社会人院生
■カッコイイ!! 背中の文字、「DUCATI」(ドゥカティ)。イタリアのボローニャにあるオートバイメーカーです。この方、博士後期課程に在籍し、私のゼミで指導を受けている大学院生です。私も若い頃は、「いつか大型免許をとって、颯爽とバイクに乗りたいものだ…」と思っていましたが、もはや「それも無理だ、事故をおこすだけだ」と、断念してしまいました。一方、こちらの院生の方は、若い頃からずっとバイクに乗ってこられたとのことで、現在は、「DUCATI」の1000ccのバイクに乗っておられるとのことです。うらやましいな~。
■ところで、です。私が若い頃は(今から30年程前)、大学院に進学する人は、ごくごく一部の人たちに限られていました。進学する大学院が国立か私立か、理系か文系かによっても多少違うとは思いますが、特に文系のばあいは、将来、研究職を目指している人たちが進学するのだ…という考え方が一般的でした。
■しかし、現在の大学院は、かつてとは随分違ってきています。龍谷大学大学院社会学研究科は、特に修士課程については「高度専門職業人」の養成を目指しています。複雑化した現代社会に対応できる「職業人」の養成を一番の目的にしているのです。進学してくる方たちも、学部からの進学者だけでなく、それに加えて留学生や社会人の方も多数おられます。たとえば、社会学研究科には社会学専攻と社会福祉学専攻の2つの専攻がありますが、後者の社会福祉学専攻に関していえば、社会福祉の現場で福祉職として勤務されている方たちが、困難な現場の問題に対応できる能力を身につけようと、働きながら研究に懸命に励んでおられます。
■トップの写真の男性。社会学専攻の社会人院生の方です。大阪の某大学で教員(准教授)をされています。年齢も、それほど私とはかわりません(ご本人は、違うよ~とおっしゃるかもしれませんが…)。現在、「博士(社会学)」の学位の取得を目指して研究に励んでおられます。すでに大学教員という職についておられるわけですが、自分自身のキャリアアップ(学位取得)、さらに現在取り組んでいる研究を発展させるために、博士後期課程に進学されたのです。
■以上のことからもわかるように、大学院生も、たいへん多様化してきています。学部からの進学者、留学生、社会人…。それぞれの研究をサポートするために、それぞれの方たちの事情にも配慮しなくてはいけません。そのあたりが、私たち教員のカリキュラム・組織改革を進めるさいのポイントになってこようかと思います。
皆さまのアクセスに感謝
■昨日は、いつもよりもたくさんの皆さんにお立ち寄りいただきました。アクセス数が90になりました。これまでの最高が2月4日の84ですから、少しだけ数字が伸びたということですね。ありがとうございました。
ひさしぶりの広東料理
■神戸出身です。神戸に住んでいた頃は、「ちょっと何か外に食べにいこか~」ということになると、中華料理ということが多かったように思います。日本では、中華料理といえば、北京料理、上海料理、四川料理、広東料理の4つに分類されますが、神戸で中華といえば広東料理がその中心になります。といいますか、日本で中華といえば、やはり圧倒的に広東料理が中心なるのではないかと思います。それは、清の時代以降に、たくさんの広東省出身者が、アメリカ、ハワイ、東南アジア、そして日本に移住し、広東料理を広めたからです。神戸にも南京町とよばれる中華街がありますが、この南京町を中心としたエリアに、非常にたくさんの広東料理の店が集まっています。
■昨日も、ある広東料理店に行ってきました。最近は、神戸にほとんど行かなくなりましたから、ひさしぶりの広東料理です。もっとも、本場の広東料理を日本人向けに少しアレンジしてあると思います。上の段の右、穴子を揚げたものに、レモン風味のソースがからめてあります。神戸やお隣の明石は穴子の産地で有名です。地元の食材も積極的に取り入れておられるのかもしれません。
3年生ゼミについて
5月6日
■今日のゼミで、以下のことが決まりました。
(2)準備
