社会学部のホームページに記事が掲載されました。

20220623chuougakku.jpg■本日、龍谷大学社会学部のホームページに「自治会の実情を知る【社会共生実習】」という記事が掲載されました。先日の投稿「前・中央学区自治連合会長さんにお話を伺う。」に関連する記事です。この日は、「地域エンパワねっと・大津中央」を含めて「社会共生実習」のプロジェクトを支援する職員さんの取材がありました。さっそく記事にしてくださいました。ありがとうございました。

前・中央学区自治連合会長さんにお話を伺う。

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■先週のことになります。17日(金)の2限は社会共生実習「地域エンパワねっと・大津中央」の授業でした。この春まで10年にわたり中央学区自治連合会の会長をされてきた安孫子邦夫さんに、zoomでお話を伺うことができました。安孫子さんには、時間をかけて学生の皆さんが質問項目を整理したリストを、あらかじめお渡ししていました。「すごい!!」と内心びっくりしたのですが、安孫子さんは、その質問を全てきちんと受け止め、消化しながら、1時間にわたって澱みなくお話をしてくださいました。ありがとうございました。

■本当は、中央学区まで出かけてお話を伺いたかったのですが、1限や3限に授業を履修している人がいるもので、前期は動きが取れません。中央学区に全員で行くためには、土日を利用するしかありません。ということで、この日はzoomを利用することになりました。

地域自治の現状と課題

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■金曜2限は「社会共生実習」の「地域エンパワねっと・大津中央」です。来週は、10年にわたって中央学区自治連合会長をおつとめになった前自治連合会長・現顧問の安孫子邦夫さんにお話を伺うことになっています。あえてまとめれば、地域自治の現状と課題について伺うということになるでしょうか。ということで、学生の皆さんはお尋ねする内容を議論しました。最終的には、時間内でうまくまとまった…かな。

■この10年で中央学区の様子もいろいろ変化しました。同時に、長年にわたって自治連合会長をおつとめになってこられて、その途中でも中央学区の地域自治に関するお考えについても何か変化があったかもしれません。10年にわたる自治連合会長のご経験から、学生たちは学ばせていただきます。

母校訪問

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■私のゼミの出身で、滋賀県庁に就職したKさんが訪ねてきてくれました。彼女は社会学部の地域連携型教育プログラム「社会共生実習」の「地域エンパワねっと」も履修していました。2020年の3月に卒業されたので、社会人になって3年目ですかね。滋賀県庁では、若手職員をリクルーターとしてそれぞれの母校に派遣させておられるようで、今日は就活を支援するキャリアセンター へ打ち合わせに行く前に、私のところに少し立ち寄ってくれたのです。短時間ですが、お話を聞かせてもらいました。楽しく仕事をされているようです、安心しました。
Kさんとは関係ない話ですが、Tシャツを着る季節になって、緩んだ締まりのない体形がシャツの裏側から浮かび上がっていて、がっかり。対策を考えないとなあ〜。

■Kさんの勤務している県庁の出先機関が入った合同庁舎の建物のなかで、Kさんの1つ下の学年で、やはり私ゼミの出身のTくんが、滋賀県庁の職員として勤務しているという話を聞きました。でも、2人は、そういう話を聞いているだけで、まだ話をしたことがないのだそうです。私だったら、自分の方から訪ねていって仲良くなるんですけどね。で、同窓会支部を作ります(^^;;。滋賀県庁の中に、龍谷大学の同窓会組織を作ってくださ〜い。すでに、あるのかな??

