FD研修会「学生と作る授業 学生が自ら授業 外学習するようになるには」

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▪️今日の昼休みの時間帯、12時45分から13時15分まで、オンラインでFD研修会が開催されました。話題を提供してくださったのは、政策学部教員の只友景士さんです。教学部長もお勤めです。でも、今日は、政策学部の教員としての教学上の困難をどのように乗り越えてきたのか、その方法等について話題提供してくださいました。只友さんは財政学者です。ということで、1年生の必修の授業「政策学入門(経済学)」を担当されています。履修者が300名を超える大人数講義なのだそうです。これは大変です。

▪️一般的傾向として、政策系の学部で学ぶ学生の皆さんにとって、経済学は苦手な部類に入る授業になるのだそうです。そのため、只友さんは、コロナ禍を経験する中で、授業の組み立て方を工夫されました。レジュメでは以下のように説明されています。

①responを毎回使うようになる。
②manabaでの連絡を行う回数が増える。
③「予習してこない学生を相手に講義する」から「予習していることを前提とする講義」に切り替える。
④予習復習の状況、とりわけ予習の状況の確認をするようになる。
また、毎回の授業の理解度を調べる。
⑤授業の感想質問に次回の講義の冒頭に回答する。

▪️responというのは、manaba courseという教育支援システムに連動している出席・リアルアンケートを取ることのできる仕組みです。私は、まだこのresponを利用したことがないので、非常に興味深く聞かせてもらいました。もうひとつ興味深かったのは、「③「予習してこない学生を相手に講義する」から「予習していることを前提とする講義」に切り替える。」という部分です。この授業では、教科書を使って進めるようなのですが、あらかじめ教科書で予習をしてくるのでしょう。その予習の内容についてはmanaba courseで提示するようです。

▪️毎回授業では、responを使って、出席はもちろんのこと、事前にどれほど予習をしたのかをアンケート形式で尋ねるのだそうです。学生自身の自覚を促すためです。また、「今週の経済ニュース」というのも。これは、学生が授業以外の時間に新聞で何か経済ニュースを読んできたのかを報告するのでしょうか。今度、只友さんに聞いておこうと思います。これは、新聞を読ませるために、あえて実施されているようです。それから、時々、予習内容を確認する簡単なクイズを出して回答してもらったり、前回内容に関する簡単な復習クイズも出すそうです。また、授業の終わりには、やはりresponを使ってアンケート方式で講義の理解度を尋ねたり、講義の感想・質問も書いてもらうようです。また、時々、授業の中での大切なキーワードを挙げてもらったり、その説明もしてもらうようです。

▪️こうやって授業を工夫し、学生の皆さん自身予習をする習慣が身についてくると(もちろん全員ではありませんが)、経済学の理解度が違ってくるようですね。まだresponの使い方、わかっていませかんが、自分も使ってみようかなと思っています。

雨森鼎さんのこと

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▪️この前の金曜日は大学で仕事をした後、雨森鼎さんからお誘いをいただき、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」で合流しました。当初は、安孫子邦夫さんもご一緒できるはずでしたが、この日はご都合でお越しになれませんでした。雨森さんも、安孫子さんも、地域連携型教育プログラム「社会共生実習」「大津エンパワねっと」でお世話になってきました。お2人とも人生の大先輩ですが、今では同時に楽しい飲み友達でもあります。

▪️この日、雨森さんからはいろいろな話題でお話をしてくださいましたが、なかでも「長江再会」という映画については丁寧に解説をしていただきました。私は、かつて長江のごく一部、武漢や岳陽のあたりですが、漁労の調査をしていた時代があり、武漢から岳陽までわざわざ客船に乗って移動したこともあります。その時は、後漢末期に起こった、曹操軍と孫権・劉備連合軍の間の戦い「赤壁の戦い」で有名な場所を通過しました。でも、この「長江再会」は、スケールがとてもでかいです。こんな映画です。

