Stainless - Shinjuku
■新宿駅は、日本一の乗降客数を誇る駅です。この動画は、ホームに立っている人びとを通りすぎる電車の窓からハイスピードカメラで撮影したもののようです。不思議です。都会に暮らす日本人であれば、当たり前のような通勤ラッシュの風景ですが、こうやって撮影すると、崇高さのようなものさえ感じられるから不思議です。
■この動画を撮影した写真家Adam Magyarさんは、「この作品は、写真と動画の境界に位置づけられるもの。延々と続く、電車待ちの人たちの姿はまさに、生ける彫刻なんだよ」と語っておられるそうです。なるほど…。「写真と動画の境界」というところがすごいですね。なんか、インスパイアされるものがあります。ハイスピードカメラを使うことで、通常では認識できない現実の異なる側面が浮かび上がってきます。下のURLをクリックして動画をご覧ください。
Google Zeitgeist: 2013年を振り返ろう
■2014年も残り4ヶ月を切った段階で、こんな話題でもないだろうと…と思いますが、ご容赦を。とりあえず。ここにアップさせてください。
「大津エンパワねっとを進める会」(中央地区)
■社会学部の地域連携型教育プログラム「大津エンパワねっと」では、学生たちが活動している2地域で「進める会」を月1回開催しています。私は2箇所のうちの1つ、中央学区を中心とした中心市街地の「中央地区」の「進める会」に出席しています。9月3日(水)の夕方、町家キャンバス龍龍で、9月の「進める会」が開催され、地域からは9名の方にご参加いただきました。
■昨年度末、ご高齢を理由に2名の方が退任されました。空席になっていましたが、今日は、中央学区自治連合会長から、新しい2名の方のご推薦があり、進める会で承認されました。いずれも、他の進める会の多くの委員の皆さんと同様に、これまで実際に「地域エンパワねっとⅠ・Ⅱ」で学生チームのご指導をいただいる方達です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
第3回「かかし祭」京都新聞記事
■第3回「かかし祭」、京都新聞の記事になりました。ありがとうございました。この記事は、この「かかし祭」に参加された方が、わざわざ切りぬいてくださったものです。ありがとうございました。
夏も終わり…
■週に1回、老母の世話に通っています。生活介護です。買い物とか、庭の草刈りとか、生協の宅配の注文表を作成するとか…、その他諸々。介護保険でお願いできない部分を、週1回ではありますが、頑張ってフォローしています。私がいけないときは妹が、妹も無理なときは妻が、世話にいってくれます。さらにさらに、みんな都合がつかず、いろいろ大変なときは、娘・息子も、とりあえず行って世話をしてくれることにはなっています。
■今日も、いろいろ雑用を処理しながら、母親のところに行きました。いつものように、庭の草刈りをして、買い物をして、生協の注目をして…その他諸々、世話を終えて帰宅しようとしたとき、動きののろいセミが眼に入りました。普通だと、そばに寄ると飛んで逃げていきますが、このセミはほとんど動きません。おそらくは、土の中からこの世に生まれて子孫を残し、生きるエネルギーをほとんど使いきっているのかなと思います。
■夏も、そろそろ終わりですね…。このセミを見て、そう思いました。セミの姿に、老母や、還暦が近づいてきた自分を重ね合わせました。
気になるこの「OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough」!