先輩たちの取り組みに学ぶ。

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20220520empowaernet1.jpg■金曜日の2限は「社会共生実習」の「地域エンパワねっと大津中央」の授業です。先週は、私が自治会・町内会について講義を行いました。講義の内容ですが、日本の社会学の中には、自治会や町内会といった地域住民組織に関する研究蓄積があるので、その蓄積をもとに、自治会・町内会の仕組み、そして来し方と行末って感じですかね。先々週は、大津という街の歴史について講義を行いました。

■で、今日はグループワークです。エンパワ1期生から13期生までの13冊の報告書を読んで、「これは面白い!」、「これは素敵だ!」、「なるほど〜」と思う先輩たちの取り組み(地域との連携によるまちづくりの取り組み)についてお互いに語り合いつつ、より親しくなるワークショップを開催しています。
履修しているのは、2回生と3回生。学年や3つの学科の壁を超えて、楽しそうに語り合うことができました。

総合的な探究の時間

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■高等学校の「総合的な学習の時間」という授業があるのだそうです。呆れられるかもしれませんが、高校にもあったことを知りませんでした。その授業が学習指導要領の改訂によって、2022年度から「総合的な探究の時間」に変更されたのだそうです。この「総合的な探究の時間」では、生徒が自ら課題を設定して、情報の収集や整理・分析をして、まとめる…そのようなことに取り組むのだそうです。ということで、この分野に強い若い同僚が、社会学部の「社会共生実習支援室」(6号館)の図書にも、「探究」関連の本を加えてくれました。写真が、その本の表紙と目次になります。比喩的な言い方になりますが、パソコンのOSにあたる部分、日本の教育システムのOSの部分が少しずつ変化しているように思います。急には大転換はしないでしょうが…。

■全国の大学で、アクションラーニング、PBL(Problem-based Learning)、CBL(community-based Learning)…といろいろ取り組まれています。私も現在の職場で「大津エンパワねっと」や「社会共生実習」、ゼミでは「北船路米づくり研究会」を指導してきました。高校でのこの「探究」の時間が、もし「本気」で取り組まれて、充実してくると、大学でのこれまでの取り組みは相対的に陳腐化していくような気がしています。大学に進学した学生からは、「高校までの方が、もっとすごかったよ」と言われてしまうような気もします。

■大学も時代の変化に合わせて自ら変わっていかなくてはいけないのですが(教員本位から学生本位へ、学生が自らの学びを獲得するための支援へ)、基本のOSのところは、私が学生の頃とあまり変化していないようにも思います。それで何がいかんのや…という教員もけっこうおられるでしょうね。大学の学問は、そんなことに振り回されてはいかん…という教員もおられることでしょう。もちろん、私は違いますけど。

■このことをfacebookに投稿したところ、次のようなコメントをいただきました。「数年前に、新しい学習指導要領が発表されたとき、入試を含め、大学が動きださなければ、高校教育改革の目論見もうまくいかなくなるだろうなと感じていました」。なるほど、大学が本気にならないと、高校の先生も「探究」の授業はやりにくくなるとのご意見です。「『探究』なんて勉強しても進学には関係ない」ということになると、形だけのものになってしまいます。大学に入学するために「探究」の勉強に取り組むというのは、なんだかおかしな話ですが、「高校で取り組んだ探究の勉強を、さらに大学に進学して本格的に深めていきたい、より実践に近い勉強がしたい」という高校生が生まれてくれば、ぜひ龍谷大学社会学部に入学していただきたいと思います。もちろん、今の入試制度だと不完全になりますね。総合的な力を判断する学力テストとか、あるいはAO入試で、高校時代の「探究」での取り組みを評価するなど、新しい試みが必要になってきます。そして、現在のアクションラーニング、PBL(Problem-based Learning)、CBL(community-based Learning)を、FD活動を通じて、さらに進化・深化させていく必要あるのではないかと思います。大学側も相当の努力が必要になります。

■なぜ「探究」という授業が必要だと考えられてきたのか、それは、これからの時代、先行きの見えない状況の中で生きていかねばならないからです。不勉強で知りませんでしたが、「VUCA(ブーカ)の時代」というのだそうですね。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとったものです。このようなこれから到来する時代には、異質な集団で交流する、自律的に活動する、相互作用的に道具(言語、知識、技術等)を用いる、以上3つを統合した能力=思慮深さ(Reflectiveness)が必要とされるというのです。詳しくは、「探究」関連の図書をお読みいただきたいと思います。定年まで残り5年を切りましたが、もう少し私も勉強しなくてはいけないと思っています。もし、「探究」的学習を経験した高校生を大学が本格的に受け入れるのならば、専門分化した学部ごとに入試を行い、合格したら、一般教養から専門過程へと進んでいくような、現在の教育の仕組みでは非常に不十分なのではないかなと思います。今のように、最終的に教員の専門分野に囲い込んでいく教育から、学生の探究を支援する教育へとシフトしていかなければならないはずです。