中国の母なる大河·長江。上海、南京、武漢、重慶、雲南、チベット高原まで、広大な中国大陸を横断する、全長6300キロのアジア最大の大河だ。日本人監督の竹内亮は、10年前にNHKの番組で長江を撮った時、一つの後悔があった。それは北極・南極に次ぐ地球第三の極地と呼ばれるチベット高原にある「長江源流の最初の一滴」を撮れなかった事。あれから10年、日本から中国南京市に移住し、「長江沿いの民」の一人になった竹内は、2021年から2年かけて再び長江6300キロを走破する。旅の途中で10年前に撮影した友人たちと再会しながら、一本の大河を通して中国の10年の変化を見つめ、今度こそ「最初の一滴」をカメラに収めるべく、長江源流をめざす。

雨森さんは、年間映画館に相当の回数通っておられます。何十回だったかな。映画通です。80歳になられますが、今も好奇心旺盛、そして私とも呑まれます。お元気ですね。私もこういうふうになりたいなあ。

報告書をお届けします。

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▪️やっと、昨年度の『社会学入門演習』の報告書が納品されました。印刷会社のせいではなくて、私の編集作業が滞ったせいです。お待たせいたしました。これからお世話になった高島市の皆様に、報告書をお届けする予定です。また、個別に予定を伺います。どうかよろしくお願いいたします。

社会学入門演習「現地実習報告書」

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▪️編集作業が大幅に遅れていましたが、なんとか年度内に発行できそうです。学生の皆さんがお世話になった、高島市の皆様にお届けいたします。もうしばらくお待ちください。以下は、1組の報告書の冒頭に書いた「はじめに」の部分です。

はじめに

2020年度から猛威をふるってきた新型コロナウイルスの感染拡大、まだ安心できるような状況ではけしてありませんが、以前とは異なり、2023年5月8日以降、新型コロナウイルスは5類感染症に位置付けられるようになりました。

従来、この「社会学入門演習」では、大学に入学したばかりの学生の皆さんが教員と一緒に1泊2日の現地実習に出かけて、訪れた現場で多様な経験をし、その経験をもとに原稿を執筆して報告書にまとめることになっていました。しかし、コロナ禍の最中は、そのような現地実習を実施できない年が2年続きました。そして2022年度からになりますが、やっと日帰りならば現地実習が認められるようになりました。2022年度は、現地実習を高島市マキノ町で、そして今年度は高島市の今津町と朽木で現地実習を実施させていただきました。

今年度、このような現地実習を実施できたのは、私が参加した「全国棚田 (千枚田)サミット2022in高島市」でご縁をいただいた「特定非営利活動法人コミュニティねっとわーく高島」の坂下靖子さんに、現地実習のコーディネートをお引き受けいただいたおかげです。坂下さんのお力により素晴らしい現地実習を実施することができました。通常、教員が担当する「社会学入門演習」は1クラスだけなのですが、今年度は諸般の事情により、1組と10組を受け持つことになりました。その2クラスとも坂下さんにコーディネートしていただくことができました。そして坂下さんのコーディネートにより、1組については6月17日(土)に、高島市の今津町椋川と朽木上針の2カ所を訪問し、それぞれの地域に移住してこられた皆様にお話を伺うことができました。坂下さん、本当にありがとうございました。

ところで、なぜ今年度の現地実習で移住者の皆さんにお話を伺ったのか、そのあたりのことについても少し説明をさせてください。前述した「全国棚田 (千枚田)サミット2022in高島市」でお手伝いをさせていただいた際、サミットの事前の準備段階で、移住者の皆さんからお話を伺うチャンスがありました。その際まず気がついたことは、移住者の皆さんが、地元の皆さんの暮らし方や、その背後にある文化を大変尊重されていたということでした。山村で暮らしていくためには、農業や林業に関わって生きていくための深い知識や技術が必要になります。何世代にもわたって暮らしてこられた中で培った地域の社会的仕組みも大切になります。移住者の皆さんは、濃淡こそあれ、そのような地元の皆さんの暮らしを大変尊重されていました。加えて、地元の皆さんだけではうまく扱えない地域の課題に対して、移住者の立ち位置から積極的に関わっていこうとされていました。そのような移住者の皆さんの思いを、大学に入学してきたばかりの学生の皆さんは、自分の暮らしと対比しながらどのように受け止めるのか。言い換えれば、都会に暮らす自分たち若者とは異なる生き方をされている方達を、どのように理解するのか、そのあたりに今年度の「社会学入門演習」の目標を設定することにしたのです。