■これまで、重いデジタル一眼レフ「CANON EOS 40D」と、「iPhone5」のカメラを使ってきました。その中間にあたるカメラを使っていませんでした。一眼レフはきれいに撮れるのですが重い。iPhone5は軽いけれど思うようには撮れない。ということで、ある方の勧めで「OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough」を購入するとに決めました。
■すでにこのブログで報告していますが、先週の火曜日(8月26日)に、昨日の「豊かな生き物を育む水田プロジェクト」の「生き物調査」に参加してきました。そこでは、私が参加してるい研究プロジェクトのリーダーと、その方の職場の同僚、2人の生態学者と一緒でした。その2人の生態学者がもっていたのは、リコーのデジタルカメラ「WG-4」でした。防水であるのに加えて、電子コンパスが搭載されていて、撮影場所の情報(気圧・高度/水深・方位)をカメラで確認できる優れものです。GPSもついています。これは、フィールドワークで活躍しそうなデジカメだと思いました。あまり深く考えずに、このリコーのデジカメを買おうかな…と思っていたのですが、知人が「OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough」のことを教えてくれたのです。いろいろ比較するうちに、こちらの方が、自分に向いているかも…と思うようになったのでした。マクロ撮影は、LEDライトガイド LG-1を使うとTG-3のほうが上かなと思いました。また、テレコンバーターやフィッシュアイコンバーターと呼ばれるレンズをつけると望遠や広角も可能になります。GPS機能の性能も、他社と比較して高そうですし。楽しみですね〜。
龍谷大シーホースvs京都大ギャングスターズ(関西学生アメリカンフットボール)
■昨日は、「北船路米づくり研究会」による第3回「かかし祭」が開催されました。この活動はゼミ活動の一環として実施されています。学生の自主性で運営されています。今回は約2/3のゼミ生が参加しました。自分自身で、取り組むべき活動があるゼミ生、このような農業に関心のないゼミ生、また他のゼミ生と一緒に活動することが苦手な学生は、この研究会の活動には参加しません。それでかまわないと思っています。たとえば、体育局(体育会)の運動部に参加している学生は、参加しません。厳しい練習があり、参加すること自体もなかなか困難です。そのような1人に、アメリカンフットボール部で活躍しているTくんがいます。
■昨晩、「かかし祭」を終えて帰宅してfacebookをみたとき、ビッグニュースが眼にはいりました。関西学生アメリカンフットボールの秋季第1節(秋から始まるシーズンの第1試合目)「龍谷大シーホースvs京都大ギャングスターズ」の試合結果です。「龍谷大14―9京大」で、龍谷大学シーホースが勝利したというのです。これは画期的なことです。私は12月に開催される「甲子園ボウル」の観戦にでかけることがあります。大学アメリカンフットボールが好きです。しかし、試合の内容について専門的に解説する能力はないので、以下の記事をお読みください。
【アメフト】龍谷大、大金星!7度目対決で日本一4度の京大を撃破 2014年9月1日6時0分 スポーツ報知
■「かかし祭」があったため、私は実際の試合をもちろん観戦することはできませんでした。しかし今の世の中、とても便利になっています。「USTREAM」で試合を観戦することができるのです。「rtvチャンネル1」です。試合結果はわかっていましたが、インターネットでこの録画を確認しました。Tくん、頑張っていました。活躍していました。ゼミのなかであれば、他の男子学生と比較としてガッチリとした大きな身体をしているわけですが、試合の様子をみていると、そのようなTくんでも細く見えます。それだけ、他の選手の身体が大きいということですね。
秋季第1節 龍谷大シーホースvs京都大ギャングスターズ(関西学生アメフト)
■昨年、一昨年と、龍大は惜しいところで京大に敗れてきました。昨年は、1部リーグ(ディビジョン1)で、京大が4位、龍大が5位でした。さきほどのスポーツ報知の記事によれば、「2004年に1部昇格して以来7度目の対戦で京大を初めて下した」ということのようです(私が学生の頃は、京大には圧倒的な強さがありました)。次の試合は、関大戦(9月13日)です。昨年3位のチームです。その試合でさらに自信をつけ、経験知を積んでほしいと思います。そして、その上にいる立命館パンサーズと関西学院ファイターズと勝負する足がかりをつかんでほしいと思います(一方的に負けることがないような…)。今回の試合、素人目ですが、ターンノーバー( インターセプトやファンブルでオフェンス側が攻撃権を失い、ディフェンス側へ攻撃権が変わること)が多かったように思います。ミスを減らし、練習で蓄積した力を存分に発揮して、少しでも上位陣に食らいついてほしいと思います。次の関大戦、Tくんの活躍に注目したいと思います。