・報告の2週間前までに自分の報告内容に関する資料を用意する。資料は、新聞・雑誌の記事・論評、学術論文、文献(新書・文庫等を含む)。資料は印刷するため、あらかじめコピーして印刷しやすい形態にしておく。どのように資料を選んだらよいのかわからないばあいは、事前に脇田に相談をすること。
・脇田とメールで面談の予約をとる。脇田の研究室で、脇田と報告の内容について相談をする。
・1週間前のゼミのときに、ゼミの仲間に資料を事前に配布す。受け取った資料については、必ず、目を通してくること。
・各回に2人報告を行う。1人20分、討論15分。
(3)司会者・コメンテータの役割
・司会者は、全体の議論の進行役。形式的な進行役を務めるだけだけでなく、討論の「場づくり」に注意を払うこと。また、報告者ま報告の内容の骨格を正確に捉え、報告後はそのポイントを簡単に整理する。また、コメンテータの質問や意見を大切にしながら、他のメンバーからも意見や質問を募る。
・コメンテータは、報告者の報告の内容のポイントを自分なりに捉え、さらに議論を深めることができるように質問や意見を述べる。
(4)夏休みの宿題
・前期のゼミで報告や討論をふまえ、自分の関心のある文献を1冊えらび、その内容を紹介するとももに自分の意見を述べる。A43枚以上。
龍谷大学国際文化学部の紹介動画
■国際文化学部の皆さん(教職員の皆さん)が、ご自分達の学部の情報発信に頑張って取り組んでおられます。すばらしいですね〜。これは、そのような情報発信のひとつ、YouTubeにアップされた学部紹介動画です。進路に迷う高校生が、国際文化学部に自分の将来の夢をみつけていく…そのようなストーリーになっています。残念ながら、私たちの社会学部にはこのようなものはありません…。せっかく良い教学資源をもっていたとしても、それが高校生の皆さんに伝わり、高校生の皆さんが将来を考える(夢を膨らませていく)うえで役立つ情報を提供できないのであれば、つまり高校生の皆さんの目線や進路の悩みにあわせたものでないのならば、情報発信としてはあまり効果がありません。さて、どうしたものか…なんですね。
■こちらは「個性編」。
連休の神戸
■少しは連休らしいことをしたいと思い、老母の生活介護のあと神戸の街に行ってみました。神戸は私の生まれ故郷ですが、神戸を離れてから30年程の時間が経過し、その間には阪神淡路大震災もあり、神戸の街の雰囲気はすっかりかわってしまいました。街のなかにあった「シック」(フランス語の「chic」)な雰囲気は、もうあまりなくなってしまっている…ような気がします。
■最近の言葉でいえば、「コジャレタ」雰囲気はあちこちにありますが、街がなにやら雑誌のなかにあらわれる写真のような感じになっています。「街の雑誌化」です。元町の港の方にいってみると、かつては見えた六甲山系の山並みも高いビルに隠れがち。山と海の一体感が良かったのですが…。港も、すっかり観光地化しています。
■もともとあった港湾関係の様々な機能は、沖合の埋め立て地の方に移動してしまったからです。また、海岸沿いの海運関係のビルもなくなり、マンションにかわってしまっています…。もはや神戸に住んでいるわけでもない人間が、このようなことを言うことは控えなければいけないのかもしれませんね。
■写真は、元町のハーバーランドのモザイクと呼ばれるところから撮ったものです。カメラを持っていったので、写真は撮りましたが、内心は…。モザイクでは、ちょうど、「ドイツビールフェア」という催しをやっていました。ものすごい人出でしたが、海の気持良い風にあたりながら飲むドイツビール、酒飲みですから、これはこれで悪くはありません(^^;;。夕食は、娘が教えてくれた地元の人が通う広東料理店「順徳」へ。本格中華は、ひさしぶりでした(もちろん、日本人向けに味はアレンジしてあります)。帰りは、東亜ロードの「デリカテッセン」で美味しいハムとサンドイッチをお土産に買って帰りました。このお店だけは、ずっと昔からあります。こういうお店があると、安心しますね。
■写真は、クリックすると大きくなります。