大学の教育の現場では、学生の皆さんに対して「きちんと単位を取っていますか」という言い方で指導をすることがあります。また、学生の皆さんの中には、単位を取りやすいかどうかというコスト・ベネフイットだけを考える人もいます。しかし、単位は目安のようなものであって、単位を取得すること自体が目的ではありません。単位や単位にもとづいたカリキュラムといった制度に、あたかも「流される」かのように学んだとしても、けして大学における自分自身の学び、すなわち「学修」には至りません。高校までは与えられた問題に「正しく」答えることが大切になりますが、大学の「学修」はそうではありません。大学では、自ら「問い」を立て、さまざまな資料やデータを基に緻密な分析と深い考察を行うことから、その問いに答えうる論理的・結論を導き出すことが必要になります。

では、どうすれば、大学4年間で自分自身の「学修」が可能になるのでしょうか。龍谷大学社会学部の教育理念は「現場主義」です。現場の中に我が身を置き、そこに生きる方達から丁寧にお話を伺うことを大切にします。お話を伺いながら、「はっ!」として、「どうしてなのだろう」、「どうすればよいのだろう」と自ら「問い」を立てることが大切になってきます。そして、そのような「問い」を積み重ねることのなかで、自分自身の「学修」が可能になっていくのです。「社会学入門演習」を担当した教員としては、今回、高島市の様々な皆さんのご協力により実現した現場実習を、そのような自らの「問い」を立てていくためのひとつのきっかけにして欲しいと思っています。大学に入学しばかりで、これまでに書いたことがないような長いレポートを執筆することは、大変なことだったかもしれません。実際、提出されたレポートは実に「様々」です。微妙な言い方ですが…。正直に言ってきちんとしたレポートのレベルに達していないものも含まれています。しかし、大変迷いましたが、今回は最低限の添削のみにしました。できるだけ執筆した学生の皆さんの「現在」が記録に残るようにあえてしてみました。残りの大学生活の中で、時々、この報告書の自分のレポートを振り返りながら、自分自身がどれだけ成長できているのかを確認して欲しいと思います。

最後になりましたが、今回、学生の皆さんに丁寧にお話をしてくださった皆さん、今津町の是永宙さん、上針畑の勅使川原学さん、藤原治文さん、廣清乙葉さん、そしてその他の関係者の皆様には心より感謝いたします。拙い報告書です。事実関係に関して、間違いがあるかもしれません。また、勘違いをしている部分もあるかもしれません。どうかご容赦ください。ただ、ご丁寧にお話しくださったことは、学生の皆さんの記憶に残り、何らかの形で個々人の成長につながるものと確信しております。本当にありがとうございました。

卒業論文の口述試問

▪️他大学(私立大学)もそうだとは思いますが、龍谷大学では卒論が必修になっている学部とそうでない学部があります。私が勤務している社会学部社会学科は卒論(16,000字~20,000字以内)が必修です。社会学部でも他の学科であれば、卒業研究(12,000字以上)と制作・副論文(6,000字程度)のどちらかが必修のコミュニティマネジメント学科や、卒業研究(上限が12,000字)が必修の現代福祉学科もあります。このような卒業論文・制作・卒業研究等が必修になっているのは、1989年(平成元年)に瀬田キャンパスに社会学部として開学するまでは、文学部の1学科だったというルーツにあるのかもしれません。2004年から社会学部に勤務するようになりましたが、その段階では、卒論の口述試験は2人の教員が担当していました。ゼミの担当教員と、別のゼミの教員が2人で審査していたのです。厳しいですね。

