オオバナミズキンバイやナガエツルノゲイトウのような外来水性植物は生息している場所が違うので、通常は混じることは考えられませんが、漂着する水草の中に混じっている可能性、そのリスクを見極めなければならないというのが中井さんのご意見でした。実際のところ、混入した外来植物を取り除くことは不可能です。水草は乾燥させると最後は分解していきますが、外来植物であるオオバナミズキンバイは種も作りますし、水草と比較してかなり丈夫です。またオオバナミズキンバイとナガエツルノゲイトウは乾燥しても普通に陸上で増えていきます。水中ほどの増え方ではありませんが、それでも増えます。ただし、通常から気をつけておいて引っこ抜いて適切に処理すれば問題は無くなります。もっとも、これらの外来水性植物が農地に入ると、根が深くのびて太くなってしまうようです。中井さんのお話しでは、ナガエツルノゲイトウは地下茎が生姜のように延びてしまうのだそうです。それらが、農地を耕す際に細かく切れて水路に入って流れていくと、小河川や琵琶湖での外来植物が繁殖してしまう可能性があります。なかなか難しいですね。しかし、水路や河川、琵琶湖とは離れていて、例えば学校・幼稚園・保育園などの花壇、公園の花壇、街路樹の根本の花壇のように、しっかり関係者が管理して引っこ抜くのであれば、それほどの心配は無くなります。中井さんからそのようなアドバイスをいただき、少し安心しました。

■関係者と今立ち上げようとしているプロジェクトでは、琵琶湖の有効利用されていない水草問題を、南湖に繁茂する水草と、浜に漂着する水草に分けて考えています。前者は、滋賀県によって刈り取りの努力がなされています。後者は、腐敗して悪臭を発生させます。迷惑問題です。その浜に漂着する水草を腐敗しないように引き上げて、乾燥させ、地域の関係者の協働により、学校・幼稚園・保育園などの花壇、公園の花壇、街路樹の根本の花壇等で有効利用することができればなあと思うわけです。漂着した水草を有効利用することは、地域社会の中に「小さな循環」の仕組みを作り上げるとにもなります。このような地域社会内部での小さな循環は、物質循環的にも理にかなっています。それだけでなく、身近な自然環境である砂浜や琵琶湖の環境に関心を持つことや、環境教育や地域住民の琵琶湖への関心の喚起にも繋がるのではないかと思います。漂着した水草の有効利用に加えて、そのような「小さな循環」の仕組みの中には、たくさんの社会的な意味が発生してきます。

■プロジェクトでは、浜に打ち上げられた水草の地域社会内での有効利用に関する「小さな循環」仕組みとともに、県が刈り取っている南湖の湖底に生えている水草をどのように有効利用していくのかという「大きな循環」の仕組みも必要だと考えています。「大きな循環」の仕組みについては、まだ具体的なアイデアはありませんが、琵琶湖の環境問題のために何か取り組みたいとお考えの様々な企業の方達から、また水草をこういう風にしたらみんなで楽しみながら有効利用できるのにといった消費者目線からのアイデアをお持ちの個人まで、様々な立場の方達、通常ではかなかなか出会うことのない方達が、このプロジェクトの中で出会い、それぞれの方達の持ち味が活かされる横の連携が生まれたら素敵だな〜と思っています。

■短い時間でしたが、中井さんからはいろいろご教示をいただくとともに、私たちのプロジェクトの考えに共感していただくことができました。ありがとうございました。私たちのプロジェクトは、始まったばかりのヨチヨチ歩きの状況ですが、何か希望が少しずつ見えてきました。琵琶湖のことをいろいろ心配されてはいても、通常ではかなかなか出会うことのない方達が、このプロジェクトの中で出会い、それぞれの方達の持ち味が活かされる横の連携が生まれたら素敵やな〜と思っています。

故・舩橋晴俊先生のコメント

20171108yachi.jpg■昨日は、総合地球環境学研究所のプロジェクト「生物多様性が駆動する栄養循環と流域圏社会─生態システムの健全性」の研究仲間である京大生態学研究センターの谷内茂雄さんの研究室を訪問しました。研究プロジェクトの屋台骨の論理の枠組みを再確認するとともに、ちょっとネックになっていると思われるところをどのようにカバーするのか…そんなことでディスカッションするために伺いましたて。谷内さんは生態学者、数理生態学者ですが、時々、こうやってお互いにディスカッションをしています。この日のディスカッションは、先日、プロジェクトの会議に提案した、プロジェクトの成果をまとめる和書の目次構成に従って行いました。

■ディスカッションのポイントのひとつは、谷内さんと一緒に取り組んだ地球研のプロジェクトの成果『流域環境学-流域ガバナンスの理論と実践-』(京都大学術出版会)の時代から継続していることでもあります。それは流域のもつ階層性、階層間のギャッブ、空間スケール間に発生する問題群です。『流域環境学』では農業濁水を通して、そのような問題について取り組みましたが、今回は生物多様性ということになります。この空間スケールの問題、スケールミスマッチは生態学的にも重要な問題のようです。