【追記】■今日、神戸には阪急を利用していきました。西宮北口以西には、ほとんどいく用事がなくわかっていなかったのですが、夙川や岡本に特急が停車するようになっているのですね(おそくらく、ずいぶん前から…)。JRの駅も増えているそうですし。知らないことが多すぎます。
京都府の「共に育む『命の里』事業」
■龍谷大学の政策学部もからんでいる事業のようですね。
一般社団法人京都府北部地域・大学連携機構の設立及び設立記念シンポジウムの開催について
【追記】■先週木曜日(5月2日)の4年生ゼミは、集落営農をテーマに卒論の研究をしたいという学生が、『進化する集落営農―新しい「社会的協同経営体」と農協の役割 (シリーズ地域の再生)』のなかで紹介されていた島根県の有限会社グリーンワークを取り上げて報告しました。
■彼が取り上げたのは「地域貢献型」の集落営農の事例です。このグリーンワークという会社は、中山間・過疎地域を抱える旧佐田町(現・新出雲市)にあります。ここが大切なのですが、農業だけでなく、高齢者外出支援や灯油戸別配達サービスなど地域福祉に関連する課題にも取り組んでいます。島根県では、集落営農を進めるうえで、従来の農地維持機能や経済維持機能だけでなく、生活維持機能や人材維持機能をも重視しているのです。
■この地域では、市町村合併で福祉バスが廃止されました。困るのは、高齢者の皆さんです。高齢者の足を、行政からの補助金をうまく使いながら、この会社が確保しているわけです。農作業のオペレーターには冬場の仕事がありません。一方で、農協も灯油の配送のために人を増やせません。そこでオペレーター職員が、冬場は灯油を戸別配達して、寒い山間地のライフラインを確保しているようです。通常、集落営農といえば農事組合法人なのですが、ここでは有限会社になっています。それは、農事組合法人だと法律の関係で「農業および関連事業」しかできないため、あえて有限会社という仕組みを選択しているのです。大変興味深いですね。地域の側の関心は、「生活防衛」であり「村の防衛」なのです。社会学的に農村社会を研究するばあいも、農政そのものではなくて、農政を受け止める側の地域の論理の構造ないしは戦略に焦点をあてることになります。
■この旧佐田町が中山間地域だから、そうなのだろう…と集落営農の例外にように捉えることは間違っていると思います。平地のまとまった面積をもっている地域に集落営農の背後にも、「村」や「家」の論理が見え隠れしているからです。そのことをきちんと把握する必要があります。
■もうひとつ、この会社の取り組みで興味深かったのは、羊の飼育ということです。夏場、羊に畦畔の除草をさせるのだそうです(雑草を食べさせる)。そうすることで、人件費をうかせることができます。冬場は、その羊を地元の小中学校に貸し出すのだそうです。そして、飼育体験をしてもらうのです。春のになると、羊毛を刈り取ります。刈った羊の毛は羊毛工房で加工されて毛糸、マフラー、帽子といった製品になります。とても面白いですね。このグリーンワーク、うまく「仕事」をつくって、うまく「仕事」をみつけて、地域課題解決に貢献しています。
研究会
■これから取り組もうとしている文理連携(協働)の研究プロジェクトのことについては、以前に少し書きました。数日前のことになりますが、この文理連携(協働)の研究プロジェクトに関して研究会を持ちました。研究会とはいっても、このプロジェクトの「人間・社会班」の谷内さん(京大生態研)と一緒に、全体の「骨格」や「土台」を考えていくような作業を行うのが目的でした。
■現在の生物多様性をめぐる文理融合(協働)の国際状況やFuture Earth等の動向を再確認したうえで、流域における生物多様性や栄養循環の問題、その問題とクロスする人間社会の様々な空間スケールでの活動、さらには流域診断や社会実践等との関係につい、議論したものを、KJ法風にホワイトボードの上に整理してみました。
■12日には、研究プロジェクトの「人間・社会班」の様々なバックボーン(環境経済学、環境社会心理学、数理統計学、政治学…)をもったメンバーが集まり、さらに詳細な部分について議論をしていく予定になっています。ところで、iPhoneで撮った写真、ボケボケのブレブレです…すみません。