▪️さて、今日は、私のゼミのその口述試問の日でした。諸々のことがあり、今年はzoomで口述試問をすることにしました。卒論を提出するまでに、何度も面談をしたり添削をしたりしているので、提出前から論文の内容はわかっています。しかし、きちんとした水準に到達している人もいれば、提出前の面談の回数が少なかったり、締め切り間際で丁寧な添削をしている時間がなかった、そのようなちょっと残念な人もいます。まあ、これは毎年のことではありますが…。

▪️私のゼミでは、原則、自分1人でインタビューによる調査を実施することになっています。その調査データにもとづいて論文を執筆することになっています。知らない人のところに話を聞きに行くのは勇気がいりますが、その勇気がなくてなかなか卒論のスイッチが入らない人は(あるいはなんとかなると舐めてかかっている人は)、調査自体が薄くなってしまいます。実際にフィールドワークに出かけてみれば、ほとんどの方達は親切にお話をしてくださるのです(もちろん全員ではありませんが…)。これだったら、もっと早くからインタビューを始めていればよかった…と思う人が毎年必ずいます。私からは早く調査を始めなさいと、口を酸っぱくして言い続けているのですが、なかなか…です。その方が、卒論の取り組みが充実してくるのに…です。

▪️今年は、このままだと卒業が危ういなという人もいたので、仕方なく調査のアレンジを行い、私も同行するなど、サポートすることになりました。とはいえ、とりあえず全員が無事に卒論を提出し、本日、口述試問を終えることができたので少し安心しています。次、ゼミの皆さんに会うのは、卒業式の日になります。卒論がうまくいった人も、そうでない人も、卒論に取り組んだ経験を大切にして社会人として成長して欲しいと思います。

【追記1】▪️社会学部は2025年に京都の深草キャンパスに移転します。移転後は、現在の3学科体制から、総合社会学科1学科になります。カリキュラムも大きく変わります。私は、新社会学部では2年しか勤務しないので、2025年度に入学してきた皆さんの卒業論文を指導することはありません。2026年度に4回生になる皆さんになる皆さん(2023年度入学生)の卒論を指導して定年退職することになります。2004年から龍谷大学社会学部に勤務していますが、退職までにおそらく通算250~260名の学生さんの卒論を指導したことになりそうです。来年度は、特別研究員として研究に専念する年になりますので、次にゼミ生を担当するのは2025年度から、その学生の皆さんの卒論が最後の指導になります。

【追記2】▪️これまで提出された卒業論文のデータ。以下の通りです。
脇田ゼミ卒業論文

【追記3】▪️2年前、2022年2月2日にfacebookに投稿したものです。

卒業論文の口述試問が終わりました。対面式はやらないでと大学から要請がありましたが、オミクロンの感染が大変な状況になることを見越して、私は最初からzoomでやることにしていました。zoomを通してですが、いろいろ思うところがありました。

これまで何度かfbにも書いてきたわけですが、ゼミの基本方針として、自らのフィールドワークに基づいて卒業論文を執筆してもらうことを前提にしています。龍谷大学社会学部の理念「現場主義」に、真正面から愚直に取り組もうとしているからです。ただし、「現場主義」も解釈次第なので、ゼミごとに多様な「現場主義」の捉え方があろうかと思いますが、私のゼミでは「頑張って1人でフィールドワークに取り組む」ことをお願いしています。学生の皆さんにも、そのことをわかった上でゼミに所属してもらっています。もっとも、ここ2年は新型コロナウイルスの問題もあり、フィールドワークには状況に応じて、各自の判断で取り組んでもらっています。

それでも、今年度は、19名のゼミ生のうち13名が頑張ってフィールドワークに取り組みました。フィールドワークに取り組んだ人たちは、口述試問で、判で押したように「もっと早くフィールドワークに取り組めばよかった」と同じようなことを言うのです。これは毎年のことなのですが…。なぜこのような反省を言うのかといえば、「アポイントメントを取って、知らない人のところに出かけて話を聞くことに、相当の心理的抵抗感がある」からなのだそうです。アポイントメントを取るためにメールを書くことになりますが、その添削、そしてフィールドワークでどのような質問をするのか…面談で相談しながらさまざまなサポートをします。学生の皆さんに、サポートをしますよと言っても、なかなか前に進めないのです。まあ、その気持ちも理解できますが…。