■谷内さんとディスカッションしていた時、ふと以前、以前のプロジェクトで実施したコメントワークショプのことを思い出しましたた。以前のプロジェクト「琵琶湖-淀川水系における流域管理モデルの構築」のコメントワークショップは、もう11年前のことなります。このワークショップに、コメンテータのお一人として法政大学の故・舩橋晴俊先生にご出席いただきました。舩橋先生のご専門は、私と同じ環境社会学です。舩橋先生にコメンテータをお願いをしたのは、舩橋先生のご研究からいろいろヒントをいただていたからです。先生からは、私たちの研究プロジェクトの持つ研究の実践性、問題解決志向性、文理連携のあり方や意味をきちんとご理解いただいた上で評価していただきました。ありがたかったです。その上で、舩橋先生の環境制御システム論から鋭いご指摘もいただきました。そのご指摘に、その時は、必ずしもきちんと答えられていなかったように思います。

■舩橋先生のご研究は、「環境制御システム論」という独自の社会システム論的アプローチからのものでした。常に、問題解決を志向されていた。批判的な分析だけではなく(このような研究はよくありますが…)、解決に至る道筋をきちんと示そうとされていた。私は、舩橋先生に指導を受けたわけではありませんが、そのような先生の研究の姿勢に、常に強く共感していました。

■昨日は、谷内さんの研究室に残っていたこのコメントワークショップの報告書を1部いただき、舩橋先生のコメントを再読しました。もし舩橋先生がご健在だったら、生物多様性に注目した現在のプロジェクトをどのように評価されるだろうか…そのようなことを想像しながら読み直してみました。あれから11年が経っているわけですが、「道 ぼちぼち歩む 自分の人生かみしめながら」だな〜、やっぱり…と思ってしまいます。

琵琶湖の水草問題に取り組むプロジェクト(その3)

■昨日は、時間を見つけて走りました。一昨日は、時間もあり余裕を持ってのランでした。結果として、自分でも納得がいくランができました。調子が良かったのです。しかし昨日は時間がないのでと飛ばしすぎて、最後は「自滅」してしまいました。6km程度でランを中止することになりました。まあ、こんなこともありますよね。

■ランの後、大津の街に出かけました。昨日の夕方ですが、琵琶湖南湖の水草問題に取り組もうという有志の皆さんに、大津市内の某所⁈にお集まりいただきました。水草は砂浜に打ち寄せられて水に使ったままになっていると、腐敗して悪臭を発します。市役所には、「なんとかしろ」との苦情の電話がかかってくるそうです。市役所も、人を派遣してその水草を除去して焼却処分しています。もちろん、必要な費用の出所は税金です。悪臭がしないようにするためには、水際に漂着した水草を水から取り出して乾燥させる必要があります。手間もかかるのです。

■県庁は3億円程の費用を使って南湖の水草を刈り取っています。こちらが「琵琶湖の環境問題」の1つだとすれば、打ち上げられ悪臭を発する水草の問題は「琵琶湖の迷惑問題」になります。そのまま水際に放置すれば悪臭問題になってしまうわけですが、それをなんとか資源として有効利用できないか…。昨日の夕方お集まりいただいた皆さんの思いはその点にあ利ました。

■水草が打ち上げられる砂浜の直近にお住まいの方、そこで会社を経営されている方、本業のお仕事のなかで水草や草木の剪定したものを使い肥料にして配布されている公益財団法人の方…。皆さん、水草で困っておられたり、なんとかしなくちゃと考えておられたりしている方達。「餅は餅屋」と言いますが、いろんな現場のプロの知恵と力、加えてそこに地域の皆さんの協力があると、打ち上げられた水草の有効利用ができそうな感じがしてきました。水分を含んだ水草は重いです。それを簡単に除去する道具が、現場の知恵の中から発明されています。水草と草木の剪定したものを使うと良い肥料ができるのだそうです。ただし、発酵させるのに少し技術がいります。また、水草に混じっているゴミを取り除かねばならなりません。そこには手間もかかります。水草に混じっているオオバナミズキンバイ等の外来植物が混じっている場合の扱いをどうするのか、ということもあります。

■多額のお金をかけるのではなく、複数の現場の知恵と人びとがつながることのなかで、小さな資源利用の仕組みを立ち上げ、関わってくださる皆さんの、現場での発見によって少しずつ改良しながら成長させていければ素敵だなと思います。

YouTube動画「罠師・片桐邦雄 2017」

■少し前のことになりますが、東近江市の若い皆さんが取り組んでおられる「SHARE WILD PROJECT」ことを紹介しました(「SHARE WILD PROJECT」という試み)。「SHARE WILD PROJECT」の活動について知ることで、獣害防止のもとで駆除されて、そのあとは廃棄されたままになっている鹿の命、そして命を大切に「いただく」ことの大切な意味を考えることになりました。

20171107katagiri.png■そのようなことと関連する動画を見つけました。動画の説明は、「2017年10月25日に静岡市民文化会館で行われた「片桐邦雄・罠猟の極意と山や川の現在」講演会用に作成した紹介動画」となっています。片桐邦雄さんは、静岡県で現役の罠猟師で、ご自身で野性獣の肉を調理して出すお店も経営されているようです。動画の内容は、罠で獣を捉えるところがあります。人によっては、見ることが辛いかもしれせんが、片桐さんは非常に大切なことを述べておられます。YouTubeの動画は埋め込むことができないようになっていました。以下をクリックしてご覧いただければと思います。

片桐邦雄・罠猟の極意と山や川の現在

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