第3回「かかし祭」を終えて。
■昨日の「かかし祭」、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様には、心より御礼申し上げます。
■昨日の「かかし祭」で実施された子供神輿。地元・北船路の「子供会」のお子さんと、市街地にある「みつばち保育園」の園児さんたちが主役でした。私の気持ちとしては、前者のお子さんたちには、北船路の農業後継者として成長していただきたいし、後者の園児の皆さんには食の安心・安全に配慮し農家を応援する志しのある消費者に成長してほしいと思っています。そして、大人になったときに、お互いに支えあえるような関係を築いていってほしいとも思っています。もちろん、その頃には、私は、もうこの世にいません。そのような年代の「おじさん」(子どもさんたちからしたら「おじいさん」)の希望でしかありませんが、心の底からそう思っています。ですから、昨日の子供神輿は、「象徴的な意味」において、とても大切なことだったように思います。
■このようなことを思うのにも理由があります。それは、日本の農業の未来は、けして明るいものではない…ということです。特に、北船路のような棚田の農村のような条件不利地域では、なおさらのこと農業や農地の維持していくことは大変な苦労がともないます。「かかし祭」では、北船路集落にある「農事組合法人 福谷の郷」と「北船路 中山間地域管理組合」のご協力をいただいていますが、両方とも、北船路の農家が組織されているものであり、北船路の農業や農地を守っていくために組織されています。
■「農事組合法人 福谷の郷」は、自分では耕作できない農家から農地を預かって、オペレーターの農家の方が農作業をされています。昨日の「かかし祭」に参加された「みつばち保育園」の園児の皆さんが、給食のときに食べておられるご飯、それは「農事組合法人 福谷の郷」で生産した「環境こだわり米」です(ちなみに、「みつばち保育園」は、「地産地消」や「食育」をとても大切にされています)。「みつばち保育園」では、遠足もかねて北船路に田植や芋掘りに来られますが、「農事組合法人 福谷の郷」では、その受入れも行っておられます。私たち「北船路米づくり研究会」の学生たちも、授業がなければ応援にかけつけています。
■昨日の子供神輿の行事は、国の「中山間地域直接支払制度」における「多面的機能増進活動」の一環としても行われました。この支払い制度に関係する団体が「北船路 中山間地域管理組合」です。この制度は、農業生産条件が不利な状況にある中山間地域等の農業生産の維持を図りながら、多面的機能を確保するために平成12年度から導入されている制度です。村としても国が制度的に用意した農政のメニューを積極的に活用しながら、努力されているのです。今回の子供神輿は、村の側からの提案でした。
■2012年から始まった「かかし祭」は、今年で3年目になります。また毎月1回開催している(4月と9月除く)「北船路野菜市」も、2012年から始まり、今年の8月で第30回目になりました。「北船路米づくり研究会」は、ひとつのゼミが行っている拙い活動にしかすぎませんが、少しずつ地域の「食・農」に関わる多様なステークホルダーの皆さんとの連携(地域のネットワーク)が深まってきています。
●北船路の指導農家および協力農家の皆さん。
●「農事組合法人 福谷の郷」と「北船路 中山間地域管理組合」の農家の皆さん。
●「みつばち保育園」の園児と保護者の皆さん、そして保育士の皆さん。
●月1回開催の「北船路野菜市」を応援してくださっている中心市街地の「株式会社 まちづくり大津」と「大津百町館」の皆さん。
●北船路の野菜を楽しんでいただいている中心市街地の消費者の皆さん。
●北船路の野菜や米をメニューに使っていただいている大津駅前の居酒屋「利やん」、そして京都四条の「串かつ おばんざいの店 とんとん」の関係者やご常連の皆さん。
●北船路産の酒米をつかって純米吟醸酒「北船路」を醸してくださっている大津街中の平井商店さん。
■私の個人的な思いですが、いつか研究会が、地域社会の「農」「生業」にかかわる皆さんと龍谷大学内の様々な資源とをつないでいく役割(地域づくりのハプ機能)をも、一定程度果たしていけたらなあと思っています。瀬田キャンパスにある理工学部、来春開学する農学部だけでなく、深草キャンパスの学生や教員の皆さんとも連携していければと思っています。実際、少しそのような連携のお誘いも受けています。近畿大学農学部の「近大マグロ」のようなものはありませんが、このような地道な活動のなかで形成される地域と大学間の厚い広がりをもったネットワークこそが、龍谷大学の「売り」になるのだと思うのです。もちろん、「北船路米づくり研究会」がそのようなレベルに達することは、まだまだ先のことでしかありません。
■今後も、多くの関係者の皆様からのご支援のもと、多様な連携のなかで「北船路米づくり研究会」の取り組みを展開してまいります。
第3回「かかし祭」開催しました!!