でも、一度フィールドワークに行くと、あんなに心配していたのは、いったい何だったのかなと思うのだそうです。ちょっと、逞しくなります。全員ではありませんが、何度もフィールドに通ううちに、さらに逞しくなります。私の方も、フィールドワークに行くたびに、面談で指導を行います。そこまでできる人の卒論は、それなりに充実してきます。

まあ、そんなこんなで、今年も卒論の指導が終わりました。

大雪警報

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▪️昨晩、大雪のことが心配になりました。左は、スマホに入ったアプリが示した翌朝(つまり今日)9時の天気予報です。我が家のあたりは、この予報では雪が降り始めています。滋賀県北部の天候は日本海側とつながっています。日本海側の雪が攻めてくるかのようです。右は、10時23分発表の大雪警報の状況です。滋賀県の北半分は警報のエリアになっています。私は大津市の湖西線沿いの地域に住んでいますが、警報が目の前に迫っている感じです。

▪️昨日は、5限、16:55からの試験の補助監督をしましたが、多くの学生さん達が遅れてきました。すでにJRの遅延が始まっていました。琵琶湖線の米原と長浜の間が雪で動かなくなり、玉突き状態で遅延になってしまったようです。試験開始後20分までは遅刻しても試験を受けられるルールになっていますが、20分を過ぎてやっと到着した人たちもいました。これは追試験ということになるのかなと思います。

▪️今日は、私の授業の試験です。雪は降っていませんし、試験は11時からだったのですが、電車が遅れるかもと思い、いつもよりも1時間早く大学に到着するようにしました。雪が降って電車が止まっていたら、JRは利用せずに、自宅から車で京阪で「坂本比叡山口」駅まで家族に送ってもらって、そこから京阪石山まで移動。あとはバスかタクシー…というルートも考えていましたが、無事にJRとバスで大学に到着できました。また、試験も問題なく実施できました。

▪️こちらは、昨年の1月25日の投稿「積もりました。」です。かなり積もっています。この時は、積雪で試験実施日が変更になっていました。ほぼ毎日ブログに投稿しています。そのため、こうやって過去の出来事を検索できるのです。ブログは、自分にとっては「ライフログ」のようなものなのかなと思います。

▪️今日は、今から深草キャンパスに移動します。ちょっとした、だけど重要な会合があります。会合が終わったら、急いで帰宅しなければなりません。雪で電車の運行が不透明だからです。

卒論の「お疲れ様」会

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▪️昨晩は、4回生ゼミの皆さんと、卒論の「お疲れ会」。ご本人もお疲れでしょうが、指導する方もお疲れ…なんですよ(^^)。まだ口述試問が残っているので、油断しないようにね。12人と人数の少ない学年でしたが(この日、インフルエンザに罹患した学生さんが1人欠席)、私の知らないところで、お互いに助け合っていたんですね。素敵なことだと思いました。ありがとう。卒業後も、同窓会を開催して交流しましょうね。会場は、大津駅前のいつもの居酒屋「利やん」の別館(宴会場)です。

後期最後の授業

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▪️後期の授業は明日までです。私の場合は、今日、金曜日が最後の日になります。2限はいつものように「地域エンパワねっと・大津中央」。インフルエンザが流行しているようで、今日も罹患して欠席している学生さんたちがおられます。お爺さんの私には、コロナもインフルエンザもやってこないのですが、どうしてだろう…。まあ、それで良いのですが。

▪️チーム「リーラ」は、中央学区の子ども会育成連絡会議と連携して、地域の子ども育成の担い手の発掘を目指しています。子ども会育成連絡会議の皆さんとの連携、小学校の協力のもとに、親子でも参加できるキッズクラブ体験会を開催します。キッズクラブは子ども会育成連絡会議が毎月小学校で開催している遊びのイベントですが、今日ミーティングで相談をしているのは来月開催する「冬の運動会」についてです。参加者がチームに分かれて競技を楽しみます。当日、競技の進行をスムースに進めるために、知恵を絞りあっています。