■もうひとつ、蛇足のようなことを…。まだ、どこかに、高度経済成長期の「良い企業」に就職すれば人生は安泰…のようなイメージの「残滓」があって、「より偏差値の高い高校、そして偏差値の高い大学に入学することが、人生の安泰につながるのだ」というような「幻想」に、どこかでまだ縛られているようにも思います。現実は違っているのに。どうすれば、このような「残滓」や「幻想」の縛りから自由になれるのでしょうか。

「広報まちづくり中央」に取り上げていただきました。

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■「地域エンパワねっと・大津中央」の「あつまれ!みんなで作る絵本館」の活動を、お世話になっている大津市中央学区の「広報まちづくり中央」に取り上げていただきました。ありがとうございました(「地域エンパワねっと・大津中央」は、地域連携型教育プログラム「社会共生実習」のプロジェクトのひとつです)。

■「まちづくり」って、異なる力や能力を持っておられる方たちがお互いに支え合って、地域の課題を少しずつ緩和・解決していくことのように思います。昨年度履修した学生の皆さんは、そのことを活動の中で実感されたように思います。今年度の学生の皆さんにもそういう実感を持てるように頑張って欲しいな。

202年度の「地域エンパワねっと・大津中央」

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■今日から新年度の授業が始まりました。2限は社会共生実習「地域エンパワねっと・大津中央」。今年は9人が履修。残念ながら、1名は体調不良で欠席。で、エエ感じやな〜と思ったことは、3回生が6人もいることかな。頑張って、楽しんで、地域の皆さんと「課題発見×課題解決」、「発見・解決・共有」、進めていきましょう。1年経って、成長した自分を実感しましょう。

社会共生実習「課題発見×課題解決」の3つの実習の報告会

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■昨日の午前中は、社会学部の教育プログラム「社会共生実習」の10のプロジェクトのうち、「課題発見×課題解決」を目指す3つの実習、「地域エンパワねっと大津中央」、「地域エンパワねっと大津瀬田東」、「多文化共生のコミュニティ・デザイン~定住外国人にとって住みやすい日本になるには?~ 」のメンバーとお世話になった地域の皆さんにもご参加いただき、21名でオンラインのzoomで報告会を開催しました。

■先日の投稿にも書きましたが、「大津エンパワねっと」の時代は、中央学区と瀬田東学区の2つの地域で、たくさんの学生グループが、それぞれ地域の皆さんとの交流の中で発見した課題に取り組んでいました。全体授業といっていましたが、たびたび全員が集まってグループワークにも取り組んでいました。そのような授業運営で、グループ同士で相互に学び合うことも多々ありました。異なるテーマに取り組みながらも、全体としては「自分たちはエンパワ生」という一体感がありました。

■今は、そうやって相互に学び合ったり、一体感をなかなか感じることはありません。ということで、少なくとも「課題発見×課題解決」を目指す3つの実習だけでも交流してみようということで、今回の報告会が実現しました。コーディネートくださった川中大輔先生、ありがとうございました。

■今日は、zoomのブレイクアウトルームという機能を使い、5人ほどのグループに分かれて話をしました。そこで、異なるプロジェクトに参加している人たちですが、共通する指摘をされていることを確認しました。多くの学生の皆さんのように、普通に大学で授業を受けて、普通にアルバイトをして…そういった学生生活をしているだけだったら、絶対に出会うことのなかった人たちに、このプロジェクトを通して出会うことができた…そのこと自体が自分にとっては大切な経験だったというのです。なにか、すごくナイーブな意見のように思われるかも知れませんが、私はこの学生の感覚がよくわかります。ましてや、履修している学生の中心は2回生、入学と同時にコロナ感染拡大が始まり、授業がオンラインになってしまったのですから…。こんなことをお互いに話すことで、異なるプロジェクトではあっても、お互いに共通する経験をしているんだなと思えたこと自体も、とても大切だと思いました。