■第3回「かかし祭」を、昨日8月31日に、大津市八屋戸にある北船路集落で開催しました。北船路の「農事組合法人 福谷の郷」、「北船路 中山間地域管理組合」、「北船路子供会」の関係者の皆さんには、ご協力とご支援をいただき心より感謝いたします。
■「北船路米づくり研究会」の学生たちは、前日30日から北船路に入り、「かかし祭」の準備を進めました。この「かかし祭」は、2012年から開催していますが、その究極の目的は、「都市の消費者と農村の生産者の顔の見える関係づくり」にあります。第1回目から、中心市街地にある「みつばち保育園」の園児・保護者・保育士の先生方、そして大津駅前の居酒屋「利やん」や京都四条の「串かつ おばんざい とんとん」のご常連および関係者の皆様にご参加いただいています。今年は、地元「北船路子供会」の子供神輿が、北船路の棚田をのぼりました。子供会のお子さんたちに加えて、「みつばち保育園」の園児さんたちも参加されました。また、数十年前になくなってしまった「虫送り」の行事の再現も行われました。
■はたしてどうなるのか…と心配していた学生たちの運営も、なんとか無事にうまくいきました。「北船路米づくり研究会」の活動はゼミ生による活動であり、個人の自由意志のもとで運営されています。もちろん、ゼミの活動だから…ということで、ゼミ仲間との付き合い…という感じで隅っこのほうに参加している学生もいるかもしれません。様々な動機で参加しており、活動に対する熱心さにも差があります。その一方で、地域の皆さんと連携しながら、学外で行う取り組みについては、チームとして一定の結果が求められますし、個々人の責任感も求められます。そのためには、当然のことながら集団としての能力(チーム力)が必要になります。指導する教員としては、集団の凝集性を高めていくことや、集団としての能力(チーム力)を高め、それを継承していくことの難しさをいつも感じています。とはいえ、前日のミーティンクでは、良い意味での緊張感が感じられました。それぞれが、「かかし祭」全体のなかで自分が何をすべきなのかをきちんと理解し、チーム全体で「かかし祭」を成功させようとする気持ちから生み出される緊張感です。とはいえ、北船路の関係者の皆さん、そしてご参加いただいた皆さんのご協力とご支援があったからこそ、なんとか無事に終えることができたわけです。
■「かかし祭」では、大津から伊吹山まで広がる琵琶湖のパノラマ風景を、棚田のてっぺんから堪能したあとは、保育園グループと一般参加者グループに分かれて村内ツアーに出発します。一般参加者のグループでは、まず「龍大米」を生産している現場を訪れました。「龍大米」(天日干し)は、今年の秋の「北船路野菜市」で販売する予定になっていますが、その生育状況をご覧いただきました。そのあとは、「龍大芋」(里芋)の畑、そして純米酒「北船路」の酒米を生産している水田を見ていただきました。酒米の水田では、参加者の皆さんに純米吟醸酒「北船路」の試飲もしていただきました。そして、「北船路野菜市」に野菜を出荷していただいている協力農家の畑を訪ね、お話しを伺いました。野菜のプチ収穫体験もさせていただきました。最後は、琵琶湖畔にある指導農家である吹野さんの宅の庭で、BBQの交流会を楽しみました。保育園グループも、園児さんたちが田植を体験した水田、里芋畑を見学したあと、同じく、吹野さんのお宅の庭でお楽しみ会をもたれました。
■今回は、研究会OBも参加してくれました。昨年のリーダーで、今年の3月に卒業して姫路で働いている枡田くんです。しかも、仕事の関係で交流会には参加できず、ツアー終了後には姫路に帰宅しました。枡田くんは、第1回目の「かかし祭」から参加しています。この農村-都市交流イベントに対する強い思いがあるのでしょう。実は、第1回目のときのリーダである岩崎くんも参加したかったとのことですが、名古屋在住で仕事との調整が難しく、来ることができませんでした。岩崎くんは第1回目のリーダーですから、「新しく立ち上げる苦労」がありました。大変だったと思います。枡田くんは、岩崎くんをサポートしながら、その苦労を経験しています。だからこそ、2人は遠くから後輩たちの活動を心配してくれているのです。こういう卒業生が彼ら以外にもたくさんいます。そういう先輩たちの存在を、心の底から嬉しく思っています。卒業生の皆さん、今回は来れなくても、何かの気楽に機会にやってきてください。