▪️チーム「マリーゴールド」は、中央学区の高齢者の皆さんと「料理クラブ」を開催しています。自宅に引きこもりがちな男性が料理と交流を楽しむことが目的で開催しています。次回は、スペイン料理に挑戦です。こちらも盛り上がってきていますよ。1月、2月、3月と年度いっぱい料理クラブを開催しますが、少しずつ、企画等を地元の高齢者の皆さんにしていただくとのことです。これは、地元の高齢者のリーダーの方からの提案です。4月からは自立して、学生さんたちがいなくてもしっかり活動していくためです。

▪️それぞれのチームの活動は、社会全体から見れば些細な活動にしかすぎないように見えるかもしれませんが、それぞれのチームは、地域の活動に参加し、地域の皆さんの声をしっかりお聞きすることの中から、「地域による子ども育成の担い手確保」「高齢者の引きこもり防止と交流促進」という課題を見つけて、それを解決…まではいかなくても、緩和して、その成果を地域の皆さんと共有できるようにと頑張っています。学生の皆さんの頑張りが、地域の皆さんをエンパワーメントしていくことにもつながっているように思いますし、学生の皆さん自身もこのような経験をすることで自分自身の中に変化が起こっていることを実感しているのではないかと思います。その変化については、後期のレポートとして提出してもらう予定です。

卒業論文の締め切り。

▪️今日が私が勤務する社会学部の卒業論文の締め切りになります。ただし、締め切り時間は15時だったと思います。時間厳守、厳しいです。一昨日、昨日、クラウド型教育支援サービスである「manaba」に続々と卒業論文がアップされました。2020年の新型コロナが感染拡大して以降、卒論の提出はmanabaになっています。

▪️ただちょっとな〜ということがあります。1人の学生さんが卒業論文をアップするたびに、メールで通知が届くのです。自分のゼミの学生さんたちはほとんど先週の金曜日にmanabaに卒論を提出されていました。遅れた学生さんも日曜日の夕方には提出していました。しかし、メールでの通知は、続々と届きます。そうです。他のゼミの学生さんの論文についても通知が届くのです。まあ、他のゼミの皆さんの論文を読んでみる…ということはしておりませんが、メールの管理がなかなか面倒くさくなります。システムの都合上、仕方のないないことらしく、毎日、メールの通知を削除しています。

▪️指導している学生さんの卒論については、いろいろ添削をしますし、注文をつけています。指導をしてきたので、すでに読んではいるのですが、もう一度、新鮮な気持ちで読み直す作業がこれから始まります。そして2月に入ると口述試問があります。これも試問ですから試験ということになります。

▪️私が学生の時は、200字詰めの原稿用紙に卒論を書いて提出した後は、その卒論を教務課がゼミの担当者のところまで送ったのだそうです。なぜ送ったのか。それは、先生が授業終了後に台湾に調査に行かれていたからです。現地の滞在場所まで送ったのです。のんびりしていたというか、アバウトな時代でした。もちろん、きちんと卒業できました。今だとこういうのは絶対に無理かな。いや、manabaがあれば、海外でも審査できますかね。口述諮問だってzoomを使えば海外からできますから。どうだろう。

▪️龍谷大学に赴任した時は、2人の教員が審査する形式でした。社会学部は文学部から分離してできた学部で、厳しい文学部の審査方法を受け継いできたからです。厳しいなと思いました。しかし、赴任した1年後は1人審査になりました。まあ、それが良かったのか、そうではなかったのか…、微妙だなと思います。

▪️もちろん、社会学部は卒論や卒業研究が必修です。しかし、卒論の必修でない学部もあります。社会学部が深草キャンパスに移転すると、そのような卒論が必修でない学部と同じキャンパスで学生さんたちは学ぶことになります。どのような反応が出てくるのかなと、いろいろ想像しています。