社会共生実習

7年前の卒業式の時に

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■2015年の3月20日は、卒業式でした。その日、地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」の5期生が集まりました。そしてみんなで記念の集合写真を撮りました。素敵な写真でしょう。

■当時、「大津エンパワねっと」は、2回生の後期(4セメスター)から3回生の前期(5セメスター)にかけて開講されていました。今は、2回生の前期と後期(3・4セメスター)なので、半年はやまっています。さらにその後、カリキュラムの改革の中で「大津エンパワねっと」は「社会共生実習」となりました。大津市内の中央学区と瀬田東学区で取り組まれている「大津エンパワねっと」は、「社会共生実習」というプログラムのひとつプロジェクトになりました。当時、2つあった社会福祉関連の学科を現在の現代福祉学科1つに統合し学生定員を削減することと、「大津エンパワねっと」を「社会共生実習」にしていくことが同時に行われました。この一連の変化に伴う諸々についてここでは説明することはできませんが、ひとつだけ。

■「大津エンパワねっと」の時代は、中央学区と瀬田東学区の2つの地域で、たくさんの学生グループが、それぞれ地域の皆さんとの交流の中で発見した課題に取り組んでいました。全体授業といっていましたが、たびたび全員が集まってグループワークにも取り組んでいました。そのような授業運営で、グループ同士で相互に学び合うことも多々ありました。異なるテーマに取り組みながらも、全体としては「自分たちはエンパワ生」という一体感があったのです。前期と後期の最後には、地域の皆さんをお招きして、年に2回報告会を開催し、地域の皆さんからご意見や有益なコメントをいただきました。これも非常に大切だったように思います。まあ、以上のような取り組みがあったからこそ、このような記念の集合写真をみんなで撮ることができたのです。

■今、「社会共生実習」には、このような一体感を感じることはありません。言い換えれば、同じ教育プログラムで学んだ仲間という意識が涵養されていません。それぞれの教員が指導する個別プロジェクトの枠の中に閉じてしまっています。もちろんグループ間のコミュニケーションもありません。このことについても、いろんな意見があるとは思います。もし指導する教員の意識が、自分のプロジェクトにだけに向いていれば、こういうことは面倒なことでしかありません。しかし、そのような実習は、誰のための、何のために取り組んでいるのか…ということになります。もしそういう方向にこの実習が進んでいくのならば、私個人は、よくない傾向だと思います。

■社会学部は2025年に瀬田キャンパスから、大学本部のある深草キャンパスに移転します。その移転に伴い、新しいカリキュラムが始まります。現在の「社会共生実習」は、新しいカリキュラムの中で重要な柱となります。現在、新しいカリキュラムの中で、この「社会共生実習」をどのようなものにしていくのか、どう位置づけるのか、その辺りのことについて若い教員の皆さんと議論をしています。「社会共生実習」の中にある、あるいは見えている課題にきちんと対応しながら、新しいカリキュラムを実現できればと思っています。うまくいけば良いなあと思っています。思いますというのは、私自身は、定年退職してしまうことから、新しいカリキュラムの中で3回生から始まる実習を担当することはできません。長らく地域連携型教育プログラムに関わってきましたが、その点が残念で仕方がありません。でもまあ、仕方がありませんね。こればっかりは。

■ただし、お世話になった地域の皆さんとは、学生が地域に入って活動する「大津エンパワねっと」から、地域の皆さん自身が活動する「大人エワパワねっと」にしていきましょうと話をしています。そういう点では、こちらもこれからが楽しみかな。うまくいったら良いなと思います。

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