【追記1】■学生にこう尋ねました。「それにしても、地域の皆さんは、私たちのような拙い活動に、よくおつきあいしてくださっているな~と思ったことはありませんか」。学生の皆さんには、「ご縁」と「感謝の気持ち」を大切にしてほしいということです。なんだか宗教っぽい感じに聞こえるかもしれません。実際、龍谷大学に勤務して、浄土真宗のことを自分なりに勉強しつつ、地域づくりや地域活性化について考えたり活動したりするうちに、そう思うようになりました。ただし、大切な「ご縁」に気がつくって、なかなか難しいことなのです。自分が活かされている、あるいは自分を励ましてくれている、支えてくれている「社会的ネットワーク」…といってもよいのかもしれません。その「ご縁」に支えられていることがわかってきたとき、自然に「感謝」の気持ちになれます。人は1人ではなにもできません。そうすると、すごくハッピーな感覚で心が満たされます。また、一方的に活かされているだけでは、済まなくなります(ある意味で、自分だけ得をしておくことはできなくなります)。このあたりが大切なことかなと思います。
■これは「贈与論」にもかかわる問題です。「贈与論」などという言い方はされませんが、地域づくりに取り組んでおられる方達がよく言われる「街のため」「村のため」にという発想も、同様の意識にもとづいておられるように思います。けっして、「街のため」「村のため」に嫌々渋々地域づくりに取り組まれているのではありません。また、単純に、個人的な充足感や達成感を求めて地域づくりに取り組まれているのでもありません。大津の中心市街地でお世話になった方がおっしゃっていましたが、「街が自分を育ててくれた。こんどは、自分が街のお世話をする番だと思って…」。ここには、世代を超えた「贈与」の論理を垣間みることができるのです。
【追記2】■「北船路米づくり研究会」は、ゼミ活動の一環としておこなわれていますが、ゼミの評価とは関係ありません。また、単位にもなりません。このような事業に取り組むためには、「この事業が将来このように発展していって、地域社会が、将来、こういうふうになっていったら素敵だなな!!」という夢やビジョンが必要です。もちろん、自分たちの学年の代でできることには限りがあるので、「今はこんな小さなことしか(小さなモデル)できないけれど、これから引きついでくれる後輩たち、さらにはまだ見ぬ遠い将来の後輩たちが、この事業をさらに発展させていってくれる」という信念や信頼が必要になります。心配して様子を見に来てくれた卒業生の枡田くんや、後輩の活動を気にかけてくれている卒業生の皆さんは、おそらく、こういう考えをもっていてくれていると思います。だから、今でも後輩たちの活動を見守ってくれているのかなと思います。
■もうひとつ。この研究会の指導をしてくださっている農家の吹野さんからは、次のような話しを聞かせてもらいました。1人の3年生(男子)が、吹野さんにこのような話しをしてくれたというのです。その3年生も、他県の農村部の出身です。その農村部も北船路と良く似たコミュニティであると言う話しから、しだいに彼は夢を語りだしたそうです。自分は、地元を離れていても、将来の地元のために頑張れるようにこの研究会で経験を積んでおきたい。そして、地元の友人知人に対しては、「必ず地元に役立ついろいろな経験と知識を持って帰るから、待っておけ!」という気持ちなのだと眼をキラキラさせて語ったそうです(これは吹野さんの表現)。吹野さんは、ご自分の若いころの気持ちと似ているところがあると、とても喜んでおられました。交流会でアルコールが入っているとはいえ、なかなか頼もしいではありませんか。ここには、地元の課題に対するビジョンはまだ曖昧であるにしろ、確かな夢はありますね。こういうパターンも、素敵だなと思っています。