▪️私は「卒論は絶対に必要だ」と考えています。しかも、自分で調査をして卒論を執筆することを基本としています。できれば、学生の皆さんには「社会共生実習」のような地域連携の実践にも取り組んでもらいたいわけです。調査に基づく卒業論文の執筆、地域連携の実践。その両方を指導することは大変なわけですが、こういうスタイルを頑なに守ってきました。あと3年で定年退職するわけですが、最後までこのスタイルを守り通せればと思っています。

「社会共生実習」の「活動報告会」が開催されました。

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▪️本日の2限、瀬田キャンパス3号館の202教室で、社会学部の3学科が共同運営する「社会共生実習」の「活動報告会」が開催されました。このような催しを開催するのにはもっと適した場所がありそうなのですが、日程の関係で、良さそうな教室は全て授業で使われていました。というわけで、会場内はかなり混み合った感じになりました。今日は龍谷大学附属平安高校の皆さんや台湾の大学の学生の皆さんもご来場くださったのですが、申し訳ありませんでした。

▪️「活動報告会」は、「社会共生実習」で活動する8つのプロジェクトから12グループの口頭発表がありました。ただし、時間は2分。というのも、この口頭発表の後に12グループのそれぞれのポスター発表があり、そちらを「活動報告会」のメインにして、口頭発表はそのあらましを話すだけに限定されていたからです。そのルールを守らないグループもひとつありましたが、なんとか予定通りに口頭発表を終えて、ポスター発表に移りました。

▪️写真は、そのポスター発表の様子を撮ったものです。スマホのパノラマ機能で撮影したので少し歪んでいますが、多くの皆さんが参加されていることが理解できるかと思います。下の写真ですが、左は「地域エンパワねっと・大津中央」の2チームです。左がチーム「リーラ」、右がチーム「マリーゴールド」。チーム「リーラ」は、中央学区の子ども会育成連絡会議の皆さんとの協働しました。そして、この連絡会議が実施しているキッズクラブという子どもたちが集団で遊ぶ月1回のイベントに、どうすれば保護者の方達にもっと参加してもらえるのか、そして地域の子どもたちを一緒に育む活動に加わってもらえるのか、そのことを課題に取り組んできました。チーム「マリーゴールド」は、中央学区の自治連合会の融資の皆様と協働しました。自宅に引き篭もりがちになる高齢者の男性を対象にした料理クラブを開催し、地域社会に出ていろんな人と交流することを楽しんでもらおうと頑張ってきました。以上は、私が担当しているチームのポスター発表ですが、それ以外のチームの活動については、「社会共生実習」のホームページに掲載されていますので、ぜひそちらをご覧いただければと思います。

▪️ポスター発表では、ご来場くださった皆さんがポスター発表を順番に見て周っていただきました。そして、口頭で質問やコメントをしていただくと同時に、それをポストイットカードに書いて貼り付けていただきました。また、「社会共生実習」の受講生の皆さんには、自分たちのチーム以外のポスター発表を見て周ってもらい、「おもしろいな、素敵だな」と思った「推しのチーム」に質問をして、どのような回答があったのか、そしてそのチームに対するコメントや提案を書き込むシートも配布されました。

▪️大学の授業は、普通、自分自身の努力がレポートや試験で評価されるわけで、その学びは個人の中で完結しています。ところが「社会共生実習」では、自分と価値観や考え方の異なる「異質な他者」とのコミュニケーションが前提になります。「異質な他者」とコミュニケーションすること、そして協働することが必要になります。その「異質な他者」とは、チーム内の他の受講生であったり、学外の地域の皆さんであったりと様々だと思いますが、自分1人では完結しないのです。「異質な他者」とコミュニケーションを行い、共通の課題や目標を見つけて、それぞれの持っている力を活かし合いながら活動をして、なんらかの成果を生み出し共有していくことになります。そのような活動で経験したことを、大切なシーズ(種)として自分の「心の中の引き出し」に大切にしまっておいてほしいと思います。活動がうまくいったとしても、残念ながらうまくいかなかったとしても…です。そのようなシーズは、大学を卒業したのち、成長していつか花を咲かせることになると思うのです。貴重な体験をされたという事実を、受講生の皆さんは忘れないでほしいと思います。

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